今野敏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今野敏『機捜235』光文社文庫。
新たな警察小説シリーズの第1弾。テレビの警察ドキュメンタリー番組でお馴染みの機動捜査隊と見当たり捜査を融合させた9話収録の連作短編集。
第1話で心を鷲掴みにされた。警視庁第二機動捜査隊所属する34歳の高丸が語り手となり、高丸の相棒となった定年間際の縞長の活躍と二人の絆が強くなっていく過程が描かれる。
渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属する34歳の高丸卓也は公務中に同僚が負傷し、巡回にも出れず、所内をぶらぶらしていた。そんな高丸の相棒として新たに着任したのは白髪頭で風采の上がらぬ定年間際で57歳の縞長省一だった。高丸はこれでは実績が上げられないと -
Posted by ブクログ
まんぞく!
ミステリってこのくらいのボリュームの短編集が読みやすいかもしれない。気分でない時は他の本に行って戻ってきても、弊害ないし。
そしてどのお話も、どこか考えさせられる軸が入っている、気がした。
個人的には、砂糖壺は空っぽ、喫茶マヨイガ、太陽と月が星になる、あたりが好きかな。
ミステリと女の子同士の恋って、相性いいわよね…!
喫茶…は、ショートストーリーだけど、言いたいことは声を大にして言っていいんだということが、すっと伝わってきた。
そしてそして、語り手が姉妹で入れ替わりながら時間が進んでいく太陽…は、悲しい結末だけど、憎しみが必ずしも憎しみにはならない(?)ところに救われる。 -
Posted by ブクログ
任侠シリーズ第4弾。
今度は銭湯。
これまでも様々な職種で活躍?されてきましたが、銭湯はちょっと時代を考えても難しいのでは?と思ってしまいました。
考え方が日村さんと同じなのかも。
私も余裕とかないんでしょうね。
仕事として考えてもそうじゃなくても、親分さんの言葉は相変わらず刺さる。
道楽のように聞こえる言葉にも、しっかりとした思いがある。
わかっていたけど、改めてかっこいい人。
いつも振り回される日村さんは気苦労が絶えないと思いますか、見ている分には楽しい。
組のメンバーも個性的で、その良さがとても活かされていて、今回もおもしろかった。
もっともっといろんなパターンが見てみたいです。 -
Posted by ブクログ
単発の短編集。主人公は茶道の師匠でありながら、実は武道の達人でもある(が、作中を通して名前は明かされておらず、語り視点の「私」として登場す)。
かなり古い作品で、「国電」などという懐かしい語句が登場するところに時代を感じさせます。近年の今野作品の王道である警察ものではないが、短編ゆえの小気味よいテンポで次から次へと面倒ごとを解決してゆく展開がよい、また脇を固めるベンソン神父やシノさん、菫子といったキャラとの組み合わせもまた絶妙。しかも今野作品では珍しく主人公の「私」とヒロインである董子の仲が進展するというラストの展開は読後感スッキリの読み応えでした。 -
Posted by ブクログ
やった安積班長編だ!
分かりやすくて読みやすいのに深みがある
この相反することをサラッとやってるのが今野作品の魅力なんだよなぁと改めて思いました
今作は安積班の面々はちょっと出番控えめ
そのかわり我らがヘッド速水が全編に渡って大活躍です
いわゆる「今どきの若いの」をどうやって導いていくか?ってお話しだったと思う
そして速水のアプローチは特段構えず普通に接するということ
安積のアプローチは手本を示すってことだったように思う
そしてどちらも自分に自信がないと出来ないことだなぁと思いました
自分自身が当たり前のことを当たり前にやれる人間であることを放棄している「今どきの大人」が多すぎる気がするな