荒俣宏のレビュー一覧
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ネタバレ私が魔術の世界に足を踏み入れるきっかけとなった作品。
明治から昭和、そして西暦1998年にかけて、東京とその守護神である平将門を滅ぼそうとする陰陽師加藤保憲と、それに加担する者、阻止しようとする者たちを描いた、壮大なスケールの伝奇物語。
読み所は大きく分けて二つ。
一つはその持てる知識をフルに活用して繰り出される古今東西の魔術の描写。現実に起きた様々な事件の裏で暗躍する加藤保憲、平将門、術者たち、そして世の狭間で蠢く魑魅魍魎が、化物や術を行使する様は圧巻だ。
もう一つは虚実を織り交ぜて展開される人間ドラマ。作者は自身の作品に創作された人物の他に、史実、または実在する人物を登場させてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ7、8年前、家族で鳥取境港の水木しげるロードに行ったとき、この映画と文庫本の存在を知りました。
息子らはDVD、私は文庫本という形で妖怪にはまり、息子らと共に話題が共有できたことに感謝をしております。
当初、大戦争と称しているから、在来の妖怪同士が敵味方に分かれて各々の得意技で戦いをするのかと思ってました。
実際の物語は、やや気の弱い少年が在来妖怪と共に、粗大ゴミが変化した怪物どもと戦いながら成長していくという内容でした。
映画は時間制限があるせいかドタバタ感と豪華キャストのオシラケ感がありましたが、子供の年齢目線で見れば結構おもしろいと思いますよ。
小説はこういうことがないので -
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最初に言っておくと、この本は「幻想文学」です。ファンタジーです。歴史の勉強をしようと読む本ではありません。
「今は昔」で始まるような、少し不気味で訓戒じみた昔話を彷彿とさせる短編連作。
読むごとに時代を下り、その中で受け継がれていく陰陽道の系譜や、安倍晴明に至る流れが、まるで一本筋のように綺麗にできているように思います。
「因果」という言葉が全体を通して感じられる物語です。
厩戸皇子(聖徳太子)や吉備真備など歴史上の人物や、茨木童子といった有名どころの鬼の名前が章タイトルとして上がっていて、一見関連のなさそうな彼らがどのように安倍晴明という人物に結びついてくるのかな、と疑問に思 -
Posted by ブクログ
テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
そして、2025年現在、ピンピンしておられます