【感想・ネタバレ】狼と香辛料XIX Spring LogIIのレビュー

まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!

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Posted by ブクログ 2017年05月14日

どこを取ってものろけ話になるような短編集。ハッピーエンドを迎えての続きはこうなるのかという話。いいね。

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Posted by ブクログ 2017年05月13日

SpringLogという物語に波乱なんていらない。事件なんて起こらなくていい。ただただ、2人の幸せであり続ける物語を見せてくれたらそれでいい。
書き下ろし中編『狼と香辛料の記憶』のラストには震えた。ホロの視点から見る、幸せであり続ける物語からは悲哀がひしひしと伝わって来て僕の胸も苦しい。起伏なく続く...続きを読む日常に恐れを感じるというホロの焦燥が痛いくらいに伝わって来て。それならばと旦那が示した策は、読者にとっても余りに魅力的。
必ずや、1巻から読み返したくなる。ファンにとっては堪らなくそそる好編だった。
ってかさ、わっち可愛すぎんだろわっち。こんな真面目くさった気障な文章書いてる間も顔が緩んで緩んで仕方がない。ほんともう。。。ホロは俺の嫁!そんな老害みたいな文字列を並べたくなるくらい可愛いんだって!
てっきりこれで『香辛料』の物語は終わりだと思ってたのに、なにやらまだ出るらしい。
蛇足だなんて思わない。ホロとロレンスの物語を死ぬまで書いてください支倉先生。

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Posted by ブクログ 2021年05月07日

数年ぶりに続編を読んだ。毎日が繰り返しだと少しずつ幸せに慣れてしまう、とか、いつかは顔を見れなくなる日が来る、とか、自分が結婚してから見るとぐっとくる。

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Posted by ブクログ 2019年07月27日

【内容】いずれこのぬくぬくとしたしあわせも終わり自分だけが残されてしまう。そのことを意識したホロには妙な焦りが生じ。

【感想】このシリーズのサブタイトルの意味がわかる。ああ、なるほど、と。珍しくホロの一人称なのと。ロレンス亡き後のホロの切なさも。

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Posted by ブクログ 2017年06月08日

10周年を機に新しく始まった狼と香辛料の後日談物語の2巻目。
4つの短編が入っている。
そのうち一つはコルとミューリのニョッヒラ時代のお話だけど、後はたっぷりホロとロレンスのお話が読める。
うん、幸せ。

行商時代のお話もいいけれど、やっぱり今のホロとロレンスのお話がいいなあ。
ホロがかわいすぎる!...続きを読む
見栄っ張りで意地っ張りでそのくせ寂しがり屋で、いつの間にか賢狼というより、ただの恋する乙女になっている様が、なんともかわいい。
羊の群れをうまく従わせられなくてべそをかくホロなんて、ロレンスじゃないが抱きしめたくなる。

最後の話はホロ視点。
たぶん、この長いシリーズでホロ視点のお話は初めてなんじゃないかな。
ホロから見たロレンスの優しさ頼もしさがなんともいいね。
そして、その胸の内に拭いがたく存在するホロの怯え。
何百年も生きてきたその辛さがホロを苦しめる。
それはまだ失ったことのないミューリの天真爛漫さとは全く異なる。
この、いつか失われることが分かっているからこその、幸せの大切さに胸が締め付けられる。
でも、そんなホロの救いの神は、やっぱりロレンスなのだ。
100年経っても、1000年経っても色褪せない幸福をホロに届けられるように、そんなロレンスの心配りに、涙が出る。

まだまだ、続きが読みたいね。
あと、ノーラやエーブなど昔の登場人物のその後のお話も読んでみたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年06月10日

 短篇集。コル視点の「狼と甘い牙」、ホロ視点の「狼と香辛料の記憶」など多様ではあるが、シリーズ本編完結後の物語ということもあり、飽きが訪れるのは避けられない。
 特に「狼と香辛料の記憶」では、平凡な日々の繰り返しが記憶に残らずに流れていってしまう不安がホロを襲う。彼女のような特殊な環境にあらずとも、...続きを読むじりじり追い詰められるだけの受け身生活を送っている自分にとって無関係のテーマではない。

 こうした不安の中でまず考えるのは、やはり何かイベントの発生により生活に刺激を与えることだろう。作中のホロのように、ハンナの登場で夫と一悶着・・・とか、なるほど分からんでもない。自分から新しい世界にどんどん踏み込んでいくのは、こと若いうちは絶対に重要なことだと思う。
 しかし、そうした手段とはちょっと違う方向で物語が収まっていくのがこの小説の魅力なのかもしれない。双方の静かに燃える愛情が素敵ですき。終わり方はちょっと陳腐だけど、それはそれで。

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Posted by ブクログ 2017年06月10日

狼と香辛料 後日談2巻目が刊行されましたね。
相変わらずホロとロレンスの夫婦仲は良好だし、ニョッヒラ時代のミューリのことも少し描かれていて良かったです。

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Posted by ブクログ 2017年05月30日

ああもうイチャイチャしやがって!まあイチャつくというよりは二人の落ち着いた雰囲気が見られて、このあたりは長年連れ添った円熟みが見せられるものですね。最後の一編はそんな温かい時間にも限りがあるという話。いずれは来ることが確定している別れの時を想うホロの姿に切なさを感じた。その想いに応えられるようになっ...続きを読むたロレンスの成長(という言葉を当てはめていいか微妙だけど)も見られて、夫婦・家族の温かみを感じられた素敵な話でした。

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