芦辺拓のレビュー一覧

  • 奇譚を売る店

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    「また買ってしまった。」古書店で一冊の書物を手に取った古書マニアの''私''は、読んでいくうち、奇妙な世界に落ちていく。そして読み手の自分までも、''私''に引き摺り込まれていく感覚。そして最終章、ようやく現実に戻ったかと思われたが…。短編6話。楽しい読書体験だった。

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    2022年05月22日
  • 奇譚を売る店

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    単行本を手に取った瞬間、オッと思います。
    どこかノスタルジックな装幀。全体は薄っぺらいにもかかわらずがっちりした表紙の厚みにも雰囲気が有ります。そしてちょっと変わったフォント。なかなか凝っています。
    「また買ってしまった―。」と古本屋を出た時のつぶやきで始まる6編の短編。ストーリー的にはどこか大正・昭和を思わせる幻想奇譚なのですが、その雰囲気の割にインターネットが出てきたりして時代は新しい。そして最後に物語がぐるり廻って・・・。
    所謂「奇妙な味」に分類される作品ですが、切れ味はイマイチかなぁ、というのが私の感想。でもそれは最初に装填で期待してしまった反作用かもしれません。ぴったり嵌る人には堪ら

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    2021年05月12日
  • 鶴屋南北の殺人

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    芦辺拓が2010年版の「このミス」近況欄で執筆予定と示唆していたという作。10年越しの作品である。
    実は森江春策シリーズは芦辺拓のデビュー作である「殺人喜劇の13人」しか読んでいない。それでも基本的には問題なく読める。
    ロンドンで発見された鶴屋南北の未発表作。連続見立て殺人と芝居に隠された謎。
    率直に言うと現代パートの謎解きはちょっと中途半端だと感じる。筋立てとしては理解できるし論理的にも齟齬はないが、どうも上手く嵌まらないというか、しっくりこないというか、フーダニットの部分が説明不足というか…。私の頭の悪さは多分にあるのだが。
    だがしかしこの小説の真骨頂は(本格ミステリではあるが)そこにはな

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    2021年05月09日
  • 名探偵総登場 芦辺拓と13の謎

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    馴染みのある作家さんと思いきや、あまり読んでいなかったらしいことに気づいた。いろんな探偵ものが読めて面白かった。

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    2021年03月08日
  • 鶴屋南北の殺人

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    シリーズものとは知らずに読み始めました。
    内容がてんこ盛りでした。
    森江、菊園、来崎のやり取りが面白かったので、シリーズ始めからチェックしていきたいです。

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    2021年02月12日
  • 鶴屋南北の殺人

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    時代を超えた告発、支配に屈することなく虚構と自由と表現を書割に込め反旗を翻した者達。大南北に天徳と来れば唆られる方におすすめしたい。現代の事件に弱さを感じながらも、虚構に人生を賭ける凄愴さを今昔で味わえる。

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    2020年10月31日
  • 楽譜と旅する男

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    楽譜を探す専門の探偵。

    戦争絡みが多くて
    ちょっと不思議な話が多かったです。

    音楽にはあまり興味が無いんで
    分からない部分も多々ありましたが
    京劇とか気になった。

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    2020年10月11日
  • ヤオと七つの時空の謎

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    【収録作品】「プロローグまたはヤオは旅立つ」 芦辺 拓/「聖徳太子の探偵」 獅子宮 敏彦/「妖笛」 山田 彩人/「鞍馬異聞」 秋梨 惟喬/「天狗火起請」 高井 忍/「色里探偵控」 安萬 純一/「天地の魔鏡」 柄刀 一/「ヤオ最後の冒険またはエピローグ」 芦辺 拓

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    2019年11月04日
  • 楽譜と旅する男

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    音楽のことは分からないが、幻想的な世界観が心地よい
    もしかしたら分かる人だと、消化不良を起こしたりするのかも知れない

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    2019年10月08日
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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    歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による
    伝奇時代小説アンソロジー登場!
    ■朝松健「夢斬り浅右衛門 ――小伝馬町牢屋敷死罪場」
    ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 ――葛城皇子の章」
    ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 ――江戸少女奇譚の内――」
    ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」
    ■神野オキナ「ころりの木壺」
    ■蒲原二郎「江都肉球伝」
    ■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」
    ■鈴木英治「熱田の大楠」
    ■新美健「妖しの歳三」
    ■早見俊「ダビデの刃傷」
    ■日野草「遠夜」
    ■誉田龍一「血抜き地蔵」
    ■谷津矢車「生き過ぎたりや」

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    2019年08月06日
  • 楽譜と旅する男

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    音楽を題材にした本は沢山あるものの「楽譜をキーアイテムとした短編集」というのは珍しく、それだけでも思わず手に取ってみたくなる人も多いのではないでしょうか。

    「綿密に計算された虚構の世界」というか、作品が持つ世界観がとても作り込まれているので、実際の人間が演じる芝居として観てもとても面白いのではないかと思います。

    物語は面白いのですが、ルビを多用する文体は好みが分かれるかもしれません。

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    2019年07月17日
  • 奇譚を売る店

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    芦辺拓氏が「小説宝石」に連載されていたものを2013年にまとめて発表した古書店と古書を巡る連作怪奇短篇集の文庫版。第14回「酒飲み書店員大賞」を受賞。いずれの作品も現実と非現実のちょっとした隙間に迷い込んでしまった「私」がひどい目にあっています。全体的に少し懐かしい匂いがします。テンプレートは決まっているようですが、微妙にそれぞれの作品にカラーがあるので好きなタイプを探すのも楽しいかも。世にも奇妙な物語で映像化とかしたら良さそう。

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    2019年03月03日
  • 少女探偵は帝都を駆ける

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    明治時代の推理小説で読み始めた作家でした
    今回は昭和10年大阪のお嬢さんが探偵です
    当時の最新ミステリーが
    エヂプト十字架の秘密

    ケンネル殺人事件
    黒死館殺人事件
    ドグラ・マグラ
    だそうです
    高校生時代に読んだ作品ばかり!
    大好物の作者です

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    2019年02月18日
  • 金田一耕助、パノラマ島へ行く

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    金田一耕助と明智小五郎、日本探偵界を代表する二代名探偵、夢の競演!
    と言うにはそれほど同じシーンに立ってるわけではありませんが、やっぱりこの二人が同じ作品に出てくるってだけでも心踊ります\( 'ω')/

    しかも、舞台となるのはパノラマ島と獄門島!それぞれの探偵手腕を発揮した現場をそれぞれが訪れます。金田一耕助はパノラマ島へ。明智小五郎は獄門島へ。

    金田一耕助はキャラ寄せてない感もあったけど、明智探偵の方は地の文のですます調も手伝って割と原作にイメージ近いかな?
    トリックはどちらも結構なトンデモトリックをだったのが何か嬉しかった(笑)。

    この作品単独でも楽しめますが、ど

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    2017年10月28日
  • 異次元の館の殺人

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    このミス2015年版10位。SF本格ミステリー。気楽に読めてかなり馬鹿馬鹿しい展開だけどワクワク感が続く。人格転移の殺人に雰囲気似てて、こういう奇想っぽいけどおどろおどろしくなくて軽い感じのやつは好みです。パズルっぽく途中の推理がうまく回収されていくとこなんかも凝ってるけど、最後に明らかになる事件の真相がちょっといまいちかも。古くさい昭和初期のトリックみたい。

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    2017年10月08日
  • スチームオペラ 蒸気都市探偵譚

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    スチームパンクミステリ。
    エマとユージン。
    さいごの最後に明かされる謎解き?、には「そっちか!」と、思わずニヤリとしてしまった。
    世界設定の説明が結構なボリュームの為、読み終えるのに難儀してしまった。

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    2017年10月07日
  • 殺人喜劇の13人

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    「森江春策」シリーズの第1弾なのだけれど、その後の森江から受ける印象とは違う大学生の森江による推理劇である。
    十沼京一の手記による前半、森江の推理による後半にわかれている。
    論理に基づいた推理。
    事件の矛盾点をつき犯人の行動を推測し、解明にむけて思考をめぐらす森江。
    時代背景が昔のためか古さを感じる場面も多いが、物語としての面白さには影響していないように感じた。
    トリックあり、アリバイ崩しあり、密室あり。
    本格派をめざして書かれた物語なのだけれど、少々中だるみというか読みにくいところもあった。
    思いついた案を詰め込むだけ詰め込んだ物語でとにかく長かった。
    それでも、手記の冒頭部分にすでに伏線と

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    2017年04月06日
  • 裁判員法廷

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    裁判員制度が正式にスタートした。
    以前「十三番目の陪審員」で司法への市民参加という制度を小説にした芦辺さんが、現実の法改正をふまえて取り組んだ作品。
    日本国民の義務として、成人した日本人には誰でも裁判員に選ばれる可能性がある。
    果たして自分がなったら・・・と思うと、とても怖い。
    何故なら、誰かの人生やもしかしたら生死までを決めなくてはならない覚悟が自分にないからだ。
    終盤に明かされる思ってもいなかった展開には驚かされた。
    偶然とはいえ、こんなことがあっていいのだろうか?という。
    弁護士・森江春策は健在だ。
    茫洋とした雰囲気を持ちながらも、弁護には隙が無い。
    好きなキャラクターのひとりである。

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    2017年02月21日
  • 殺人喜劇の13人

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    お話は好きなのですが、文章がちょっと合わないのか途中でダレる。
    でも真ん中当たりまでは面白くて一気に読みました。

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    2017年01月10日
  • 奇譚を売る店

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    初めての芦辺拓。

    「幻想怪奇の魅力を横溢させた、全六編の悪魔的連作短編集!」
    という煽りに期待して読んだらガッカリする。

    この世界観、嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけどなんか残念。

    【こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻】
    【青髯城殺人事件 映画化関係綴】
    は好みだったのに、オチとなる表題作でしらけてしまった。すごく蛇足に感じる。

    作者のあとがきと解説まで込みの作品なんだろうけど、本編で盛り上がらなかった読者には逆にあの煽りにイラっとします。

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    2016年11月03日