今野敏のレビュー一覧
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警視庁捜査一課、碓氷弘一。48歳。
腹の出た体をくたびれた背広に包み、薄くなってきた頭髪を気にする、サエない中年男だ。近ごろ警部補に昇進し、第5係最年長ということもあって、鈴木係長の番頭的な存在になっている。
そんなベテラン刑事が事件解決に奔走する警察サスペンス。シリーズ5作目。
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その一報を受けたのは、やはりその日当直の碓氷だった。駒込署管内で死体が発見されたと言う。
自分の引きの強さを呪いつつ、碓氷は係長の鈴木に連絡をとった。時計は午前2時を指しているがやむを得ない。
寝起きの声で電話に出た鈴木から、事件性があり第5係の臨場ということになったら再び報せ -
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警視庁捜査一課、碓氷弘一。48歳。
腹の出た体をくたびれた背広に包み、薄くなってきた頭髪を気にするサエない中年男である。近ごろ警部補に昇進し、第5係最年長ということもあって鈴木係長の番頭的な存在になっている。
そんなベテラン刑事が事件解決に奔走する警察サスペンス。シリーズ6作目。
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その朝、碓氷は若手の警官が自殺したことをニュースで知ったが、特に気に留めることはなかった。だが出勤してみると、事件は奇妙な色合いを帯びていた。
警官の自殺と同じ23時過ぎに、中学生の自殺が1件、殺人事件が2件起きている。殺人事件の容疑者はすでに逮捕されてはいるが、別個の事 -
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2022年(発出2020年) 425ページ
文庫本の表紙の写真は、神奈川県警本部庁舎でしょうか。『ビルの上階に円盤を埋め込んだような独特のデザイン』とあり、表紙カバーをマジマジと眺めました。
神奈川県警にきても、竜崎は変わりません。面白さも変わりません。ご都合主義のような終わり方でも、それが竜崎の醍醐味です。
神奈川県警の新キャラも登場します。竜崎のぶれないキャラで、周りの人たちの信頼を固めていきます。竜崎伸也の人心掌握術ですね。
横浜といえば中華街で、中華街で食事をするシーンがありますが、美味しそうでうらやましい!
安定の伊丹刑事部長も登場します。だけど、伊丹は神奈川県警を明らかに下に見 -
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2018年(発出2016年) 428ページ
今回も安定の面白さです。もはやおなじみのパターンではありますが、読み始めると一気に読めてしまうんですね。
今作はストーカーをテーマに事件が繰り広げられます。
警察庁による指示のもと、ストーカー対策チームを編成した矢先に、管内でストーカーによる殺人、誘拐事件が発生。犯人は猟銃を所持している可能性がある。しかし、犯人の足取りを追っているといろいろ不可解な点が……
家庭では、美紀が婚約者の忠典がしつこいという。頻繁な電話やメール、待ち伏せなど。それに対して竜崎は、ストーカー規制法の対象になると言うが、果たして⁉︎
事件では弓削方面本部長が主導権を握ろ -
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2017年(発出2014年) 321ページ
(2月読書……6258ページ 洋書117ページ)
竜崎伸也を取り巻く人たちの7編のスピンオフ作品集です。
『漏洩』……まるでホテルマンのような大森署の貝沼副署長。捜査情報を新聞にすっぱ抜かれ、朝から何やら工作を⁉︎
『訓練』……竜崎伸也が恋した女性キャリア、畠山美奈子がスカイマーシャルの訓練に参加することに
『人事』……新たに第二方面本部にやってきた弓削本部長。野間崎管理官が弓削本部長にレクチャーした内容とは
『自覚』……管内で発生した強盗殺人事件。関本刑事課長が臨場する。警視庁本部捜査一課も現場へやってきた。そして捜査員たちが大森署へ引き上げよ -
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2016年(発出2013年) 423ページ
『隠蔽捜査2 果断』に次いで今回は面白かったです。
東京と神奈川にまたがっての殺人、誘拐事件。神奈川県に潜伏中と思われる犯人。神奈川県横須賀署に捜査の前線本部を作ることになり、前線本部で指揮をとるため竜崎が副本部長として神奈川県へ。
警視庁と神奈川県警って犬猿の仲なんですね。知らなかった。
それと、坂本弁護士一家殺害事件の捜査に関連して、神奈川県警のミスがあったことが作中で言及されています。これも知らなかった。ネットで調べるとすぐに記事がヒットしました。
そして、竜崎が神奈川県にいき、確執や軋轢の中で合同捜査本部を指揮しなければならないのでした -
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2013年(発出2010年) 352ページ
警視庁刑事部長・伊丹俊太郎を主人公としたスピンオフ短編集・・・なのですが、影の主役は竜崎伸也という感じで、竜崎ファンには満足の一冊だと思います! そして、伊丹俊太郎がなんとなくかわいいキャラに思えてきます。
時系列順に、『指揮』『初陣』『休暇』『懲戒』『病欠』『冤罪』『試練』『静観』と、全部で8編の短編からなっています。全部飽きさせることのない構成で、一気読みできます。今野敏さんは短編も名手! こんなにスピーディーに小説を読むことができるのは爽快な気分でした。会社の休憩中に、2、3編くらい読めてしまいますし、短編でも続きがすごく気になりました。面白 -
購入済み
この「語り口の巧さ」よ…。
2024年2月読了。
もうず〜っと前から存じ上げていましたし、凄まじい多作でも有名な著者の作品。本書も2時間ドラマでも観たような話…。
ちょっとした切っ掛けで読み始めたのですが、気軽にちょっと手を伸ばして読み始めたらグイグイと惹き込まれ…数時間で読了。この「語り口の巧さ」には、ほとほと脱帽しました。
『多作と言えど必ずしも不作ならず』と自身で意志表明し、「そんな事を言ったってどうせ…」と鼻で笑っていたのが私の学生時代の頃ですから、もうかれこれ30年近く昔の話…。
久しぶりに読んで、本当に著者の《圧倒的な筆力》に参りました。こんなに爽やかな読後感は久し振りかも。
こんなに沢山の著作で、今 -
匿名
購入済み相変わらず
このシリーズのファンです。捜査の解決に向けて、引き込まれていき、最後まで読むのが止まらなくなりました。相変わらず、周りを惹き付けながら事件を解決していきました。読後感はよかったです。
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Posted by ブクログ
警視庁捜査一課第5係、碓氷弘一。腹の出た体型に薄くなってきた頭髪。くたびれた背広を着たサエない中年男だ。
警部補になりたてだが、係内では最年長の48歳ということもあり、年下の係長からは番頭のような扱いをされている。
そんなベテラン刑事が事件解決に奔走する警察サスペンス。シリーズ4作目。
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6月17日金曜日。退勤時間になってはいるが、鈴木係長が腰を上げないので碓氷も席を立てずにいた。
今日は朝から嫌な予感がする。さっさと退散しなくてはと碓氷が焦り始めていたとき、一斉無線が入った。渋谷ハチ公前広場で通り魔事件が発生したとの連絡だった。
さっそく -
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監察官、笹本と諸橋のやり取り
諸橋は、心底驚いた。 「何だって……?」 「警察をなめるなと言ったんだ」 「たまげたな。あんたが、俺のやり方を認めるとはな……」 「私だって意味もなくあんたを責めているわけじゃないんだ」 「意味もなく責めているのだと思っていた。俺をクビにしたいだけだと……」
「あんたがクビになったり、死んだりしないように、ブレーキをかけてやってるつもりなんだがな……」
諸橋と城島の名コンビ、諸橋とヤクザの神野の関係、最高の作品である。
神奈川県警みなとみらい署暴対係の警部・諸橋は、暴力団の間で〈ハマの用心棒〉と呼ばれ怖れられている。ヤクザの抗争に巻き込まれ、両親を失った諸橋の