今野敏のレビュー一覧
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今野敏『防波堤 横浜みなとみらい署暴対係』徳間文庫。6編から成る連作短編集。
諸橋と城島の同期の二人の刑事を主人公にした警察小説。降格人事により係長として、みなとみらい署に赴任した諸橋とその煽りで係長補佐となった城島。『ハマの用心棒』と呼ばれる堅物の諸橋に対して、ラテン系の城島という二人の活躍が面白い。この対照的な二人の構図が後の『隠蔽捜査シリーズ』につながったのかも知れない。
このシリーズで重要な役割を演じる神風組の組長とたった一人の組員・岩倉を忘れてはいけない。この二人は事件の発端となったり、重要な場面で諸橋と城島に協力したりするのだ。
『防波堤』『噛ませ犬』『占有屋』『ヒットマン』 -
Posted by ブクログ
ネタバレ渋谷・新宿の繁華街で連続通り魔事件が発生。いずれも交番からほど近い距離の現場で協力者の力もあり、犯人は現行犯逮捕。しかし犯人は取り押さえられた直後から犯行を否定、協力してくれた一般人はいつの間にか姿を消していた。
事件の詳細を調べ始めた警視庁の碓氷は、現場の警察官らに質問を重ねるが誰もが事件解決に導いた協力者の人着(人相や着衣)が思い出せない。思い出そうとすると捕まえた犯人の姿が浮かぶと…そんな不思議なことがあるのか。
やがて警察庁から心理調査官の藤森が派遣される。碓氷はこの女性とタッグを組まされ最初は困惑していたが…。
今野作品は初めて読んだと思うけど、とても面白かった。どうして誰も協力者 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今野敏さんの警察小説の中でも、最も息が長いシリーズであり、連続ドラマ化もされた安積班シリーズ。本作は、その安積班シリーズの最新刊である。
安積班シリーズは、長編も面白いが、本作のような連作短編集にこそ魅力が詰まっていると考える。1編当たりは短いが、きちんと物語があり、人間模様がある。本作では、安積班の面々の視点に加え、安積をライバル視する相楽や、鑑識の石倉など、臨海署の様々な面々の視点で描かれているのが興味深い。
「カデンツァ」。現実にも聞く、呆れた犯罪。察知したのは…。「ラプソディー」。船上で遺体発見。警察と海保のせめぎ合いは、意外な結末に。「オブリガート」。安積班と相楽班の事案が