今野敏のレビュー一覧
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最初の刊行時のタイトル『膠着』のままだったら私は手に取っていたかどうか。お仕事小説だと思わずにスルーしたかもしれません。
三流大学卒の啓太があちこち受けまくって唯一内定を勝ち取ったのは、まぁまぁ大きな老舗の糊メーカー。別に糊が好きなわけじゃなし、愛社精神もなし。気になるのは巨乳の女子社員のみ。胸に目を取られていたからかどうか、とんでもない発注ミスをする。それをフォローしてくれたのは、よれよれしているけれど出来る先輩社員。そんな折、外資系の会社に買収されそうだという噂が舞い込みます。
啓太がイマドキの男子ながら可愛げがあって憎めません。先輩社員の本庄のキャラもイイ。難題をつきつけられると本庄のように楽しそうに仕事に取り組む友人が私にもいます。仕事に限らず何かで凹むたびにその友人のことを思い出し、こういうときこそ楽しまなきゃと方向転換。
できるわけないと思ったらできない。ニュートラルな状態で、頭を柔らかくして考えなきゃ駄目ですね。なかなか楽しかった1冊。 -
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【あらすじ】
東京の台場で少年グループの抗争があり、1人が刃物で刺されて死亡する事件が起きた。
事件直後に目撃された車が、少年たちの間で“黒い亡霊”と噂される風間という少年のGT-Rの可能性が高いことから、安積たちは彼を追い始める───。
【感想】
今野さんの作品はシリーズがたくさんあるので、どれから手を付けていいか分からずにいたのですが、『隠蔽捜査』シリーズにはまった父が目についたものから手をつけるように。
その2冊目が本作。ドラマ化もされている安積シリーズですね。安積のキャラクターもなかなか面白いと思いました。
竜崎とはまた違った不器用さが人間臭くて、とても良い感じです。
今野さんの作品に登場するヒーローって、完璧ではないところがまたいいのかもしれませんね。
譲れないものを持ちつつも、大人だってまだ成長できる、という部分に爽快感を覚えます。 -
購入済み
面白かったです
さほど知らずに読んでみました
読みやすく、サラサラと読めて面白かったです。
途中で携帯電話とか登場しないな?
と思いながら読んでいましたが、読み終わってから1998年の作品だと知って納得。
でも、十分に楽しめました。
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購入済み
同期の友情?
捜査一課宇田川刑事と同期の大石、蘇我との友情?物語。
宇田川刑事の活躍はもちろん、蘇我の飄々とした行動がおもしろい。
これで完結とは残念です。 -
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ネタバレ大好物な、警察小説アンソロジー。
初読みは一人だけ…
三羽省吾【シェパード】
・・・「スタン飯店」の親父がイイ感じ♪
犯人も…可愛いげがあるというか、"希望"を見出だすラストに好印象。三羽省吾、要チェックかな。
五十嵐貴久【汚名】
・・・「リカ」と「リターン」だったっけ…?既読の2冊は、"可もなく不可が少々"な感想だった記憶だが、本作はなかなかに感情移入のできる人情話だった。
"もう読むことは無い作家さんだな"の認定を外そう。
今野敏【消えたホトケ】
・・・安心の今野敏。未読だが、筆者の持ちシリーズからのスピンオフらしい。相棒の女性刑事のキャラ設定に好感。シリーズの方も読まねば❗️
誉田哲也【裏切りの日】
・・・短編だからか、白でも黒でもない誉田、といったところか。なんか、誉田作品にしてはあまり引き込まれることもなくぼんやりと進んでふんわりと終わったな、という感じだったが…
(巻末解説文によると)長編作の第1部という位置付けなのだとか。これはもう、長編の方も読まねば❗️
…しかし、長編の第1部をアンソロジーに載せるという手法は、いかがなものか?少々不満(苦笑)。
★4つ、7ポイント半。
2020.01.06.古。 -
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ネタバレ20年の2月に文庫になって、22年の5月で23刷だから、ずいぶんたくさんの人に読まれているのを知った。古い本を出して来たので26年の今はもっと増えているに違いない。面白過ぎてドラマまで見た。
今野さんの本を見ると裏表紙などに紹介がある、シリーズは5まで出ているそうで、よほど面白いのだろう。
いまごろ? そう、今頃やっと手にとってワクワクした。
東大法学部卒のエリート竜崎伸也という主人公は、変人だといわれている。彼は公務員の本筋通り、国のために奉仕し、国を守るために働いている。本質さえ違えなければ、面倒な縦横の付き合いなどは無用だと思っている。
長官官房で総務課長、身分は警視正なので多岐に亘る職務に忙殺されている。
埼玉で、暴力団員が射殺されたが、よくある暴力団員同志の揉め事だということになった。過去に起きた少年グループの女子高校生の、誘拐、監禁、陵辱、殺人事件の犯人グループのひとりだった。社会的反響の大きな事件だったので、被害者の過去は伏せて、内外に箝口令をしいた。
その事件が頭から消えかかっていた頃、埼玉市内でまた、射殺事件が起きた。
過去の事件との関係がクローズアップしてくる。
ところがまた三人目になる、過去の少年仲間が撲殺された。
被疑者は現職の警察官だという。これが知れると日本の警察機構の汚点になる。
解決方法を求めつつ、固く隠蔽されて捜査が進む。
一方、竜崎の家庭でも問題が起きていた。息子がヘロインの粉をタバコの先につけて吸っていた。粉も見つかった。さすがの竜崎も解決に迷う。
少年法が適用される年齢である、しかし身内の犯罪の責任を取らなければならない。
一直線に目指して耐えて来た今までの努力と、手に入れた地位をなくすだろう、そうなれば家族の将来が不安になる。
軽微な少年犯罪だから、簡単に揉み消せる、と同期で小学校からの敵のような友人が言う。
その友人は伊丹という。小学生の頃いじめられたことを竜崎は忘れられず、そのことをバネにしてきた。磊落そうに見えマスコミ受けのいい伊丹は、有名私大卒ながら今では、キャリアの、刑事部長になっている。
伊丹は事件についてなんとか内部で収めたいと言う。
同じように、息子の件ももみ消せと言うが・・・。
龍崎の本質、見識は組織の中では孤立することもあり、ときには周りの人たちを圧倒する。
反感や非難もまるで眼中に無い。公務員の心得、守るべき国民に対しての責任のみが彼の生き方である。、それらはじわじわと周りに染み込んで行く。
管理社会の中で縛られているサラリーマンにとってこう言う正論に沿った生き方は憧れである。憧れるだけである。建前もなく本音だけで通るのはまぁこの人くらいだろう。
現実では生きていけないなぁと思う。理解されるような事件も人間も見つからないのが実情だ。だからこの話は面白い。
そして、独特のキャリアとノンキャリアの厚い壁の前では、竜崎のいう、受験勉強以外の楽しみを犠牲にしてでも手に入れるべき道順は、まず東大に受かること。それもありなのか。
しかし、彼はそれだけではない何かを感じることのできる柔らかい部分が、少しずつみえてくる。そこがいい。
やはり、解説者や世評の通り傑作に違いない。おもしろかった。
シリーズは5まであるという、手元にあった2の「果断」まで勢いで読でしまった。続きを買いにいかねばp(*゜▽゜*)q 。 -
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ネタバレ山本周五郎賞 日本推理作家協会賞
竜崎は、息子の不祥事で大森署に移動になる。
署長になっても、前例を引くまでも無くわが道を行く。部下たちはまごまごするが、困らせることが本意ではない。竜崎も少し譲り新しい任地は動き出す。
高輪の強盗事件で大森署でも緊急配備をしいた。ところが犯人たちはそれをすり抜け、先で待機していた機捜が身柄確保をした。
どこであっても捕まえればいいことだ。ではすまなかった。
友人の伊丹捜査部長から、管理官に手を回し穏やかに収めようとするが、勇みたって管理官が来るというので、緊張している署員に竜崎は言う。
「驚くことはない、向こうが無茶をいってきたんだ」
「所轄が方面本部や本庁に楯突くことはまずありません」
「警察組織と言うのは、上位下達が基本だ。軍隊と同じで、上の作戦を現場が滞りなく遂行することが第一だ。そういう意味では、所轄は、うえの指示に逆らったりしてはいけない。だがね、上が明らかに不当なことを言ってきている場合は別だ。方面本部の管理官の面子など、職務上意味がない」
近隣のパトロールに出ていた地域課の報告で、小料理屋で喧嘩が有ったらしい。開店も遅れている。
それが緊配に引っかからなかった犯人の一人か。
訪問しようとした係員に向けて二階から発砲された。逃げた強盗のうちのひとり、実行犯だろう。人質をとって立てこもったのだ。
強行犯係が来る、
先に捕まえた仲間が言うには、引き籠り犯は10発以上の銃弾を持っているという。
竜崎は署員のとめるのも聞かず現場に出る。
SITも出動、SATも出てくる。
大森署はSITの指揮下に入った。SITは人命を尊重し、時期が来るまで説得し調査し、解決しようとする。竜崎はSITの小平係長の指揮下に入る。
しかし犯人はまた発砲し、時間切れと判断して、SATが突入となり、竜崎は狙撃命令を出す。
犯人は射殺され人質は救出される。事件は無事解決。のはずだったが。
犯人が持っていた拳銃には弾が入っていなかった。
それについての情報は事前に確認した。その上での突入、狙撃命令だったが、空砲を撃った犯人を射殺したことは問題になる。
事件は混乱してくる。
そのとき、竜崎に酷く反感を持っているはずの戸高が、経験上なにか腑に落ちない点があると言ってくる。竜崎は再調査を許可する。
面白かった。竜崎の家では奥さんが救急車で運ばれ、家庭に疎い竜崎は困ってしまい娘や息子の助けを借りる。次第に家族のことを考え直す。人並みに妻のストレスに気が付いて家族を思い遣る気持ちが沸いてくる。
官僚の社会から話は主に地方警察の内部に移るが、竜崎のぶれない気持ちは健在であり、そこに家族の話も加わって、少しやわらかい風味が増してきた。
「SIT」は「捜査一課特殊班」の頭文字だそうだ。覚えやすい(^^) -
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ついに達人の域に到達してしまった剛くん。てかおまえまだ10代なのにヤバいな。
日本じゃガラスの10代、傷つきやすいティーンエージャーとかなんとか言ってる中、既に悟りを開いているという、ね。
と言っても最終巻に至り、俺つえー的な話は無くなって、空手の世界の問題を作者が語るというところが多いわけで、世界に合わせてルールを決めて試合やってそしたら試合に勝つことだけ考えて、空手が持っていた本質が失われる、という、いやこうやって書くとつまらん感じだけど、その熱い思いが伝わってくるわけですよ。
というわけで、死闘を繰り広げてかっけー、という話ではなくて、ふむふむなるほどと、脳のしわが増えるような最後なのだった。
まぁでも大雑把に言えば弘一くんが勝ち組。