あらすじ
高島太一を殺したい。松木真桜。教師から塾講師に転身。指導者が教え子を殺すことは許せない。川瀬奏音。一般企業を辞め、講師に。高島太一の罪の露見で、塾の名声を傷つけたくない。檜垣兵吾。学生の頃から働き始め正社員に昇格。被害者の復讐を果たしたい。須之内すみれ。塾長に引き抜かれる。愛する人に汚辱にまみれてほしくない。中森直哉。古参の講師。息子の罪による母親の心の瓦解を防ぎたい。だから、みんなが殺したい。
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塾の関係者がそれぞれ抱いた殺意を持って高島太一を殺しにやってくるが、既に虫の息状態になってて、さて、どうしようか?なんでこうなってんのか?を議論する物語。
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連続殺人犯になってしまった教え子を犯行を止める為に殺してしまった塾講師の高島太一。それを目撃していた塾の同僚達がそれぞれの思惑で事件を闇に葬るため高島を殺す計画を立て、彼一人だけが先に現地入りしたサマースクールを開催する予定の研修所を目指す。この設定なので誰が他の人に気付かれる事なく彼を殺すのかという展開だと思ったら集まった同僚5人の前に現れたのは瀕死の高島。倫理感すっ飛ばした5人が放っておくのがいいか?とどめを刺すのがいいか?刺すにしても出される案に穴がないか?そもそも何故瀕死になっているのか?と議論していく展開は面白かった。真相はピンときたし最後が拍子抜けしたけど途中の会話劇がメインだと思うからこれは重要視しなくていいか。
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いつもの石持さんワールド。
ただ、かつてのベストテン入りしている作品と比較すると、「論理」が前面に出過ぎな感じがしてしまうのかなぁ。
今回で言うと、なぜ殺したいのか?の動機が曖昧過ぎないかな。
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タイトル通り、高島太一を殺したい五人、が繰り広げる会話でほぼほぼストーリーが進んでいく。
読みやすいし、どうとどめを刺せば今後の自分たちの平穏が守られるかを目的に方法を話し合っていて、おもしろい趣向だなと思った。
高島太一があくまで悪人ではないから5人の殺害動機もどうしても弱く感じてしまったけど、そこは気にしなくてもいいかな。
感銘を受ける場面は特になかったけど、個人的には舞台劇ぽくておもしろかった。
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高島太一を殺したい5人がそれぞれの思惑を持って保養所に着くと、その高島太一が意識不明で倒れていた。瀕死なのか、ただの気絶なのか、誰かがやった事なのか?高島太一に死んでもらいたい5人はどうするべきかの議論を始める。
この作者の特徴である特殊なシチュエーションでのロジカルな推理合戦が遺憾なく発揮されている。語り手が2人組のため容疑者としては3人になり、もっと破人探しは難しい。
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高島太一をさまざまな理由からそれぞれ殺そうと思いつめた五人の同僚。しかし研修所に一人でいるところを狙おうとたどり着いてみると、彼はすでに意識不明で倒れており…
五人がそれぞれ「殺そう」と決める理由がいまいち納得できないが、意識不明でまだ死んでいない被害者を前にして「なぜこうなったのか」、「これからどうすべきなのか」を五人で延々と話し合うという奇妙なシチュエーションはまさに著者ならではの面白さで、一気読みだった。
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同じ塾の講師5人が、大事な生徒を殺した高島太一を殺害しようと集まったら、すでに誰かに襲われていた。一体誰が?そして太一をどうするか?というストーリー。どんどん思考が展開するので読みやすかったです。
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殺したい相手がすでに倒れていたら、殺したがっている人物が5人いたら。
石持さんの結末が気になる魅力的な謎と妙に冷静な登場人物があわさって一気に読めました。このあと捜査がどのように進んだのか気になるので、警察サイドの続編を書いてくれないかな。
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石持浅海さんが、光文社の新人賞Kappa-Oneの第1期としてデビューしてから、20周年。記念作品だという本作は、良くも悪くもこれぞ石持作品なのであった。
タイトルからして石持流。同一人物を殺したい人間が5人いて、いずれもターゲットの同僚だというから、どうかしてるぜっ! 彼らが勤務する塾は、不登校の児童・生徒を専門に教えているのだ。そんな志に共感して集まったはずなのだが…。
対人地雷除去に取り組むNPOをテーマにした、『顔のない敵』という作品を思い出す。登場人物が崇高な任務に取り組んでいるという点、それなのに倫理観がぶっ飛んでいるという点に共通点を感じる。なぜ、簡単に「殺す」という結論に至るのか?
オープニングから、高島太一の行動と、それを目撃していた5人に突っ込みたくなるのは、毎度の恒例行事である。石持作品の登場人物たちに、まず警察を呼べよ! などと言うのは野暮というもの。固定ファンなら、過大な期待は抱かず読み進める。
20周年記念だからって特別な演出はない。いつものように、肩の力を抜いて淡々と描く。そこに揺るぎない信念を感じるか、進歩がないと切り捨てるかは、読者次第。まあ、本作を切り捨てるくらいなら、とっくに愛読者をやめているだろうけども。
クローズド・サークル型の石持作品は数多く、それらを読む度に似たような感想を書いている気がしないでもない。自分だって、この20年間で進歩なんてない。少なくとも、石持浅海のように、読者に何かしらの引っかかりを覚えさせる能力はない。
シチュエーションの工夫には触れておこう。こんな連中でも、無用なリスクは冒したくないのだ。そして、「事件」の後始末が描かれずに終わることが多い石持作品には珍しく、一応後始末も描かれる。……。この塾は一刻も早く潰すべきだな。
デビュー以来現在まで、石持浅海さんはコンスタントに作品を発表し続けている。Kappa-Oneの同期・東川篤哉さんとともに、今後も文句を言いつつ読み続けるだろう。
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別荘に集まった「高島太一を殺したい五人」。
思いがけない事が起こり、それぞれの思惑が交錯する。
舞台でできそうなほど5人の会話劇だけで構成されている。
ただ、終始腹の探り合いのように喋ってるだけで、山場というか盛り上がるところがないかな。
終盤真相が明らかになっても「ふーん」というテンションのまま終わる。
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ある事情により高島太一を殺したい5人が、絶好の機会が訪れたために同じタイミングで実行しようとしたところ、なぜか高島太一が意識不明で倒れているのを発見。
このまま事故死を待つか、とどめを刺すかで議論していくストーリー。
この後どうするかを考えていくうちに様々な疑問が生じて、それを5人で解決しながら、最後にどうするかを決めていくのは読みやすかった。
最後もなるほどとなったが、その後どうなったかも書いてくれるとよかったなと思う。
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斬新なアイデアと読みやすい文でスラスラ読めたし面白かった。面白かったが…、設定が少し無茶に感じたし、高島太一を殺したい動機がなんかいまいち私には理解出来ない。
後、その後が気になる。警察が介入し後、どうなったか知りたい。
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高島太一を殺したい同僚の面々が居合わせた場所には、瀕死の高島太一が。彼はどうして倒れているのか。また瀕死の彼をどうするのか。
延々と話し合いの場面が続く感じ。全員の高島太一を殺したい理由が、いまいちなーという気もするけど、「どうすれば違和感なく殺せるか」という話し合いをするという設定は面白かった。
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5人それぞれ意図を隠しながら殺害に向けて行動していく内容かと思いきや、全員がお互い殺意を表明した上で、すでに起きた殺人未遂について推理していくような内容。小説ならではの非現実的な設定で、斬新なテーマではあるが、推理パートが全体の9割を占めるほど非常に長く、その割には結論がかなりあっさりしている。過程を楽しむ小説と思えばいいが、ラストにもう少し意外性が欲しかった。文体としては読みやすい。
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高島太一を殺したい五人による高島太一の処遇を決める討論会の話。殺人にするか事故死にするか、から始まり議論する度新たな謎や疑問が浮かび上がり、どう着地するのか気になる。途中からこうしたら?もしかしてこうでは?と議論に参加したくなる不思議。
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5人が殺したい、高島太一をどうするかを決める、安楽椅子探偵もの。
臨場感に欠けるし、論理展開もやや強引。違和感の正体も途中で察しがつくので、スリル半減。
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良くも悪くも石持さんらしい作品。
タイトル通り、高島太一を殺したい五人が意識不明となった当人を前にああでもないこうでもないと推理を繰り広げる。
高島太一が五人もの男女に殺されても仕方ないと思わせるような極悪人ではないし、五人の男女の方も何が何でも高島太一を殺さねばならないという強い殺意があるわけでもないのが、これまた石持さんらしさだろうか。
個人的には殺し屋シリーズのようにもっとサバサバした話の方が良かったように思う。先に書いたように高島太一が殺されても仕方ないようなどうしようもない人間として描かれていて、五人の方もそれなりの理由があるような。
でもそれだと「オリエント急行殺人事件」になってしまうのか。
高島太一と彼を殺したい五人の、それぞれの背景が詳しく描かれないのが石持作品らしさなのだが、今回はそこが無いことが悪い方に出たように感じる。
星は3つにしたが、本当は2.5。
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高島太一、一体何をやらかした!?
五人もの人に殺意を持たれるなんてどんだけ悪い事をしたのかとドキドキ。
檜垣兵吾、須之内すみれ、中森直哉、川瀬奏音、松木真桜、同じ目的を持った五人が、群馬県の研修所に勢揃い。
彼らは皆、高島太一が運営している学習塾の講師仲間。
目的は同じでも、殺したい理由は千差万別。
ところがどっこい、彼らが研修所に着いて目にしたのは既に意識を失い倒れている高島太一。
ここから彼らの推理合戦が繰り広げられる。
殺したい理由も、殺す算段も馬鹿馬鹿しくてつい笑っちゃう。
悲壮感や緊張感ゼロのユーモアミステリ。
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高島太一を殺したい五人が、気絶しているターゲットを前に、ああでもないこうでもないと議論する話。
こんな何人もがそんな理由で殺人しようと思うかとか、こんな状況で冷静に話し合えるかとか、まぁ非現実的なのはいつものことだけれど、どういう選択になるのかなと展開が気になり、なかなか面白かった。
最後はちょっと微妙かなぁ。
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石持さんの特徴として1つの舞台で繰り広げられる会話劇、というのがあるが正にその通りな内容。タイトル通り、高島太一を殺したい5人がある場所に集まった。しかしすぐに帰宅するはずだった5人はあるトラブルにより。解決策を全員で導かなければいけなくなってしまう。そこからは推理と否定の繰り返し。これが凄いのはどこかで齟齬が生まれてしまったら後が続かないという点。こうは中々書けないし、書きたがらない。まあ全編推理編みたいなものだ。結末としてはウルトラC的なものなので驚いたが納得は到底出来ない。そこも石持さんらしいけどね。
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石持浅海さんの作品は『君の望む死に方』や『扉は閉ざされたまま』などタイトルに表れる設定や状況のアイディアが面白いなと読んできました。本作もタイトルに惹かれて手に取りました。“殺したい”目的は同じだけど、理由が微妙に違う5人が最善の方法を語り合うだけという変わったタイプのミステリー。結末が分かるようで分からないところは面白かったけど、少しテンポが悪く感じた。
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登場人物が、約5人しかいない小説。かなりのチャレンジだとは思うが、、、舞台で演じられるなら、キャラもはっきりして、もっとおもしろく感じるかも。
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部屋の中で倒れている意識不明の男・高島太一。
その周りに立ち竦むのは、その男を殺したい五人の男女。
こんな特殊な状況下でロジカルな推理合戦をさせるところが、この作者だよなあと。
救急車を呼ぶべきか。
とどめを刺すべきか。
そもそも高島太一の身に何が起こったのか。
不穏極まりない議題ですら楽しめてしまう。
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高島太一を殺したい理由がなんとも微妙。みな自らの「正義感」に則っているようだけれども、何様? という気がする。
動機はともかく、著者らしい議論めいた会話劇は面白い。もし太一に意識があったら怖がるだろうか、案外面白がって任せそうな気もする。
それしかないだろうなという着地点で納得。