今野敏のレビュー一覧
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ネタバレ本シリーズ、数ある長編のなかでも一二を争う読み応えのある作品でした。ほぼ同時刻に救急搬送された市民3名が謎の死を遂げる事件が発生し、安積自身が過去に手掛けた事件とのつながりがみえてきて、しかも冤罪であった可能性が…。
自らの過ちを暴くことになるかもしれない、しかし真実は何かを知ろうとする純粋な想いに突き動かされる安積の姿は必見です。こうしたケースでは激しい葛藤にみまわれる、あるいは保身に走ってしまうこと少なくないはずですが、刑事としての本能や正義感がそれらを上回った? いや、そのようなあれこれを自身のなかで天秤にかけることすらないのかもしれません。そんな姿がカッコイイのです。
また捜査本部 -
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ネタバレ短編集でしたが、長編とはまた違った面白さを感じることができた一冊でした。「烈日」というタイトルに大きな意味があることが読み進めるうちにわかってきました。
収録されている短編はおそらく季節の順にならんでおり、一つ目の「新顔」の季節がわかりませんが、全編をとおして夏から冬の時期が描かれています。
相楽との確執(?)は相変わらずですが、実は安積の若かりしころが相楽の今に重なり、「逃げ水」では彼の中に安積自身が昔のがむしゃらであった自分を見るかのような視点が描かれています。
「白露」では、とある事件の捜査本部で桜井が組むことになった定年間近の福留という刑事もまたその職業人生を終えようとしている瞬 -
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ネタバレ東京ビッグサイトでおこなわれるイベントに対して度重なる爆破予告が。一度目は狂言におわったものの、二度目の予告は本物だろうという須田の推理に従い警備を固める安積班。だが、警備の網をかいくぐりまんまと爆破を起こされてしまう。
まずは被害者5人のもとをおとずれ証言を得てゆく安積班であったが、微妙に食い違う証言の矛盾をまたしても須田の洞察力が突破口になる、という展開。
今回から臨海署の建屋が新築され、組織も拡大、強行犯も二係体制となり、なんとあの相楽が異動してくることに!
爆破事件の捜査本部においても何の因果か、事実上、安積班と相楽班の対立構造が継承され、各々の推理をもとに捜査が進む。きっとこう -
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安積班の新シリーズ。舞台は東京湾臨海署から渋谷の神南署へとうつります。臨海副都心構想に陰りが見え、警察署としても縮小を余儀なくされ、安積ら強行犯係がまるごと神南署へ異動した、という設定。
で、本作における安積はどちらかというと脇役であり、主役はワタセワークス社長の渡瀬と重鎮の沖田、また彼らの会社の仲間たちの奮闘ぶりにスポットをあてたものとなっています。
ワタセワークスが開発したゲームソフトの発売をめぐってある筋から圧力がかかり、暴力団、さらには政治家の影もちらほらと、という展開。ゲームと政治という、一見結びつきそうにないものが組み合わさって事件に発展するという面白さがありますね。
さらに -
購入済み
おじさんだけれど清潔で筋の通った主人公が、その実力と人格で自然に若手から慕われていく様子は読んでいて気持ち良く、カタルシスが感じられました。物語も破たんなく綺麗に落ちています。また楽しみなシリーズが増えました。
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ネタバレ事件自体に派手さはないのに、それぞれのキャラが立っていて、今回もやはり面白かった。
良いんだか悪いんだか、窃盗は再犯率が高いことからも、刑事と盗人の付き合いも長くなるからか。
それ故に、事件の犯人や前科者であってもどこか憎めず、人の温かみすら感じてしまう。
今回は捜査二課との捜査。前作のようは派手な張り合いはなく、一見周囲から理解されづらい若手警部補 舎人の能力と個性を次第に理解することで事件解決へと近づいていく。
今回は師弟関係の強さが描かれ、心が温まった。
特に、舎人が最後に柏井と2人で行動するようになった成長が印象的だった。本当は組織に溶け込めないことを気にしていて、それでも能力を