【感想・ネタバレ】狼と香辛料XI Side Colors IIのレビュー

あらすじ

ロレンスたちが港町レノスで出会い、その後ケルーベまで追いかけることとなった、美しき女商人エーブ。貴族であった彼女が、いかにして今のような商人となったのか──? “もうひとりの狼”エーブの過去を描く読みごたえ満点の書き下ろし中編『黒狼の揺り籠』。 ホロとロレンスが立ち寄った村では、村人たちが諍いを起こしていた。それを解決するため、ホロが思いついたとんでもない方法とは!? 旅の途中の事件を切り取った短編『狼と黄金色の約束』。 ある晴れた日に、一枚の地図を見ながらホロとロレンスが思い立った素敵な寄り道を描く短編『狼と若草色の寄り道』。 ファン必読の、エーブを主人公とした描き下ろし中編+「電撃文庫MAGAZINE」誌上に掲載された短編2本を収録。

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まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集、おもしろかった。とくに3つめ『黒狼の揺り籠』。
女商人エーブの誕生はとてもよかった。
あのような清らかな心をもった、まさにお嬢様が一つの事件であれほど大きく変貌するのか?などと思ったが。。
最後にオーラーに顔を押さえ込まれたシーンはとてもよかった。
挿絵もよかったし、『 「お嬢様」 オーラーの声にメガ開くのは、ほとんど訓練された犬の反応に近い。 』という表現もとてもしっくりきた。

相変わらずの色気のある表現が素敵な作品でした。

0
2013年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短篇集の第2段。
本編の間の箸休めといった感じですかね。
甘々しててよいですw

エーブの話は本編の狼っぽさと過去の優しげな感じがうまく繋がらず、ちょっと違和感が残る感じでした。

0
2012年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。
短編だからというだけではなくて、お話の内容的にも
面白く、とても読みやすかった。

特に、エーブが商人として足を踏み出したばかりの頃のお話は
非常に興味深かった。
彼女の過去に興味はあるけれど、長々と描かれるとうんざりしそうで
これくらいの長さで、駆け出しの頃の事件を少し書いてくれる方が
逆に読者としても想像力をかき立てられて良いと思った。
ちょっと悲しい話ではあったが、彼女が一人ではなかったことや
ミルトンに手酷く裏切られた訳ではなかったのが
少しほっとした。
こうした過去を抱えた彼女がホロたちに出会ったのだと思うと
確かに筆者が仰るように、彼女の登場巻を読み返してみたくなる。

0
2011年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「狼と黄金色の約束」「狼と若草色の寄り道」「黒狼の揺り籠」

前二つはいつものホロとロレンスの他愛もない戯れ
正直これいるか?って思いますけど
まぁね・・・好きか嫌いかっていわれたら嫌いじゃないから
うん・・・

それより「黒狼の揺り籠」はエーブの名前の由来
エーブの守銭奴誕生秘話みたいな
不条理な商人の世界に生きる二人の元貴族
それでも綴りに線とか点加えてとかよくわかんないけど
汚ねぇなまじで・・・
商人だろうがなんだろうが人間として信頼はあって然るべきだと思うんだけどなぁ、優しくない社会だけども
だから反吐がでる奴らですまったく

エーブのお嬢様な姿よかったのになぁ

0
2011年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3つの短編集。

ロレンスとホロの話は問題も起こらず二人がいちゃつくお話。

ロレンスは
"「記憶は間違えることが大いにある。しかし、文字はそうではない」
揉めた時に勝つのは、いつだって文字なのだ。"
と学びつつ、エーブは文字を書き換えられ、その文字に負けるというのは中々の皮肉がきいていることで。


[狼と黄金色の約束]
このときの笑顔を忘れないと言っていたけども、あまりにも穏やかすぎて、普段の非日常に比べたらすぐに忘れてしまいそう。

[狼と若草色の寄り道]
寄り道して、二人でイチャイチャ話す展開。

[黒狼の揺り籠]
没落しても貴族然としていたエーブが、金の亡者"商人"になるまでのお話。
こうなったかという感じで中々読み応えがありました。

0
2019年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんだか二人のイチャつきが露骨な感じでお腹いっぱいな感じだったが、
本巻はエーブの話の印象が強すぎた。
頭では分かっていても甘さを捨てられていなかったエーブが、
自分の大事な人を失望させないよう、覚悟を決めた様子に引き込まれた。

0
2017年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

番外短編集。
フルール・ボランがエーブ・ボランになる物語が印象的。
あのエーブにもこんな時代があったなんて。

0
2013年11月30日

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