荒俣宏のレビュー一覧

  • 新帝都物語 維新国生み篇 下

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    またもや魔人加藤や!
    新となってるけど、時代は逆行。
    戊辰戦争の時代。
    帝都物語は、
    魔人加藤
    VS
    その時代を駆け抜けた人(今回は、土方歳三、平田鐵胤などなど)
    って構図やな。
    今回も陰陽道、風水、神道、はたまた、墨家…神秘系たっぷりの作品。
    神秘系は、好きなんで、良い!
    でも、言霊って言うのか、文字に意味を持たせた話が多くて…その度にじっくりと見ないとダメ。
    京は、口、小に意味があって、更にそれに蓋して…とかなんで、スイスイと読めない。
    小面憎いほど、しぶとい加藤を何とかって感じやけど、コイツ、また、復活するねんなʅ(◞‿◟)ʃ

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    2020年12月05日
  • 江戸の幽明 東京境界めぐり

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    江戸とその外との境界を、荒俣宏が「ブラタモリ」した本。江戸の境界は、朱引というらしいが、自分の住んでいる東京西部でいうと、落合あたりが境界であり、境界のあるところには火葬場があるらしい。たしかに納得。落合近辺では、哲学堂公園を散歩しているのだけど、やたらとこの公園を大絶賛していた。今度行ったときは、もう少し哲学的な視点で公園を眺めてみようと思う。

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    2020年06月27日
  • 江戸の幽明 東京境界めぐり

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    荒俣宏先生による江戸の街歩き。ただ単に現代でも江戸の街を感じる場所を歩くのではなく、御府内と郊外との境界線である「朱引」の内外を歩いて、江戸を浮き彫りにするというさすがと思わせる面白い企画。途中は荒俣先生の思い出話に脱線したりして、平井呈一との交流や太宰治、芥川龍之介など文化人の話もあったり、新書の割に分厚いですが、荒俣先生の文章なのでスラスラ読めます。あらためて荒俣先生の知識量に脱帽。この本を片手に街歩きも楽しいかもしれない。

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    2019年08月04日
  • 帝都物語 第壱番

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    概ね史実で、概ね実在人物なのに、圧倒的にオカルト。ワクワクする。ドーマンセーマン、陰陽道、式神、地脈、霊的にも守られた最強の都市・東京を創る…。

    加藤が怖くて気持ち悪くていいかんじ。
    この兄は「ブラック労働染まり野郎」なので、妹は放っておいていい。
    妹が大変なことになっているのに、兄はシゴト漬け、いい感じだった兄の友人も奔走するものの最終的には疎遠、精神病院に送られて「ヒューマンロスト」な感じになっている妹が不憫でならない。

    不思議な地震とか、加藤の暗躍とか、老陰陽師が最期に残した手紙とか、ワクワクする舞台じかけがいっぱい。
    絶妙なフィクション具合だと思います。

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    2019年04月25日
  • 帝都物語 第伍番

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    虚実百物語みたいな雰囲気で、あぁ、これのパロディでもあったのか?と。
    三原山噴火という、当時としては極タイムリーな話題が出て来て、そうだよな、昭和だったんだよな、と。当時まだ小さい自分をひいおばあちゃんに預けて、家族みんな噴火を見に行った、というエピソードを思い出しました。
    こないだTVでシンゴジラ見て、帝都が破壊される様子に、加藤は喜んでるだろうな、と感慨深いものがあったのですが、内閣総辞職の後見てたら、なんといるじゃないですか、加藤が。あ、これはこの内閣に入り込んだ男の陰謀なのでは、と妄想が進みました。

    あと、荒俣先生にいいたい、その転生は洋一郎でいってくださいよ!と。最後まで加藤と洋一

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    2019年01月05日
  • 帝都物語 第四番

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    こんなに危険なダンスは、怪盗クイーンのピラミッド編しか知らなかったものですから、高まりました。
    1巻以来、4巻末でやっと気に入った場面が出て来ました。
    やはり執着して骨まで・・・と、誰がなんといおうと曲解と深読みでいきますが、ただ単に由佳里さんにいいことしてあげただけじゃん、ともいえなくもない加藤。
    若返ってくれて嬉しい。

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    2018年12月14日
  • 帝都物語 第弐番

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    ネタバレ

    加藤さん、いいけどさ別に、なんで辰宮じゃなくて幸田さんとかに執念燃やしてんねん、そっちじゃないでしょ、と言いたい。あっちゅう間に40歳ですよ、悲しいな。これはあの一瞬の輝きに追いすがるしかないのか...。
    しかし幸田さん意外と武闘派で熱いですね、たぶん文豪ストレイドッグ並なのでは(よくしらない)
    バブル期に書かれたのか、と。じゃあ半分、青いのすずめは、この本や映画が流行した頃の彼のその後のあの人と・・・と思うとちょっと面白い。

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    2018年12月14日
  • 別世界通信

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    まだこの本刊行当時は オラフ・ステープルトンなんてこれで紹介される奴はあまり出てなかったし、『指輪』関係もまぁマイナーと言ってよかったし はー。
     魔界としてのロンドンとパリは、こっちの方が面白い。

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    2018年10月22日
  • 新帝都物語 維新国生み篇 上

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    魔人加藤再び!

    舞台を明治維新まっただなかに移して、直参旗本の加藤さんが、会津で土方歳三さんと暴れたり、いわゆる「つぼのいしぶみ」のある場所に闇の内裏を築こうとしたりしていました。

    こっちの加藤さんはよりクズっぽくなっていて、けっこうバイオレンスな感じ。
    女性を平気で殴る蹴るのイヤなヤツでした。

    本編より時代が古くなっているぶんリアリティを感じなくてすむので、自分としては本編より読みやすかったです。

    去年、多賀城にあるほうの「つぼのいしぶみ」は見てきたから、あのあたりが舞台か~って楽しめているから面白いのかもしれないけどね(笑)

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    2018年04月26日
  • 帝都物語 第伍番

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    ネタバレ

    この巻は「百鬼夜行篇」と「未来宮篇」でした。
    けっこうリアルに歴史をなぞってきたお話から、執筆された当時は近未来だった昭和70年あたりを描いています。

    百鬼夜行篇では、70年安保闘争から全共闘運動という日本人同士が殺し合う鬼が喜びそうな時代が描かれていました。
    三島由紀夫さんがけっこう重要なポジションになっていました。

    今まで実在の人物をこれだけ勝手に描ける荒俣さんの突き抜けっぷりが合わなかったんだけど、未来宮篇になると時代もパラレルだし、それが逆にリアルっぽくて面白かったです。

    殺伐とした時代を背景に人が人を平気で意味もなく殺していくとか(モーター付自転車の暴走族とかね…)、夢も未来も

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    2018年04月14日
  • ゑびす殺し(電子復刻版)

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    諸作家へのオマージュ、夢野久作とか、小林多喜二とか、にささげたものださうである。
     諸作品がなんか、いい感じで怖い。
     小林多喜二が「タンポポの根のような」うんこをひってどうのとか、森鴎外が死体安置所で水泳大会する死体に辟易したりとか、クーロン城の、水が落ちる通路とか、さう言ふのが怖い。

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    2018年03月28日
  • 妖怪大戦争

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     次に何の本を読もうかと考えていると、深夜テレビでこの小説を原作とした映画がたまたま放映され、買ったもののまだ読んでいなかったこの小説を読み始めました。
     映画自体は映画館ですでに鑑賞済みだったのですが、小説で読むと映画の裏にある状況を知ることができてとても面白かったです。
     個人的に、妖怪目線から見た安倍清明のイメージの悪さに驚きました。同じ作者が書いたかっこいい清明の作品も読んでいたからです。やっぱり人(妖怪)によって、他人の見え方、イメージは違うものなんだよな~と物語の本質と関係ないところで妙に感心してしまいました。

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    2017年07月04日
  • 帝都物語 第四番

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。たまには短編が読みたい。

    終戦から戦後間もなくの動乱期。加藤は一度死に、若い体で復活を遂げ、主人公の座に返り咲く。

    化物系ファンタジーの色がこれまで以上に濃くなり、満州国新京の地下に巣食う鬼、帝都東京を守る妖怪・物の怪が頻繁に出現する。それと並行して、特定の人物を描くような部分は減るため、筋を追うのは比較的容易であろう。

    その中で、西洋東洋の魔術から科学から、様々な薀蓄を惜しみなく詰め込んでいるあたりは非常に好感を持てる。江戸川アパートメントや松沢病院など、今後何か起こるような予感しかしない、場所などの選び方も見事である。

    ただ、辰宮家の描き方が、か

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    2017年05月11日
  • 陰陽師鬼談 安倍晴明物語

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    聖徳太子や吉備真備と安倍仲麻呂の話から、さらに安倍清明が仲麻呂の子孫だったという話もあり楽しかった。安倍清明の遺跡をめぐるツアーに参加したこともあり、場所もイメージできたのでさらに楽しかった。

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    2017年01月30日
  • 帝都物語 第弐番

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    関東大震災からの加藤暗躍が楽しい2巻前半の震災編。満州から将門の首塚まで続く龍脈を探る寺田寅彦等の視点と、由香里を取り巻く幸田露伴等の病院の視点など、幾つかの絞られたまとまりになっていることも有り、これまでとうって変わって読みやすくなる。

    ただ、冗談のつもりなのかなんなのか知らないが「考現学」などという、1980年台の言葉を取り混ぜてくるので、なんともくすぐったい気になる。

    前半の震災編は、エンタテインメント小説として非常に良く出来ている。

    後半の「龍動編」がちょっと難物で、話自体は前半とつながっているものの、龍が存在するものなのか、抽象的なものなのか、なんだかよくわからないまま話が進行

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    2016年11月09日
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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    その飄々としたお人柄に加えて"両親が心配して一年遅らせて小学校に入れた"などのエピソードから想像しがちなのんびりした少年時代、でもそれは水木サン一流の照れ隠しであり実の姿は凄まじい天才少年であったことを裏付ける貴重な書簡集。
    その出征を前に懊悩たる思いを書き綴った手記や戦地からの手紙は哲学そのものであり死を前にして生とは何かを自らに問いかける手法は時代を超えて心に強く響く。
    愛弟子荒俣氏の解説も良く出来ており戦争と言う狂気の現場に立たされた若者の心の拠り所としての「読書」の意義がつぶさに書き表されている。読書の幸せ…この言葉を今考えなければ

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    2016年10月06日
  • 帝都物語 第壱番

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    「1・神霊篇」と「2・魔都(バビロン)篇」の新装合本版。今では漫画やらゲームやらでお馴染みになっている魔術用語(陰陽道、蟲術など)も、発表当時は斬新で衝撃的だったんだろうなと思います。史実や実在の人物(幸田露伴、寺田寅彦など)が登場する群像劇的面白さとオカルティズムが相まって独特の雰囲気を醸造してます。加藤最高。

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    2016年06月04日
  • 帝都物語 第壱番

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    数年ぶりに読み返してみましたが好きなものの詰め合わせで、やっぱり面白いなあ。歴史上の偉人をうまく盛り込ませているのでリアリティもあって、なにより荒俣先生の膨大な知識量に脱帽です。

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    2016年04月07日
  • 戦争と読書 水木しげる出征前手記

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    仏教もやる。博物もやる……いじけるな、自分を小さくするな、俺は哲学者になる。21
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    自分と言ふものにびつくりした。俺なる実在は、俺の思考がとうてい及びもつかない程、複雑怪奇だ。ひとつ一生涯をこのものを観察しつゝ暮さうか。24
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    芸術品を造るものは何よりも人にならねばならぬ。25
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    仏教のような唯心論には反対だ。人間は心と肉とよりなる。27
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    2015年12月27日
  • 0点主義 新しい知的生産の技術57

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    副題に「新しい知的生産の技術57」とありますが、同じ主張の繰り返しのような部分があります。それと、技術というとhow toの具体例を上げているように思いますが、主に自分の好きなこと、ニッチなところを究めるという生き方について書かれています。なのですぐに役立つというたぐいの本ではありませんが、人生には楽しく生きるという選択肢もあるんだなと教えてくれる本です。

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    2015年11月09日