あらすじ
エロスと論理の融合! ストレンジ風味炸裂
6人のヒロインと恋人たちの熱いセックスと怜悧な推理。
深夜一時の第一京浜。
口紅で「西へ」と書いたハンカチを掲げヒッチハイクをする女性。ハンドバッグの中には財布のみ。故郷・福岡に向かっていた男は女を乗せた。車のトランクには大きなスーツケースが立ててある。一般道のみ通り宿泊にはラブホテルを使う奇妙な旅が始まった(「カントリー・ロード」)。
一篇のなかに必ず濡れ場2回、そしてひとつも無駄な描写のない緻密な本格推理が展開される。
「待っている間に」「三百メートル先から」「見下ろす部屋」「カントリー・ロード」「相互確証破壊」「男の子みたいに」の計六編収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
石持浅海さんの新刊は、本格的な官能小説だという。ついに来たか。石持作品にはしばしばエロスの要素が取り入れられており、素養はあったのだ。
最初に言い切ってしまおう。本作は官能要素があるミステリーではなく、ミステリー要素がある官能小説である。いや、ミステリーの部分はおまけのようなもの。石持さんはミステリーではなく官能小説が書きたかったんだっ!!! 間違いないっ!!!
このジャンルに詳しくはないが、迫真の描写は老舗のフランス書院文庫とかでも十分に通用するのではないか。通勤電車内で読むには適さない(読んだけど)。AVを文章化したみたいで、冷静に考えると笑える。明るいエロ描写とでも言おうか。
でも、背景はどろどろしていてちっとも明るくないわけですね。「待っている間に」。石持さん得意の会社ものと官能小説の合体。こんな会社あるかっ!!! と思いたい…。「相互確証破壊」。倒錯した趣味の理由とは。それしか手段はなかったのか…。
「三百メートル先から」。石持さんご自身のある作品群に連なるものを感じるが、彼のレベルではあの団体に採用されないだろう。「見下ろす部屋」。月に一度の会議のおかげで、堂々と不倫を楽しむ2人。しかし、まさかの落とし穴が待っていた…。
「カントリー・ロード」は散々快楽に耽った末にビターな結末が突き刺さる、本作中一押しの1編。いや、他の各編もビターだっけ。最後の「男の子みたいに」は、何と説明したらいいのでしょうか。性の嗜好は人それぞれとだけ書いておきましょう。
それにしても、男たちのおバカさん加減に泣けてくる。女の方がドライで強かだ。現実には、男が女を泣かせるケースの方が多いんだろうけども…。ここに描かれたのは、1人を除いて反面教師とすべき男たちということだ。
男の姿がすべて加藤鷹に思えるのは困った…。
Posted by ブクログ
このテーマでこんなに書けるのはすごい。ミステリにもなっている。おもしろくないわけじゃない。
でも、性描写が陳腐で飽きる。みんなじゅんってしすぎだしうおうって言いすぎ。全部同じキャラならわかるけど書き分けがなかった。発想はおもしろいので残念。
Posted by ブクログ
20代女性の視点で描く「官能推理」短編集ですが…、
2つのワンパターンによる幅の狭ぃ作品集でした…。
1つ目のワンパターンは、お話のシチュエーション。
短編6本中3本が、40代男性上司と20代女性部下の、
「社内不倫」といぅ同じシチュエーションでしたが、
となると、お話自体も、おのずとワンパターンに…。
それ以外の3本では、「カントリー・ロード」は、
サスペンスとしては、ベタだけどよかったかな~。
2つ目のワンパターンは、セックス描写(プレイ)。
6作品すべてで、セックス描写(プレイ)が同じ…。
しかもノーマルなので、さすがに、ゲンナリ感も…。
今どき、ネットでは、無料のアダルトサイトで、
様々なセックスプレイが見られる時代なんだから…、
ノーマルプレイだけで官能小説は成立しなぃと思ぅ。
せっかくのミステリーといぅかサスペンスも、
限られた尺の中で、セックス描写の文量が多すぎて、
お話のバランスが、とても悪ぃといぅ印象でした…。
しっかりとしたストーリーの中に、濡れ場シーンを、
アクセントとして程よく挿入するぐらぃが丁度よぃ。
やっぱり、
餅は餅屋、官能小説は官能小説家といぅことですね。
Posted by ブクログ
官能小説にミステリー的なオチを付けた短編集。ストレートなエロ描写たっぷりで読者を惹きつける力は強大です。ただ、性行為中の男女のセリフがワンパターンなのは残念でした。
ミステリーとして評価出来ない短編もありましたが、【カントリー・ロード】は傑作です。女がヒッチハイクした理由を解き明かすロジックが見事で、エロシーンが伏線としてガッチリ機能していました。
【見下ろす部屋】も有り得そうな話で面白かったです。