あらすじ
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か……。
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Posted by ブクログ
碓氷優佳は嫌いだけど、このシリーズは大好きです。
矛盾をはらんだ言葉だけど、真実だからしょうがない。
今回の話は、男の復讐のために女友達を殺す話。
主人公が女性だから、ちょっと気持ちの落ち着け方が演技がかっていて笑える。
犯人を応援したくなる稀有なシリーズだけど、
今回は夏子逃げ切れ!と思う。
むしろ夏子以外は全員私的にはいけすかない(笑)
でもうまくできてるんだよなあ。
犯人が最初から分かっているのにすぐ逮捕といかず学級裁判にかけるのもゾクゾクする面白さ。
同じ女だからわかるけど、女の怨恨って根深いのよ。
そう考えると、ラストからの展開はさいっこう……!!
優佳はふつうにお前これは言っちゃいけないだろってことも平気で言うけど、夏子はそれを受け入れてるからまあ許す。
最期の美しさすら負けたのはどう思うのだろう。生者が正というなら、ラストシーンはなんともいえない。
とにかく好き。
続きが気になって次の日の仕事もそわそわしちゃうシリーズに今年も出会えた喜び。去年は中山七里の御手洗シリーズと十二国記だったな。
Posted by ブクログ
2018年15冊目。
碓氷優佳シリーズ3冊目。
「扉は閉ざされたまま」「君の望む死に方」と読んできたけどコレがいちばん面白かった。
被害者に勝ったつもりでいたのに実は殺した相手の方が上だった・・なんてホントキツイ。
毎回思うけど、碓氷優佳自身が純粋な探偵じゃないところがいい。好きにはなれないけどw
それにしても今回のラスト、やっぱり知っていたのかな・・と考えると恐ろしくなる。
Posted by ブクログ
受動的又はダイイングメッセージを辛うじて残す被害者は多いですが、攻撃的なメッセージを絡めていった被害者はそれ程多くないと思います。
攻撃的被害者って造語を作りたいくらいです。
Posted by ブクログ
「…どちらかといえば、〇〇さんの計画が成功してほしかった気もします。その方が、美しいから」という言葉にゾッとした。
犯人に感情移入こそしないけれど、「あなたの方が死ねば良かった」と言っているに等しい、碓氷優佳の冷たさに痺れた。早く他のシリーズも読みたい。
Posted by ブクログ
碓氷優佳シリーズの第三弾。
倒叙ミステリーは犯人が完璧(だと本人は思っている)な計画を何も知らない被害者がはまってしまうというのが定石だが、今回はそんな思い込みを利用したミステリー作品だと感じた。夏子が完璧な計画を立てたつもりが姫乃がそれを凌駕した計画を立て、自分が死のうが生きのころうが関係なく夏子が破滅するように仕組んでいたところに女の執念を感じた。そして最後のシーンはそんな彼女の執念が最大限に現れていて凄い後味を残したと感じた。
今回の小説をアニメ化したときの声優陣を自分なりに考えたので読むときの参考にしてください。
碓氷優佳:沢城みゆき
堀江比呂美:雨宮天
中条夏子:悠木碧
黒羽姫乃:上坂すみれ
山縣一二三:中田譲治
山縣邦恵:井上喜久子
花村哲子:くじら
花村良太:斉藤壮馬
寺田善行:安元洋貴
Posted by ブクログ
前作同様、未だ発生していない事件の真相を看破するという倒叙ミステリーで碓氷優佳シリーズ。
今作は正直謎解きはどうでも良く、美しい殺人計画に心酔し、犯人が誰であろうがどうなろうが知ったことではないと振る舞う、優佳の悪魔っぷりに痺れまくる。
事件を紐解くのではなく、美しい殺人計画を紐解くことに喜びを感じるその悪魔っぷりに。
犯人が警察に捕まろうが、死のうが知ったことではないというドライなスタンスで。
死のうが知ったことではないという所がラストに繋がるわけなのだが。
探偵っぷりとしては、むしろ第一作の方が際立っていたように思う。
個人的にはこのシリーズはどんどん優佳が悪魔的になっていって欲しい。
次回作の悪魔、碓氷優佳が楽しみだ。