中野信子のレビュー一覧
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本書タイトル「脳・戦争・ナショナリズム」から何を想像して書店で手に取ったか、奇妙な組み合わせだなと思いながらも、脳科学者中野信子氏、批評家の中野剛志氏、そしてズバズバともの言う哲学者適菜収氏と普段良く手に取って読んでいる御三方の座談会形式に、いったいどんな会話がなされたか気になって読んでしまった。内容はタイトルそのまんま、3名の分野がそのまんま話の中心として、なんかこう、練り上げられていくと言う表現が正しいのか、形容し難いが面白い内容となっている。
まずは信子氏の脳科学的な知見が飛び出してくる。人の見た目に関して描かれる書籍は数多くあるが、本に書いて文字に起こして大丈夫か不安になる様な記載でか -
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P75
愛が終わらないという保証はないわけです。それなのに、私たちがなぜ、率先して結婚という束縛される枠組みを選択しようとするのかということについては、よく考えなければならないですよね。生活安全保障や子育て、同志的関係を維持することが目的なんだとしたら、性愛は別の自由意思として切り離せばいいのに、なかなかそうはならない。
P183
今まで生きてきた家の呪縛から逃れるために、新しい人生を始めるという意味が結婚にはすごいある。
P243
自分が見込んで信じた男は「真実の愛」なんか持ち合わせてなくて、単なる性愛どろどろの男に過ぎなかった、みたいなことは。
P253
愛は、心を傾けるという行為の -
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自分の周囲にもいる、そんな感覚が読み終わった直後に湧き出してくる。それと同時に過去の自分の行いや今現在の自分の立ち振る舞いを見たとき、もしかしたら自分もそうなのでは無いかと恐怖する。
サイコパスは漫画やドラマの世界の中の話ではなく、現実世界の自分の周りにもかなりいる。という内容から始まる本書だが、確かに思い当たる節は沢山あるし、読み進める中で、人間の生存や進化の過程に必要な存在であった可能性に気づく。
海外の調査では人口の2%がサイコパスという研究結果もあり、約50人に1人、少なく見積もっても100人に1人は居るとされている。
本書はそうした存在を脳科学を使って解説していく内容だ。筆者の書籍は -
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スーさんと中野さんがギュッと凝縮されている。二人が対談しているこの話の中に入りたいなと思いました。一文一句逃さず吸収したいと向き合うも、言葉のバイタリティーが凄いので、真面目に読んでいるとやっぱり少し脳疲労感があり、サラッと一気読み出来ないところが歯がゆい〜!
でも情報量が多く、自分のタイミングで何度でも読み返せそうです。
共感出来るところ、そうでない部分と7:3ぐらいでした。
一番嬉しかったのは、コラム。砕けた言い回しで、人間らしい中野さんの一面が垣間見え、私がずっと誰にも言わずに思っていた事と同じ事を言っているのを知ったとき!、「だよね!!!」って思いました。
勝手に親近感を抱いているので -
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才女で高学歴の二人だが、勉強については、コンプレックスが原動力となったと語る。中野信子は体力を補うために省エネで本質を掴もうとする努力。適応できぬという自己分析を起点にする。山口真由は、効率よくマルチタスクができず、母親との買い物で期限つき決断を迫られた原体験を。
努力そのものを楽しむと言う罠にはまってはならない。最短距離で能力を上げる戦略を実行すべき。この言葉は、中野信子。努力型の山口真由とは少しニュアンスは異なるが、重ならない事もない。共通するのは、自分で自分のことをわかっているというメタ認知の大切さと、勉強を好きであるという事。
本来、学びとは義務と喜びの二層構造になっている。我々は -
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ネタバレヤマザキマリさんをテルマエロマエの漫画家ぐらいとしてしかしらなかったので、こんなにも知識深く、語る方とは意外でした。
お二人の話がもりあがってる感じで傍目からみて楽しそう。
中野さんの、とある言葉があって、そんな視点もって考えているんだ、って驚き。面白い。
ヤマザキマリさんの5章から、抜粋。
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本当の孤独というのはそうした生き方のスタイルではなく、他者という鏡に自分が映し出されていないと気づいた瞬間でなければ、実感できないものだと思います。
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この文章よ、、、
それは本当の恐怖だよ。恐ろしい。 -
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Posted by ブクログ
ペルソナとは人格なり。
外的な側面とはべつに
内側に潜む自分も在る。
いわゆるキメラでない
人などいない。
暗いネガティブな面を
持っていることは人と
して自然である。
清く正しく明るくあれ
と言われたとて、
そうなれないのは当然。
その人の心の問題など
ではない。
それが自然なんですね。
やれ女らしく男らしく
日本人らしく・・・
「らしく」にどれだけ
囚われてしまってるか。
たしかにそうかもねと。
私とは、モザイク状の
多面体と表現する著者。
光の当てかたによって
さまざまな色に変化し、
見え方も形も変わって
いく。
本来の私は一体どんな
人間なのか?