今野敏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ブグログで、このシリーズのことを知って読みましたが、大正解!! 面白くて、数時間足らずで、一気に読み切りました。こういった本に出会えるのも、ブグログのよさですね。
本書はヤクザ者を描いた話ではありますが、極道や暴力団といった「悪者の中の悪者」といった感じでは全くありません。「ヤクザは地域の人々に信用されてこそ、稼業が成り立つのだ」という組長の言葉に象徴されるように、任侠道(仁義を重んじ、弱者を助け強者をくじくために自己を犠牲にする精神をもつ)に生きる人達の、随所にユーモアがちりばめられた楽しい話です。
堅気より堅気的なヤクザたちが、やる気を失った社員達を目覚めさせる展開も痛快でした。
【ヤクザに関するうんちく】
・ヤクザにはパンチパーマやスキンヘッドなど短髪が多いが、それは喧嘩の際に髪の毛を掴まれないための用心。
・顔付きに凄みを付けるため、彼らは日々、鏡を見て練習する。ヤクザは役者と同じイメージ商売。
・ある柔道で有名な大学の柔道部の卒業生は、頭のいいやつはヤクザになり、そうでもないやつは警察官になる。(笑) -
Posted by ブクログ
今野敏『任侠楽団』中公文庫。
『任侠』シリーズ第6弾。
安心安定の面白さ。何と今回は『アキハバラ』『パラレル』などでお馴染みの刑事、碓氷弘一も登場し、さらに面白いストーリーに仕上がっている。
今回はオーケストラが舞台ということで、クラシックの基本知識も散りばめられている。そればかりかジャズとクラシックの音楽性の相違についても記述されており、ジャズ好きにはたまらない内容となっている。
そして何時もながら、親分の阿岐本雄蔵の無理難題に右往左往する代貸の日村誠司が可哀想になって来るのだが、今回ばかりは阿岐本と刑事の碓氷がほぼほぼ問題を解決してしまう。
義理と人情と任侠は、殺伐とした今の世の中にこそ遺しておきたい古き善き時代の日本の思想だろう。
義理人情に厚いヤクザの親分の阿岐本雄蔵のもとには、毎度毎度一風変わった経営再建の話が次々舞い込んで来るのだが、今回は公演まで2週間というオーケストラの内紛処理の依頼が舞い込んで来た。何時ものように代貸の日村誠司が阿岐本の命を受け、コンサルティング会社の社員を装い、オーケストラを建て直そうと奔走する。
そんな中、オーケストラのマエストロが何者かに襲撃され、警視庁捜査一課の変り者の刑事、碓氷弘一が捜査のためにやって来る。ヤクザと刑事の水と油がオーケストラ内で起きた紛争と事件を解決するために手を組むが……
本体価格760円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
任侠シリーズ第6弾
やっと文庫化や!
速攻、購入してしまった(^◇^;)
今回の立て直し案件は、楽団!オーケストラ!
でも、今までの赤字なのを立て直していくのとは毛色は違うな。
今回は、楽団内部のいざこざ。
良くありそうな若手とベテランの!
更に公演の日付が近づいて…
コンサルティング会社の社員として、潜入して解決。
指揮者が襲撃されたこともあって、刑事とタッグを組む!
こんな事件もあるんで、犯人探しもあって、ミステリー要素もあるんやな。まぁ、大した事件やないけどね。
ほんまに一流の人って、自分だけのカテゴリーやなく、他のも吸収して自分を高めていくんやな。
クラッシック、ジャズやなく、音楽として。
今回は、他のシリーズの刑事さんも出てて(名前は内緒)、このシリーズもコラボしていくんかな?
ヤクザの親分と竜崎さんのコンビで!とかなったら面白いかも?
義理人情と合理主義!これからのお楽しみ!
一気読み!楽しめました! -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズのスピンオフ作品。
他者視点の竜崎。とても良かったです。
大森署貝沼副署長の話は情報漏洩と誤認逮捕。
竜崎署長に知られる前に解決を…と思う貝沼でしたが、どうも最悪な選択をしているような気がして結局署長に報告し、指示を仰ぐことにします。
自分の過ちをすぐさま軌道修正できる貝沼もすごいなと思いました。
『疑心』に登場した畠山美奈子がスカイマーシャルの訓練を受ける話。
キャリアであり女性であることから一緒に訓練を受けるメンバーの中で浮いてしまっている美奈子。しかも訓練では周囲の足を引っ張っていると自己嫌悪に陥ります。
思わず竜崎に電話をしてしまう美奈子。そこで竜崎に思いもかけない言葉を言われます。「女性であることを何故利用しないのか」と。
フラットで合理的な竜崎の言葉だから素直に受け入れることが出来るのかもしれませんね。
一番良かった話は『実地』
仮配属の新米警察官を受け入れる地域課の久米課長。
何とか新米警官が脱落しないよう心を配っているのですが、緊急配備で職質をかけたのにみすみす犯人を逃がしたのがその新人警官でした。
刑事課長にその責を問われる久米。地域課の悪口まで言われては黙っていられません。
そして、管理官の野間崎がやってきて失態を責める中、署長の竜崎は自ら新米警官のところまで出向いて話を聞くと言い出しました。
実はこの新米警官、きちんと違和感に気付いて職質していたのです。お手柄です。
それぞれの視点から見える竜崎は合理的でぶれないです。
こんな上司なら良いですよね。