支倉凍砂のレビュー一覧
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豊穣の神、ホロと旅をすることになったロレンス。銀貨を使った金儲け話に始まり、商会同士の争いや果ては命のやり取りまで…「お仕事小説」とか言われてたので、なんとなくつまらなそうと思っていたが、これは興味ある。
武器で戦うのではなく、口で戦う訳だ。
ただ、眠いときに読んでいたからか銀貨事件の一連の流れにイマイチついていけてない。なんで黒幕アイツだったんだっけ?
再読するのも面倒なので、誰か解説書いてないか探したがない。ま、いいや。
ホロは賢狼と自ら言う割に結構幼い。自分がいなくたってあの村はやっていけると拗ねてみたり。
ただ、魅力的なキャラクターではあるので、主人公のロレンスともども今後の活躍が楽しみ。
商売の世界はある程度ハッタリも必要だし、度胸がないとやっていけないんだな。 -
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エレノアとともにアバロンの不正をあばいたハルは、「月面の英雄」として多くの人びとに知られることになります。一方、大学を卒業したクリスは、E・J・ロックバーグ銀行に就職し、めざましい活躍をしていました。そのロックバーグ銀行が、不動産ローンをまとめた証券を売り出し、大きな注目を浴びます。しかしハルは、「悲観の帝王」と呼ばれる投資家のドクター・ウォレスが疑いの目を向けていることを知り、不動産ブームに沸く市場に逆行する判断をくだします。
その後、ハルにとって因縁の相手であるバートンから、ある取引がもちかけられます。バートンが、ハルのもとからゆくえをくらましていたハガナと協力関係にあることを知り、バートンとの交渉に臨みます。
「電撃文庫」のなかでもかなり分厚い本ですが、前半と後半で明確にストーリーがわかれています。前半は、前巻でやや不憫なキャラだったクリスが新しい道をあゆみはじめたことが明確にえがかれており、サブヒロインとしては読者の印象にのこるあつかいになっています。他方、ハガナのいない前巻ではおおむねメイン・ヒロインに近い立ち位置だったエレノアのその後もえがかれていますが、こちらはややおざなりなあつかいです。本シリーズを経済小説としてたのしんでいる読者にとってはさほど重要なことではないのかもしれませんが、ラブコメとして読んでいる読者の一人としては、すこし残念に感じてしまいました。 -
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バートンによって煮え湯を飲まされ、ハガナも教会を出ていったあと、ハルは株式市場から離れて、勤労奨学生として役所で仕事をしながら大学に通っていました。そんな彼に、エレノア・シュバイツェルという女性が投資家としての彼の才能に注目し、クリス・クーンを通して彼を雇いたいという話をもちかけてきます。こうしてハルは、余年のブランクを経て、ふたたび金融の世界に立ち返ることになります。
クリスとともに「シュバイツェル・インベストメント」の一員として仕事をはじめたハルは、あるときエレノアのほんとうのねらいが巨大企業アバロンの闇をあばくことにあると聞かされます。彼は、エレノアを支えようとしますが、やがて彼自身にも因縁のある人物がかかわっていることを知ることになります。
前巻で手痛い目にあったこともあり、すこしおとなになったハルのすがたがえがかれています。 -
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レスコの町でロレンスたちに接触を図ったのは、デバウ商会の会計認を務めるヒルデ・シュナウでした。彼は、デバウ商会が内部分裂の状態にあることを語り、自分たちを助けるためにロレンスたちの力を借りたいと申し出ます。ロレンスはこの以来を引き受け、ル・ロワたちが求めていた禁書をとどけるため、ホロを彼らのもとに行かせますが、そのあいだにもヒルデに敵対する勢力は攻勢を仕掛けてきて、ロレンスはミューリ傭兵団とともに町を脱出せざるをえなくなってしまいます。
いわゆる「剣と魔法のファンタジー」ではないので、ホロが正体を現わす展開になるほかには、シリーズを通してキャラクターの大立ち回りが演じられることはなく、ロレンスたちの商人らしい才覚によって危機を切り抜けていくという展開がストーリーの山場をかたちづくっているのは、これまでと同様です。本編ストーリーとしては、あと一巻をのこしているので、そこで落穂拾い的なエピソードが語られることになるのでしょうか。 -
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ホロの仲間であるという「ミューリ」の名前をもつ傭兵団が存在すると知ったロレンスたちは、レスコの町を訪れます。そこでホロは、ミューリ傭兵団の団長であるルワード・ミューリに出会い、故郷とのつながりのひとつにたどり着くことになります。その後、ロレンスは店を開くために、この町についての情報を集めます。デバウ商会が傭兵たちを呼び集め、彼らをつかって大量の銀貨を運び入れていることに気づきます。
そろそろ物語も締めくくりが見えてくるころですが、まだストーリーはゆっくりとした流れで、着地点が見通せません。本巻の最後で、謎の人物がロレンスたちに接触してくることがえがかれているので、次巻で物語がどのように動いていくことになるのか見守りたいところです。 -
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今回は、短編三作と中編一作で構成されています。
短編は、いつものようなロレンスとホロのやりとりがえがかれています。特筆するような内容はありませんが、二人のあいかわらずの関係性がほほえましくなります。
中編「羊飼いと黒い騎士」は、ノーラの後日談を、牧羊犬エネクの視点からえがいた、一風変わった趣向の作品になっています。仕立て屋になることをめざしてクスコフの町にたどり着いたノーラでしたが、人びとが出ていって活気をうしなった町には、彼女の望む仕事はありません。それでもノーラは、その町で新しい一歩を踏み出すことを決意するのですが、ちょっと結末を急ぎすぎた感じもあります。 -
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港町ケルーベにもどったロレンスたちは、ハスキンズの知りあいで絵画商のハフナー・ユーグのもとを訪れ、北の地理にくわしいという女性銀細工師のフラン・ヴォネリを訪ねます。北の地図をえがいてほしいというロレンスたちの依頼に対してフランは、タウシッグという村まで同行して、天使と魔女にかんする伝説について村人の話を聞きたいともちかけます。
ところがタウシッグの村では、教会と異教の勢力の移り変わりに人びとが翻弄されていました。フランの真意を知ったロレンスは、彼女との取り引きにおうじますが、その直後に領主がこの村の伝説をめぐって大きな決断をくだし、ロレンスたちは危地に追い込まれてしまいます。
今回は、本シリーズの元来の路線である商売と経済の世界からすこし離れた内容になっています。フランとの心理的な駆け引きも若干単純で、他の巻にくらべるとすこし見劣りがするようにも感じました。 -
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港町ケルーベで、エーブにあいまみえることになったロレンスたちは、「狼の足の骨」についての話を知っているというジーン商会の主テッド・レイノルズへの紹介状を入手します。さっそく訪れたレイノルズは、思いのほかすなおに話をしてくれますが、そうした彼の態度からは、エーブとの今後の関係についてなんらかの思惑が秘められているように感じられます。
さらに、ローエン商会若き館長であるキーマンも、エーブと親交のあるロレンスに接触し、こうした人びとのさまざまな思惑のなかで、ロレンスたちはしだいに身動きのとれない状況へと追いつめられていきます。
あいかわらず、一癖も二癖もある商人たちの駆け引きと、ホロとの心理的な駆け引きに翻弄されるロレンスですが、そこに朴訥ながらも頭の回転はけっして悪くない少年コルがくわわったことで、若干物語全体の雰囲気にゆとりが生まれてきたような気がします。