毎日新聞出版から出ている、まさに新聞のような書籍である。
紙の質感まで、新聞紙っぽいのがおもしろい。
首脳会談や時事ニュースのモノクロ写真が多数掲載されているのも、新聞っぽい。
これらの写真は、忘れていた話題を、視覚的に思い出すのに、とても役立つ。
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2026年を展望するための、日本国内と世界の前提条件を確認するための書籍である。
しかし、2月現在、その前提条件が、大きく変わってしまっている。
一瞬で、この本が古くなってしまったようなものだ。
奥付けを見ると、
2025年12月25日 印刷
2026年1月15日 発行
と書いてある。
この期間、2026年1月3日に、アメリカによる、ベネズエラへの軍事作戦が行われ、マドゥロ大統領夫妻が拉致された。
トランプ政権の国際法無視の姿勢が明白になり、「法の支配」から「力による支配」へと、国際秩序の大転換が決定的になった。
トランプは、「ドンロー主義」と称される西半球支配を、あからさまに語るようになった。
それ以外の土地の権益を、中国・ロシア・EU・インドで競い合う構図になってしまうのだろうか?
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日本の内政においては、2026年2月8日の衆院選において、自民党が単独で3分の2を上回る議席を獲得し、歴史的な圧勝をした。
リベラル・左派は惨敗し、存亡の危機に陥っている。
わたしは、この事態を本当に憂慮している。
経済も外交も、混迷を極めている。
最大の政治課題は、人口減少である。
労働力も、社会保障も、インフラも、食料自給も、地方自治体も、共同体も、何もかもすべてを保持できなくなる可能性が高いからだ。
墜落しそうな日本を、なんとか軟着陸させる新しい方法や価値観を探さなければならない。
しかし有権者は、あいかわらず自民党に投票した。
新時代の価値観に転換できないまま、「失われた30年」を担ってきた自民党に、最大の権力を与えた有権者は、まるで「詐欺被害にあっても何も学ばず、いつまでも奪われ続けるカモ」のようである。
本書に書かれている「26年間の自公連立の解消」は、それ自体が、日本史の教科書に記述されるトピックである。
近い将来に、日本が戦禍や大地震や大恐慌などで、衰退のドン底に墜落したとしたら、2025年10月4日、高市早苗が勝利した自民党総裁選が、日本が軟着陸する可能性を失った「ポイント・オブ・ノーリターン」だったと振り返られるのかもしれない。
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以下、備忘録。
⚫︎ダライ・ラマ14世の後継者(転生者)について、中国政府は「承認が必要」としている。
⚫︎暗愚な「日本の核兵器保有論」。
これは、核拡散防止条約(NPT)からの脱退を意味する。当然、経済制裁される。餓死者を出しながら核開発する、北朝鮮と同じ状況になるということ。
さらに、日本の領土・領海のどこで、核実験をするつもりなのか?
開発できたとして、どこに核兵器を保管するつもりなのか?
原子力潜水艦という選択肢しかないが、日本は原潜を保有しておらず、建造したこともない。
⚫︎2015年、安倍政権による安全保障関連法(安保法制)。
それまでの政府見解「9条の規定により、集団的自衛権は行使できない」から、解釈改憲する。
「存立危機事態」という新概念を作り、米軍に追随するための集団的自衛権行使を容認する。
その際、安倍晋三は「台湾」を例に出さず、「ホルムズ海峡」ばかりを例に挙げ、答弁していた。
つまり、「中台問題」という地雷を踏まないように「曖昧戦略」の答弁をした。
しかし、高市早苗は首相になった途端に、自らその地雷を踏んでしまった。
◉追記(3月1日)
また、世界情勢の局面が大きく変わり、日本の政策の立脚点も揺らぎはじめた。
2月28日、アメリカとイスラエルが、イランをミサイル攻撃し、最高指導者ハメネイ師が死亡した。
イランの核開発を阻止することが主目的だとされるが、政権の転換まで目論む、本格的な攻撃がはじまった。
イランの対抗策の例として挙げられているのが、「ホルムズ海峡へ機雷を撒き、海上封鎖」である。
各国へのエネルギーの海上輸送を、封鎖するという対抗手段である。
まさに、安倍晋三が「存立危機事態」として、何度も何度も、例示した事態が起きるかもしれない。
つまり、米軍からの要請で、自衛隊が戦闘地域へ派遣を求められるかもしれないのだ。
それが法的に可能である「理屈」は揃っている。
トランプが「自衛隊員も血を流すリスクを取れ」と強硬に要請した場合、高市早苗には、うまく誤魔化したり、すり抜けたりして、拒否するだけの政治家としての手腕があるのか?
もともと、高市早苗の3月中の訪米が予定されている。
今後の「日本の進む道筋」を見通す意味においても、重要な局面である。
◉国際情勢をチェックし続けることは、現実的に重要である。
一方で、そんなものは、「クソジジイどもの勢力争い」に過ぎないということを、心に刻んでおかなければならない。
トランプも、ネタニヤフも、ハメネイも、強欲なクソジジイに過ぎないのだ。
(もちろん、高市早苗も欺瞞まみれのクソババアだ)
ミサイル爆撃により、イランの女子小学校で、児童・教員が85人死亡、90人以上が負傷という報道がされている。
なぜ、「強欲なクソジジイどもの勢力争い」で、子供たちが死ななければならないのか!
この人間社会は、そもそもの前提が狂っている。
狂った前提を、無自覚に受け入れてしまうことで、「主語の大きな論争」に加担してしまってはならない、思考を支配されてしまってはならない。
自分自身が「生きている」という、不可思議だが圧倒的な事実、その「暮らしの質感」に基づいて、自分自身の頭で思考しなければならない。