日暮雅通のレビュー一覧
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ネタバレニューヨークにひっそりと佇む古式ゆかしいグリーン屋敷。その一族が次々と射殺される事件が発生する。当初は強盗による犯行と見られていたが、マーカムに連れられて捜査に乗り出したヴァンスの推理によって、どうやら内部の犯行であるということが発覚する。グリーン家は当主のミセス・グリーンをはじめとして、家族でありながら互いに反目し合い、憎しみを抱いている。
指紋については完璧に消し去られているのにこれ見よがしに残された足跡、クリスティのポアロシリーズでもお決まりの、事件の鍵を握る人物がギリギリのところで口を封じられてしまう展開など、前二作以上に見所が多い。登場人物も癖が強く、一族だけでなく執事のスプルートや医者のフォン・ブロンなどいかにも怪しい人間がうようよしている。
「この人には死んでほしくないな」と思える人物が登場する作品は当たりが多いが、この作品についてもそれが言える。だが蓋を開ければ恐るべき殺人者、というのもそれ以上に面白い展開。レックス殺害についてはちょっと反則ではと思うけれど、エイダがどうやって殺人のヒントを得たかなど、全体としてうまくまとまった作品。
かわいいポメラニアンの活躍も、まさか仕組まれたものだったとは。 -
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ネタバレ連邦政府が機能不全に陥り、巨大企業が支配する近未来。主人公であるハッカーのヒロは、仮想空間「メタバース」を舞台に、謎のドラッグ「スノウ・クラッシュ」を追う。
本作のポイントは、仮想空間と現実世界の境目が曖昧になった世界観だ。 ヒロがメタバースを駆け巡る姿は、まるで私たち自身がその世界に足を踏み入れたかのような臨場感がある。
一方で、物語は多岐にわたる要素を盛り込み過ぎており、散漫な印象を受けた。 さらに中盤以降はさまざまな事件が同時進行し、どう収束に向かうのか、読んでいて物語に始終振り回された感もあった。
また、終盤の宗教に関するテーマは、少し重苦しい感じもあった。しかし、このテーマが物語に深みを与えていることも事実だ。これらの要素が物語全体にどのような影響を与えるのか、ページをめくる手を止めさせないエネルギーがある。
総じて本作は、仮想と現実がどのように交錯し合うのか、そしてそれが私たちの生活にどのように影響を与えるのか、考えさせられること間違いなしの一冊だった。 -
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「僧正」とはよくわからないけど、チェスのビショップのことらしい。
登場人物は、数理物理学者、数学の准教授、科学者など理系揃い。
学者さん達が専門的なことを語りだすと、もう何言ってんのかさっぱりわからない(^_^;)
この作品は童謡見立て殺人の原点らしい。
この作品の10年後にクリスティーの『そして誰もいなくなった』が出版されたとのこと。
マザー・グースが日本では馴染みがないので、見立て殺人はあまりピンとこない。
日本で例えると「はないちもんめ」「ずいずいずっころばし」「あんたがたどこさ」みたいなものかな?
それなら子どもの時によく遊んだから、懐かしい思い出の中に殺人が紛れ込んできた恐ろしさみたいな感覚は確かにわかる気がする。
ということで、チェス、理数系、マザー・グースと3つ揃って自分の馴染みのない分野だったので、面白かったけど読むのに苦労した。
もし1冊目にこの本を読んでいたらヴァン・ダインの2冊目以降は読まなかった。
1冊目に読んだ『グリーン家殺人事件』はすごく面白かったので、特に初読みの作家の場合に有名だからではなくて自分の好きなテーマかどうかで選ぶのはすごく大事だと思った。
※ここから『僧正殺人事件』と『Yの悲劇』の2つの作品の完全ネタバレしてます。
ラストまで読んで驚いた。
ラストの解決方法が『Yの悲劇』と同じだったから。
シチュエーションは『グリーン家』と似ていて、ラストは『僧正』と同じとは…。
『Yの悲劇』の探偵ドルリー・レーンはあんなに苦悩して決断したのに、『僧正』の探偵ファイロ・ヴァンスは、思いつきで悪びれもなくあっさりとやってしまう…( ゚д゚)
『グリーン家』(1928年)+『僧正』(1929年)の良いとこ取りして更に練り上げたのが『Yの悲劇』(1932年)のように感じた。
エラリー・クイーンの『Yの悲劇』を読んで、ヴァン・ダインはどう思ったのか気になるところಠಿ_ಠ -
Posted by ブクログ
ついに第三巻で完結。シャーロキアンというよりは、どちらかというとラヴクラフティアン向けのシリーズだったのかなと。両方のファンなので、二乗で楽しめました。
ルルイエでのクトゥルーとの対決や、ネクロノミコンに魔法の道具の数々、ラヴクラフトの十八番である日記形式…クトゥルー神話好きには堪らないネタを次々と投入しながらも、ホームズ小説の史実にも忠実なストーリー展開と気の利いた言い回しが職人技。
論理思考の権化的アイコンのホームズが、邪神蠢く心霊オカルト世界に参入してしまうという意外性(でも、ヤク中だから体験的には慣れてそう)が楽しいコラボですが、好奇心と先見性が旺盛すぎるが故に、一線を越えてしまった結果のラストが辛い…。
続編はなさそうなので残念ですが、短編が『ミステリマガジン2023年11月号』に掲載されているようなので、そちらも当たってみようかなと思います。 -
Posted by ブクログ
上下巻読み終えました。
メタヴァースという言葉を生み出したという、すごい
影響力のある本という認識で興味が湧いて。
まず、全体の疾走感はすごいです。
ビュンビュン走る感じ。
メタヴァースがほんとに今ほど認知されてなかったの?
って思うくらい、今としてはリアリティありです
逆に、SFの世界に現実が
近づいていることに驚きます。
次に、言葉、ウイルス
その捉え方に
メタヴァースより、それのほうが衝撃というか。
そうかもな、いやきっとそうかもと思わせられる。
ただし、、、
その部分に関しては、結構理解しづらく、
正直100%わかってません。
が、だいたいの流れがわかる、
(新訳で読み、旧訳は読んでませんが、)
訳や、ところどころの注釈は
まだ読みやすくしてもらいました。
そして、つまり、っとまとめてくれる
一文がところどころはいることで、
なんとか最後まで手放すことなく
乗り切れたところもあります。
疾走感は、上下巻通しても充分味わえたので
とりあえず、もはやSFなら読んでおきたい
みたいな本を楽しんでよめてよかったー!
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Posted by ブクログ
太古の神クトゥルーとの対決が始まってから30年。サセックスで隠遁生活を送るホームズは失踪した3人の女性の調査を行っていた。ドイツ人スパイが暗躍し、戦争に突き進むヨーロッパで、遂にホームズと、ルルロイグとなった宿敵モーリアティとクトゥルーと三つ巴の最後の対決が始まる!
3作目になると、もう世界観も把握できてるので内容はスムースに頭に入る。映画を観てるようだ。もういにしえの神との対決なのだから、これが本当の最後の事件なのだ。ライヘンバッハの滝に落ちてる場合ではないのだ。開始早々にホームズの兄マイクロフトが殺された!ディオゲネスクラブのメンバー7人が同日に死ぬのだ。邪教の影、幽霊甲虫、ヘビ人間。マイクロフトを殺した犯人と失踪した女性たちを探してニューフォードへ。クトゥルーの名作「インスマンスの影」を彷彿とさせるシーデヴィルたち。囚われたホームズとワトソンはドイツ軍のUボートへ。船は悪夢の都市ルルイエに向かう。そこにはあのクトゥルーが眠るという!もうどんどんネタを注ぎ込んでのてんこ盛り、面白い展開だ。
しかし話は少しもったいない。最終対決が主題だから結末をつけるためのストーリーは面白い。しかし、逆に言えばこれホームズでなくてもええやん、というところか。いうなれば、もっとホームズらしさにこだわるか、ホームズを無視してもっともっと話をどきどきわくわくに仕立て上げるか、だったのだが、作者のラヴグローヴはその中間に落としてしまった。
いやそれでも十分楽しめましたよ。
この話はそもそもの設定が難しいのだから。そして、あとがきにまで仕掛けがあって、そこまでがストーリーなのだ。コズミックホラーの本領は発揮される。