中野信子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ
「なぜか物事がうまくいかない」「自分に自信が持てずネガティブに考えてしまう」という悩みを抱える人に向けて、脳科学の視点から「脳のクセ」を正しく知り、自分をすり減らさずに生きる知恵を体系化した一冊。著者は、人がつまずく真の原因は性格や根性の不足ではなく、「脳の仕組みや進化の過程で備わった生存本能を誤解し、無駄に自分を責めていること」にあると喝破する。不安や嫉妬といったネガティブ感情の脳内メカニズム、セロトニンやオキシトシンといった脳内物質が行動と心に与える影響、「運がいい人」が無意識に行っている行動パターンの型など、科学的根拠に基づいた処方箋を提示。自分を無理に変えようとせず、脳の性質を客観的に乗りこなして成果と幸福を引き出す技術を明快に解説する。
所感・深掘り
「脳の使い方とは無理に自分を奮い立たせることではなく、脳のメモリを浪費させる自己嫌悪や不安のノイズを先回りして解体する『脳の特性理解と環境設計』である」という本質を突きつけられ、日頃の内省と精神管理のあり方を根本から引き締め直される一冊だった。
特に深く腑に落ちたのは、「『もっと前向きにならなければ』『不安を消さねば』と感情を力づくでねじ伏せようとする姿勢そのものが、脳に莫大な認知的負荷を強いている」という構造の罠だ。不安や警戒心は本来、脳が生存のために発する客観的なアラートに過ぎないにもかかわらず、それを自らの欠点として捉えてしまえば、思考のメモリは葛藤と焦りで激しくすり減ってしまう。「これは脳の自然な反応だ」と事実として受け止め、行動や環境を整える客観的な型に委ねること。内面の不毛な摩擦を物理的に削ぎ落とし、いま打つべき具体策に集中することこそが、精神的な消耗を防ぎ抜く極めて合理的なセルフマネジメントなのだと痛感した。
また、人の不完全さや感情の揺らぎを脳の特性として客観的に捉え、寛容に受け止める姿勢は、組織を率いる指導者やリーダーにとって不可欠な利他の実践であると感じた。リーダーが「気合いで不安を乗り越えろ」と精神論を押し付ければ、現場には萎縮と罪悪感が蔓延し、メンバーは手戻りと不安で自発的なエネルギーを奪われてしまう。指導者自らが脳の仕組みを踏まえた深い受容の型を差し出し、誰もが恐れなく自己の役割に没頭できる安心感の土台を用意すること。リーダーがブレない安心の防波堤であり続けるからこそ、現場の仲間は安心して力を発揮し、組織全体が淀みなく自走するのだと確信させられた。
自己否定の堂々巡りや精神論の迷いを捨て、脳の使い方の型で感情のノイズを削ぎ落とし、整えられた寛容と安心を現場の自立へと還元し抜くこと。
日々の不安や自己嫌悪に心をすり減らしている人はもちろん、人間理解とチームマネジメントの解像度を極限まで研ぎ澄まし、関わるすべての人を迷いなく確かな安心と自立へと導く不動の軸を確立したいすべてのリーダーにとって、常に傍らに置いて立ち返るべき実践的脳科学の教科書だ -
Posted by ブクログ
結構私前からやってたかもしれないと思う節があり自分のずる賢さみたいな部分が見え、少しガッカリしましたが、、生きる上で身につけてきたことなんだろうなと思うことにします。。
ご近所付き合いが長くトラブルを避けるため、「互恵関係を維持し、より自身を安全側に寄せておくためのスキル」としての京都式というところが、なんとも歴史と文化の片鱗を感じました。言ってあげる優しさ、あえて言わない優しさ、ありますね。
この本読んで、京都人の本音の部分が見えたことによって、私も中野先生と同じく怖いと感じました。「えぇ〜こう言ってたのにホンマはこう思てたんかい…」と答え合わせになる場面があればいいけど、なければずっとモヤモヤしたまま過ごさないといけないなぁと。関係性を良好に保つ術なのかもだけど、お互いがそうだと、やっぱり勘繰りあってしまうギクシャクした関係に、なっちゃいそう。。あぁ、難しい、、、 -
Posted by ブクログ
著者の煽りスキル半端ない。
以下めも。
『ロンドン紳士と脳科学に学ぶ 品格のあるマウントのとり方』読書メモ
マウンティングが相手を倒すための武器ではなく、自分が何者であるかを定義し、不適切な侵入者を排除するための防御的儀礼。
知的な男性ほど知的、精神的な完敗への承敬があり、自分の論理やプライドが通用しない圧倒的な存在に惹かれる傾向がある。この心理は異常性欲というよりも、過剰な理性のコントロールから解放されたいという自己防衛本能や、圧倒的に優れた存在に自分を全肯定あるいは全否定してほしいという精神的な渇望の表出したものと言える。日常で張り詰めている糸を圧倒的な存在に断ち切ってもらいたいという、ある種の癒やし機能なのである。
猿の野蛮さを文明の衣で包み隠そうとするホモサピの必死な抵抗がマウンティング。舐められない関係を築くための誇り高い抵抗の技術でもある。
相手を下に見ることで一時的にテストステロンが増える。これは過剰になると共感性を司る脳領域の働きを抑制する。つまりマウント中毒者は、自分がどれだけ嫌われているか気づけない、共感能力〇のゴミへと退行する。
人格のあるマウンターの成功とは、相手が「自分はこの人の領域には踏み込めない」と自然に感じ、一歩下がる状態を指す。
ロンドン紳士の理想は、持っていることを誇示せず、持っていることが当たり前すぎて意識すらしていない状態を演じることにある。
全く新しい視点をたくさん見せていただけて、知性が現れる思いでした。
「どうぞそのままのあなたで」という言い回しもなかなか面白い。自分は決してこの目の前の野蛮な衝動に汚されることはないという、自らへの絶対的な信頼と強じが、余裕となって溢れ出す。
「一応東大です」という言い回しは、それ以外に誇れるものが何もない老が、「見捨てないでください」ということ。
こう翻訳した瞬間、相手も強敵からほぼ表面迷い子になる。必死に助けを求めている幼子に対して、不機嫌になるのは難しい。
マウントザルを手なずける方法
自分を頭が良いと思っている人ほど、自分で作り上げた古い公式から逃れにくく、知的な不自由さにも気づかない。そこで正面から「思考停止していますね」と指摘するのではなく、本人がかけている眼鏡の色を自覚させる。大切なのは、その眼鏡を無理やり外すことではなく、「自分が何色の眼鏡をかけているのか」に気づかせること。
次に、マウント中毒者の周囲には無言のうちに人が離れていくため、本人は孤独であり、「認められなければ」という焦燥感を抱えている。そこで自分だけが相手を理解し、高く評価する存在になる。「そんなことまでご存じなのは、この界隈では貴方くらいでしょうね」などと自尊心をくすぐることで、自分を相手にとっての特別な存在にする。すると相手はその存在を失うことを恐れ、こちらに対しておとなしくなる。
さらに、まず相手を十分に褒めて報酬を与え、依存を強めたところで、突然その報酬を止める。相手が最も自信を持っている分野で、礼節を保ちながら凌駕する実力を見せ、その直後に「あら、ごめんなさい。今のはお耳に障りましたか?」などと軽く小首を傾げる。
それまで受け取っていた快楽や承認が急激に遮断されると、相手は動揺し、再びこちらからの「承認」を取り戻そうとして、こちらの顔色をうかがうようになる。 -
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咒。
言葉の力を再認識する本だった。
読みながら思い出したのは、星の王子様とマザーテレサ。
星の王子様:大切なことは目に見えないんだよ。
マザーテレサ:Watch your thoughts, for they become words.
Watch your words, for they become actions.
Watch your actions, for they become habits.
Watch your habits, for they become your character.
Watch your character, for it becomes your destiny.
感情に支配されるのに抗うとき、私は言葉にする。
自分がもつ言葉に力が宿るよう、行動をそこに括り付けることもする。
それは、私が私が望む私でいるための、手綱だ。おまじないだ。
声帯をふるわせて、体の中の空気をふるわせて、
自分と相手の間の空気をふるわせて、
心をふるわせる。
ふるわせた空気を人は呼吸して、
お互いが生きていく世間をつくるのだと思った。 -
Posted by ブクログ
面白かったです!!様々な悩みに直面しますが、そもそも私たちがこの社会で生きるのが無理ゲーに近い、悩んで当たり前なんだということがわかりました笑そして、正しい人はいない。いや、いるかもしないけど、それぞれが自分の尺度で生きていることを改めて感じれました。なので、頑張っている自分を認め、自分に優しく人に優しい人間になりたいです。中野さんは私はこう思うというだけでなく、脳科学的にお悩み相談に応えているため、なるほどーと納得しやすいです。大人の方に読んでほしいです!!
本書おわりにで「人間は、そんなに合理的で理論的でも知的でもない。」とかかれています。人間に傷つけられた時にはこの言葉を思い出したいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ご存じ脳科学の権威?中野信子さんの本。
難しい脳の話を面白おかしくわかりやすく説明してくれる。
なんやかんや「脳のせい」なのだ。
それをこの人は悪意があるとか、私に優しいとか厳しいとか、
思い込んでも仕方ない、実際は脳がそうさせるのだから。
努力できるできないも遺伝、とも。
浮気な男に付き合う女も脳がそうさせる、、
てな感じ。
一つ一つはいろいろ説明があるけれど、省略。
はじめに
第1章 「あの人」の頭のなかを読み解く
(あなたに敵意を持って接してくる人は、たいてい「自分への敵意」を勝手に感じている/
あなたのことを妬む人は、自分とあなたが似ていると感じている ほか)/
第2章 脳科学でわかる「危険な人」のサイン
(他人の不倫を異常に批判する人は「正義中毒」かもしれない/
車や時計などを次々と買い替える人には、浮気性が多い ほか)/
第3章 人間関係の問題はこうやって解決する
(周囲から浮いている人間には、浮いている人間なりの理由がある/
自信満々に見える人に対し、臆する必要はない。その人の自信には、なにも根拠がないのだから ほか)/
第4章 脳がわかれば、人がわかる
(人間は本能的に群れたがり、身内びいきをしたがる生きもの/
男性ならではの油断を見抜く力があれば、「普通のおばちゃん」でも、男を手玉にとれる ほか) -
Posted by ブクログ
最近中野信子さんにはまっている中、たまたまであった一冊。
文量も多くなく、簡潔に書かれているため、非常に読みやすい一冊だった。
まず、中野信子さんの忌憚ない意見や発言が好き。現代は言ってはいけないことや発言に気を付けなければいけないことが多い中で、科学的におかしいものはおかしいと述べてくれるのが読んでいて、動画を観ていて爽快。
資本主義だからこそここまで努力とか根性みたいな言葉がはびこっているのかなと思ったし、これらの言葉や成功体験はいわばプロパガンダでしかないのかなと。
高校の頃、好きな言葉で「努力」と記載した過去を思い出したが、何ともこの世に縛られ、資本主義の歯車の一種であったことを思い出した。その手の洗脳は教育の段階から、もっと言うと、国規模で流布しているのかもしれない(もちろん、本書のいうように広義の意味での努力は大事)。
努力信仰(盲目的な精神論など)が先行している世の中だと思うし、昔と今でもそこまでやっていることは違わないのではないのかと感じた(ゆとりと呼ばれた人とz世代)。結局、今の努力信仰に対して疑問視をして、自分はその信仰には乗りませんという意思の表れなのではと思う。これは別におかしなことでも何でもないと思う。特に近年z世代は人づきあいなどでよく話題に上がるが、個人的にはそもそもの世の中の在り方がおかしく、それに洗脳された人が多い中で、合理的判断ができるようになっただけの話だと思う。もちろん、コミュニケーション等仕事上に大事なことがあるのは一理あるが、自分の時間を割いてまで飲み会などの業務を行う必要性を感じないというのは至極真っ当な考えだと思う。z世代とくくるのも語弊があるが、洗脳されていない人が合理的判断を成しているそれだけの事だと思うし、一概に悪いと言えないと感じる。
だからこそ、そもそもの在り方を見直す必要があると思うが、どんな人間でも、疑いながらも歩いてきた自分の過去に対して、間違いでしたと認めるのは至難の業かなとも思う。とはいえ、その壁を乗り越えないとこの連鎖は変わらないと思うので、既存のものを壊して新しいものを取り入れていく姿勢というのは成田悠輔さんも仰っていたように必要となるだろうと感じる。
前に読んだ本でも同様のことが書いてあった気がしたが、やはり人間だからこその遊び、空白を持つことが大事なのかもしれない。だからこそ、自分の心の声に耳を傾け、非合理的であろうがその声を信じて進んでみる。それが大事なのかなと感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ
「あの人は運がいい」と言われる現象は、単なる偶然や目に見えない力によるものではない。脳科学の知見から解き明かされるのは、「運が良いとされる人」に共通する思考パターンや行動習慣の存在だ。自分が運が良いと信じ込む脳の錯覚の活かし方や、運を引き寄せる人間関係の築き方など、日々の意識や行動を少し変えるだけで誰でも「運が良い人」になれるメカニズムを、科学的なアプローチで分かりやすく解説した一冊である。
所感・気づき
「運」という目に見えないあやふやな概念を、脳科学や心理学の観点から論理的に紐解くアプローチが非常に新鮮で、腑に落ちる場面が多かった。
特に印象的だったのは、運が良い人とは単に幸運に恵まれている人ではなく、「自分は運が良いと信じ、そう振る舞う習慣を身につけている人」だという点だ。これは、スポーツや組織における「GRIT(やり抜く力)」や、目標に向かってブレずに進むメンタルの構築と完全に一致する。不運と思える出来事が起きても、それを「成長のためのデータ」として捉え直せる脳の柔軟性こそが、結果として運を引き寄せるのだと痛感した。
また、運は「自分一人で完結するものではなく、人との関係性の中で循環するもの」という視点も深い。他者の成功を喜び、周囲に良い影響を与える行動習慣を持つ人ほど、巡り巡ってチャンスに恵まれる。自分自身の行動や考え方の選択次第で、運はいくらでもコントロールできるという科学的根拠を得られたことは、大きな収穫だった。
指導者としても、選手や部下に「努力や習慣が運を引き寄せる構造」を伝えるための実践的なヒントが得られた。自分の「現在地」を客観視し、日々の思考と行動の質を高めていくことの大切さを、改めて実感させてくれる良書である。
この感想のポイント(ご自身の「気づき」の軸)
1. 「運=努力と習慣のロジック」という捉え直し 運を「神頼み」ではなく、「行動とメンタルの科学的習慣」として解釈したことに共感するアプローチです。
2. 「GRIT(やり抜く力)」や「自己客観視」との接続 「不運を学びのデータと捉える」「自分の現在地を知って行動を変える」という、日頃から大切にされている成長のプロセスと紐づけています。
3. 「指導者としての還元」という視点 「自分は運がいい」と肯定的に思える選手や部下をどう育てるか、というリーダー目線の気づきに落とし込んでいます。 -
Posted by ブクログ
脳科学者中野信子先生と開発者川田十夢さんの知的対談集。
川田さんという方を全然知らず、そして本書の経歴を読んでも正直自分には何をやってる人なのかよくわからなかったのですが(笑)お二人の会話がとにかくキレッキレ。
本書の前に読んだ本で「生き延びることに理由はあるのか」を考えさせられるというような感想を書いたのですが、本書には生き延びるの前に「生きるのに何の意味があるのか」というそもそも論のような話が出てきました。
そしてその答えが「ナンセンス」
私たちはたまたま生きている、そしてお前自身の意味くらいお前で決めろと(笑)(p95〜)
それでいいのか、いいんだ、と眼を開かされたような爽快さ。
表情を見ればわかったはずのことが、声なら通じたはずのことが、字になると伝わらなくなってしまう(p135)
ブンブン頷きました。確かにそういうことある。
当たり前を疑っちゃう姿勢っていうのは、宗教とものすごく相性が悪い(中略)当たり前を疑う能力がもうちょっと認められてもいいんじゃない(p200)
笑いを禁じることは、思考停止している人を駒として使うには、すごく効果的な方法(p207)
よく、可笑しくなくても顔を笑顔に作るとあとから気持ちがついてくるなどといいますが、笑いって生きていく上でとても大切なものだと自分も思っていました。
本書の宗教の章は笑いや祈りの話も含めて書き留めておきたいような大切な話だと思いました。
そしてお二人とも家族と宗教の問題でご苦労されているのだなと知りました。
家族で宗教が違うというのは信仰の深さや教義などにもよるかもしれないですが中々しんどいのは確かで(p191)場合によっては家庭が地獄になるでしょう。自分は親が入ってた宗教の関係者に結婚してからも何年もつきまとわれて大変だったことがあり、身につまされながら読みました。
マーダーミステリー体験なんてあるんですね(p138)楽しそうだなぁ
中野先生の女であることのルサンチマン(p166)こんなものではないでしょう。とても深いに違いない(とても不快に違いない…)
このシリーズ続きそうですね
もしも出たら追いかけたいですね
あと「バイオレンス豆腐」には爆笑しました。センス! -
Posted by ブクログ
人はなぜ他人を許せなくなるのかを、脳科学や医学的な観点から読み解いた一冊。
特に印象に残ったのは「一貫性の原理」。これまで自分がなんとなく感じていたことに名前がついていることを知り、「なるほど」と腑に落ちる部分が多かった。
また、年齢を重ねると自分と異なる意見を受け入れにくくなることにも、脳科学的な背景があると知れたのも興味深かった。
本書を読んで、人間は誰しも不完全で、矛盾する生き物なのだと改めて感じた。「自分の考えが正しい」と思いすぎることが、他人を許せなくなる原因の一つなのかもしれない。
人間は永遠に完成しない存在だと意識することで、自分も他人も少し寛容に見られるようになる。そんなことを考えさせられた一冊だった。
自分が健康でいられる範囲で、他人との違いや多少の矛盾を許容して生きていきたいと思う。