中野信子のレビュー一覧
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いじめのメカニズムを体内化学物質や研究結果等の科学的根拠を交えて解説している。
精神論でなく科学的根拠があるのは分かりやすい。合間合間で"でしょうか"といった曖昧な表現や著者の個人的な推論が混じってはいるが、それは不確かなことを断定的に書かない著者の誠実さと受け取った。
いじめは脳に組み込まれた機能であり、人間の生理的な現象であるというメタ認識をもっておくことは確かに重要だと思った。
もとよりいじめは集団の害となる者を排除する有益な機能である。男性の社会的報酬を求める性質はその上で有益に働いてきたのだろう。
獲得可能性と類似性が嫉妬の原因になるのは自分自身よく分かる。 -
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Posted by ブクログ
「ヘヴィーメタル(メタル)好きに悪人はいない」という考えは何年も前から自分の中では謂わば「常識」となっています。
しかしながらメタルは、「血、死、暴力、呪い、嫉妬、裏切り、破壊、怪物、悪魔 といった言葉が頻出する、どう贔屓目に見ても危ない音楽」で、メタル好きはクラスの中で「あいつ、近いうちになんかやるかもよ……」と思われた浮いた存在だったりしました。
この文脈で「メタルは『反社会的』ではなく『非社会的』」で「非社会的であることが強い『個』を育む」という見解が中野博士から出されてます。さらに非社会的なつながりがある「メタルファンは『裏切り』に敏感な人たち」で、結果、「メタルは『正義』の感覚を醸成 -
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相手に対して共感的に振る舞い、尊重し、認めていくという高度な機能は、相応の刺激(教育)のもと成熟するまでに25〜30年くらいかかる一方で、加齢、アルコール摂取、寝不足等で簡単に機能が低下(前頭前野が萎縮)してしまう。
加齢による前頭前野の萎縮を遅らせるには、小さくていいので常に新しい体験をすること、心身の余裕を持つことなどが効果的。
自分や他人に「一貫性」を求め(すぎ)ない、自分とは違う考えをすぐに拒絶するのではなくいったん受け止める。
「正義中毒」に陥らないようにするためには、
人を許せない自分や他者を、人間なのだから仕方がないと認める一方で、自分の言動を客観的に見る習慣を身につけるこ -
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とても読み易く、たくさんの納得が得られた本でした。
運のいい人は日々の行動や考え方で、自ら「運」を引き寄せているのですね。
「運」の良い人は、自らを中心にすえ、主体的に考え、行動していること。
自らが中心ではあるが、その行動は他を思いやるもので、利己的な行動はしない。そして、自らの大きな目標と他の人のために日々祈っている。
仕事をしていると、細かなことがストレスになり、思い悩み、落ち込むことがあります。
細かな事より、大きな目標を胸に、周りの人のことを思い、主体的に行動し、「運」を引き寄せて行こうと思いました。
良い本でした。
ありがとうございました -
Posted by ブクログ
脳科学者「中野信子」的、ヒトのいじめ体質を言及した一冊。
・いじめのメカニズム
・いじめの集団心理
・近年の話題に上がったいじめを交えた解釈
など、いじめに対しての脳科学を交えた内容となっている。
この本を読んで思ったことは、中学時代に学校で言われたことで、
1人よりも集団の時にいじめが発生しやすいってことが書かれていて、
それについても解釈されていて、納得というかそうなんだという感覚になった。
集団心理的なことなのだろうか、仲間に入れない人はいじめられ、仲間でいるため
に、いじめをしてしまうということ、その反面でいじめのリーダーが
いじめの対象になることも言及していて、自分が中学の時代は、 -
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ネタバレ◾️record memo
要は、男女問わずみんなに好かれる「いい子」になろうとすると、自己決定権を手放しがちになるんだよ。自分の意思より親や社会の期待を優先して、職場では同僚から嫌われないように、上司の機嫌を損ねないように振る舞う。割を食っても、頑張る。女性の場合は女らしさの社会規範に従い続けていくと、誰かにとってのベストサポーターにはなれるかもしれないけど、自分は何がしたいか、どう生きたいかを自由に考えて決めるのが難しくなることがあるよね。自分のことなのに裁量できなくなっちゃう。
「若さ」や「美人」のように、一般的に「得」と世間にみなされているものは、ほとんど長期的には使えない価値なん -
Posted by ブクログ
面白かった。
きっと著者はかなり生きづらかったのだろう。
表現はマイルドだが、本書からは思考停止できて生きている羊のような人間に対する軽蔑や怨恨、諦観を感じる。
優しくて品のある理路整然とした明瞭な文体の裏に猛毒が仕込まれているようで、小気味が良い。
恐らく著者はわかる人にはわかるような書き方をしている。
ものすごく頭の良い人なんだろう。
そんな非常に知能の高い人物が猿並みの人間たちに囲まれて異常者扱いされることは筆舌に尽くしがたい屈辱だったことだろう。
「おかしいのはお前らだろうが」と
男女論のところはちょっとバイアスがかかりすぎなんじゃないかとも感じたが、著者の年齢を考慮すると、そ