芦辺拓のレビュー一覧
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「森江春策」シリーズの第1弾なのだけれど、その後の森江から受ける印象とは違う大学生の森江による推理劇である。
十沼京一の手記による前半、森江の推理による後半にわかれている。
論理に基づいた推理。
事件の矛盾点をつき犯人の行動を推測し、解明にむけて思考をめぐらす森江。
時代背景が昔のためか古さを感じる場面も多いが、物語としての面白さには影響していないように感じた。
トリックあり、アリバイ崩しあり、密室あり。
本格派をめざして書かれた物語なのだけれど、少々中だるみというか読みにくいところもあった。
思いついた案を詰め込むだけ詰め込んだ物語でとにかく長かった。
それでも、手記の冒頭部分にすでに伏線と -
Posted by ブクログ
裁判員制度が正式にスタートした。
以前「十三番目の陪審員」で司法への市民参加という制度を小説にした芦辺さんが、現実の法改正をふまえて取り組んだ作品。
日本国民の義務として、成人した日本人には誰でも裁判員に選ばれる可能性がある。
果たして自分がなったら・・・と思うと、とても怖い。
何故なら、誰かの人生やもしかしたら生死までを決めなくてはならない覚悟が自分にないからだ。
終盤に明かされる思ってもいなかった展開には驚かされた。
偶然とはいえ、こんなことがあっていいのだろうか?という。
弁護士・森江春策は健在だ。
茫洋とした雰囲気を持ちながらも、弁護には隙が無い。
好きなキャラクターのひとりである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデビュー作ということで著者の気合いと情熱が十分に伝わります。展開が速いので時系列がいまいち分かりずらかったですが、勢いに乗せられて一気に読みました。
大学のサークルの面々が居住する「泥濘荘」で事件が次々と起きるわけですが、登場人物たちをきちんと把握する前にみんなどんどん死んでしまいます。
密室や毒殺など殺害方法もバラエティに富んでますし、なんて忙しい犯人なんでしょう。
クローズドサークルではないので警察も介入しているのですが、怒涛の展開の前では警察の存在感が薄い。
いろいろと過剰な1冊ですが、このてんこ盛りな感じは嫌いじゃありません。個々のトリックも楽しかったです。
ネタバレ・・・・・・ -
Posted by ブクログ
創元社から復刊を機に読んでみました。
これだけの趣向も取り込んで、それを綺麗に収束させたことにまず驚きました。殺害方法もバラバラで、誘拐事件まで発生。さらに政治闘争まで絡んできて、散漫極まるといった感じだったのに…
個々のトリックは面白味に欠けるし、前半の手記部分は余りにも読みづらい。
それでも、作者の本格ミステリに対する想いが随所に感じられ、読み終わってみれば、良くも悪くも本格を読まされたと嘆息。
最後に明かされる、内外の密室に纏わる趣向はなかなか面白いと思います。
こういう趣向を凝らしちゃうあたり、やはり本格ミステリが好きなんだろうなぁ… -
Posted by ブクログ
ネタバレのっけから核心部分のざっくりした感想\(^o^)/ご注意を~
「そこ」に犯人はいないのか…と思ってしまったんですよね~(ざっくり)。「ここ」にはいても、「そこ」にいなければ、いくら見取り図があって被害者全員その屋敷の住人でも、館ものとは括りたくないなあ、って。ちょーっとアンフェアな印象すら抱いてしまった。
(ココとかソコとか変な表記すみません…ネタバレ防止です…。)
これほど色々なトリックが詰め込まれてて、そんな些事に突っかかるなんて、自分で言うのも何ですが偏屈極まりないですね。もうこれはマニアの業とあきらめています(笑)。
ただ、「自分の住んでる建物内でこうも立て続けに怪死が続いてるの -
Posted by ブクログ
久しぶりに古典的本格モノを読んだ。
田舎の旧家(館モノ)、遺言状公開、相続人たちの連続殺人。
それにもっと雰囲気を醸し出しているのがタイトルにもなっている「和時計」。
ここまでだと、私の大~好きな感じ。ワクワクして読み始めたのは言うまでもない。
でも・・・ちょっと私には難しかったなぁ。
だいたい「和時計」という物をわかっていないし。
もちろん説明されているんだけど、カラクリ部分なんかが複雑で見てみないとナンとも言えない。
だから探偵が謎を解いてみせた時も、「ハァ~~」となってしまった。
自分が無知なのが悪いんだけど、それがどうも残念でしょうがない。
実は芦辺氏作品、本書が2冊目なのだ~ぁ。
な