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そのテロ組織の名は「V(ブイ)」。目的は、流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせ、その転覆をめざすこと。メンバーは平日、一般人を装い、週末だけミッションを実行。各人はコードネームを用い、お互いに本名も素性も知らない。僕――片桐も組織の一員で、平日は30代前半の会社員、週末はコードネーム「春日」として活動している。この週末、兵器製造のため軽井沢の施設に招集されたのは僕を含め八人。見た目は60代から20代まで、やはり週末テロリストの男女が召集された。施設は表向き企業の研修所となっており、外部からの侵入は不可能。出入りの際は、八人のメンバーの掌紋認証が記録される仕組みになっている。今回のミッションは、<子供>という切り口から、政府を揺さぶり、言わずもがな流血や殺戮をしない<兵器>を製造することだった。僕たちメンバーによる侃侃諤諤の作戦会議が終了し、兵器製造に取りかかっている最中、メンバーの一人が扼殺される事件が発生した。施設は部外者の侵入は不可能、テロリストが警察を呼ぶわけにはいかない。犯人はメンバー七人のうちの誰かだが、お互いに素性を知らないメンバー間でなぜ殺人が起こるのか、誰も動機を説明できない。肝心の探偵役は不在、つまり全員で推理をするしかない。そして組織の<兵器>製造命令は絶対。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、閉鎖状況で犯人推理の頭脳戦が始まった――。
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年09月05日
普段は一般人と同じように生活をし、決められた週末にのみテロ活動を行う反政府組織。
お互いのコードネームしか知らないメンバーだが、同じ目的に向かい日々活動に励む中で、結束力は上がっていた。
珍しくグループ全員が集められた任務の夜…メンバーの一人が死体となって発見される。
誰かに殺されたことは明らかだが...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月22日
テロリストシリーズの第二弾
今回は連作短編ではなく長編
軽井沢の別荘が舞台でした
任務のために集まったメンバー内で起きた殺人事件
事件は忘れて任務を遂行しろと・・・
そして翌週また・・・
犯人はいったい誰なのか、気になって先を読まずにはいられないまた読みやすいのでどんどん進みました
そして結末・・・...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月27日
小説
テロ組織内部で殺人事件が起きた。この組織のメンバーは、平日は一般人を装い、週末だけ作戦を実行。互いの本名も素性も秘密だ。外部からの侵入が不可能な、軽井沢の施設に招集された八人のメンバー。発生した殺人の犯人は誰か?テロ組織ゆえ警察は呼べない。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人探求...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月12日
反政府テロリストの「兵器」考案中に起きた殺人。相変わらず閉鎖空間の作り方はうまい。
誰が?なぜ?殺したのかという謎よりも、反政府活動の詳細やメンバーの考え方の描かれ方が興味深い。「組織」に属しているが故の考え方が鍵になるのはわかるが、動機は共感しづらいな。
でも、なんだかんだで楽しんで読んでしまった...続きを読む
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