荒俣宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
22歳のダーウィンが南米大陸からオーストラリア、喜望峰を回った地球一周の探険の旅のうち、上巻は南米での自然、住人観察。ダーウィンの観察眼に改めて魅入られると同時に、1830年代の南米には想像以上に”未開”の地が多かったのだと改めて驚いた。
自然現象や動植物、地形の観察などは、門外漢の私にはとても興味深く、馬に乗っての移動、水の少なさ、インディオの襲撃など、ダーウィンの探険にはやはりかなり危険も伴っていたようだ。ある生物種の絶滅の原因が人間なのか、天敵の増加によるものかを正確に区別することは難しいとダーウィンは書く。彼はどんな観察についても、推察だ、こうだろうと思う、分からないが、という一歩引い -
Posted by ブクログ
福沢諭吉の回顧録を面白おかしく対談形式にしたいわば「福翁自伝」リメイク版。著者の茶々が小気味よく面白い。
ただ悲しいかな、あまりに丁々発止に走った為にこれが事実なのか創作なのかよくわからない部分がある。一応登場人物は現実に存在する人物のようだが彼らが福沢と本当にそう言う関わり合いをしたのかはよくわからない。まぁそれを狙って創作で書いたのならそれはそれで面白いのだが。
中津藩が昔から割と蘭学に容認的な藩であったこと、日露和親条約の前後に起きた伊豆沖の大地震で江戸幕府とロシアの間に親密な協力関係ができていたことなどは新たな知見だった(おそらくこれは史実)。
あと福翁自伝と江戸末期〜明治初期の(高校 -
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Posted by ブクログ
この方はどのような成分で出来ているのか。鉄道好きの方が鉄分で出来ているように、養分ならぬ妖分か。不思議な存在の荒俣宏、その人の自伝だ。
いかにして、博物学、妖怪、幻想文学など多岐にわたるジャンルに興味をもち、今まで生きてきたか。
好奇心旺盛なのはもちろんだが、色々なジャンルの師匠がいたのは荒俣宏を作り上げた1つの要因だ。中学入学から「師匠探し」をしていたというからすごいものだ。昔の本には今では考えられないが著者の住所が載っていたので「ファンレター作戦」を取ったと述べている。
もうこんな人は登場しないだろうなあ。唯一無二の存在なので興味深く読んだ。 -