池上彰のレビュー一覧
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【レビュー】
さすが池上氏である。ここまで簡潔明瞭、しかし濃い中身を提供してくださるとは!正直いって悪いところがどこにあるか分からない本。だが人間には完全さがないので★を一つ減らしている。実質的には★五つ。
【特記事項】
・リーマンショック以後、日銀は企業のCPを購入したが、これは貸倒になる可能性があるから、リスクを取らない日銀としては異例の行動だった。
・なぜペイオフをして、全額保護しないのか。それはモラルハザードを防ぐため。
・紙幣は国立印刷局が刷って日銀が購入。硬貨は政府が鋳造し、日銀に流通を委託している。
・政府が紙幣をすればよい←インフレになるからだめ。
・中央銀行が紙幣を刷っても、 -
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福島原発問題、ウサマ・ビンラディン殺害…。私たちを取り巻くさまざま『ニュース』を小学生向けに解説したものをまとめた第4弾です。僕はこの本から最初に読みましたがそれでもなんら問題はありません。
先ほどこの本を読み終えましてね。で、この本で第4弾だということもはじめて知りました。ここに書かれていることは巷で話題の最新のニュースを池上さんが「わかりやすく」小学生向けに解説されたもので
「よくこんな内容をここまで詰め込んだもんだなぁ」
と驚きをもちながら最後まで読み進めていくことができました。
最新のニュースを解説すると言うことで、この本の「鮮度」はそう長いことはありませんけれど、日ごろ自分がテレ -
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ネタバレTPP、農業と国内産業、平等、対中国・韓国、日本製品のガラパゴス化と国際マーケティング、税と社会保障、政治家の覚悟と官僚制度、マスコミの問題、国民の義務、そして東日本震災…
今の日本でホットな話題になって久しいこれらの話題を、池上氏ならではの非常に分かりやすい語り口で解説し、何が問題だから騒がれているのか、その裏側にあるホントのところは?など、多くの知識を得ることができる。
自分は比較的これらのことに関心があったほうだし、確認復習のつもりで読んでみたのだが、初めて知ったこと、曖昧な理解が整然とするなどボリュームが薄い割りに多くの成果があった。(いや、もう少しボリュームがあっても読み続けられる内 -
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ネタバレ111126 この本のタイトルは「先送りできない日本」ですが、読み進めて行くと「世界が先送りできなくなりつつある」と感じます。地球の恵みをむさぼってきた人類は、私たちの地球の存続させるために、立ち止まって考えなければならない時が迫っていることに気が付かなければならないのです。
それぞれの国の政権は、自らを守るために短期的な政策を講じています。
しかしながらそれは、どうしても「誰かが獲得して誰かが失う(win-lose)」の攻撃的な政策になりがちです。
地球の環境が悪化し、資源が枯渇することが明白になった今こそ、先進国も、発展途上国も「両方とも得られる(win-win)」の政策を目指して -
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第一次世界大戦後にドイツが体験したハイパーインフレについて書かれた本。デフレ慣れした現代では想像できないが、インフレの恐ろしさが理解できる。初期の頃は、個人消費は活発になり、失業率は低下して株高になるなど見せかけの繁栄となるが、最後は社会がガタガタに崩壊し、あらゆる悪が助長され、病気や貧困がはびこる状況となる。時間が経過するたびに、インフレが猛烈な勢いで進んでいくので、読んでいるこちらも麻痺してしまう。終戦時に5000億個の卵が買えた値段で、その5年後には卵1個しか買えなくなったと表現されている。しかし、不平等が拡大した大混乱の社会を、うまく乗り切った人々も存在し、将来のインフレ時にとるべき行
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「小説フランス革命」の佐藤氏と池上氏の対談。フランス革命は、ブルジョアによる前半の革命と、市民による本格的な革命の2段階だったという指摘と、革命における言葉の重要性については目を開かされた。理想を語る言葉に扇動される前半と、その言葉に縛られて自らを滅ぼす後半。
日本の明治維新、戦後との比較で、日本の革命は前半部分のみの1/2であるという点も面白いが、何より、民主党政権への交代という革命についての語りが面白い。政権交代はひとつの革命といえたが、これも中途半端。経済低迷、財政破綻、政治混乱に続く震災で、日本で後半の革命が発生する可能性があるという。マニュフェストで扇動し政権をとったものの、それに縛