荒俣宏のレビュー一覧

  • 福翁夢中伝 下
    上巻は福沢諭吉とそれを取り巻く人々という構図だったが、下巻はやや福沢本人からは離れ、小泉信吉や川上音二郎貞奴夫妻、福澤桃介といった福沢イズムを受け継いだ人達についての話が主だ。各々福沢から学び取ったことが異なり、その比較が面白い。
    終章は福沢諭吉の最晩年の大仕事、「修身綱領」の制作記になっている。慶...続きを読む
  • 妖怪少年の日々 アラマタ自伝
    アラマタさんの自伝ですよ。そんなの面白いに決まってるじゃないですか! 
    幼少期からの思い出を語りつつ、縦横無尽に話が広がる横道に逸れる。あらゆるものに関心を寄せ、あらゆる知識を貪り得る。正に博覧強記。こうなりたいと憧れるのです。
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記
     水木先生、大変なインテリ読書家である。
     第1章の出征前手記は難解かつ送り仮名の使い方が変で読みにくい。常々「なまけものになりなさい」と説いていた先生が二十歳の時点では「怠惰」を厳に戒めている。どういうことだ?と思ったら、それについて弟子 荒俣宏による解説があった。
     第2章は、戦前の読書事情、日...続きを読む
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57
    夫に勧められて読んだ。読む前はなんだかよく分からないタイトルに怯んでいたけど、「はじめに」から面白くとても引き込まれた。
    これは大雑把に言えば、自分が納得できる人生を送るにはどうしたら良いかということが書いてある本。そのための勉強法が、具体例などとともに説得力を持って載っている。

    世間に惑わされず...続きを読む
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57
    すごい面白かった!
    一見矛盾しそうなことを、さらっと肚落ちする言葉で書いている。荒俣さん自身のことがオープンに書かれていて、とても親近感がわいた。

    失敗してもいい、好きなことにのめり込めば良い、苦手なことや嫌なこともとりあえず面白がってやってみたら良い。
    今までに自分が何となく思っていたこと、感じ...続きを読む
  • 妖怪少年の日々 アラマタ自伝
    私はこの著者が大好きです。40も半ばを過ぎて気持ち悪いかもしれませんが、10代で出会った帝都物語、帝都大戦、20代で出会った風水先生。
    自分のターニングポイントには必ず荒俣宏さんがいました。
    その変わり者の先生の自叙伝は自分にとってかけがえのないものでした。ありがとうございました。
  • 帝都物語 第六番
    長い長い昭和のカスタトロフ小説。
    ふしぎな小説。デタラメといえばデタラメだけど
    そこにはアースダイバー的なロマンがある様に思う。
    都市から失われつつある〈気配〉を思い起こさせるオカルティックな作品。
  • 帝都物語 第壱番
    多分本好きなら中学生位で読んどくものなのでしょうが・・・初めて読みました、大変好みでした。
    いや、顔の長い怖い人が、というぼんやりしたイメージと、虚実百物語にちらっと出てきた実物の顔の長い俳優と、その半分、青いのモアイ店長という認識しかなかったのですが。 のっけからもえもえきゅんきゅんなサービス...続きを読む
  • 地球暗黒記 I ナナ・ヌウ
    ハワイと日本、それぞれのつながりに興味を持った一冊です。
    マヒマヒを食べてみたくて、新宿のハワイな食事ができるところに行った記憶があります。
    そこでフラも見たな。
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記
    水木しげるが20歳やそこらの青年であり、
    戦地へ赴く直前の手記に荒俣氏が解説を加えた一冊。
    世間一般に知られたる水木氏のどこかとぼけたような達観は感じられず、
    日々自分の価値観が変わっていっているような葛藤がそのまま記されている。
    それにしても現代視点で見たときには、とても20歳が書き記したとは思え...続きを読む
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57
    仕事でも勉強でも、苦手だと思っていた分野にも必ず萌えるところがある。荒俣流楽しみ方は、とっても素敵。日々が豊かで楽しくなる第一歩だと思う。
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57
    さすがアラマタ先生、単なるHow to本じゃない楽しさがにじみ出てます。さらっと読めるのに気になるフレーズが沢山でいつのまにか本は付箋だらけ。再読必至。
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57
    引用したいお言葉だらけでした。流石アリャマタ先生!
    貧乏なら貧乏なりに工夫する、というのは実践し続けているので、間違ってへんかったんや!と勇気づけられました。
    一方で、メモ取る習慣がないので脳みそつるつるなんやなー、とも。
    メモメモ!
  • 帝都物語 第壱番
     私が魔術の世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品。
     明治から昭和、そして西暦1998年にかけて、東京とその守護神である平将門を滅ぼそうとする陰陽師加藤保憲と、それに加担する者、阻止しようとする者たちを描いた、壮大なスケールの伝奇物語。
     読み所は大きく分けて二つ。
     一つはその持てる知識をフル...続きを読む
  • 妖怪大戦争
     7、8年前、家族で鳥取境港の水木しげるロードに行ったとき、この映画と文庫本の存在を知りました。
     息子らはDVD、私は文庫本という形で妖怪にはまり、息子らと共に話題が共有できたことに感謝をしております。

     当初、大戦争と称しているから、在来の妖怪同士が敵味方に分かれて各々の得意技で戦いをするのか...続きを読む
  • 陰陽師鬼談 安倍晴明物語
     最初に言っておくと、この本は「幻想文学」です。ファンタジーです。歴史の勉強をしようと読む本ではありません。


     「今は昔」で始まるような、少し不気味で訓戒じみた昔話を彷彿とさせる短編連作。
     読むごとに時代を下り、その中で受け継がれていく陰陽道の系譜や、安倍晴明に至る流れが、まるで一本筋のように...続きを読む
  • 帝都物語 第六番
    加藤がこうだというのは、想像ついた。
    でもやっぱり加藤が主役だなあと。
    そして加藤、一応お疲れ様でした。

    すごく大好きな本となりました。
  • 帝都物語 第伍番
    有名な三島事件(と言っていいのかな?)のことをこの本で読んで気になり調べてみることになったけど、まさかそれをこう物語に絡めてくるなんて上手いなあ。
    後恵子さんを心から尊敬してしまった。普通ここまで出来ないよ。流石、加藤が認めた女性なだけあるわ。ここまでくると却って怖いけども。
    勉強をわくわくしながら...続きを読む
  • 帝都物語 第四番
    屍解というものがどんなものか読んでみて初めて知った。
    そして加藤という人物の存在がなんとなく解明されたのではないだろうか。やっぱり加藤好きですねえ。
  • 帝都物語 第参番
    加藤、出番それほどないのに強烈すぎる存在感。
    読んでいると現在の小説に出てくるところがあり、今は当たり前の内容だけど当時では稀有だったんだろうなと思いながら読んでいた。そして、果たして全巻に加藤は出てくれるんでしょうか?という楽しみを持ちながら読むことでしょう。