荒俣宏のレビュー一覧
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ネタバレ多分本好きなら中学生位で読んどくものなのでしょうが・・・初めて読みました、大変好みでした。
いや、顔の長い怖い人が、というぼんやりしたイメージと、虚実百物語にちらっと出てきた実物の顔の長い俳優と、その半分、青いのモアイ店長という認識しかなかったのですが。 のっけからもえもえきゅんきゅんなサービスショット?だったため、あ、これこの二人が幸せになんないと嫌なやつや、と思ったのですが、 ゆかりさんが出て来た時点で嫌な予感はしたのです、あれ、これこのまま触れられないで終わるパターンですか?と。違うでしょ、「虞美人草」的?、兄への執着からねちねちゆかりさんにつきまとうパターンでしょ!と至極勝手に思っていますが、どうなるのでしょうかね。 -
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水木しげるが20歳やそこらの青年であり、
戦地へ赴く直前の手記に荒俣氏が解説を加えた一冊。
世間一般に知られたる水木氏のどこかとぼけたような達観は感じられず、
日々自分の価値観が変わっていっているような葛藤がそのまま記されている。
それにしても現代視点で見たときには、とても20歳が書き記したとは思えないような深い思索の跡がみてとれる。語彙も大変に豊かである。
これが往時の標準的な青年の姿であるならば、
現在の若者が幼稚化しているという論に逆らうことはできない。
荒俣氏の、手記の解説に留まらず「日記」という形態についての研究や水木氏がなぜゲーテを愛読していたか、を時代背景をもとに読みとく第2章も読み応え抜群。 -
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ネタバレ私が魔術の世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品。
明治から昭和、そして西暦1998年にかけて、東京とその守護神である平将門を滅ぼそうとする陰陽師加藤保憲と、それに加担する者、阻止しようとする者たちを描いた、壮大なスケールの伝奇物語。
読み所は大きく分けて二つ。
一つはその持てる知識をフルに活用して繰り出される古今東西の魔術の描写。現実に起きた様々な事件の裏で暗躍する加藤保憲、平将門、術者たち、そして世の狭間で蠢く魑魅魍魎が、化物や術を行使する様は圧巻だ。
もう一つは虚実を織り交ぜて展開される人間ドラマ。作者は自身の作品に創作された人物の他に、史実、または実在する人物を登場させているのだ。
佐藤信淵、寺田寅彦、渋沢栄一、幸田露伴、カール・ハウスホーファー、森田正馬、森林太郎、三島由紀夫、角川春樹、ジョゼフ・ニーダム、――更には先日亡くなった森繁久彌氏も作品内に登場する。
実写映画化もされており、平幹二郎、原田美枝子、高橋幸治、坂東玉三郎、桂三枝、勝新太郎、と豪華キャストで彩られているが、嶋田久作氏演じる加藤保憲の前では皆影が薄かった。
加藤無くしては帝都物語は存在できない、と実感した。 -
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ネタバレ7、8年前、家族で鳥取境港の水木しげるロードに行ったとき、この映画と文庫本の存在を知りました。
息子らはDVD、私は文庫本という形で妖怪にはまり、息子らと共に話題が共有できたことに感謝をしております。
当初、大戦争と称しているから、在来の妖怪同士が敵味方に分かれて各々の得意技で戦いをするのかと思ってました。
実際の物語は、やや気の弱い少年が在来妖怪と共に、粗大ゴミが変化した怪物どもと戦いながら成長していくという内容でした。
映画は時間制限があるせいかドタバタ感と豪華キャストのオシラケ感がありましたが、子供の年齢目線で見れば結構おもしろいと思いますよ。
小説はこういうことがないので、少年の成長と仲間への思いやり、そして現代社会への風刺も適度に描かれ、よかったと思います。 -
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最初に言っておくと、この本は「幻想文学」です。ファンタジーです。歴史の勉強をしようと読む本ではありません。
「今は昔」で始まるような、少し不気味で訓戒じみた昔話を彷彿とさせる短編連作。
読むごとに時代を下り、その中で受け継がれていく陰陽道の系譜や、安倍晴明に至る流れが、まるで一本筋のように綺麗にできているように思います。
「因果」という言葉が全体を通して感じられる物語です。
厩戸皇子(聖徳太子)や吉備真備など歴史上の人物や、茨木童子といった有名どころの鬼の名前が章タイトルとして上がっていて、一見関連のなさそうな彼らがどのように安倍晴明という人物に結びついてくるのかな、と疑問に思いながら読んでいましたが、見事に繋がりました。
歴史を齧っていたり、昔話の雑学を少しでも心得ていれば、随所で首を傾げたり突っ込みたい部分はあるかと思いますが、史実と混同せずに大嘘のフィクションだと割り切るべきでしょう。
そしてなにより、安倍晴明はじめ、人間がいかにも俗物に描かれているのが怖いところでもあり、痛快なところでもあります。
あやかしをセコい手段で謀って退治したり、同じ人を陥れるために汚い手を使ったり……。人を騙すあやかしなんてまだまだ可愛いものだと思えてくるほどです。
そして、その末に報いを受け、過去を清算させられるといった、昔話にお決まりのブラックユーモアな因果応報がまた面白い。
「幻想文学」の中でも、含蓄ある作品だという印象を持ちました。
よく勘違いされるのですが、ファンタジーだから無責任にあれこれ設定を作って書いていい、というわけではなく、やはりある程度現実を踏まえなければ設定としては突拍子すぎて成り立たず、話も面白くはなりません。
知識がなければ、新しく作り出すことなどできないものです。
だから、この物語は、正しい歴史にしろ眉唾ものの伝承にしろまったくのフィクションにしろ、あらゆる豊富な知識によって紡がれた、壮大な嘘(フィクション)だと理解して読んで下さい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスパでふと手に取った1冊。
全ページ読破まではしてないが、何か人生1回きりだしなんでもできそうな気になる、いい意味で楽観的になれる、そんな本。
文中に、
「本の魅力の一つは、一度読んで理解できなくても、時間を経て開いてみるととてもよくわかると感じたり、〜〜。本に対しては結果を急いで求めなこと」とある。
これからの自分の読書人生に一つ大事な言葉として受け取った。自分のその時々のライフスタイルや心情によって、同じ本でも受け取り方は変わる。なら、その時々で自分にとってワクワクする本を読めばいい。文字がすらすら入ってこなかったら無理に読まなくていい。感情が縦横無尽に動く世界に入れる本に、瞬間瞬間で出会えるように、これからも本を読み続けていこうと思う。
この本に関した話ではないが、
今年に入ってから本を読み始めて、いろんな著者が自分の体験をもとにメッセージをくれるが、振り返ったときに共通して同じことを言っているそんな感覚に陥った。抽象?具体の話があるが、この観点を本を通じて、少しつづ理解し始められたかなと感じた。