【感想・ネタバレ】あなたには、殺せませんのレビュー

あらすじ

「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」――そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!/【目次】「五線紙上の殺意」高校時代の同級生とコンビで音楽活動をする有馬駿。その相方に裏切られた恨みを晴らすために相手を殺すと心に決めている。/「夫の罪と妻の罪」夫が人を殺す瞬間を目撃した妻は、事件が発覚する前に夫を殺し「殺人犯の妻」となるのを避けようとする。/「ねじれの位置の殺人」服部建斗は思いを寄せていた女性を水難事故で失った。彼女が増水した河川敷から逃げ遅れた原因が双子の姉にあると考えた彼は、復讐を誓う。/「かなり具体的な提案」パートナーに暴力を振るわれていた英会話教室の講師を見捨てて死なせただけでなく、その責任を擦り付けてきた知人に、日下部渉は殺意を募らせる。/「完璧な計画」同性の恋人が世間の目を気にしてお見合い結婚をすることになった目黒恵利。見ず知らずの男性に恋人を奪われる現実に耐えられず彼女の殺害を目論む。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

犯罪発生を未然に防ぐNPOで殺人したい気持ちを相談するはずが……という倒術ミステリ。石持浅海は本当に変則ミステリが上手いよね! 話のバランスもとても良くて、好き。

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2025年05月04日

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人を殺したいと思っている人物が、殺人計画を実行する前に、相談員が計画の欠点を指摘し、殺人を未然に防ぐ、新しい視点のミステリ。優秀な相談員が相談者の計画に反論する様は、名探偵が犯人を指摘する構図に似ている。また、どれも意外な形で伏線が回収され終わりを迎える、どんでん返しとしても楽しめる作品。

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2024年12月09日

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ネタバレ

面白かった〜!







最初は名探偵が殺人犯を追い詰めるように殺人を未然に止める話かと思いきや
初っ端から裏切られ
またしてもこう来たか、が続き
最後まで楽しめました!
含みのある言い方が、結局示唆してるようにしか感じられないけれど
これで本気で相談員が善意で殺人を止めた気になっていたらそれはそれで面白いな(笑)

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2024年08月08日

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石持浅海さんらしい文章と構成で楽しく読み切りました。
殺人を計画している人たちの相談に乗って不可能であることを証明し、殺人自体を未然に防ぐ団体の物語。
その団体の本当の意味や相談者の受け取り方次第で事件がおかしな方へ向かっていく怖さが癖になる作品です。
気軽に読める内容なのに、少しイヤミスっぽい人間の怖さなんかも楽しめる作品でした。

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2025年11月06日

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ネタバレ

自分が悩んでいるときに陥る視野の狭さや思い込みを思い出した。
相談者目線で話が進むので余計に思い出したのかもしれない。
タイトルはフラグだったな。
各話の途中でこうなるかもと推測できたりするけど、そうなってほしくない気持ちを抱えたまま読み進めた。

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2025年04月12日

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犯罪予備軍たる、犯行計画を考える人たちの、犯行を防ぐ窓口NPO法人。いかなる犯罪計画も不備をついて、殺意を防ぐことができるのか。

短編集なのに、一つ一つの物語が濃く、結末が予想外すぎて、毎回うなってしまうほど納得。設定自体も、殺人未遂車の、相談窓口と言うところも面白い。シリーズ化してほしい。

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2025年01月24日

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ネタバレ

犯罪者予備軍の駆け込み寺
殺人の意思がある人のお話5選

人を殺しておいて、自分は今までどおりの暮らしを続けるっていうのは難しいんだねー
5つの話の中でも、計画がうまくいったのは自分にも被害があるパターン。

こちらが殺害を企んでいるとき、向こうもまた殺害を企んでいるのである…

真っ当に生きていくのがどれだけ幸せなことなのか
よくよくわかりました。

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2024年12月27日

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相変わらず面白かったです!
雑誌ですでに読んでましたが、本になったので読み直しました!
新しいタイプの話で大好きです。
シリーズにして欲しい。

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2024年10月31日

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ネタバレ

 自分は本気で誰かを殺したいと思ったことはないし、もちろん殺したこともないが、計画的に人を殺すというのはかなりのエネルギーを要する行為だろうと想像する。だからこそ、この相談員は指摘する。あなたには、殺せません。

 犯罪者予備軍が相談に訪れるというNPO法人。迷える犯罪者予備軍の話に相談員が耳を傾け、犯行を思いとどまらせるのだという。本作収録の5編は、いずれも殺人予備群が登場する。殺人願望に応対するのは、いつもあの男。

 この相談員、バカなことはやめなさい、などと感情に訴える訳ではない。誰を殺したいのか? あなたとの関係は? 動機は? 殺害手段は? 淡々と聞き出した上で、計画の穴を指摘する。訪れた殺人予備群たちも、言葉に詰まる。

 現実に、捕まることなく知り合いを殺すのは困難だろう。やっぱり無理ですね。相談者たちは納得する。おわかりいただけましたか。相談員は満足気に言う。そして迷える殺人予備群は帰っていく。めでたしめでたし…。

 もちろん、石持作品であるから、そんなわきゃーないわけで…。

 固定フォーマットという側面はあるものの、殺人予備群たちが、相談の結果、どう行動し、どんな結果を生むかにバリエーションがあるのがミソ。もう書いてしまうが、結局全員、殺人を実行に移す。どいつもこいつも、短慮でいいねえ。

 登場人物の誰にも共感させない石持作品の持ち味を発揮しつつ、ピリリとひねりが効いているとでも言おうか。殺し屋シリーズのようなシリーズ化の需要があるのかどうか知らないが、続編が出るなら付き合ってもいいかな。

 殺人専門(?)相談員の男が言う通り、殺人なんてやめておいた方がよい。しかし、この男、本当に殺人を思いとどまらせる気があるのか? この男、というよりこのNPO法人は、実は犯罪者予備軍の背中を押していたりして。

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2024年08月10日

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犯罪を考えている人を犯罪を犯す前に相談してもらい止めることを目的としたNPO法人。
相談者からどんな経緯でどんな犯罪をするつもりということを聞いた上で、相談に乗って、その後にどうなったかという話がいくつか入った短編集。
まず最初の1話でそうなるんだ!という展開であり、その後もこんな感じのストーリーとなるんだろうなと予測しながら読め、読み応えのあった作品。
1話目以降はなんとかく先が読めるものの楽しく読めたので満足できる作品です。

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2024年07月14日

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 いつものようにひとすじ縄ではいかない。しかも、今回は、けっこうバライティというか、色々なパターンを準備している。

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2024年06月11日

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 さるNPO法人創設の相談室。受けるのはただの相談ではない。
 そこは、犯罪を犯すしか解決の道がないとまで思い詰めた人たちに寄り添い、犯行の是非をともに考えてくれる機関。謂わば駆け込み寺である。
 その中でも殺人の相談を担当する1号室を訪れた人たちの選択とその後の顛末を倒叙形式で描く、連作短編サスペンスミステリー。
          ◇
 「それでは、ご案内しましょう。こちらです」
 事務員の女性に案内され、有馬駿は長い廊下を進む。いくつものドアを通り過ぎ、最奥のドアの前で女性が立ち止まった。ドアには「1」というプレートがかかっている。
 案内を終えた女性が立ち去るのを見届け、有馬はインターホンを押した。そして「どうぞ」という声を聞き、重いドアを開け室内に足を踏み入れた。

 相談員は細面に細いフレームのメガネを掛けた中年らしい男で、紺色のジャケットと白いワイシャツに紺色のネクタイ、グレーのパンツという服装の、どこにでもいる地味な会社員に見える。
 天気の話から入ったが、ニュースを読むアナウンサーのような、明瞭だが感情のこもらない話し方をする相談員だと有馬は思った。

 着席した有馬に相談員は確認するように言う。
 「さて、ドアには『1』とあったと思います。1号室は人を殺めようとする人が入る部屋です。あなたは、どなたかを手にかけようと考えておられる」
 そのあまりにも淡々とした口調に拍子抜けした有馬は、「あ、はい……」と思わず軽い返事をしてしまったが、相談員は静かにうなずいただけで、部屋の完全防音のことや録音録画はしていないこと、ここでの話は他言無用であることなどを説明していく。

 そして相談員は、おもむろに「相手はお知り合いですか?」と質問し、カウンセリングを始めたのだった。 ( 第1話「Case1 五線紙上の殺意」) ※全5話。

      * * * * *

 いろいろとおもしろい設定でした。

 何より相談室のコンセプトが秀逸です。
 「悩める犯罪者予備軍」の相談に乗るというものですが、それがなかなか変わっています。

 殺人を思い留まらせようとすることはするのですが、悩みの元を解決できるような方法をともに考えたり提示したりしてくれるのではありません。倫理的な観点から殺人を犯すことの非を説くわけでもありません。
 相談員が主として行うのは、相談者が描く殺人計画についての不備やリスクをビシビシ指摘することです。そして、これでは必ず逮捕されますと釘を刺し、だからこの計画は諦めなさいと言うのです。
 
 2つ目は、相談者の反応と選択。これが味わい深い。
 相談員に殺人計画の甘さを容赦なく指摘され、実行すれば必ず身の破滅に繋がると認めざるを得なくなった相談者たち。皆一様に、ワリに合わないことは諦めますと言って辞去します。
 ところが、後で気づくのです。
 ならば、不備をすべてなくせば殺人は成功するのではないかということに。
 こうして相談員の指摘を参考に計画を練り直した相談者たちは、ターゲットの殺害に踏み切るのですが……。

 3つ目は、このNPO相談所の関係者の正体がまったく明かされないというところ。これはこれで、いろいろ想像できて却ってよかったと思います。
 何か腹に一物ありそうなオーナー。にこやかで丁寧だけれど妙に影が薄い女性事務員。そして、穏やかな物腰なのに人間味をまったく感じない1号室の相談員。やはり気になります。 ( 他の犯罪を担当する相談員や相談の様子もぜひ知りたく思いました。)

 最後に、相談者たちのたどる運命。その人間ドラマがまたよかった。
 本編で登場する相談者たちは、それぞれ万全を期して入念に立てた計画を実行します。けれど、その時のめぐり合わせによって明暗の分かれる結果となるのです。悲喜交々。まさに人生の縮図です。
( 完全犯罪に成功する相談者がいるのもすごい。計画を練り直したかいがありますね。)

 他には、こんなことで殺人を決意するのかと思ってしまうパターンの話も複数あり、人間は誰でも思い込みによって視野が狭くなるということを改めて感じました。

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2024年06月10日

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罪を犯すかを悩んでる"犯罪者予備軍"の人たちの駆け込み寺と言われてるNPO法人。NPO法人の相談員に相談して罪を犯さないようにする、が目的なんだけど、読んでて何かおかしいと思った。この相談員はプロの殺し屋かな?と思えて、更に怪しい。
確かに相談者たちの言うことを否定はしてる。
でも、「?」となり「おや?」、「おやおやおや?」、「え〜‼︎」、「そっち〜‼︎」というオチ。騙された感じでこれはどんでん返しなのかな?
相談員の言葉をよく聞いてどう捉えるかによって、相談者たちの今後が決まる。吉と出るか凶と出るかは本人次第。この相談者はどうするのかを最後に分かるけど、そこが面白い。

この作品を読んでて、今の私の状況そのものだと思いました。今度、仕事の内容が変わるので同僚たちと猛勉強中。この前説明会に出席したんだけど、講師はただ解説本を朗読してるだけで何の説明もなし。全く分からない。その時貰った解説本を自分たちで読んで何とかしないといけない。毎日、みんなであーでもない、こーでもないと議論してる。難しく書いてあるし、専門用語ばかりで読み込めば読み込むほど分からなくなる。でも、「ここの文章はこういう解釈でいいのでは?」とか「ということはその逆はいいってことだよね?」ということが出てきて、こういう言葉はあまり使いたくないけど、"抜け道"を見つけることができた。こういうのが似てると思いました。

この作品に登場する"相談員"か職場に来てくれないかな。色々指南してほしい。

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2024年04月13日

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犯罪を考えている人の相談にのるNPO法人、その中でも一号室は人を殺めようとする人が入る部屋。完全防音、録画録音なし、相談員は細身で特徴のない男性。五つの短編では、いつもその部屋で相談する。そして、相談者はアクションを起こすのだけれど…。
毎回、相談員が的確な回答するので、推理小説マニュアルっぽい印象を受けて、新鮮に面白かった。相談員から考えていることに的確な分析を受けながらも、相談者はアクション(つまりは殺人)をするのだが、結末も色々で、あー、今回はこんなオチかぁと、楽しめました。
殺人計画だらけなので、中学校以上。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯罪予備軍の駆け込み寺のNPO法人。その相談室「1」に案内されるのは「人を殺したい」という希望をもつ者だった。中にいる無表情な相談員。その室内でどのような会話がされているのか…

1 五線紙上の殺意
 音楽活動で成功した有馬はパートナーの福留を殺したい。福留は有馬の作曲を盗んで才能を潰そうとしていることに気づいたからだ。有馬は福留を殺したいが、警察に捕まりたくはない。警察に捕まらずに済む福留の殺害方法を考えていくが、相談員に次々と反論される。殺害を思いとどまるしかないか、と思うが…

2 夫の罪と妻の罪
 「わたし」は三ヶ月前から高校の恩師と不倫関係にあった。先日、夫が恩師を殺害したのを目撃。「わたし」は殺人犯の妻にならずにすむために夫の殺害を考えるようになった。駆け込み寺で相談したが、殺人ではない方法で夫の破滅に巻き込まれない方法を薦められた…


3 ねじれの位置の殺人
 服部は同じサークル仲間の大学生同士で行ったキャンプで片想いだった花梨を事故で失う。花梨を死なせた切っ掛けを作った彼女の双子の姉妹 木乃美を殺そうと考える。しかし花梨が亡くなったことで疎遠になった木乃美と接触することも、人知れず殺害することも難しいと相談員に諭される。
 窪田は木乃美のために服部を殺そうと考える。木乃美が花梨の死の切っ掛けと作ったことを服部が思い出したら、と考えたからだ。しかし人知れず服部を殺害することは難しいと相談員に諭された。
服部は窪田と木乃美を誘って、花梨の一周忌に事故現場に向かう…

4 かなり具体的な提案
 日下部は以前、通っていた英会話教室で一緒に学んでいた岡垣を殺したいと考えている。英会話教室の教師だったアメリカ人女性をDVから救う活動から日下部が手を引いたと仲間に嘘を吹き込み、救うために託したお金を岡垣が着服し、そのために教師は死んだ。
日下部はなんとか岡垣を殺したいが、岡垣はボクシングをやっていて、まともにやれば勝てそうもない。
相談員は教師を救うために依頼していた弁護士に連絡をとり、岡垣からお金を貰っていないことを証明して貰って、岡垣の不実を当時の仲間に伝えて名誉を回復してはどうか、と話すが…

5 完璧な計画
 同性愛者の恵利は恋人の佳央里を殺したい。佳央里が故郷で結婚することになったからだ。二人は釣りを趣味にしており、フグの毒で殺すことを恵利は考えている。よく練られた計画で、完璧な計画と言えるのだが、そういう時に限って人は視野が狭くなり、計画が崩れる、と相談員は釘を刺す。しかし恵利は時間をおくことなく、計画を実行してしまう…


石持さんの作品は激情に駆られて、犯行を犯す人間が少ないように思う。心理トリックを含めて、トリック重視の作風だと思う。
この作品の中で、うまくいった、と言えるのは1の五線紙上の殺意だけだ。どの話でも殺人は起こる。思いとどまる、ということはない。私は1と2の作品が好き。3は結末が予想できたし、4も何となく分かった。5もそういう結末になるだろうなあと感じたからかもしれない。

全ての作品に出てくるのが、相談室の中で飲み物を持参する、というくだりだ。何か関係があるのかな、と注意していたけれど、特には分からなかった。私が読み切れてないだけかな。

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2024年01月27日

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「五線紙上の殺意」「夫の罪と妻の罪」「ねじれの位置の殺人」「かなり具体的な提案」「完璧な計画」5話の連作短編集。石持さんの殺し屋シリーズと同じくらい面白かった!次作にも期待大!

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2024年01月01日

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いやー面白い!!
寝る間を惜しんで読みきってしまった。

殺人を考えている人の駆け込み寺のNPO法人。
ここで相談することで殺人を思い止まる、はずが、あれ?!

短編集で、それぞれ違った展開になるので、それぞれの結末でびっくりする。
相談員の感情が全くと言っていいほど感じないので、おめでたいくらい冷静で善意なのか、はたまた相当のサイコパスなのかわからない。そこがまた面白い。

続きが読みたい!

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2023年11月12日

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犯罪を未然に防ぐため、その計画を聞いて、その欠点を見つけ出すことで計画をの実行を断念させる。
設定が新しくて面白かった。
もちろん単純に計画を断念するはずもなく…そのあとの展開も様々になっているところがまた良い。面白かった。

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2023年11月08日

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殺人を引き止めるため、その予備軍から相談を受け計画のダメ出しをするNPO組織。でもその気になっちゃうとなかなか止めないんだね、といった感じの小説集です。

1話づつ捻りの度合いが上がっていくのが面白かったです。ただ結局は犯罪者が主人公なのでスカッとする終わり方をしないのはお約束と思っていてもモヤモヤした気持ちが残りました。

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらす間突拍子もないもんを書く作家さんだなぁ。一話目を読んで『いや殺すんかーい』とツッコミ、二話目を読んで『いや殺されるんかーい』とツッコミ。で、他にどんなバリエーションが出てくるのかを楽しみに最後まで読んでしまう。飽きさせない本ではある。無理がある、とも思ったけど。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

殺人を犯そうとする人が相談にやってくるNPO法人。相談員がその反抗計画の穴を次々と指摘していくという倒叙ミステリの短編集。

TVドラマを見てるかのような軽妙なテンポで読めてしまうけど、その裏には人間の底知れぬ闇が描かれているように感じてしまいました‥

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2024年12月16日

Posted by ブクログ

設定面白い!
殺人計画を話し込んで諦めさせつつ、その後絶対に殺人に行動を移しちゃうけど失敗する、っていうテンプレだけど、その展開面白かった。

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2024年09月09日

Posted by ブクログ

いっつもスマートで冷静な主人公が出てくる。今回は意表をついた設定でワクワクして読んだ。殺し屋やってます、みたいなクールな感じがいいね。

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

倒叙ミステリー…でいいのかな?
あらすじを見て、斬新だわ面白そう!と手に取った。
結末もそれぞれで、面白かった。
結構どうでもいい所に引っ掛かって、みんな飲み物お茶なんだなー。私なら午後の紅茶ミルクティー無糖、、とかしょうもないこと考えてたらそのあとブラックコーヒーとか持ってくる人出てきたんで良かった。(何が笑)
相談員の人の日常生活が気になる、頭のいい人だよなぁ。詩的な会話もこなせるし、話してみたい。
世にも奇妙な物語とかで実写化したらすごく良いな!と思った。

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2023年12月09日

Posted by ブクログ


殺したい相手がいる、けれども警察には
捕まりたくない、そんなジレンマを抱える
犯罪者予備軍の駆け込み寺のNPO法人に、
殺意を持った人が相談に行く設定が面白い。

相談に行く側は深刻で思い詰めた様子に対して、
聞く側の相談員は動じないカウンセラーようでも、
小さな穴も見落とさないやり手の銀行員のようでもあって、話す内容の重みとそれをやり取りする
人の見た目のギャップに意外性を覚える。

相談員は、殺人を未然に防ぐために訪問者の
実行を思いとどまらせようと説得するかと
思いきや、実行した時に起こるであろうことを
一つひとつ淡々と検証して否定でも肯定でもない
フラットな態度に意表をつかれて、殺人の相談
という非現実的な状況を勘違いして忘れそうに
なる錯覚感がおかしかった。

・五線紙上の殺意→なんだか小狡い
・夫の罪と妻の罪→そうきたか
・ねじれの位置の殺人→やっぱりね
・かなり具体的な提案→バカだなぁ
★完璧な計画→うーん、そうなるよね




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2023年12月09日

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「素人が考えたそれなりに説得力のあるトリックの穴を相談員が指摘していく」といったものかと思ったら「殺人に対するリスクとリターンや警察の有能さで説得+ちよっとした捻り」な内容で少しがっかり。

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2023年11月17日

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ネタバレ

殺害の計画を、相談者と一緒に練って(NPOは別に練ってるつもりはないのだろうけど)のいざ実行段階!の段階は毎回わくわくした。
ただ毎回それまでの同じでちょっと中弛み感はあったかな…
そして最後の話は、絞殺はいつ死んだかわからないからと案が破棄されてたけど別にこれでいけるくない?

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

犯罪予備軍の相談窓口となって犯罪を未然に防ごうというNPO法人が舞台の短編集。相談員は相談に来た人々の犯罪計画を聞き、その穴を指摘していく。不備を突かれた人々は果たして犯罪を諦めるのか…
この著者らしく風変わりな設定。相談者の殺意というか動機は共感できないが、5つの短編がそれぞれ異なるテイストの結末になっているのが面白い。相談員の真意も謎。
あとすべて1号室の話だが、それ以外の部屋はどんな犯罪の相談窓口なのか気になる。

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

殺人を犯すか悩む人がやって来るNPO 法人。
殺害計画を細かく検証し、失敗するリスクを挙げていく。それで相談者に「危険で割に合わないな」と思わせて諦めさせる。
そのはずなのだけれど、どう読んでも殺害計画に穴がないかの答え合わせをしているようにしか見えない。本当に止めようと思っているのか分からないから面白い。
「ねじれの位置の殺人」、3人のうち2人は自分のためだから同情の余地はないけど、1人は人のために計画したのに。。。

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

石持浅海らしい石持浅海作品。短編集で読みやすい。背景設定は同じだけど繋がっていることもなく、最後になにかあるわけでもない。期待を超えてくることはないけど面白くないわけでもない、そんな感じ。

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2023年10月21日

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