日暮雅通のレビュー一覧

  • シャーロック・ホームズの思考術
    面白かった。聖典の記述に基づいてホームズとワトソンの洞察力や思考方法の差異を分析した認知心理学系の本。ホームズ的になろうとする人にはその努力の方向も示唆している。
    聖典をかなり読んでいないとピンと来ないかも。
  • クラーケン(上)
     「クラーケン」ですよ、海洋冒険SFでしょ、ふつう。オールド・ファンならジョン・ウィンダムを思い浮かべるかもしれません。
     ウィンダムのを星新一は「海竜」と訳したけど、クラーケンは本書の場合、ダイオウイカです。NHKが撮影に成功する前にも、ダイオウイカは存在し、その標本はあったわけで、本書はNHKの...続きを読む
  • クラーケン(下)
     多彩な作風を示すミエヴィル、この『クラーケン』は『アンランダン』に似ている。シュールというよりアブサード。正直、あんまり好きじゃない作風。クラーケン、すなわちダイオウイカの標本が神? アホくさいことを言う。アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのが、しらけてしまうのだ。アホくさ...続きを読む
  • ジェイクをさがして
     『ペルディード・ストリート・ステーション』を読み終えて、私はミエヴィル中毒になった。これはミエヴィルの短編集。『ペルディード』ふたたび、と思っていると、やはりちょっと違う。彼はホラーとかウィアードの作家ということになっており、そういう掌編が並ぶ。マンガも。

     何だかダメになったロンドンでジェイク...続きを読む
  • シャーロック・ホームズの思考術
     心理学と脳科学をシャーロック・ホームズを題材に解説し、さらにホームズの思考術を身につけてしまおうと提案している。ワトスンのような過去の出来事やその場の印象に引きずられるような推理を何故してしまうのか、逆にホームズのような的確な推理はなぜできるのかを、記憶の仕方、記憶の引き出し方、そして注意力、観察...続きを読む
  • マッキンゼー
    なかなかの大作だったが完読。訳者もいっている様に、マッキンゼーを通じてアメリカの資本主義の成り立ちが透けて見える。
    最終で筆者が指摘している様に、2010年以降の先進国ビジネスの展開の速さにはコンサルティングが寧ろそぐわない気がする。中国などの新興市場で企業が成長する際の問題解決にはマッキンゼーが暗...続きを読む
  • 恐怖の谷
    事件の推理は全編で終わり、後半は事件の背景が紹介される。しかし、この後半にも大きな推理要素があるところがさすがといったところ。
  • マッキンゼー
    マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界と...続きを読む
  • 四つの署名
    時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。
  • シャーロック・ホームズの事件簿
    歌謡曲の名作「襟裳岬」の歌詞で、

    通りすぎた 夏のにおい
    想い出して なつかしいね

    という一節があります。

    若い頃から、詩がステキやなあ、と思っていたんですが。
    オジサンになるにつけ、この一節。
    特に、「通りすぎた 夏のにおい」というのは凄い日本語だなあ、と。

    北海道と沖縄の人には申し訳ない...続きを読む
  • 都市と都市
    我ながら500pよく読んだ。
    この本は読む人の想像力が問われるかも知れない。同じ空間に2つの都市、がお互いに目を合わさない事で成立しているという設定は面白い。映像的でもある。自国でないものにはフォーカスが合わずに、ぼやっとブラーがかかるイメージ。
    分かりづらいていう人もいるけど、常日頃見て見ぬふりっ...続きを読む
  • シャーロック・ホームズの事件簿
    「マザリンの宝石」
    ワトソンが久々に訪れたベイカー街。ホームズは盗まれたマザリンの宝石を取り戻す為、犯人を追い詰めていた。

    「ソア橋の難問」
    家庭教師の女性に惚れた金鉱王ニール・ギブソンの妻が死んだ。容疑者は家庭教師の女性に違いないと思われたが、ホームズは…。

    「這う男」
    高名な教授の様子がおか...続きを読む
  • シャーロック・ホームズの事件簿
    本書はホームズシリーズの短編集になる。
    いずれも読み応えがあり、短編らしいスピード感を味わうことができる。
  • マッキンゼー
    「世界で最高に優秀な人材は、本当に意味のある貢献をしているのか」というメッセージから始まる。世界最高と呼ばれるコンサルティングファームについてその実情と実績、社会に与えた影響を描いている。マッキンゼーや社員が出している書籍は多いが、外からマッキンゼーを描いたものとしては少なく貴重。社の歴史を読み進め...続きを読む
  • マッキンゼー
    マッキンゼーの歴史と共に、アメリカのビジネス史、経営学の扱いの変遷を学べる好書。礼賛と批判どちらにも片寄ることなく"ザファーム"が各時代でどのような活動をしてきたのかを丁寧に描いている。
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶
    1917年に発行された、シャーロック・ホームズの連作短編集です。
    鉄板の面白さ。楽しめました。

    光文社の新訳シリーズを、もともとイギリスで発表された順番で並べると。

    ①緋色の研究(長編)-1887
    ②四つの署名(長編)-1890
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
    ④シャーロック...続きを読む
  • 都市と都市
    何だこれはSFなのか?
    物理的に重なり合った都市国家??でも異次元で重なり合うとか、パラレルワールドとかSF的な設定はありません。見えているのに見ないようにするぅ???もう想像力の限界です。

    日常的には目には写ってはいるけれど見えていないものは多いもので、意識して視ることが重要なんてことは言われま...続きを読む
  • 都市と都市
    翻訳の文体が好み。
    街の描写が特に上手い。

    そもそも国家などの成り立ちについて触れるのかと思いきや触れなかったので「そこ詳しく」とはなるもまぁそれはそれ本題ではなかったのだな、と流せる程度。
  • シャーロック・ホームズの事件簿
    ホームズシリーズ最後の短編集。
    とうとう読み終わってしまったと思うと達成感より寂しさが勝る。
    もっとたくさん読みたかったなぁ…。

    今回は、ホームズ視点の『白面の兵士』と『ライオンのたてがみ』があってなんだか新鮮。
    『ライオンのたてがみ』では引退してるんですが、ワトソンとはもうほとんど会わなくなって...続きを読む
  • 恐怖の谷
    最後の長編。
    個人的には長編ではやはり『バスカヴィル家の犬』が一番好きでしたが、こちらもなかなか面白かったです。

    一部ではホームズが事件の謎を解き、二部では過去『恐怖の谷』で何が起きたのかが書かれている。
    二部ではホームズが全く出てこないが、ハラハラするハードボイルド的な展開とどんでん返しのミステ...続きを読む