あらすじ
Why? Why? Why?「思考の迷路」を脱出せよ!『月の扉』『扉は閉ざされたまま』の著者による新たな試みとたくらみ。女の子たちと家でパーティー。翌朝、僕のサンダルが消え、女性物の靴が一足。誰かが、酔っ払って間違えたようだ。でも誰も申し出てこない。なぜ?(「ガラスの靴」) 素性をなかなか明かしてくれない僕の彼女。なぜ?(「泡となって消える前に」) フイルムカメラからデジタルカメラに替えた私。しかし妻からカメラのフイルムが贈られて……。なぜ?(「賢者の贈り物」)など。あなたを思考の迷路へといざなう10の物語。
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Posted by ブクログ
一度は聞いたことがあるような童話を彷彿とさせる短編集。
現代版というよりは、童話の要素が少しだけ入ってる感じでしょうか。
日常で起こる何気ないことを「なぜ?」と掘り下げて考えていく。
考える角度でいろんな想像ができるものだなぁと。
すべての話に共通して出てくる人物の名前があって。
それが同一人物なのかどうなのか…最後までわからず。
引っかかるというか、気になります。
Posted by ブクログ
短編集。すべての短編で言えるのが、考える、とにかく考える。あらゆる可能性を考え思考が広がっていく様が面白い。表題の「賢者の贈り物」は、その思考の結果のたどりついた先を思うと、まさに"賢者の贈り物"と感嘆をあげることになるだろう。
Posted by ブクログ
これこれ!
粗雑に書かれた本にイラッとしていたけれど、なんとかこの本で機嫌が直る。
最高の口直し‥と思いつつ、★5つ!とできなかったのはひたすらに、
微妙な1作のおかげ、というか、せい。
なぜかオチのない作品がある。
しかもそれが、短編でのオチなしどころか、全編を並べて俯瞰したときに、
もしやこれが、通しでのオチなし!?
の、可能性が大だったから。
うーん、うーん、どうなんだろう?
この作品のネタばらしが知りたい!
ネットで必死に検索したけど、イマイチ納得のいく回答が見つからず。
ちょっとしょっく〜。
誰か、ぜひすっきりと、解決お願いいたします!
Posted by ブクログ
日常の中にありふれた「謎」。御伽噺に託けることができるのはまあ稀有な話だろうけど、論理的思考を繰り返すのってその事象に真剣になって向き合うことだから、コミュニケーションの最たる例なのかも。現実で難しいのは、そんな論理的思考を超越した感情型人間がいるからだし、そのことを理解していることの証明のため石持作品にはぶっ飛んだ動機の犯人が多いのかもしらん。「Rのつく~」よりハッピーエンドを想起させるものが多かったのも良かったかも。なにより、「磯風」と「イソップ」かあ、なるほど。
Posted by ブクログ
おもしろい話もあったが、多くの場合で退屈さを感じてしまった。この著者の作品は初めて読んだので慣れてないのも原因かもしれないが…
登場人物は常に自分の心の中で、こうじゃないか?いや、こうじゃないか。しかしその仮説は成り立たない…と思索を深めるばかりで、物語に動きがない。読者はその考えの文字の羅列を見るだけなので、退屈に思ってしまうのだと思う。回想シーンなどを挟む、短編全体が同じ構成でなくいくつかそういった手法のものがある、という感じだったらおもしろく読めたと思うのですが…
「泡となって消える前に」などはおもしろくわくわくして読みました!
Posted by ブクログ
日常のちょっとした疑問をあーでもない、こーでもないと仮説をぶつけ合いながら解決していく短編集。
童話のストーリが各編で象徴的に使われていることと、「磯風さん」という女性が推理の補佐役で登場するところが共通点です。磯風さんの年齢や
立場は短編毎に変わるものの、黒髪で美人で聡明という共通点を持っているので、もしかして同一人物かも?
仮説のバリエーションには感心・共感するものの、少しくどいので、途中で「もうええやん」と突っ込みたくなり星3つ。
Posted by ブクログ
誰も死なないミステリー
石持作品らしいロジカルな謎解き
主人公たちと「どうして??」といっしょに悩み、導かれた答にホッとして
なんだか温かくなる短篇集でした(^-^)
Posted by ブクログ
金の携帯 銀の携帯/ガラスの靴/最も大きな掌/可食性手紙/賢者の贈り物/玉手箱/泡となって消える前に/経文を描く/最後のひと目盛り/木に登る
どこかで聴いたり読んだりしたことがあるテーマを今風に置き換えて、なぜ それが起きたかを推理していく。正解はないけど、それぞれの主人公が、きっとこうだと思い定めて次の行動を起こしていく。一つの出来事に対して、こうか? いや あーか? いや そうかもといろいろな解釈をしていく。それぞれの思い付きがそれぞれ別の話になり得るのが面白い。時々こんがらかって、わけが分からないときもあったけどね
Posted by ブクログ
オリジナルは2008年に発行された作品の文庫化。
石持作品はただでさえミステリファンの間でも
やや(?)異端扱いされてる感があるのにw、その中でも
この作品はまた...なんというか変わった作品ですね。
一見すると日常の謎を思考をフル回転させて解く
ミステリ作品集として読めるんですが、それにしては
ややこしく、...どっちかというと...屁理屈とヒネくれた
思考の積み重ねによって、実は普通の出来事をわざと
謎に仕立てあげてるような気すらします。
それがまた、面白いんだから流石です。
しかも10話の短編から成るんですが、その全てが
なんだか聞いた事のある童話、寓話、神話、昔話を
モチーフにしてあるという演出がニクい。基本的には
全作とも好きですが、「ヤギの郵便屋さん」(黒ヤギさんが
白ヤギさんの手紙を読まずに食べちゃったヤツね)を
モチーフにした「可食性手紙」が秀逸。
アホらしいエピソードなのに、ほのぼのとして、更に
思考の展開が面白く、かつ、最後にはキュンとするという
なんだか可愛い作品で好みです。一風変わった作品が
好みなら...アリな作品では?
「羽住典子」さんの解説も非常に分かり易く、この作品の
キーパーソン「磯風」さんという女性の謎も自分は、
この解説を読んで初めて気が付きました。