【感想・ネタバレ】狼と香辛料XXIV Spring LogVIIのレビュー

まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!

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Posted by ブクログ 2023年02月28日

好敵手再び!

本編で2度まで命を懸けたやり取りをしたエーブの登場。
羊皮紙の方ではすでに何度も登場しているので今のエーブは昔と違い、ひりつくような危なっかしさはなく文字通りの大商人になっている。
対するロレンスも、もはや商人ですらないということで、巨利を巡っての緊迫した戦いにはならない。
それでも...続きを読むやっぱりこの二人が合うとわくわくするよなあ。
エーブはその大伽藍のような企みの中でロレンスを駒に使おうとするし、ロレンスはホロのために大切な森を守ろうとエーブに一矢報いようとする。
そしてラストの展開は、これぞ狼と香辛料! と言いたくなった。

多分エーブにとって、商人でなくなったロレンスはある意味ふがいないと思っていただろうけど、今回の事は憤慨しながら楽しかったんじゃないだろうか。
互いに立場が変わったからこそ、まるで知的遊戯を楽しむようなやり取りだったように思う。

コルとミューリの事を「お姉さんは心配だよ」と言えるエーブには幸あれと願わずにはいられない。

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Posted by ブクログ 2023年01月30日

久しぶりの長編かつ旧知のキャラ、エーブの登場で懐かしくなりました。とはいえエーブは羊皮紙の方で実質準レギュラーなので、かなり2作品がクロスオーバーした感があって楽しかった。俯瞰してみて改めてコルの影響力すご、、となるし、街同士の大きく複雑な軋轢をパズルのように組み立ててやりあうロレンスとエーブもまた...続きを読む凄い商人だと思います。実益一辺倒だったエーブが、色々な経験を経て今が最高に魅力的なキャラになってるのめっちゃ好きやぁ、となりました。

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Posted by ブクログ 2023年11月28日

★穏便に済んで欲しいものですよ。(p.266)
■5つのポイント
/ホロ&ロレンス組では久しぶりの長編。
/開発されそうな深く豊かなトーネブルクの森を守れるか。森の真の豊かさとは、下生えの草→家畜の餌→糞→肥料→周辺農業を支えるという目に見えない巨大交易がなされている。
/あのエーブと久々の再会、身...続きを読む構えるロレンス。だが今の彼女はコルとミューリの側についているという。
/それぞれにとっての森。商人視点、領主視点(維持管理視点)、民視点(畜産視点)、ホロたち森の住人視点(自然視点)。《どうもここに悪い奴らはいなさそうだ》p.144。《カーラン、トーネブルク、ケルーベは、どれかふたつを助けると、必ず残りひとつが沈んでしまう。》p.266。エーブ=カーランではないのでエーブというポイントもあるかも?
/ロレンスはうまい落とし所を見いだせるか?

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Posted by ブクログ 2023年03月18日

やっぱりホロとロレンスの方が面白い。久々の長編で、エイブも出てきて、前作のサロニアでの一件が、その先でえらいこっちゃになってしまっていて、それをなんとかする。というような筋。ホロ大活躍。どないして、おさめるんかと、思いながら結構ドキドキして楽しく読めた。

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