まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2013年10月05日
短編集、おもしろかった。とくに3つめ『黒狼の揺り籠』。
女商人エーブの誕生はとてもよかった。
あのような清らかな心をもった、まさにお嬢様が一つの事件であれほど大きく変貌するのか?などと思ったが。。
最後にオーラーに顔を押さえ込まれたシーンはとてもよかった。
挿絵もよかったし、『 「お嬢様」 オーラー...続きを読むの声にメガ開くのは、ほとんど訓練された犬の反応に近い。 』という表現もとてもしっくりきた。
相変わらずの色気のある表現が素敵な作品でした。
Posted by ブクログ 2010年07月30日
今回は狼と香辛料の短編集。
①狼と黄金色の約束
ある村に立ち寄ったお話。土地の測量について、ロレンス達がとった
秘策とは。
②狼と若草色の寄り道
陽のあたる草原に寄り道をしようと提案したロレンス。ところが・・・。
③黒狼の揺り籠
エーブが女商人になるまでのお話。
短編集といいな...続きを読むがら③の量が圧倒的に多いのか気のせいかしらw
個人的に一番好きなのは②。こういう話がいいと思う。
まぁ、あまり多様されると飽きるから、短編集にはもってこいかな。
今回は挿絵のホロがかわいかった!!9巻の表紙は非常に大人っぽくなってたけど、今回のはかわいい路線。
ラノベは挿絵も楽しめるからいいよね♪
Posted by ブクログ 2010年01月30日
短編集第2作目。前半のお話はロレンスとホロのあま~い話ですが、後半の話は女商人エーブがお嬢様人生から転落して商人になる過去の話。
後半のエーブの話はかなり重い性質の内容で、読んだあとはそのエーブの過去の背景にうっ・・・となる感じ。
Posted by ブクログ 2015年02月22日
サイドストーリー三本立て
一本目、本編にはない甘々な感じ。とても甘ったるいです…
二本目、ロレンスらが未開の村の救世主となる話
三本目、エーブが没落貴族から商人になる話、本編のエーブの言動がどのように形作られていったのかをかいま見れる
本編では隙のないエーブの甘ちゃんな様子とそこから逞しい商人に変わ...続きを読むっていく様子が楽しめる
Posted by ブクログ 2014年07月31日
二回目の短編集はロレンスとホロの旅の途中と、エーブ•ボランが没落貴族から商人になるまでの二本でお送りします。
他の誰をも陥れてでも自分の利益を追及する女商人、エーブ•ボラン。
没落寸前の貴族は娘のフルールを商人に嫁がせ、商人は貴族の名を金で買った。
その婚約は、ボラン家の完全な没落を引き起...続きを読むこしただけだった。
フルールは邸宅を引き払ったのち、昔商人だった使用人から商いを学ぶ。
貴族の感覚が抜けず、損ばかりしていたフルールだったが、貴族の末席のミルトンの商売の話にフルールは乗った。
彼を信用したフルールだったが、裏切りは違うところから始まった。
フルールがエーブを名乗るまで。
商売は怖いですねぇ。
Posted by ブクログ 2013年04月24日
ロレンスとホロの旅の短編2編とエーブが商人になった時を描いた中編。
初々しいエーブが可愛い。お目付役のオーラーとベルトラがいいキャラでエーブを見守っている。物語後半の事件がなければ今日のエーブはいなかったかもしれない。
Posted by ブクログ 2013年02月09日
再読。短編2つに中編1つの構成。
短編の方は、どちらも申し訳程度にストーリーこそあるものの、基本的にはホロとロレンスの甘すぎる掛け合いが主。
これを読んでいると、緩衝材的な役割としてコルを旅の仲間に入れたのは正解だったと実感する。たまに読む程度には良いが、何度も読むにはちょっと重い。
中編はエーブ...続きを読むの過去話。まだ商人として駆け出しのエーブの言動が初々しくて可愛らしい。
後書きでも勧められている通り、エーブの登場する既刊を読み直したくなった。
Posted by ブクログ 2012年09月15日
短篇集の第2段。
本編の間の箸休めといった感じですかね。
甘々しててよいですw
エーブの話は本編の狼っぽさと過去の優しげな感じがうまく繋がらず、ちょっと違和感が残る感じでした。
Posted by ブクログ 2011年12月06日
短編集。
短編だからというだけではなくて、お話の内容的にも
面白く、とても読みやすかった。
特に、エーブが商人として足を踏み出したばかりの頃のお話は
非常に興味深かった。
彼女の過去に興味はあるけれど、長々と描かれるとうんざりしそうで
これくらいの長さで、駆け出しの頃の事件を少し書いてくれる方が
...続きを読む逆に読者としても想像力をかき立てられて良いと思った。
ちょっと悲しい話ではあったが、彼女が一人ではなかったことや
ミルトンに手酷く裏切られた訳ではなかったのが
少しほっとした。
こうした過去を抱えた彼女がホロたちに出会ったのだと思うと
確かに筆者が仰るように、彼女の登場巻を読み返してみたくなる。
Posted by ブクログ 2011年07月02日
「狼と黄金色の約束」「狼と若草色の寄り道」「黒狼の揺り籠」
前二つはいつものホロとロレンスの他愛もない戯れ
正直これいるか?って思いますけど
まぁね・・・好きか嫌いかっていわれたら嫌いじゃないから
うん・・・
それより「黒狼の揺り籠」はエーブの名前の由来
エーブの守銭奴誕生秘話みたいな
不条理な...続きを読む商人の世界に生きる二人の元貴族
それでも綴りに線とか点加えてとかよくわかんないけど
汚ねぇなまじで・・・
商人だろうがなんだろうが人間として信頼はあって然るべきだと思うんだけどなぁ、優しくない社会だけども
だから反吐がでる奴らですまったく
エーブのお嬢様な姿よかったのになぁ
Posted by ブクログ 2011年05月20日
物語もいよいよ佳境…というところで割り込んだ外伝。
ホロとロレンスの仲の良さが目立つ短編が2編とエーブ・ボランが商人としての大きな一歩を踏み出した中編が1編。
特に短編2編はロレンスが大儲けを企むわけでなし、ホロの故郷の伝承の手掛かりがあるわけでなし、ロレンスとホロがイチャイチャしているところを見...続きを読むるだけだけど、だがそれがいい。本編では大きな事件に巻き込まれたり息を抜く間がなかなかないので、外伝で何気ない日常を見せてくれるのは嬉しい。
シリーズ中で終わりまでもう外伝が読めないとわかっているのは寂しいものですね。
Posted by ブクログ 2010年10月26日
読書日記。
短編集。
ホロさまとロレンスのラブラブな話?が2つと、あのエーブがいかにしてエーブになったかという中編。これだけで一冊にできるくらいだったか。(2010年01月12日)
Posted by ブクログ 2010年07月10日
短編集その2。
ホロとロレンスの他愛もなく、ほのかに香る甘い香りな日常の一幕な話。
もう一つが、こちらがメインとなるのだろうが、エーヴの商人として駆け出しの頃の話。
エーヴとて最初から、ああも狡猾な商人だった訳ではなく、まだ貴族としての心を捨て切れない時期に商人として生きて行くことに少しせつなく...続きを読む、大きな決意をした話。
ホロとロレンス以外にも魅力的なキャラがいる作品なので、またこういった関連キャラのサブストーリーは読んでみたい。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
短・中編集。だが、とても良い。短編は二人旅の頃の話。二人だけの軽妙なやり取り。とりとめもないがそれが良い。中編はエーブの話。彼女が商人として覚悟を決めるきっかけとなる。エーブというキャラの深みが増した感じ。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
『狼と香辛料』第11巻目。
今回はサイドストーリーということで、
短編2話とエーブの過去のストーリーが入っている。
何故エーブは商人の道に進んだのか。
一時ロレンス一行に牙を向けたエーブの過去が明らかになる。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
短編集Side Colorsの第二弾。
一つはロレンスとホロが植民の村に立ち寄る話、
次に、たまにはのんびり昼寝をしようという話、
そして最後は、エーブが商人になった頃の話。
最初の二つは、本編とは違ってのんびりした話です。
毎度のロレンスが窮地に追い込まれてハラハラする展開はなくて、
二人の言...続きを読む葉遊びやまったり感を楽しむ感じ。
前回のSide Colorsはホロの内心を描いたベタ甘なエピソードがありました、
今回も挿絵のように甘め・・・もう幸せになってくれ。
本巻で一番面白かったのがエーブの話「黒狼の揺り籠」です。
エーブといえば対立の町に出てきた元貴族の女商人で、没落貴族という設定以外は謎でした。
まだ貴族気分が抜けきらず、危なっかしい彼女の姿が新鮮です。
この時はまだ名前を隠していません、果たしてエーブは一人の商人として商談を成功させることができるのか!というとネタばれですが、また短編でフルール(エーブ)の話を読みたくなりました。
ストーリーとは別ですが、文倉十さんの絵は可愛くて好きです。
本編に戻る前にもう一度読み直そうかな。
Posted by ブクログ 2009年11月24日
まだ読んでない。
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05/21
やっと読んだ。
何はともあれエーブの話がよい。
荷物が届いたあたりで先が見えたが、
それでも楽しめた(といっていいのかどうかわからないが)。
フルールかわいいよフルール。
あとがきにあるように、また以前の巻を読み直したくなりますね。
Posted by ブクログ 2021年12月25日
今回は、短編2編と中編1編が収録されています。
短編は、いつもながらのロレンスとホロの日常のやりとりがえがかれています。コルが同行する前の話なのだと思いますが、二人だけで旅をつづけていたころの作品の雰囲気が、なんだかなつかしく思い出されました。
中編は、貴族から没落して商人として生きていかざるを...続きを読むえなくなった当初のエーブが主人公の話です。フルールと呼ばれていたころの彼女の視点から、血で血を洗う商売人の世界のえげつなさがえがかれており、かならずしも好きな話というわけではないのですが、強く印象にのこっています。
Posted by ブクログ 2019年06月12日
3つの短編集。
ロレンスとホロの話は問題も起こらず二人がいちゃつくお話。
ロレンスは
"「記憶は間違えることが大いにある。しかし、文字はそうではない」
揉めた時に勝つのは、いつだって文字なのだ。"
と学びつつ、エーブは文字を書き換えられ、その文字に負けるというのは中々の皮肉が...続きを読むきいていることで。
[狼と黄金色の約束]
このときの笑顔を忘れないと言っていたけども、あまりにも穏やかすぎて、普段の非日常に比べたらすぐに忘れてしまいそう。
[狼と若草色の寄り道]
寄り道して、二人でイチャイチャ話す展開。
[黒狼の揺り籠]
没落しても貴族然としていたエーブが、金の亡者"商人"になるまでのお話。
こうなったかという感じで中々読み応えがありました。
Posted by ブクログ 2017年06月12日
なんだか二人のイチャつきが露骨な感じでお腹いっぱいな感じだったが、
本巻はエーブの話の印象が強すぎた。
頭では分かっていても甘さを捨てられていなかったエーブが、
自分の大事な人を失望させないよう、覚悟を決めた様子に引き込まれた。