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Posted by ブクログ
多彩な作風を示すミエヴィル、この『クラーケン』は『アンランダン』に似ている。シュールというよりアブサード。正直、あんまり好きじゃない作風。クラーケン、すなわちダイオウイカの標本が神? アホくさいことを言う。アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのが、しらけてしまうのだ。アホくさいことに気づかず、アホくさいことをアホくさく言ったり、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことを真面目くさって言うのはいいのだが、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのは、その内容のアホくささに語りのアホくささが加わって、しらけてしまうしかないではないか。
ミエヴィルはこの作品の前に『言語都市』を書き上げ、『都市と都市』の執筆の合間の気晴らしに,この作品を楽しみながら執筆していたようだが、ひとり悦に入っている感が否めない。
実にいろいろなキャラクターが投入されている。ギャングのボス、タトゥーはある種の拷問として刺青に変えられいて、ある男の背中に掘られてしまったが、そこから指令を発し、昔の部下を集めて、ギャング団を再結成している。彼のもとで働く殺人者、ゴスとサビーが本書における最凶。かつてのロンドンの支配者グリザメンタムは死んだはずだが、生きているらしい、しかも以外なものに姿を変えて。警察のカルト対策班の魔法を操る婦警コリングスウッドとカルト研究家ヴァーディ教授も事件を追う。ゴスに消されてしまったビリーの友人の彼女マージもビリーの居所を探す。
ダイオウイカを手に入れて世界を滅ぼそうとしているのは誰か。最後の最後までわからない。ダイオウイカをあがめる教団にいたデイン、人形ならどこにでも入り込めるワティらとともに、ビリーはダイオウイカを探し出し、世界の終わりを止めようとする。ビリーを助けに来るのは標本を入れる瓶の化け物「記憶のエンジェル」、そして中立を保っていたはずの〈海〉。
惜しげもなく投入された個性的すぎるキャラクターの中で主人公ビリーは地味もいいところ。そして、話はある種の「セカイ系」になり、そのときビリーの職業がものをいうのだが。
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小説・文芸
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