日暮雅通のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっこい
新薬ずっこい!いや新薬て!おじいちゃん今は新しいお薬が出来てずいぶん楽になったわね〜か!だとしてもそんなに離れてないわ!( ゚д゚ )クワッ!!
新訳です(わかっとるわ!)
はい、ね
「多重解決」の元祖バークレーの『毒入りチョコレート事件』に続き、「見立て殺人」の元祖ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』です
ボロクソ面白かった!
ぜんぜん今でも通用するよこれ
そして、たぶんわい中一とかそのくらいに一回読んでるんよね
そんで、当時もっと難しかった気がするんよ
で、今回読んだら凄い分かりやすかった
これはもう新訳効果ですよ完全に
大人になって理解力が上がったとかじゃないと思うんですよ
むしろそこはあんま変わってないと思うんですね
なんかごめんなさい中一で成長止まってしまってなんかごめんなさい
ほんと、今の子はうらやましいわ〜
こんな分かりやすい訳でヴァン・ダイン読めるなんてさ
おぼっちゃまか!( ゚д゚ )クワッ!!
じいやに手取り足取りか!( ゚д゚ )クワッ!!
はぁ〜、しかし困ったな
海外古典ミステリー…新訳で全部再読したくなってきた -
Posted by ブクログ
『十角館の殺人』登場人物フェア開催中(※1人で勝手にやってます)
アガサ→ポウ→カー→エラリイに続いて、5人目ヴァン・ダイン初読み。
ニューヨークに孤絶して建つグリーン屋敷。
名門グリーン一族に次々と惨劇が起こる…
『十角館』フェアをやるくらいなんで、何しろ「館」が大好きな自分には大当たり!!
綾辻行人さんの館シリーズを読んでいる時と同じドキドキ感でめちゃくちゃ面白い。
グリーン屋敷の見取り図も部屋の平面図もあって、館好きはテンションが上がる。
この家族は互いに憎み合っていて、誰が犯人でもおかしくない。
閉鎖的空間でみんなが疑心暗鬼になるこの感じがもう大好きな展開。
アマチュア探偵のヴァンスは、他の名探偵と違って自信家でもないし、早い段階で犯人を当てるような洞察力もない。
個性もあまりない探偵だけど、だからこそ探偵と読者が同じ目線で一緒に犯人探しができて楽しかった。
作者ごとに様々なタイプの探偵がいて、それぞれ良さがあるなぁ。
海を渡って100年近く多くの人に読まれている不朽の名作は、どれを読んでも超絶面白い。
そして新訳版だからとても読みやすい!!
海外古典ミステリーはもっと難しいものだと思っていて、こんなに面白いとは知らず、恥ずかしながら若い頃に全く読んでこなかった。
そんな私に海外古典ミステリーへの入口をつくってくれた『十角館』が与えてくれた影響は本当に大きい。
遅くなったけど読みはじめて本当に良かった。
解説によると、この作品とエラリー・クイーンの『Yの悲劇』は、〈閉鎖的空間の連続殺人〉などが共通しているとのこと。
クイーンの違うシリーズに進もうと思ってたのに、『Yの悲劇』も読みたくなってしまった。
『僧正殺人事件』も『火刑法廷』 も国名シリーズも読みたいし、フェアはまだまだ続きそう♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「月が割れる」こんなぶっ飛んだ現象から物語がスタートする。
破片が自らの重力でひと塊になり自転していることから「再び一つになることはないにしろ変わりはないのか?重力の釣り合いが変わってラグランジュ点が変わる?」などと(序盤の登場人物達と同じく)軽く思いながら読み進めた。
物語出だしの設定は突飛だが、中身は完全なるハードSFだった。
ハード・レインに向けて月の破片が分裂していく様子や月の核であった鉄を多く含む部分だけが割れにくいというような細かな部分までリアリティを持って考えられた設定や、現実には存在しない小惑星アマルテアを用意し、宇宙ステーションにドッキングしておくという、方舟がなんとか生き延びられるかどうかギリギリの設定も考えられているなと思った。
物語の随所で描かれる宇宙空間での物体の運動の描写はどれも美しく、小惑星の軌道のような大きなものから、水の泡やチェーンの回転など手元で起こる現象まで、規模も内容も多彩で面白い。
映像的な面白さだけでなく、科学の基礎知識も所々で差し挟まれる。登場人物目線やキャラクター同士の会話だったり、解説のように入っていたり、直後の場面で必要になる知識を不自然にならないように補完している。易しく簡潔に解説されている知識は、SFでおなじみのラグランジュ点や三体問題だったり、本書で最重要となる地球の衛星軌道での物体の移動(= 軌道力学)に関してだったり、「シミュレーションの結果(= 起こりそうなこと)とはどういうことか?」や「確率の解釈(:月を千回割ったことはない/割ることはできない)」のような日常生活でも触れる問題と同種のものだったりする。
まだ平穏だった物語の最序盤、ISSの”バナナ“で会議をする際の様子が面白く、印象に残っている。
慣性による擬似重力は様々なSF作品に出てくるが、その慣性重力発生機構が小規模であるがゆえに感覚として感じる鉛直方向がねじれて ”宇宙騙し絵“状態になっている描写は珍しく、「酔いそうだ」と思いながら現場の様子を面白く想像した。
序盤は宇宙空間入門編のように宇宙ステーション内外の様子や無重力空間での物体の運動が物語に何度も挟まれる。どれも鮮明に描かれ、映像作品を見ているように感じ、ワクワクしながら物語に入っていった。
「月が割れて落ちてくる」という始まりはぶっ飛んでいるが、その後の動きや影響に関してはリアルに、緻密に描かれている。情報の発表以降『株式市場が崩壊し事実上消滅した状態になっている』というのも本編の動きと直接関係ないとはいえ、地球上での経済構造が大きく変化していることを端的に表している。
粗を見せないために地球上での場面を多くは描かず、宇宙空間にいて限られた情報しか入手できない登場人物達のやりとりで完結させているのは上手いと思った。描かれている地球上での場面も、世界を俯瞰しない人間ドラマとしているから、登場人物以上に情報収集ができない作りになっている。
そして、「地球がどうなっているのか」を読者に感じさせない書きっぷりや不満を感じさせない適度な情報の提供具合も上手いと思った。
人類が手を取り合って困難に立ち向かう話かと思いきや『世界は科学者やエンジニアが動かしているのではない』展開も加わってくる。200ページの手前くらいからは政治的な暗闘が匂わされる。
全人類が同じ方向を向くには本書くらいのイカれた設定が必要だが、それでも「世界の破滅を前にしても人類は手を取り合えないのでは?」と思い始めていたところへ、この展開を打ち込んでくる。
滅亡まで2年と予想され、時間が少しも無駄にできない貴重なものとなるが、物語内ではそれが惜しげもなく経過していく。節のタイトルに『第○日目』と書かれているが、大きく時間が飛ぶことがあり、ギョッとする。
計画が回り始めて少し落ち着く第一部の中盤では、宇宙空間で人類が長期間生存するための問題点も描かれる。スカウトであるテクラの救出では無重力空間での外科手術、特に血の飛沫の問題を避けるために微小重力下のトーラスへと移動している。また、このシーンでは宇宙にいる人間が科学者、技術者に偏っているため経験豊富な外科医がいないことも暗に描かれている。
そのしばらく後では、腎臓に対する恒久的なダメージの話こそないが、長期間の無重力、微小重力下で生活する弊害も描かれ出す。プライバシーのない閉鎖空間での精神的影響も話題に出始めている。
本書の中盤(第一部では終盤)の、アークレットを初めてイズィに結合させる場面は緊迫感を上手く描けている。本書はリアルに描くがゆえに宇宙空間でのダイナミックな場面が無く、また、本書の設定にも慣れて読者が少しダレがちになるタイミングで、テクラの救出と併せて、息を飲む状況を差し挟む手腕は見事だと思った。
アークレットのドッキングのように(突発的な事故ではなく)計画の中でありながら緊迫する場面を組み込んでくるのは良いなと思った。計画通りであっても初めてのことは何が起こるか分からない。それまででは考えられないほど短期間で設計され突貫工事で作られたものであるし、地上ではできない性能試験もある。そういった常識的に考えられる緊張感に加え、直前のテクラの事件で「事故で閉じ込められる/宇宙空間に放り出されることも起きうるぞ」と暗に意識をさせられ、ドキドキしながらページをめくり、無事に完了した際は登場人物と同じようにホッと一息ついた。
この思い出深いアークレットの一号機だが、しばらくすると旧式化している描写がサラリとなされているのも良いと思った。
第二部でも時間が大きくジャンプする。ドゥーブの『まだ一年残っている』から1ページで11ヵ月が飛ぶ。日付を見て「ウッ」となる。
第一部では比較的平穏で日常生活を維持していたように見えた地球だが、ホワイト・スカイが間近に迫ると現実を突きつけられてパニックを起こしはじめている。
予定通り物資が送られてこないかもしれないと危惧しているところでのスペース・トロールとの接触はゾクゾクする。『地球上ではない』場所にいると称する正体不明の人物からの型破りな信号と、それが『トロール』ではあり得ない情報を持っていることが分かったときの鳥肌、ドゥーブが参加しての謎解きとショーンのイミールが氷の塊を連れて帰還するという期待と政治問題になる不安が高まるというてんこ盛りの展開を、モールス信号という情報量の少ないもどかしい方法でお預けをくらいながら見守る。
肝心のショーンとのやりとりは核攻撃によって場面が切り替わり中断する。
核の使用は予想できる事態だったが「遂にか・・。」という落胆があった。世界の最後が迫って現実感から逃れられなくなった人間が出てきたか。という感じ。
その後は中休み的に新しいメンバーが加わり、拡張されて様変わりしたイズィの中を見て回ることになる。
このあたりでのSF的な表現で気に入っているのは、受精卵の冷凍保管庫に冷気が“しみ込んでくる”という表現や施設内での方位に““が付いていて「便宜上そう読んでいるだけだ」と思い起こされるのも良い。
400ページを超えたあたりからまた時間の感覚が狂わされる。
と言っても狂うのは物語内の時間ではなく、ホワイト・スカイまでのタイムリミット。これが一気に、そして悪い方へ傾いていく。読んでいて緊張感が高まるも、登場人物らと同じくどうすることもできず、彼らの日常を眺めながらその時を待つしかない。地上からの支援が絶えた後の体制がようやく稼働し始め、”その時”に備えて心構えを持とうとしている矢先に物語が先手を打ってくる。憎らしいが優れた展開だと思った。
そこからは計画が前倒しされて最終段階に移行し、クラウド・アークも独り立ちの準備を急ピッチで進める。
数日の後、ハード・レインが始まり世界が崩壊していく。登場人物達が最後のやりとりをする姿が哀しい。
ここではたっぷりと時間を使って、地上と宇宙の視点を切り替えながら人類の最期を精巧に描いている。この部分も映像的で、自分も物語に入り込んで「自分はハード・レインを見るのだろうか、その前に家族と安楽死薬を使うのだろうか」と思う。
これ以降地球は『オールド・アース』と呼ばれるようにになる。
本書終盤(第二部としては中盤)では物語の中にいくつも別の物語がある感覚だった。イズィでの生活の他に、ショーン・プロブストの冒険でも中〜短編が書けそう。ニュー・ケアードでの探検も短編にできると思った。
イミールへニュー・ケアードが近づいているときは急に場面が変わり、全乗員が気絶しているというヒヤリとする光景から再開する。
大きな山場であるイミールヘのランデブーでは物語にアイディアとワクワクが散りばめられている。
乗員が死に絶えた後でもドッキングポートの位置を知らせるロボット名、ロボットを使ってイミールヘと“錨をおろす”、宇宙服での穴掘り、ドッキングから放射能汚染の可能性のある幽霊船の内部探索へ。といった具合だ。
幽霊の代わりに放射線に脅かされながら、イミールの司令船を掌握し、残されたログからショーンらに起きたことの種明かしがなされる。そこからは短い探検ホラー譚から従来のサバイバルへと物語が戻っていく。
「読者の想像にまかせ語られることがないのではないか」と思っていたショーンらの奮闘が知れたのは良かった。サラリと語られるこの物語も、片道切符での彗星への出発、予想外のトラブルでの生存状況の悪化、彗星から破片の切り出しとその際に起きる“汚れた雪玉”問題、流星塵よる燃料棒へのダメージとその破損による乗員の死亡、後継を託す最後の通信とSFのワクワクが詰まっていた。
最終盤は冒険やサバイバルとは反対側に振れて政治の話で時間へ続いていく。発見時から救うべきではないと思っていたJBFが暗躍する。アーキーを丸め込んで“オールド・アース流”とも言うべき権力闘争を始めようとしている。 -
Posted by ブクログ
上巻の最後の方から、話題が古代文明(シュメール)に及びます(ネタバレになりますので深くは書きません)。そして世界を揺るがす大きな謀略が進みつつあることを主人公が知り、他の登場人物と助け合いながらエンディングを迎える、というあらすじですが、実は本書のキートピックの一つが「ウイルス」であるということに深い感銘を受けました。
本書は「メタヴァース」ばかりが脚光を浴びますが、実はウイルスには生物学的なもの(新型コロナなど)、コンピュータプログラムに影響を及ぼすもの、そして言語的・思想的なものがある、ということが語られているわけです。その意味ではコロナ禍の今、カミュの「ペスト」に並ぶウイルス本という位置づけが本書に与えられてもよいのではないかと思いました。本書を読んで「ウイルスとは何か」を深く考えさせられました。 -
Posted by ブクログ
2021年フェイスブックが社名をメタに変更し、世界的に「メタヴァース」という言葉の関心が広まるなか、メタヴァースという言葉が作られた伝説的SF作品を読んでみました。下巻まで読んでからの感想になりますが、理屈抜きで面白かったです。最初の方は本書の世界観になじむのに時間がかかりましたが、上巻の真ん中位からはすらすらと読めるようになります。
ネタバレになりますのであまり書きませんが、本書の舞台は未来の米国で、そこでは連邦政府の力が完全に弱体化し、かわりに「フランチャイズ疑似国家」が乱立しています。そこでの主人公、ヒロ・プロタゴニスト(まさに主人公!)はメタヴァースを作ったハッカーの1人であり日本刀の達人であり、ピザの宅配屋である、というなんともハチャメチャな設定ではあります。そして徐々に世界を揺るがす大きな話に展開していくということで、あっという間に読めるのですが、この世界観に馴染めないと、後半以降固有名詞の意味がなんだかさっぱりわからず意味不明になるリスクもあるといえます。理屈抜きで私は楽しめました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻は暗号解読の達人である幾何学教授の手記から始まる。
上巻は、まずヴェネツィア人の医学生であるコーラの手記から始まったのだが、真面目でお人好しの好青年と思われた彼の姿は、ふたり目の法学生プレストコットの手記によって、いささか様相が変わってくる。
重大な事柄の記述漏れ、明らかな噓。
コーラはなぜ、ロンドンではなくオックスフォードにやってきたのか。
しかしプレストコットの手記も変だ。
尊敬する父の汚名を返上するための彼の行動は、どう見ても常軌を逸してきている。
ヒステリックなその行動を、彼は、さらに魔法をかけられたからだと思い、その魔法から逃れるために、サラを無実の罪に陥れ、死刑へと向かわせる。
そして下巻。
暗号解読の達人であるウォリスは国王に仕えたり、革命後はクロムウェルに仕え、王政復古3年後の今は再び王に仕えるという定見のなさ。
信仰も英国国教会から長老派、そしてまた国教会と行ったり来たり。
要はいつも勝ち組に乗る男が、コーラとプレストコットの手記を読み、その嘘を暴き真実を語る…ことになっているのだけど、これが過去最高に信用できない語り手。
とにかく自分の考えに凝り固まっていて、間違いを指摘されても聞く耳を持たない。
そもそも、最初にコーラの噂を聞いたときは、トルコの海賊にフィアンセを殺されて復讐の鬼になったがりがりに痩せた男だったはずなのに、目の前に現れた小太りの陽気な男をすんなり受け入れる感覚がわからん。
普通なら、「誰だ?これは」ってなるんじゃない?
もう偏執狂と言っていいくらい視野が狭い。(実在の人物なのに、いいの?これで)
最後の歴史学者ウッドが3名の手記の噓や矛盾を暴き、真相を解明するという流れなんだけど。
解明というか、彼は最初から真相を知っていましたね。
ただ、その意味を理解していなかった。
なぜならば、彼は人付き合いの苦手な世間知らずのお坊ちゃんだから。
噂が耳に入るのがいつも遅い。
そして、彼すらも、信用できない語り手だと思うのが、サラについて語る部分。
今なら正気ですか?と言えるその描写も、当時は本気で信じてはいるのだろう。
だけど、真実かどうかはちょっと疑問。
上巻はグローヴ教授毒殺事件の謎が物語の中心と思っていたのだけど、下巻に入るとイギリスという国の歴史の中のブラックボックスが中心になっていた。
王制と共和制、国教会とカトリック、そしてゆれるイギリス国内を虎視眈々と狙う周辺諸国。
どの語り手の真実も、事実から少しずつ乖離していて、最後まで読んでも全然スッキリしない。
だけど面白かったんですわ。
実在の人物が多数出てくるし、歴史がさらに負わせた過酷な運命には愕然とするけれど、続きが気になってしょうがない。
衒学的で難しい本なのに、ぐいぐい読んで、寝不足でございます。 -
Posted by ブクログ
上は夢を見させてくれるのに対して、下は背筋を伸ばして心して読む作品になっている、と思う。
読者によっては、上だけ読む方がいいのかもしれない。下は偉人らしさより、人間らしいニール・アームストロングが描かれている。
個人的には、○○エンジニアとして生きるということの一つの物語を最後まで知ることができて、とても勉強になったので、星5つ。
この作品を読んでて素敵だなと思ったのは、ニール以外の操縦士の自伝からも、場面場面の解釈を載せていること。ニールを立たせるため、という効果はもちろんあるけれど、著者のジェームズ・R・ハンセンが公平性を気にしているところが伺える。ジャーナリズムの大事なところだと思う。