【感想・ネタバレ】あなたには、殺せませんのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年08月14日

殺人予備軍である相談者が足を運ぶNPO法人での、相談員との会話からその犯罪を未然に防ぐ(?)ストーリが展開される傑作短編集。斬新な切り口と、短編には必要不可欠な冒頭からすっと物語に入っていける語り口は相当なもの。どの作品も冒頭から同じような流れで進みながら、終わり方が絶妙に相違するところも流石だ。た...続きを読むだ残念なのは、どの相談者も殺人の動機と執念があまりにも希薄で共感できないところ。ハウダニットの粗を探すミステリーとはいえ、ホワイダニットに手を抜かれては片手落ち感残る。とはいえ面白かったのは事実で、別作品も読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

罪を犯すかを悩んでる"犯罪者予備軍"の人たちの駆け込み寺と言われてるNPO法人。NPO法人の相談員に相談して罪を犯さないようにする、が目的なんだけど、読んでて何かおかしいと思った。この相談員はプロの殺し屋かな?と思えて、更に怪しい。
確かに相談者たちの言うことを否定はしてる。
でも、「?」となり「お...続きを読むや?」、「おやおやおや?」、「え〜‼︎」、「そっち〜‼︎」というオチ。騙された感じでこれはどんでん返しなのかな?
相談員の言葉をよく聞いてどう捉えるかによって、相談者たちの今後が決まる。吉と出るか凶と出るかは本人次第。この相談者はどうするのかを最後に分かるけど、そこが面白い。

この作品を読んでて、今の私の状況そのものだと思いました。今度、仕事の内容が変わるので同僚たちと猛勉強中。この前説明会に出席したんだけど、講師はただ解説本を朗読してるだけで何の説明もなし。全く分からない。その時貰った解説本を自分たちで読んで何とかしないといけない。毎日、みんなであーでもない、こーでもないと議論してる。難しく書いてあるし、専門用語ばかりで読み込めば読み込むほど分からなくなる。でも、「ここの文章はこういう解釈でいいのでは?」とか「ということはその逆はいいってことだよね?」ということが出てきて、こういう言葉はあまり使いたくないけど、"抜け道"を見つけることができた。こういうのが似てると思いました。

この作品に登場する"相談員"か職場に来てくれないかな。色々指南してほしい。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

犯罪を考えている人の相談にのるNPO法人、その中でも一号室は人を殺めようとする人が入る部屋。完全防音、録画録音なし、相談員は細身で特徴のない男性。五つの短編では、いつもその部屋で相談する。そして、相談者はアクションを起こすのだけれど…。
毎回、相談員が的確な回答するので、推理小説マニュアルっぽい印象...続きを読むを受けて、新鮮に面白かった。相談員から考えていることに的確な分析を受けながらも、相談者はアクション(つまりは殺人)をするのだが、結末も色々で、あー、今回はこんなオチかぁと、楽しめました。
殺人計画だらけなので、中学校以上。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月27日

犯罪予備軍の駆け込み寺のNPO法人。その相談室「1」に案内されるのは「人を殺したい」という希望をもつ者だった。中にいる無表情な相談員。その室内でどのような会話がされているのか…

1 五線紙上の殺意
 音楽活動で成功した有馬はパートナーの福留を殺したい。福留は有馬の作曲を盗んで才能を潰そうとしている...続きを読むことに気づいたからだ。有馬は福留を殺したいが、警察に捕まりたくはない。警察に捕まらずに済む福留の殺害方法を考えていくが、相談員に次々と反論される。殺害を思いとどまるしかないか、と思うが…

2 夫の罪と妻の罪
 「わたし」は三ヶ月前から高校の恩師と不倫関係にあった。先日、夫が恩師を殺害したのを目撃。「わたし」は殺人犯の妻にならずにすむために夫の殺害を考えるようになった。駆け込み寺で相談したが、殺人ではない方法で夫の破滅に巻き込まれない方法を薦められた…


3 ねじれの位置の殺人
 服部は同じサークル仲間の大学生同士で行ったキャンプで片想いだった花梨を事故で失う。花梨を死なせた切っ掛けを作った彼女の双子の姉妹 木乃美を殺そうと考える。しかし花梨が亡くなったことで疎遠になった木乃美と接触することも、人知れず殺害することも難しいと相談員に諭される。
 窪田は木乃美のために服部を殺そうと考える。木乃美が花梨の死の切っ掛けと作ったことを服部が思い出したら、と考えたからだ。しかし人知れず服部を殺害することは難しいと相談員に諭された。
服部は窪田と木乃美を誘って、花梨の一周忌に事故現場に向かう…

4 かなり具体的な提案
 日下部は以前、通っていた英会話教室で一緒に学んでいた岡垣を殺したいと考えている。英会話教室の教師だったアメリカ人女性をDVから救う活動から日下部が手を引いたと仲間に嘘を吹き込み、救うために託したお金を岡垣が着服し、そのために教師は死んだ。
日下部はなんとか岡垣を殺したいが、岡垣はボクシングをやっていて、まともにやれば勝てそうもない。
相談員は教師を救うために依頼していた弁護士に連絡をとり、岡垣からお金を貰っていないことを証明して貰って、岡垣の不実を当時の仲間に伝えて名誉を回復してはどうか、と話すが…

5 完璧な計画
 同性愛者の恵利は恋人の佳央里を殺したい。佳央里が故郷で結婚することになったからだ。二人は釣りを趣味にしており、フグの毒で殺すことを恵利は考えている。よく練られた計画で、完璧な計画と言えるのだが、そういう時に限って人は視野が狭くなり、計画が崩れる、と相談員は釘を刺す。しかし恵利は時間をおくことなく、計画を実行してしまう…


石持さんの作品は激情に駆られて、犯行を犯す人間が少ないように思う。心理トリックを含めて、トリック重視の作風だと思う。
この作品の中で、うまくいった、と言えるのは1の五線紙上の殺意だけだ。どの話でも殺人は起こる。思いとどまる、ということはない。私は1と2の作品が好き。3は結末が予想できたし、4も何となく分かった。5もそういう結末になるだろうなあと感じたからかもしれない。

全ての作品に出てくるのが、相談室の中で飲み物を持参する、というくだりだ。何か関係があるのかな、と注意していたけれど、特には分からなかった。私が読み切れてないだけかな。

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Posted by ブクログ 2024年01月01日

「五線紙上の殺意」「夫の罪と妻の罪」「ねじれの位置の殺人」「かなり具体的な提案」「完璧な計画」5話の連作短編集。石持さんの殺し屋シリーズと同じくらい面白かった!次作にも期待大!

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Posted by ブクログ 2023年11月12日

いやー面白い!!
寝る間を惜しんで読みきってしまった。

殺人を考えている人の駆け込み寺のNPO法人。
ここで相談することで殺人を思い止まる、はずが、あれ?!

短編集で、それぞれ違った展開になるので、それぞれの結末でびっくりする。
相談員の感情が全くと言っていいほど感じないので、おめでたいくらい冷...続きを読む静で善意なのか、はたまた相当のサイコパスなのかわからない。そこがまた面白い。

続きが読みたい!

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Posted by ブクログ 2023年11月08日

犯罪を未然に防ぐため、その計画を聞いて、その欠点を見つけ出すことで計画をの実行を断念させる。
設定が新しくて面白かった。
もちろん単純に計画を断念するはずもなく…そのあとの展開も様々になっているところがまた良い。面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年10月15日

殺人を引き止めるため、その予備軍から相談を受け計画のダメ出しをするNPO組織。でもその気になっちゃうとなかなか止めないんだね、といった感じの小説集です。

1話づつ捻りの度合いが上がっていくのが面白かったです。ただ結局は犯罪者が主人公なのでスカッとする終わり方をしないのはお約束と思っていてもモヤモヤ...続きを読むした気持ちが残りました。

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Posted by ブクログ 2023年09月12日

犯罪予備軍たちの駆け込み寺と呼ばれているNPO法人に今日も殺意を抱く人が相談にやってくる。

この相談員が冷静で鋭い。

悩める犯罪者予備軍の犯行計画の穴を次々と指摘していき、問題点を洗い出す。
そんな杜撰な計画では無理ですよと言うわけだが…。
果たして彼らの殺意は、相談員によってどうなったのか…。...続きを読む

とにかく考えられない結末で、こんな倒叙ミステリーは初めてだった。
この相談員って一体何者⁇と思わせるほどに。
もしかして一番悪意があるのはこの相談員なのかと…思いたくなるのも不思議ではない。



○五線紙上の殺意
音楽活動をするコンビに裏切られた恨みを晴らすためにしたこと。

○夫の罪と妻の罪
夫の殺害を目撃した妻が、事件発覚前に動き出すのだが。

○ねじれの位置の殺人
大学の仲間4人のうちの1人の死により、どうなったのか。

○かなり具体的な提案
英会話講師の死を知り、殺意を募らせた結果…。

○完璧な計画
同性カップルの破綻の結末。


特にねじれ位置の殺人の結末に驚いた。
ねじれてる。
どれも結末はありえないと思ったのだが、しかしよくよく考えてみれば、誰も心の中は読めないわけで殺したいと思った相手も反逆してくる可能性はある。

う〜ん。相談員さん、あなたは彼らの復讐を諦めさせたかったわけですよね、それとも…と改めて確認したくなった。

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Posted by ブクログ 2023年09月04日

舞台は架空のNPO法人。そこは殺人に手を出そうか迷っている犯罪者予備軍の駆け込み寺。犯行計画を聞いた相談員が次々と穴を指摘していくという形式で徹頭徹尾ハウダニット(と少しホワイダニット)に主眼が置かれた変則的な倒叙ミステリー短編集。倒叙ではあるが、犯行は防がれたのか?それとも実行されたのか?は各話の...続きを読む結末まで分からないドキドキ感もある。あまりにロジカルゆえ犯罪を未然に防ぎたいのか犯行計画をブラッシュアップしているのかよく分からない塩梅も面白い。

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

パチンコ屋の近くにたまたまある換金所、お風呂屋で偶然恋に落ち肉体関係になってしまう男女、犯罪計画を指摘し未然に防ぐ団体……。
世の中には不思議なことがいっぱいありますね。

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Posted by ブクログ 2023年08月12日

犯罪に手を染めようと思っている人の相談窓口、自分勝手な行動の結末はいかに #あなたには、殺せません

■あらすじ
「犯罪など起きないほうがよい」
殺人を計画する人の相談窓口には、様々な人がやってくる。自らの殺害計画を相談員に持ち掛けるのだ。相談員は罪を犯してしまわないように折衝するのだが…

■きっ...続きを読むと読みたくなるレビュー
ありえない超現実的な世界観にもかかわらず、会話のやりとりがリアルで微妙に事務的。こういう不思議な物語こそ、生の劇場で見てみたい。役者ひとりひとりの芝居に目が離せなくなりそう。

全部で5つの作品からなる短編集ですが、様々な動機や殺害計画があってニヤニヤしちゃう。そして相談員の分析が的確すぎるんですよね。確かに!と思うこともしばしば。結末にも工夫があって最後まで飽きさせません。さすが石持先生、倒叙ミステリの名手だとあらためて感心しました。

〇五線紙上の殺意
二人組ミュージシャンの思惑。
殺害の難しさを提示してくれる一作目、本設定のなるほど感もたっぷり。シンプルながら大好きな結末で、ミステリーはこうじゃなきゃね。

〇夫の罪と妻の罪
不倫が招いた夫婦の不幸。
主人公である妻の人間味と愚かさが良く描けている。完全犯罪の難しさと、自らの罪はどこに帰結するのかを提示してくれる。

〇ねじれの位置の殺人【おススメ】
大学生グループで発生した事故、その後の人間関係のすれ違い。
どんな不幸や許せないことをされても、自分本位の考えは、ろくなことにならないというアンチテーゼ。世にも奇妙な物語で映像化してほしい一作。

〇かなり具体的な提案
英会話教室の仲間の裏切りに対する復讐計画。
どんなに丁寧に計画を立てても、完全犯罪の難しさがヒリヒリと分かる作品。

〇完璧な計画【超おススメ】
大好きな主人公!頭脳明晰で行動力のある女性で、殺害方法やロジックも筋が通っていて素晴らしい。そしてなんといっても結末も秀逸ですね。

■ぜっさん推しポイント
本作の面白味は、相談員のアドバイスがいわゆる人生相談ではないというところ。悩んでいる人の心のケアをするのではなく、計画の無謀さを指摘して諦めさせるというアプローチなんです。相談員にもかかわらず、まるで温かみがないところが最高!

ただ最終話で相談者に告げる最後の一言が重いですよね。我々もたとえ犯罪に手を染めなくとも、日常生活で肝に銘じておくことです。

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Posted by ブクログ 2023年08月02日

「五線紙上の殺意」
「夫の罪と妻の罪」
「ねじれの位置の殺人」
「かなり具体的な提案」
「完璧な計画」
五話収録の連作短編集。

ピリリと毒が効いていて面白かった。

殺意を胸に秘めた人々が相談に訪れるNPO法人。
キレ者の相談員が、彼らの殺したい相手や動機、犯行計画に耳を傾けアドバイスを与える。
...続きを読む
この相談員がくせ者で強者。
犯罪の発生を未然に防ぐ事を目的にしているのかと思いきや、中々どうして想像の上をいく。

ころころと変化する状況に心拍数を上げながら、犯罪者予備軍に待ち受ける未来を見守った。

なんてこった!なバッドエンドに痺れる。

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Posted by ブクログ 2024年04月05日

いっつもスマートで冷静な主人公が出てくる。今回は意表をついた設定でワクワクして読んだ。殺し屋やってます、みたいなクールな感じがいいね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月09日

倒叙ミステリー…でいいのかな?
あらすじを見て、斬新だわ面白そう!と手に取った。
結末もそれぞれで、面白かった。
結構どうでもいい所に引っ掛かって、みんな飲み物お茶なんだなー。私なら午後の紅茶ミルクティー無糖、、とかしょうもないこと考えてたらそのあとブラックコーヒーとか持ってくる人出てきたんで良かっ...続きを読むた。(何が笑)
相談員の人の日常生活が気になる、頭のいい人だよなぁ。詩的な会話もこなせるし、話してみたい。
世にも奇妙な物語とかで実写化したらすごく良いな!と思った。

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Posted by ブクログ 2023年12月09日


殺したい相手がいる、けれども警察には
捕まりたくない、そんなジレンマを抱える
犯罪者予備軍の駆け込み寺のNPO法人に、
殺意を持った人が相談に行く設定が面白い。

相談に行く側は深刻で思い詰めた様子に対して、
聞く側の相談員は動じないカウンセラーようでも、
小さな穴も見落とさないやり手の銀行員の...続きを読むようでもあって、話す内容の重みとそれをやり取りする
人の見た目のギャップに意外性を覚える。

相談員は、殺人を未然に防ぐために訪問者の
実行を思いとどまらせようと説得するかと
思いきや、実行した時に起こるであろうことを
一つひとつ淡々と検証して否定でも肯定でもない
フラットな態度に意表をつかれて、殺人の相談
という非現実的な状況を勘違いして忘れそうに
なる錯覚感がおかしかった。

・五線紙上の殺意→なんだか小狡い
・夫の罪と妻の罪→そうきたか
・ねじれの位置の殺人→やっぱりね
・かなり具体的な提案→バカだなぁ
★完璧な計画→うーん、そうなるよね




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Posted by ブクログ 2023年11月17日

「素人が考えたそれなりに説得力のあるトリックの穴を相談員が指摘していく」といったものかと思ったら「殺人に対するリスクとリターンや警察の有能さで説得+ちよっとした捻り」な内容で少しがっかり。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月11日

殺害の計画を、相談者と一緒に練って(NPOは別に練ってるつもりはないのだろうけど)のいざ実行段階!の段階は毎回わくわくした。
ただ毎回それまでの同じでちょっと中弛み感はあったかな…
そして最後の話は、絞殺はいつ死んだかわからないからと案が破棄されてたけど別にこれでいけるくない?

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Posted by ブクログ 2023年10月28日

犯罪予備軍の相談窓口となって犯罪を未然に防ごうというNPO法人が舞台の短編集。相談員は相談に来た人々の犯罪計画を聞き、その穴を指摘していく。不備を突かれた人々は果たして犯罪を諦めるのか…
この著者らしく風変わりな設定。相談者の殺意というか動機は共感できないが、5つの短編がそれぞれ異なるテイストの結末...続きを読むになっているのが面白い。相談員の真意も謎。
あとすべて1号室の話だが、それ以外の部屋はどんな犯罪の相談窓口なのか気になる。

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Posted by ブクログ 2023年10月23日

殺人を犯すか悩む人がやって来るNPO 法人。
殺害計画を細かく検証し、失敗するリスクを挙げていく。それで相談者に「危険で割に合わないな」と思わせて諦めさせる。
そのはずなのだけれど、どう読んでも殺害計画に穴がないかの答え合わせをしているようにしか見えない。本当に止めようと思っているのか分からないから...続きを読む面白い。
「ねじれの位置の殺人」、3人のうち2人は自分のためだから同情の余地はないけど、1人は人のために計画したのに。。。

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Posted by ブクログ 2023年10月21日

石持浅海らしい石持浅海作品。短編集で読みやすい。背景設定は同じだけど繋がっていることもなく、最後になにかあるわけでもない。期待を超えてくることはないけど面白くないわけでもない、そんな感じ。

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Posted by ブクログ 2023年10月16日

様々なタイプの「あなたには殺せません」の話し。いや正確には成功例もあるが。この組織の詳細が描かれていないのはアリなのかな?

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Posted by ブクログ 2023年09月14日

いやぁ、ブラックだった。
こんなNPO法人あったら怖すぎるなぁ。
一作目が殺人に成功したので、毎回こんな感じの話?と思いきや色んなバージョンの話があって飽きなかった。
全体的本当にブラック。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月08日

犯罪者予備軍達の駆け込み寺から起こる喜悲劇。
1号室の担当者は【犯罪の穴を見つける】ことに関しては優秀かもしれないけれど、
【犯罪を止める】という面では無能すぎて笑った。

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Posted by ブクログ 2023年08月23日

ホント設定が斬新。
この人の倒叙ミステリーは飽きない。
殺人を企てる人々(犯罪者予備軍)は決行前に、とあるNPO法人を訪れる。
そこの相談員は彼らの話を聞き、犯罪計画の不完全さを次々と指摘する。
「未然防止モノかな」と思っていたら、1話目から意表を突く展開だった。
さすがです。

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Posted by ブクログ 2023年08月16日

倒叙ものを得意とする石持浅海さんの最新作。殺人を犯したいけど踏ん切りがつかない人たちが相談に向かうNPO法人。そこを舞台にした短編集。石持さんは会話の掛け合いで物語を紡ぐのが大変に上手いのだが本作は理想形かもしれない。ネタバレになるのでいけないが相談しているうちに違う側面が明かされていく過程が非常に...続きを読む愉快でこれも著者らしいブラックな笑いを生み出している。サクサクと読めてパターンも基本同じなのだが結末が違っていてその観点でも感心する。ちなみに殺人の相談であるのが「1」番だが2番以降はあるのだろうか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月02日

犯罪を考える人たちの駆け込み寺なNPO法人に相談に来る人達の話。
最初の五線紙上の殺人はビックリした。成功するんかい!

「五線紙上の殺意」
「夫の罪と妻の罪」
「ねじれ位置の殺人」
「かなり具体的な提案」
「完璧な計画」

といっても全部が成功パターンではなく、反対に殺されてしまったり露見しそうに...続きを読むなったりもする。
小粒な良作。

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