Posted by ブクログ
2012年08月03日
イスラムやその教義について詳しく紹介する本は数多くあるけれど、この本は子どもにも理解できるよう、そもそも宗教はなんのために存在しているのか、という日本人には一番理解の不足するところから、わかりやすく説明しています。また、イスラム教の歴史からいきなりスタートするのではなく、ユダヤ教、キリスト教と歴史的...続きを読む背景を繋ぎ、またそれら宗教と違いを説明する形で、最後には日本人にとって文化・慣習となりつつある仏教・神道を、宗教という観点で解説。併せて、途中で「イスラム」が誤解のある連想を生む背景にもある、中東和平問題やアフガニスタンの歴史についても簡単に要点をまとめてくれていて、地域問題への入門書にもよいと思いました。基本的なことでも意外と知らないことが多いと気付かされます。とにかく、池上さんの語り口が聞こえてきそうな、読みやすくてよい本です。