まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2013年02月09日
再読。ここ数巻で、話題の中心にあった『狼の骨』がメインの話。
ピアスキー、ハスキンズと今回の話に深く関わるキャラクターが魅力的。特に、ハスキンズの生き様にはロレンス達でなくとも揺さぶられるものがある。
商売の話の方も、『対立の街』とはまた違った緊張感が漂い、存分に楽しめた。
Posted by ブクログ 2012年09月15日
シリーズでは太陽の金貨以外では一番好きな巻です。
ホロが今までになくむき出しの感情を見せてしまう場面、ハスキンズの覚悟やホロへの言葉一つ一つがとても心に残り、より深くこの世界のキャラクターが描かれていると思います。
ハスキンズの言葉にはいくつか感動させられましたねぇ。
ホロでも言い返せない人生の...続きを読む重みも辛さも背負った言葉は素晴らしい。
他にも久々にホロに名前で呼ばれるロレンスとか。(フルネームで呼ばれたのは全巻通してこの巻だけ?)
どうしてもホロ>ロレンスだった力関係だけど、ホロにはできないけどロレンスにはできる事で事件が解決されたり。
更にはその単純な力はこの時代では時代遅れなのだという描写がこの先メインテーマになって行ったりと。
この巻からロレンスとホロはお互い対等な関係になり、本当の意味で切り離すことができないパートナーになったのかなぁと思いました。
Posted by ブクログ 2021年12月25日
狼の骨のうわさを追ってウィンフィール王国を訪れたロレンスたちは、ルウィック同盟のラグ・ピアスキーを頼って、この国に滞在することになります。この国では、経済危機に陥っているブロンデル大修道会があり、そこにつけいろうとするルウィック同盟との駆け引きがおこなわれていました。そんななかで知りあった老練な羊飼...続きを読むいのハスキンズから、彼の意外な正体を知らされたロレンスたちは、彼の願いを託されることになります。
ホロのような「神」と呼ばれた存在が、人間のなかに交わって生きることの困難と、そのために引き受けなければならない運命がストーリーのなかで明らかにされており、作品世界の奥行きが感じられたように思います。
Posted by ブクログ 2019年06月10日
狼の骨を購入したという修道院まで探しに来て、税が払えなくて王国に買い叩かれるという危機のゴタゴタに巻き込まれる話。
いろいろ手札が揃っているからというのはあるけど、ほんとロレンスはギリギリな状況で魔法のように盤面をひっくり返してくる。
人ならざるものが人に紛れるための苦労が今まで以上によく分かる話...続きを読む。
ハスキンズが肉を食べたと語る場面は鳥肌が立った。
あのホロが若者扱いされるとは。
骨についてはスッキリしたところで、旅の再開を。
Posted by ブクログ 2015年02月22日
行商人ロレンスと狼少女ホロの旅物語
雪深い島国でのお話
ハスキンズとのやり取りで、やりこめられるホロが新鮮だった
ピンチのドキドキ感はそこまで無かったが、いち行商人には手に負えないスケール感の話だった
ロレンスの主役感が少し薄い?
Posted by ブクログ 2013年07月06日
海を渡った先の雪の王国ウィンフィールでの物語。
ケルーベ編に比べれば手に汗握るような場面もなく、終止穏やかな展開。
「故郷」というものにひとつの答えを提示している。それは、「新しく故郷をつくる」ということ。
「故郷」がなくなったとしても、新しく「故郷」を作ればいい。
この物語のひとつ終わり方。その伏...続きを読む線なのかとも思ったりした。
今回の登場人物では、羊飼いハスキンズがお気に入り。
仲間を救うために奮闘していたこと、「肉を食べた」ということ。必死さを感じた。
しかし、、、最近、ロレンスは商売を忘れていないかな?笑
組合に入っているから金銭面の融通は利くのかな?
Posted by ブクログ 2013年04月16日
狼の骨を追い求めてウィンフィール王国へ
修道院に秘蔵されている狼の骨を手に入れるため、月と縦の紋章のルウィック同盟と協力することになる
一対一の行商から多対多の商売となって商売の規模がでかすぎてよく分からなくなってきた…。
Posted by ブクログ 2011年08月19日
今回出てくるピアスキーとハスキンズというキャラもまた非常に魅力的。
それぞれが『故郷を守る』という言葉は響いた。
故郷に愛着を抱き、なんとしても守りたいと考えるのは、人として当然の概念だと思う。
それを真っ直ぐに実行できなかったり
実行しようとするものがおかしな目で見られたりするのは
やはりどう考...続きを読むえてもおかしなことだと思う。
納得のいく形ではなかったかもしれないが
考えられ得る最善の形で故郷が守られてほっとした。
一点残念だったのが、ヨイツについての引っ張り方がチープだったこと。
ああいうあからさまな書き方は、少なくとも個人的には好きではない。
いつも思うが、短いけれどあとがきが
非常に筆者の個性も出ており、身近に感じられ
簡潔にまとまっていて面白くていいなと思う。
Posted by ブクログ 2011年05月19日
ホロとロレンスの絆が深まり、何より雲をつかむようだった旅の目的がはっきりして、中弛み気味だった物語がまた転がりだした。
1巻から16巻までのシリーズの中での起承転結を意識し始めたのではなかろうか。ちなみに今がちょうど「転」でいちばん面白いところ、みたいな感じ。ハスキンズさんの登場は大きな意味があっ...続きを読むたと思う。
Posted by ブクログ 2011年03月19日
ホロ以外の神様(?)がまともに話に絡んだのは今回が初めてかも。
ホロとロレンスのやりとりは、いつものパターンと言えなくもないが、まあ微妙に接近している感じです。
Posted by ブクログ 2010年07月30日
ケルーベから狼の骨が安置されているとされるブルテン修道院へ。今回は羊飼いやら大きな同盟やらがでてくるが、ロレンスはどう行動していくのか。
読み終わったのがだいぶ前だからおぼろげだけど、今回のお話の中身は故郷について。
大学に入学してから故郷をたまに思い出すけど、いいよね。いつでも帰れる安心感が。...続きを読むただ、それがないホロは・・・・という感じです。
最後、これまでの物語の核心に触れるような複線を張って終了。次回からは一体どうやって話をもっていくのか。
Posted by ブクログ 2010年07月10日
舞台はエーヴの故郷、北のウィーンフィルへ。ロレンス達の目的は「狼の骨」。
しかしながら狼の骨は教会が所有しているらしいという話と、教会と巨大な商業組合と国家とで対立中だったり。
抗争があるということは事件があるという事なので、当然の事ながら….。
ただ今までは事件に否応なしに巻き込まれていたロレン...続きを読むスではあったが、今回は事件を起こす側として動く。
商人として一つ成長した結果なのかな。
狼の件とは別に重要なのは故郷について。
今回の話で故郷を新たに作ろうとするもの、ただひたすらに故郷を守ろうとするものがいて、それらに触れたホロが何を思うのか…続きが楽しみです。
Posted by ブクログ 2010年05月24日
エーブの話が終わってしまったショックで、10巻の内容が頭の中でかなり薄れています。9巻はしっかりと記憶しているのですが・・・。ヒツジ(?)さんの言っていることはすごいなぁと・・・思いました。
Posted by ブクログ 2010年01月31日
ケルーベでの騒動もひと段落。エーブからの紹介状を携え、海を渡った先に狼の骨の存在の真偽を確かめるべく一行はウィンフィール王国へとむかう。
ここでロレンスは初めてホロ以外の「人ならざるもの」羊飼いのハスキンズと出会う。その人物にある願いを託され戸惑いながらもその願いをに応えようと必死に頑張る。
ホロ...続きを読むとハスキンズの関係も読んでいて面白い。
最後の終わらせ方が非常に気になる。ハスキンズがロレンスに話した内容はなんだろうか?ヨイツのことなのはわかるが…早く先が読みたくなる内容だった。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
海を渡ったウィンフィール王国で、教会、王家、同盟の対立に巻き込まれるロレンス達。切羽詰ったドキドキ感はあまりなかったが、駒として使われた前回に比べ、今回はロレンスが物事を大きく動かす。
Posted by ブクログ 2015年06月21日
ハスキンズさんみたいな存在が出てくるのは意外だった!!まだまだ落ち着かないかんじなので、とにかく先がたのしみです。旅がどう落ち着くのかもあるし、どこでお互いにいろいろと振り切るのかなとか。
Posted by ブクログ 2014年07月27日
ケルーベの港から船で移動するロレンス、ホロ、コルの2人と一匹。
海峡を越えた先、ウィンフィール王国で狼の脚の骨を探す。
その地は雪に閉ざされていた。
税金を上げたい王国と、強かに反抗する教会、そしてその間で暗躍する商人たち。
税金を払う余裕がない教会に、国からの税の徴収の知らせが届...続きを読むく。
何とかして良い条件を引き出そうとロレンスが動く。
的な流れでした。
あんまり話の進展なかったで、11巻に期待、と思ったら次は旅から離れた短編でした。
Posted by ブクログ 2011年06月27日
ハスキンズが教えてくれたことは?
気になる感じで終わりました。
どんどん教会のイメージ悪くなりますね。
今回は盛り上がってんのか?っていう感じの盛り上がりでした。
ホロのために頑張るロレンス
気になる伏線のために次を期待しましょう。
Posted by ブクログ 2010年03月28日
相変わらず、2人の会話が面白いかったです
次巻に続くのかと思いきや、急展開で解決!私にはこの展開についていけませんでした。
続きが気になります。