荒俣宏のレビュー一覧

  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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    徴兵されて戦場に行くとなれば、死というリスクが目の前にはっきりと現れてくる。戦争などなく、病気になる可能性はありながらも、多くの人は70年、80年を超えて長寿を全うできる(現在なら100歳を超えても元気な人は沢山いる)。戦争という暗い空気が世の中を支配している。そこに自分が20歳前後の若者で真っ先に戦争に連れて行かれる可能性がある年頃なら、戦場という大きな恐怖、国のために自らの命を捧げることへの意義、自分がこの世に生まれてきた意味など、凡ゆる考えが頭の中を巡っただろう。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者として誰もが知る水木しげる氏も、この時期、その様な苦悩の中で生きていた。同氏の代表作としては、前述の妖

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    2025年09月21日
  • すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる

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    タイトルの「すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる」って言葉、すごく好きです。
    コスパとかタイパやらが幅を利かせている昨今、とにかくすぐに答えに辿り着こうとする風潮には違和感を覚えます。
    情報が氾濫する世の中にあって、すぐに役立つものは確かに便利な反面、すぐに陳腐化してしまいます。
    しかしながら、すぐに役立たないものこそが人生を豊かにし、人としての深みを増してくれると常々思うのです。
    好奇心は、日常のあらゆる場面から生まれるもの。
    荒俣先生は変人だと思うのですが、好奇心を追求し人生を楽しくする姿勢を見習いたいものです。

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    2025年09月02日
  • すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる

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    変なタイトル。
    この本は2012年刊行の「0点主義 新しい知的生産の技術57」
    に大幅加筆したものということだが、
    元のタイトルの方が本の内容にふさわしい。
    新タイトルでもいわんとすることはわからないでもないが、、
    知的生産の技術だ、これは。

    あるいは、今回の帯にある「AIに負けない勉強法」が
    言いえて妙かもしれない。
    「もてない」を自認する荒俣さん、
    独自路線でいろんなことに興味を持たれたようだ。
    その姿勢、好きだな。

    冒頭の「『好き』とは一線を超えること」
    こりゃまたいい。
    これはおそらく人間にだけできてAIにはできない分野。
    情熱。パッションともいえるかな。
    これを失ったらおしまい

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    2025年08月21日
  • すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる

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    シンギュラリティが2030年にくると言われているが著者は心配していない。
    2章
    いなバカなこといってんじゃねえよという悪口は、おまえの提案は新鮮だと言っているのと同じ。バカなことが好きな人にこそ、ほんとうのチャンスがめぐってくる。

    3章
    冷たい手段の勉強ではなく、大河のように太く流れる勉強は本来楽しいもの。

    10章
    60過ぎてから海外でレンタカーで旅行を楽しむようになった。

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    2025年08月04日
  • すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる

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    荒俣先生の著作で読み通した最初の1冊になりました。

    共感の嵐でした。

    自分自身、やはり王道よりマイオウンロードの学びを実践したいといつも思っている。

    勉強するにあたって一番大切なのはモチベーションであり、いかにしてモチベーションを維持するのか?と考えながら工夫することこそが、勉強における努力だと思う。

    また、間違える権利についての話があったが、学校とは取り返しのつく範囲での間違える権利を行使できる場であってほしいとも考えた。

    新しい事にチャレンジするための勇気は、基本的に加齢とともに衰えていくものらしいが、いくつになっても新しいことに新鮮さを感じられる若い感性を持ちたいものだと感じた

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    2025年06月30日
  • すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる

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    高校生の頃からずっと荒俣先生のファンでしたが
    さすがとしかいいようのない 確かに先生はモテとは
    無縁だとご自身がおっしゃってたましたが 7歳にして朽ちていたって 一カ月も風呂に入らず 老人が友達の子供…。幼少期からただものじゃない。確かに世間が良しとするものを求めるのをやめたらずっと楽に楽しく生活できる わくわくする様なお話でした。
    帝都物語の印税散々されたんですね…古書に。
    ますますファンになりました。

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    2025年05月20日
  • 江戸川乱歩語辞典:乱歩にまつわる言葉をイラストと豆知識で妖しく読み解く

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    江戸川乱歩の本人と作品にまつわるエピソード、小説、舞台、映画でのセリフ違いまで載っていて、舞台となった場所も知ることができます。地元ともいえるところもあって、この本を片手にその場所を訪ねて行ったり、乱歩作品を再読、再観賞したくなりました。

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    2025年04月28日
  • 新帝都物語 維新国生み篇 下

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    恐るべき博識に支えられた伝奇小説。
    今回もとても面白かった。
    まだまだ知らない日本のマイナーだけど深い話があるんだなぁとしみじみ。

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    2024年10月29日
  • 福翁夢中伝 上

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    天皇とは何か、人間にある三毒、智の副作用など、いろいろ学ばせられた。

    今の日本人は智はついたが、待てる人がいなくなってきているのだろう。

    世直しではなく世直り、欲望と怒りに溺れないように待つことを心がけよう。

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    2024年06月29日
  • 福翁夢中伝 上

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    上下2巻。現代に蘇る「福翁自伝」。ポリフォニーという西洋の多重発声法を使い、明治31年の福沢諭吉、咸臨丸の諭吉や現在の筆者(荒俣宏)まで登場し、時空を超えた語りが行われる。福翁自伝より、深く掘り下げた内容が多い。
    本作はミステリーマガジンの連載。ハヤカワだからこその奇想天外な手法が楽しい。内容は深いが語り口が爽快であり読みやすい。

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    2024年06月02日
  • 福翁夢中伝 下

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    上巻は福沢諭吉とそれを取り巻く人々という構図だったが、下巻はやや福沢本人からは離れ、小泉信吉や川上音二郎貞奴夫妻、福澤桃介といった福沢イズムを受け継いだ人達についての話が主だ。各々福沢から学び取ったことが異なり、その比較が面白い。
    終章は福沢諭吉の最晩年の大仕事、「修身綱領」の制作記になっている。慶應出身者であれば耳にタコができるほど聞かされるであろう「独立自尊」だが、そこに至るまでの過程が描かれる。無事に制作を終え、20世紀に入り福沢の生涯が閉じるところで物語は終わる。
    福沢が内心で何を考えていたのか、真なる部分に触れることは難しい作業だ。しかし作者は膨大な資料に触れ、その復元をできる限り精

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    2024年02月20日
  • 妖怪少年の日々 アラマタ自伝

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    アラマタさんの自伝ですよ。そんなの面白いに決まってるじゃないですか! 
    幼少期からの思い出を語りつつ、縦横無尽に話が広がる横道に逸れる。あらゆるものに関心を寄せ、あらゆる知識を貪り得る。正に博覧強記。こうなりたいと憧れるのです。

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    2024年01月08日
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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     水木先生、大変なインテリ読書家である。
     第1章の出征前手記は難解かつ送り仮名の使い方が変で読みにくい。常々「なまけものになりなさい」と説いていた先生が二十歳の時点では「怠惰」を厳に戒めている。どういうことだ?と思ったら、それについて弟子 荒俣宏による解説があった。
     第2章は、戦前の読書事情、日本人と日記の関わりについて知るところが多かった。

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    2021年12月17日
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57

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    夫に勧められて読んだ。読む前はなんだかよく分からないタイトルに怯んでいたけど、「はじめに」から面白くとても引き込まれた。
    これは大雑把に言えば、自分が納得できる人生を送るにはどうしたら良いかということが書いてある本。そのための勉強法が、具体例などとともに説得力を持って載っている。

    世間に惑わされず自分の興味をとことん掘り下げ、謙虚に生き、不利と思う状況でもプラスに変換する、人生を長い目で捉えるという様なこと。
    個人事業を行う上でもとても参考になることが多かったし、何より読みやすかった。著者のことをあまり知らないので、他の著作も是非読みたい。

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    2021年03月02日
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57

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    すごい面白かった!
    一見矛盾しそうなことを、さらっと肚落ちする言葉で書いている。荒俣さん自身のことがオープンに書かれていて、とても親近感がわいた。

    失敗してもいい、好きなことにのめり込めば良い、苦手なことや嫌なこともとりあえず面白がってやってみたら良い。
    今までに自分が何となく思っていたこと、感じていたことをしっくりくる言葉で表現してくれている!

    「嫌われる勇気」にも通じる考え方が、あると感じた。

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    2021年02月28日
  • 妖怪少年の日々 アラマタ自伝

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    私はこの著者が大好きです。40も半ばを過ぎて気持ち悪いかもしれませんが、10代で出会った帝都物語、帝都大戦、20代で出会った風水先生。
    自分のターニングポイントには必ず荒俣宏さんがいました。
    その変わり者の先生の自叙伝は自分にとってかけがえのないものでした。ありがとうございました。

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    2021年02月10日
  • 帝都物語 第六番

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    長い長い昭和のカスタトロフ小説。
    ふしぎな小説。デタラメといえばデタラメだけど
    そこにはアースダイバー的なロマンがある様に思う。
    都市から失われつつある〈気配〉を思い起こさせるオカルティックな作品。

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    2019年02月12日
  • 帝都物語 第壱番

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    ネタバレ

    多分本好きなら中学生位で読んどくものなのでしょうが・・・初めて読みました、大変好みでした。
    いや、顔の長い怖い人が、というぼんやりしたイメージと、虚実百物語にちらっと出てきた実物の顔の長い俳優と、その半分、青いのモアイ店長という認識しかなかったのですが。 のっけからもえもえきゅんきゅんなサービスショット?だったため、あ、これこの二人が幸せになんないと嫌なやつや、と思ったのですが、 ゆかりさんが出て来た時点で嫌な予感はしたのです、あれ、これこのまま触れられないで終わるパターンですか?と。違うでしょ、「虞美人草」的?、兄への執着からねちねちゆかりさんにつきまとうパターンでしょ!と至極勝手に思っ

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    2018年12月02日
  • 地球暗黒記 I ナナ・ヌウ

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    ハワイと日本、それぞれのつながりに興味を持った一冊です。
    マヒマヒを食べてみたくて、新宿のハワイな食事ができるところに行った記憶があります。
    そこでフラも見たな。

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    2016年11月18日
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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    水木しげるが20歳やそこらの青年であり、
    戦地へ赴く直前の手記に荒俣氏が解説を加えた一冊。
    世間一般に知られたる水木氏のどこかとぼけたような達観は感じられず、
    日々自分の価値観が変わっていっているような葛藤がそのまま記されている。
    それにしても現代視点で見たときには、とても20歳が書き記したとは思えないような深い思索の跡がみてとれる。語彙も大変に豊かである。
    これが往時の標準的な青年の姿であるならば、
    現在の若者が幼稚化しているという論に逆らうことはできない。

    荒俣氏の、手記の解説に留まらず「日記」という形態についての研究や水木氏がなぜゲーテを愛読していたか、を時代背景をもとに読みとく第2章

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    2015年09月13日