あらすじ
【内容紹介】
角川武蔵野ミュージアム「荒俣ワンダー秘宝館」で大注目。
博覧強記の「知の怪人・アラマタ」が、
77歳の今もなお実践し続ける独自の「勉強の技術」を大公開!
◆「狂気」の収集癖
◆圧倒的蔵書量
◆溢れ出る知の洪水
「無理」「無茶」「無駄」が人生を面白くする。
一日12時間、風呂、トイレの中でも書物を貪り読み続け、
辿り着いた「得るためには何かをあきらめる境地」とは──?
【著者紹介】
[著]荒俣 宏(あらまた・ひろし)
1947年東京都生まれ。博物学者、小説家、翻訳家、妖怪研究家、タレント。慶應義塾大学法学部卒業。大学卒業後は日魯漁業に入社し、コンピュータ・プログラマーとして働きながら、団精二のペンネームで英米の怪奇幻想文学の翻訳・評論活動を始める。80年代に入り『月刊小説王』(角川書店、現KADOKAWA)で連載した、持てるオカルトの叡智を結集した初の小説『帝都物語』が350万部を超え、映画化もされる大ベストセラーとなった。『世界大博物図鑑』(平凡社)、『荒俣宏コレクション』(集英社)など博物学、図像学関係の作品を含め、著書、共著、訳書多数。
【目次抜粋】
■はじめに AIに勝てる知的生活を見つけるために
■第1章 脳にかかったクモの巣を払う──0点主義のすすめ
■第2章 日本語という化け物を問い詰める
■第3章 AIに勝てる勉強法
■第4章 偶然がおとずれてくれる勉強法
■第5章 やっぱり情報整理なんていらない?
■第6章 勉強を高尚なものにしない
■第7章 苦手な勉強を楽しくする「魔法の力」
■第8章 自己承認欲求に負けない「あきらめる力」
■第9章 最強の「勉強法」は読書、場所はトイレと風呂と喫茶店
■第10章 「人生丸儲け」と、「間違える権利」
■あとがきに代えて だまされることで創造的批判力が身につく
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルの「すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる」って言葉、すごく好きです。
コスパとかタイパやらが幅を利かせている昨今、とにかくすぐに答えに辿り着こうとする風潮には違和感を覚えます。
情報が氾濫する世の中にあって、すぐに役立つものは確かに便利な反面、すぐに陳腐化してしまいます。
しかしながら、すぐに役立たないものこそが人生を豊かにし、人としての深みを増してくれると常々思うのです。
好奇心は、日常のあらゆる場面から生まれるもの。
荒俣先生は変人だと思うのですが、好奇心を追求し人生を楽しくする姿勢を見習いたいものです。
Posted by ブクログ
変なタイトル。
この本は2012年刊行の「0点主義 新しい知的生産の技術57」
に大幅加筆したものということだが、
元のタイトルの方が本の内容にふさわしい。
新タイトルでもいわんとすることはわからないでもないが、、
知的生産の技術だ、これは。
あるいは、今回の帯にある「AIに負けない勉強法」が
言いえて妙かもしれない。
「もてない」を自認する荒俣さん、
独自路線でいろんなことに興味を持たれたようだ。
その姿勢、好きだな。
冒頭の「『好き』とは一線を超えること」
こりゃまたいい。
これはおそらく人間にだけできてAIにはできない分野。
情熱。パッションともいえるかな。
これを失ったらおしまいよ。
生まれた時からスマホがある若い人は、
全ての解がスマホにあると思ったりしやしないか心配だ。
そうならないためにもこの本読んで、
ある意味いい加減に?
惜しげもなくコラムタイトルをテキスト化してくれている。
これを読むだけでも教えがありそう。
詳しくは本を読んで。
魚が好きでニチロに入ったのに、
IBM360導入時に、適性検査でコンピュータ部門の配属になった、
というのも親近感が持てる。
好きなタイプの本、著者。
はじめに AIに勝てる知的生活を見つけるために
好きなら何でも許される……わけではない話
一生とは「自分の物語」をつくっていくこと
「バカ」も叡智の一種、人間にしか発揮できない力
「無知からの脱出」と「未知への進出」
みんなが退屈する数学だって、学べばおもしろい
超むずかしい数学でも、お化け映画と思えば興味津々
ソーカル事件も、ソウカと思える
歴史に見る「叡智」の実例
第1章 脳にかかったクモの巣を払う──0点主義のすすめ
0点には2種類ある
0点法で苦悩を救えることもある
まずアマチュアになれ
見えない利益が存在すること
第2章 日本語という化け物を問い詰める
バカになればニッチが見える
バカになるには、勇気とリスクが必要
混沌を解消する切り札、起源のことば
日本語を疑うことに始まる
勉強法の究極は、偉い師匠に弟子入りすること
師匠発見のあとは、勉強を「工学化」する
日本語の起源にさかのぼる大冒険
第3章 AIに勝てる勉強法
AIも気づかない分野は無限にある
あきらめれば何でも得られる
人生の宝を見つける勉強
福澤先生がススメた真の勉強法
あみだくじと「結合術」
「冷たい勉強法」を超えるWHYの原理
勉強は「修業」であってはいけない
飛車角落ちの勝負をしてみる―「おしっこ」の発想力
じつは受験勉強は1週間で足りる
第4章 偶然がおとずれてくれる勉強法
幸福感をともなう勉強は忘れない
目の前に来たバスに飛び乗れ!
「縁」は異なもの、すごいモノ
バタフライ効果も「縁」のうち
わたしが最初の参加者? 電子マネー実験元年の話
結論は、自分で体験すること、自分で考えること
偶然が起こす愉快な奇跡―セレンディピティ
不人気なものにこそ、宝が眠っている
ABC分析とガマガエルの胃袋
「物語」という名の森羅万象結合力
「バナナ神話」と究極の二択問題
脳に「ONの世界」を持つと、強力なONラインができる
渋滞学が教えてくれるもの
「わからない」ことは埋蔵金になる
第5章 やっぱり情報整理なんていらない?
勉強とは模倣である
一夜漬け勉強はコピーと同じ
情報整理術は不要である
違和感を磨けば機械を超えられる
復習はアウトプットに迫られてからすればいい
アウトプットの考え方で知識のつき方も変わる
アウトプットは恥をかくほど堅固になる
教科書なしでも学校の勉強はできる
メモとノートはまったく違う
メモにからんで、こんなエピソードを思いだす
ライブ感を持って授業のメモを取る
自分の持ち時間に制約をかける
情報を「視覚化する」
第6章 勉強を高尚なものにしない
西洋絵画が日本画を見て「ダイエット」した?
下世話なほうが発想に「握力」がつく
「……といわれている」がおもしろい!
恋心を勉強に感じると奇跡が起きる
人類美術史三万年展の大企画
背伸びをすると世界が広がる
競争不要の「隙間」をたくさん見つけていく
チャンスが来たら流れを止めない
人生、途中下車も悪くない
自分をペテンにかける
第7章 苦手な勉強を楽しくする「魔法の力」
いちばんやりたくない仕事が最高におもしろい勉強になった
大得意なものを見つけ、人生を長期戦で捉える
おもしろくない勉強も必ず楽しくなるコツ
第8章 自己承認欲求に負けない「あきらめる力」
自信のなさは、フロイト理論を脱出することで癒やす
夢分析を「カウンセリング」に変える方法
あきらめることも、勉強においては非常に重要である
共同体感覚とは、はだかの自分を見せる勇気を持つこと
団塊世代の得意技、貧乏自慢にモテない自慢
幸福をゼロ円で買うマンガ家の教え
もっとも叶えたい希い「ベスト3」を、人生から外してみる
自分を低い評価にとどめると、学べるものが多くなる
短所を克服すると、かけ算で伸びる
第9章 最強の「勉強法」は読書、場所はトイレと風呂と喫茶店
あなたは最強の勉強空間を知っているか?
座右の書は死ぬまでに見つかればいい
いい本は第一印象で見抜ける
廃棄処分の本からお宝を見つける
人の話をよく聞き、二つ以上の職を持つ秘術
第10章 「人生丸儲け」と、「間違える権利」
「批判的に本を読む」ことは意義があるか?
天下の名言、「人は間違える権利がある」
「人生丸儲け」の感覚をやしなうコツ
賢くなければバカにはなれない
定年退職後に「勉強しよう」では遅い
あとがきに代えて
だまされることで創造的批判力が身につく
Posted by ブクログ
シンギュラリティが2030年にくると言われているが著者は心配していない。
2章
いなバカなこといってんじゃねえよという悪口は、おまえの提案は新鮮だと言っているのと同じ。バカなことが好きな人にこそ、ほんとうのチャンスがめぐってくる。
3章
冷たい手段の勉強ではなく、大河のように太く流れる勉強は本来楽しいもの。
10章
60過ぎてから海外でレンタカーで旅行を楽しむようになった。
Posted by ブクログ
荒俣先生の著作で読み通した最初の1冊になりました。
共感の嵐でした。
自分自身、やはり王道よりマイオウンロードの学びを実践したいといつも思っている。
勉強するにあたって一番大切なのはモチベーションであり、いかにしてモチベーションを維持するのか?と考えながら工夫することこそが、勉強における努力だと思う。
また、間違える権利についての話があったが、学校とは取り返しのつく範囲での間違える権利を行使できる場であってほしいとも考えた。
新しい事にチャレンジするための勇気は、基本的に加齢とともに衰えていくものらしいが、いくつになっても新しいことに新鮮さを感じられる若い感性を持ちたいものだと感じた。
Posted by ブクログ
高校生の頃からずっと荒俣先生のファンでしたが
さすがとしかいいようのない 確かに先生はモテとは
無縁だとご自身がおっしゃってたましたが 7歳にして朽ちていたって 一カ月も風呂に入らず 老人が友達の子供…。幼少期からただものじゃない。確かに世間が良しとするものを求めるのをやめたらずっと楽に楽しく生活できる わくわくする様なお話でした。
帝都物語の印税散々されたんですね…古書に。
ますますファンになりました。
Posted by ブクログ
すぐ役に立つものは すぐ役に立たなくなる
目先の効率や即効性に振り回されがちな日常に、一石を投じる一冊。荒俣宏の提唱する「0点主義」は、失敗や遠回りを恐れず、むしろそれを学びの深化と捉える哲学である。特に印象的なのは「偶然の縁」や「曖昧さ」を活かした思考法で、AIには真似できない人間の創造性を鋭く際立たせている。読み進めるうちに、競争を超えた自己充足の道が見えてくる。
Posted by ブクログ
自分にとって荒俣さんといえば「テレビでたまに見かける物知りなおじさん」というイメージでしたが、なんとも「好きこそものの上手なれ」をトコトンまで突き詰めた存在だと、あらためて圧倒されっぱなしでした。
昔に比べて今の若者の方が、学校で測れるような頭の良さを持つ人は増えているのかも知れませんが、荒俣さんやタモリさんのような、清濁全てを飲み込む「底知れない知の巨人」のような人はもう出てこないのかも知れません。
「バランス良く生きる」を是とする世の中では、こんなに突き抜けた存在は出てこないよなぁ、というのを読んでいてずっと感じました。
Posted by ブクログ
勉強や知識に対する固定観念を揺さぶってくれた一冊。「勉強して知識を蓄え続けて、良い成績や成果を達成できたとしても、それが幸福に至る唯一の道では無い」ということを知れば、学業や仕事のプレッシャーが多少は軽くなれそうです。
与えられた勉強だけでなく、自身の好きな事やニッチな領域を勉強する楽しさを再発見できました。
Posted by ブクログ
荒俣さん好きなのとタイトルが気になって読んでみる。AIからは得られない重みと偶然性を楽しめる行動。アナログな知識と経験の良さと活かすヒントが書いてあって、長期的視点だったり生き方のヒントにもなりそう。ムダなことなんてないのかもね。
Posted by ブクログ
帝都物語やイベントなどでよく知っているものの、著書を読んだ記憶はなかった。好きこそ物の上手なれという、物事を楽しみながら学んでいく考え方が言語化されており、参考になった。
定期的に興味がないジャンルの本を読むようにしているが、それによって得た経験をうまく咀嚼できたと思う。
仕事や勉強が楽しくない人など、自己啓発書よりも本書をオススメする。
Posted by ブクログ
学び方、勉強法について荒俣流がよく分かった。西洋で尊敬されるのは純粋に学問を愛するアマチュアの方、知識製造機、セレンディピティ、勉強を高尚なものにしない、あきらめる力、無駄なところに有益なものがある、という事に改めて気づいた。
Posted by ブクログ
著者はちょっと前なら立花隆、今だったら佐藤優にも劣るとも勝らないレベルの知の巨匠だと強く感じた。
ただ立花氏や佐藤氏と異なるのは実体験から得た経験値の蓄積が半端ないこと。
すごい人がいるもんだと改めて感じた一冊。
Posted by ブクログ
・日々変化せよ
・点数主義に走るな
・とりあえずやってみろ
・楽しむに如くは無し
・ニッチを深掘りして掛け算
などがエッセンスな気がする。少し迂遠で分かりにくいけど面白かった。
Posted by ブクログ
博識な老人の人生論でありながら、「辛いときにはタコの頭をなでたりしていれば、どうにか定年まで我慢できるのではと考えてマルハニチロに入社した」「(プログラムの仕事を)これは言語哲学の実戦だ、文学なのだと気づいた」などの笑ってしまうエピソードもあり、緩急に富んだ面白い本であった。
食わず嫌いをせずに巡ってきたものは何でもやってみて、そこでの「気づき」が面白さに繋がるんだな、と。荒俣さんほど、何事にも興味を持てる自信はないが、とても勉強になった。
Posted by ブクログ
学者の荒俣さんの言葉は本全体を通じて重みがある。
「人生なんて死ぬまで恥のかき通し。失敗を気にしていても始まらない」「どんなジャンルでも、2〜3日やればその仕事は面白くなる」「学んだ知識をアウトプットする機会を日常の中に作ってしまえばいい」などなど。
それらを荒俣さんの経験を基に語っているのだから決して間違いはないだろう。
ためになります。
Posted by ブクログ
(知的)好奇心を燃やせ!
という本。若い人に向けての人生指南的な本だけど、荒俣宏みたいな特殊な才能持ち合わせてないよなぁ。
サラリーマン時代の話や、学生時代の話が面白かった。ふてぶてしくも見える大胆さを身につけるための考え方なんか参加になるような、ならないような。w。でもやっぱこの人素敵よね。
Posted by ブクログ
Audibleで聞きました。世の中の役に立たない知識を持つ人が今よりずっと変人扱いされていた時代を生き抜いた著者の生き方の薦めが読み取れた。広く深く知見を、視野を広げることが人生を豊かにすること、劣等感を抱える自分を諦めて(心が朽ちると書かれていた)受け入れることで見えてくる世界があること、勇気を持って知らない世界に飛び込んで自分なりに面白いと感じる部分を探してみることなど、心に響くメッセージが散りばめられていた。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 脳にかかったクモの巣を払う~0点主義のすすめ
第2章 日本語という化け物を問い詰める
第3章 AIに勝てる勉強法
第4章 偶然がおとずれてくれる勉強法
第5章 やっぱり情報整理なんていらない
第6章 勉強を高尚なのにしない
第7章 苦手な勉強を楽しくする「魔法の力」
第8章 自己承認欲求に負けない「あきらめる力」
第9章 最強の「勉強法」は読書、場所はトイレと風呂と喫茶店
第10章 「人生丸儲け」と「間違える権利」
<内容>
2012年刊の『0点主義~新しい知的生産の技術57』を底本に、大幅な加筆、改編をして再編集したもの。元本が「知的生産法」なので、必ずしも”勉強法”が書かれているわけでもない。また荒俣氏の伝記的要素も濃い。ちょっと古い感じもするし、まったく新しいことが書かれているわけでもない。荒俣氏は結婚していたんだ…。
Posted by ブクログ
荒俣さんは文系寄りの方だとばかり思っていたが、プログラム(それもカードの時代とは!)を作っていたとは初めて知った。
何でもに興味がもてるその享受の姿勢が羨ましい。
好きなことが仕事になる。仕事に楽しみを見つける。
同感と思える時代もあったが、難しい時もあり・・・
そのうち、なにかまた見つかると思えるかも!と少しだけプラス思考になったかも!?
Posted by ブクログ
なんとなく世界の本質がわかってきたぞ、、笑
答えや方法論は存在しないということが。
プロフェッショナルではなくアマチュアでいろ、というのはジョブスのstay hungry, stay foolishに通じる。
答えや方法論、意味を求めすぎる現代において、ニッチを見つけるには良くわからんけど好きなものを突き詰めるしかない。
方法論や意味にすがっていてはニッチは見つけられないのだから。
そして好きなものは、変わったもの、人が興味を持たないものであればあるほどよい。
意味はないし方法論ともいえないのだから答えに辿り着かない可能性のほうが高い。でもそんなことにたくさん足を突っ込んでいくことが大事だ。
「来たバスには乗れ」
これがこの本に教えてもらったこと。