まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2011年03月06日
短編のサイドストーリー集第3弾。今回は「桃の蜂蜜漬け」買う金欲しさに智恵を働かせるお話に、「為替バランス」でロレンスが大もうけを企む話、そしてあの羊飼いノーラと「エネク」のアフターストーリーの計3編。前2編に登場するロレンスとホロの掛け合いが最高におもしろいのは相変わらずです。第1話めではある意味い...続きを読むつものようにロレンスがホロの気持ちを読み違えてちょっと起こらせてしまうのですが基本ラブラブ。第2話はシリーズ初じゃないでしょうか。ロレンス冴え渡りまくりでした。どちらもよかったのですが、やはりメインは3話め。単なる牧羊犬ではないと思っていたエネクですが、彼視点でのストーリー展開は、ノーラのおひとよしを一緒になって歯がゆく感じたりして、不思議な体験でした。深い愛を感じましたw
(「たなぞう」の自分の感想を転載)
Posted by ブクログ 2010年01月31日
狼と香辛料第13作目はまたまたサイドストーリー。でも結構このシリーズの短編集が好きな自分がいる。
ロレンスが稼ぐ2話、ホロ目線の1話と、羊飼いノーラを護衛する黒き騎士・エネク(犬)目線の話が1話の4話。
やっぱりホロ目線の話は面白い。俺は完全にホロ派だから毎回短編集に1話は入れてほしいくらい。
...続きを読む
ロレンス主体の話は個人的にお気に入りの話。シリーズの最初のあたりと比べると、ああ…ロレンスも漢になったなあ。とニヤニヤしながら読める内容。
エネクの一人称が我輩だったところがなんとなく予想どうりでウケたwなんとなく老獪な雰囲気を漂わせつつも、ちゃんと抜けているところが逆にリアルな感じがした。うちの犬もこんな感じだといいなあ。笑
Posted by ブクログ 2015年02月25日
短編集
ロレンス視点二つ
ホロ視点一つ
エネク視点一つ
一つ目話は、ほっとかれたホロが機嫌悪くなる話
ロレンスは愚図
二つ目は、なんてこと無い日常の話。ホロ甘い
三つ目、ホロ視点、甘ったるい。本編の三割り増し
四つ目、ノーラのその後のお話。前途多難、なかなか落ち着きそうにない。
Posted by ブクログ 2013年10月20日
「心外である。」
短編集なりに面白かった。
4編中、2編の一人称ということが珍しかった。
ホロの一人称というのは、心が何が見えないことこそがホロなのではないか?と思ったりしているのが、ホロ一人称だと、ロレンスの心が逆に読めなくなり、それはそれで読んでいて面白かった。
最後のノーラの番外編は面白かった...続きを読む。まさ、犬のエネクの一人称で話が進むとは、自分のことを「我輩」や「騎士」と呼ぶ古風さには意外さと愛嬌があった。
一人称とか普段と違う書き方とすると、作者にとっても気分転換になったりするのだろうか?
Posted by ブクログ 2013年05月03日
前回からあまり間を空けずのサイドストーリー
ホロとロレンスの短編3篇と羊飼いのノーラのその後を描く中編。
ノーラのその後は作者も書きたがっていた内容なので面白かった。
Posted by ブクログ 2012年01月05日
本編の続きを期待していたが、今巻も短編集。
ホロ視点と、ノーラの短編が入っていたのは
目新しく面白かった。
が、ノーラの短編はその後のノーラが描かれており
彼女の夢が叶ったわけでもなく、飽くまでその後。
しかも、視点がエネクなのである。
あとがきにもあったが、確かにノーラ視点ではつまらなかったかも...続きを読むしれないが
ちょっとずるい様な気もした。
しかし、エネクの行動をノーラが勘違いして
心外だ、とエネクが思っているのは可愛かった。
人と動物に限らず、大人と子供といった間柄で
上であると思っている側が相手を必要以上に幼く見て
勝手に勘違いしてしまうようなことは
実際よくあるのだろうなと思った。
Posted by ブクログ 2011年07月16日
全4話の短編集
ホロとロレンスの他愛ないいつもの感じのが3話
その内1話はホロ視点で少し新鮮
最後はノーラの話
視点はエネクなんですが
やっぱりノーラは生粋のお人好しですね
ノーラ好きには嬉しいものです
Posted by ブクログ 2017年04月28日
本編で回収できなかったエピソードや本編からは離れてしまったサブキャラのその後を描く短編集。
話題になったものの実物を見ることができなかった「桃のはちみつ漬け」を巡るエピソード、ホロ視点のお話、そして、女羊飼いノーラのその後を相棒エネク視点で描くお話と、気になっていたストーリーの隙間が埋まって一安心...続きを読む。
しかし、サブキャラはできれば本編の中でもう少し書き込んで欲しかったと思う。みんなキャラが立っているのだし。
Posted by ブクログ 2011年03月20日
短編集です。
以前にもあったホロ目線の話が今回も登場してて、ホロの心情についてのアンサー編的な意味合いもあり、面白かった。
また、エーブと並ぶ(?)人気キャラ、ノーラのその後のお話しがありました。
彼女は薄幸というより、単に運が悪いって言葉の方が合う感じで、あんまり可哀そうって感じがしないのは、多分...続きを読む彼女自身が打たれ強くて常にポジティブな人だからでしょうね。
ま、それを支えているのが、一人(?)苦労しているエネクなんでしょう。
Posted by ブクログ 2010年12月03日
短編集。ホロとロレンスの話が三つにノーラの中編という構成。
ホロとロレンスは、まあ、いつも通りですね。あまあま(笑)
ただ、この短編集読んで、ロレンスって旅の途中でなんだかんだと小さな商いをやってたんだと初認識。
どうも本編ではそこら辺分からなくて、
最近行商してないけど、ホロの酒代とか大丈夫なの...続きを読むか?
とか思ってた。
それにしても、桃の蜂蜜漬けは食べられたんだろうか? 気になる(笑)
ノーラの中編はまさかのエネク視点。
最初はちょっと違和感あったけど、だんだんよくなった。
なにより、この作品では珍しく、話の裏を読まなくていいのが新鮮。
ただ、エネク、うらやましすぎる(笑)
ええ、けしからんです。
ノーラ自身の境遇はまだ定まらず、
彼女の未来に幸あれと祈りたい。
ていうか、彼女の続編希望!
Posted by ブクログ 2010年07月10日
side colors ということで短編集。
その中での一押しはやはりノーラとエネクの話。
まさかエネク視点にもなっているとは思わなかったがw
ただ残念なところはもう少し先まで読みたかったなぁ・・というところ。
仮にこの話が本編中であったのなら、ノーラとエネクが乗り込んだ先にまた一つ二つ罠がありそ...続きを読むうなので、どう乗り越えていくか観てみたかった…。
さて、ホロとロレンスのいちゃいちゃっぷりも板に付いてきた感じ。安心してニヤニヤできるw
Posted by ブクログ 2010年03月27日
読み終わりました。
今回は外伝。短編集。
メインはずっと以前の章で活躍してくれた羊飼いの娘ノーラの後日譚。
相棒のわんこ、エネクの視点で描かれています。
まるで「キノの旅」の陸くんのようです。
さて、ロレンスたちとの作戦でちょっと稼げたノーラさんは夢であった仕立屋になるため、かつて疫病で人口の半分を...続きを読む失ったという町にやってきたのです。
そこで嬉しかったり、失望したり、また嬉しかったり。これまでになかった体験をするのでした。
そしてとんでもないことが待っているのでした。
もしロレンスと再会することがあったらきっととても驚かれてしまうことでしょう。
他の短編でもホロさま視点の作品があり、今回はいつもと異なる語り口の作品集でした。
これまでの作品を読んでいたら楽しめます。というか、そうでないと楽しさ半減でしょう。外伝とはそういうものですが。
Posted by ブクログ 2010年02月24日
狼と香辛料13巻目。サイドストーリー。
2巻目に出てきた元羊使いノーラと相棒エネクの後日談。
エネク視点というところは意外だった。
また今回にはホロ視点での物語の進行もあるので
こちらも結構新鮮な感じがして面白いです。
Posted by ブクログ 2009年12月19日
短編はほのぼのとしていてホッとする。
最後の小さな騎士視点は面白かった!贈り物に右往左往なローレンスも、なんだかんだ言って手のひらのホロもよし(笑)
Posted by ブクログ 2021年12月26日
今回は、短編三作と中編一作で構成されています。
短編は、いつものようなロレンスとホロのやりとりがえがかれています。特筆するような内容はありませんが、二人のあいかわらずの関係性がほほえましくなります。
中編「羊飼いと黒い騎士」は、ノーラの後日談を、牧羊犬エネクの視点からえがいた、一風変わった趣向の...続きを読む作品になっています。仕立て屋になることをめざしてクスコフの町にたどり着いたノーラでしたが、人びとが出ていって活気をうしなった町には、彼女の望む仕事はありません。それでもノーラは、その町で新しい一歩を踏み出すことを決意するのですが、ちょっと結末を急ぎすぎた感じもあります。
Posted by ブクログ 2019年06月17日
短編集。
甘々なロレンスとホロの話3編と、元羊飼いノーラが、新しい街に行って次なる一歩を踏み出す話。
短編集での2人の話は物語の進行に応じてどんどん甘くなってくるイメージが。
[狼と桃のはちみつ漬け]
遂に出会ってしまった高級桃のはちみつ漬けを購入するために奮闘する話。
「二人で」やりたいとか、...続きを読むもう結婚してしまえ。
[狼と夕暮れ色の贈り物]
男避けに、狼避けの貨幣を首から下げさせる話。
態度が堂々としてきた感じが。
[狼と銀色のため息]
質の悪い狐の毛皮を示す値札を、そうとは知らず自慢のしっぽにつけてご満悦のホロが可愛い。
[羊飼いと黒い騎士]
羊飼いをやめたノーラが、服飾関係の職につこうと、疫病で人の減った村に来たら、ゴタゴタに巻き込まれて、教会の司祭につく話。
疫病で人が沢山死んだ→就きたい職に就くことが可能だ。と安易に考えてしまい、それはある意味正解なのかもしれないけれど、被害を受けた方としては生きるのに精一杯で軽い気持ちで来られても辛いわけで。
中々人生思い通りに行かないものだと思うけれど、無難な着地をしてくれたようで何より。
Posted by ブクログ 2014年10月26日
久々に狼と香辛料の続き読んだ。13巻目。
「狼と桃のはちみつ漬け」「狼と夕暮れ色の贈り物」「狼と銀色のため息」「羊飼いと黒い騎士」の短編4話です。
最初の3話は相変わらずホロとロレンスのいちゃいちゃが堪能できます。爆発しろ。
そして4話は久しぶりの羊飼いノーラと、それを牧羊犬エネクから見た視点...続きを読むのおなはし。
主を殺され命からがら逃げてきたエネクに寄り添ったのがノーラだった。その日からノーラが新しい主になった。
リュビンハイゲンの一件が終わり、羊飼いから服の仕立て職人を目指そうと、疫病が流行り人口が減ってしまい立て直し中の街クスコフを目指す。
その道中、廃屋で休んでいるところを山賊に襲われている一団をノーラとエネクが助ける。
その一団は、クスコフの教会の新たな司祭たちだった。
ノーラのその後やいかに。
そんなわけで次が14巻。そろそろホロとロレンスの旅も終りが見えてくるころだ。
Posted by ブクログ 2013年08月21日
本編続きが気になるが、コーヒーブレイクの短編集。
全4編のうちの一つでノーラ再登場。しかもそのノーラ話が全体の半分を占める中編物語。
ノーラかわいいよノーラ
Posted by ブクログ 2011年02月18日
内容的にローラの中篇自体は悪くないし、他の短編も悪くないと思う。ただこの狼と香辛料の悪いところである、(初期の巻には少なかったと思われる)起承転結の起承が物語の大半を占め、転結がないのが露呈されている印象を受ける。確かに今回の中篇では、なしのほうが色々想像できて良いかもしれないが、、個人的にあまり好...続きを読むい印象を持てない。
Posted by ブクログ 2010年03月18日
ホロ&ロレンスの熟年夫婦(笑)は温かい話でした。こういう話は好きです。そして後半はまさかの視点切り替え。意地悪ノーラが可愛かった。短編集はサブキャラにスポット当たるようなら次はコルの過去とか?
Posted by ブクログ 2012年11月10日
全3話の短編集。
1話目と2話目は、既に発表されたロレンスとホロを書いた短編の再録。短編故にすっかり恋人同士にしか見えないふたりのやり取りは楽しいが、緊張感はあまり無い。
書き下ろしの3話目は、エネクの視点で語られるノーラが主人公の話。エネクに語らせないといけないほど、ノーラが動かないキャラなので、...続きを読むそれほど起伏がある訳でなく、後日談然とした話。
個人的にはこのシリーズは、高い緊張感の中にあるロレンスとホロの濃いやり取りが肝だと思うし、大好きなところなのだか、ここ2巻はとりわけさっぱりで悲しい限り。
ロレンスとホロの出す結果はとても楽しみ。そろそろラストスパートのはずなので、下手に引っ張らない事を祈って次巻に期待したい。