日暮雅通のレビュー一覧

  • ベンスン殺人事件

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    ネタバレ

    先にグリーン家を読んでいたが、話がつながっているわけではないものの、こちらを先に読んだ方がヴァンスを始めとする登場人物たちにより馴染めたのではないかという気がする。
    物的証拠を信じず心理的な面から犯人を特定するという考えは独特で面白いと思った。ヴァンスには初めから犯人が分かっているが、それを逮捕につなげる(マーカムやヒースが納得できる形で説明つける)ためにどう動いていたのかが解決編で明かされる。マーカムがおちょくられすぎててかわいそうな気もするけど、読者としては親しみが持てた。
    とはいえヴァンスがそうやって動いたのもマーカムのためであり、エピグラフの内容がまさにぴったりだと感じた。

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    2026年01月29日
  • シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

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    シャーロック×クトゥルフ!?
    思わず手に取ってしまった冒険譚
    三部作ということなので、これからの続きが楽しみです。(いつ読むかはまだ決めてないけど)
    文体はとても読みやすかったです!

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    2026年01月24日
  • グリーン家殺人事件

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    ネタバレ

    グリーン屋敷に暮らす名門グリーン一族。ある夜、長女ジュリアと養女エイダが何者かに撃たれ、ジュリアが死亡する。グリーン家長男チェスターの依頼で事件に関わるマーカムとヴァンス。しかしそのチェスターも殺害され、更に次男レックスも…。

    新訳で読みやすい気がする。旧訳はエイダがアダだった気がする。
    一族のほとんどが変り者のグリーン家に、事件を引っ掻き回すヴァンスの相手とマーカムも色々大変。しかも最終的にはヴァンスが事件を解決するわけだし…。
    このあたりの古典的なミステリは良い。

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    2026年01月09日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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     ホームズの怜悧な推理が冴えるエピソードが殆ど無かったな、という印象。だが、決して面白くない、というわけではなかった。

     ホームズの、事件解決のためならばワトスンを巻き込んだ危険な手段も厭わぬ狂気的な一面が垣間見える「悪魔の足」や、ホームズとワトスンの友情の篤さにグッと来る「瀕死の探偵」の2編が特に印象に残る。

     シリーズの最終回となる「最後の挨拶」はプロパガンダ的な匂いがプンプン漂う作品ながら、引退後のホームズとワトスンの変わらぬ友情、事件解決の痛快さが良い。ラストシーンは最終回に相応しい美しさだった。

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    2025年12月30日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    ファイロ・ヴァンス二冊目。今回はマザー・グースの見立て殺人で、しかも犯人は僧正を名乗っているという。マザー・グースの見立て殺人は何個か読んだことあるけれど、なじみのないネタだからかちょっとわかりづらい。向こうでは誰でも知ってるものなんだろうなあ。始まりとラストの勢いはなかなか凄かったものの、中盤がだるさを感じてしまった。そこだけは残念だったかな。あと自分は理数系に疎いので方程式等を出されてもちんぷんかんぷんだった。総合的には面白かったけど、自分の力不足で理解しきれない要素も多かったって感じ。

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    2025年12月25日
  • ニューヨーク・タイムズを守った男

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    本書は2002年からニューヨークタイムズのニュース編集室の弁護士を15年に渡り務めた著者の記録である。
    副題にあるようにAlternative Facts=事実と異なる権力者ないし支持者にとって耳障りのいい事実≒虚偽のはびこる時代で報道の自由のための闘いの内側から現代の真実を探求した書と言える。
    その多くはニュース記者たちの取材・報道をめぐり報道された側からの名誉棄損、報道差し止めといったからの防御であったり、時に行政府に対する情報開示請求といった裁判所や役所を通じた訴訟・係争であるが、時に記者が国際的なトラブル(テロリストによる誘拐や拉致)の救済まで至る。
    またSNSが発達した現代においてウ

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    2025年12月23日
  • 都市と都市

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    魅力的なあらすじ紹介。
    オーソドックスなミステリの導入。

    ほどよい期待感から読み始めるやいなや次々出てくる作品独自の用語、概念。
    そして作中でその説明がほぼないまま2、300ページひたすら進んでいくものだから挫折しそうになった(というか1度挫折した)。
    説明されない言葉も異なる文脈で何度も何度も登場するからそのうちなんとなく意味やイメージがわかってくる。
    なんだか外国語の学習みたいだなぁ、と思って楽しみ始めたあたりから怒涛のごとくストーリーが終結に向けて突き進んでいく。

    最後は正直尻切れトンボで、中盤まで高まっていった期待感に対しては物足りない印象があったものの、前述のような普段あまり本を

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    2025年10月16日
  • グリーン家殺人事件

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    ネタバレ

    正直舐め腐っていた。所詮1928年の作品だろうと。そんな遠隔系トリックなんてまだ考案されていない時代だろうと。だからこそ2025年に読んでも「意外な犯人」になってしまった。俺は馬鹿だった。『ビッグ・ボウの殺人(1894年)』でつい最近感銘を受けたばかり(※巻き込みネタバレではない)だし、ホームズだってもっと前からいたんだった。古典侮るなかれという教訓を得たが、侮りながら読んだ方が10倍楽しめることが判明した。
    矢吹駆ってこのファイロ・ヴァンスが元ネタか?あと解決編の前に重要な手がかり100個くらい列挙するやつ、日本の本格ミステリにも継承されれば良かったのに。

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    2025年09月28日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    うーん、控えめに言ってめちゃくちゃ凄いのでは?
    なにより見立て殺人の動機が原点にして頂点でしょこれ。容疑の押し付けの方ではなくて、無意味な童謡と殺人を結びつけることで、有意味だったはずの地上的な人間生活とやらを根本から破壊するという壮大なユーモアの方。犯人の造形からも説得力あるし、原点からこんなにぶっ飛んだの用意してるとは思ってなかったよ、すげえなヴァン・ダイン。今や忘れ去られてオタクしか読んでない作家らしいけど、またいつか長編制覇します…いつかね…

    本格としては『グリーン家』には劣るけれど、童謡見立て殺人(大好き!)の元祖という偉大さから評価は甘めに。『そして誰もいなくなった』はこれがなく

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    2025年09月28日
  • バスカヴィル家の犬

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    ネタバレ

    正直ミステリーとしては犯人は最初から怪しい人物だし(というか他に候補がない)、肝となる魔犬のトリックはほんとにでかい犬でしたーだし、こいつホームズぽいなと思ったらほんとにそうだし、意外性はない。
    ただ禍々しい雰囲気の中で頑張るワトスンのホラーアドベンチャーとしてはとても面白かった。
    ホームズの期待に応えようと頑張るワトスンが愛らしく、途中でホームズへの手紙形式になる構成も楽しい。
    ただ長編の割には事件自体は短編集に入ってそうな話でもあり、描写を丁寧にして無理矢理長編に仕上げたようにも感じてしまった。

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    2025年09月16日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    ホームズ×クトゥルー神話シリーズ最終巻。

    見どころは

    ・50歳overでも狂犬ぶり健在のワトスン(銃の腕前◎)

    ・気味の悪い存在を目視してしまい正気を失う人間が続出する中、最大の敵である教授と好奇心旺盛な探偵に挟まれて呆然とするワトスン君

    ・真実しか話せなくなる薬を容疑者に使う探偵(ずるい)

    です。

    前巻のあとがきで「当初は三部作の予定でしたが、実は他の作品も書いています(意訳)」とあったのを心の支えに、最後まで勢いよく読み進めました。
    続編、お待ちしています。

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    2025年09月16日
  • シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

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    一番の見所はキレやすいワトソン君が敵と対峙した際に唸り声で威嚇したり、棘のある言葉で相手を脅したり、飛びかかって殴ろうとしたりするたびに、”あの”ホームズから「まあまあ、僕のことを思ってくれてるのはわかるけど、ちょっとは落ち着いてよ」(意訳)と宥められるところです。「ついカッとなって」と言い放つワトソン君は新鮮。ホームズのためなら何でもする勢いと熱量を持つ「人喰い狼」と言ってもいい。

    原典の変人ホームズと常識人ワトソンを覆す、ふたりの新しい関係性が楽しめます。

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    2025年08月24日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    4.2
    恋愛要素入ってくるの意外だった。
    ホームズがワトソンを気に入っているのはなぜなのか知りたい。

    トンガが可愛かった。良かれと思ってバーソロミュー殺したんだろうけど、怒られてびっくりしたって…かわいい。

    ミスモースタンはなんでそんなに宝に興味ないんだよ。私だったら大喜びなのに

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    2025年07月18日
  • 四つの署名

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    ドラマ版で見た腕時計の推察がこんなところに。後書に補足があるが、挿絵の画家がバラバラなので、犬のトービーくんの犬種がページごとに全然違うことに笑った。いつもの挿絵師がいいな。読んでいて退屈は感じないが、登場人物が多く、後半の回収もパンチのある設定が多すぎるようには感じた。それでも面白いが、日常に溢れる瑣末な事柄からの推理の方が好みである。

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    2025年07月17日
  • グリーン家殺人事件

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    初ヴァン・ダイン。
    他の方も仰ってますが、読者にとてもフェアな本格ミステリーだと思いました。
    勝手なイメージでしたが、ヴァンの作品なら叙述トリックではなかろうと思って読めたから犯人は絞りやすかったかなと。
    ただ、被害者が増えていくにつれ自動的に容疑者が限られてくるので後半になればなるほど犯人は見えやすい。
    ミステリーにおいて、ありとあらゆるトリックが使われてきた現代において他の手法はもうない、と言われていますが、これは今読んだとしても楽しめる作品で凄いなと思いました。
    ミスリードに導く手法がさすが…。

    ヴァンスの講釈だったり、注釈が入ったりと初めはとっつきにくさを感じましたが、読むに連れ慣れ

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    2025年06月22日
  • カナリア殺人事件

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    ネタバレ

    クリスティの「アクロイド殺し」が1926年、本作が1927年ということで録音による偽装をネタにした作品が前後して発表されていて、タイミング的にはパクリではなく偶然らしい。現代ではテクノロジーが何かとミステリーの成立を阻んでしまいそうだが当時はその辺をどう取り入れるか考えるの楽しかったんだろうな、と微笑ましい。「アクロイド殺し」が少し先且つポレミックな超有名作のため割を食ってしまっている面があると思うが、ネタバレすると絵的に間が抜けていてしかも犯人の行動があわただしすぎ無理があるクリスティ作品(徐々に犯人が分かってくるところは相当ドキドキして傑作には違いないけど)に対し、こちらは(凡そ見当はつけ

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    2025年06月13日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    本書では言語がそのツールとして重きを置かれておりましたが、世界はいかにしてハック可能か、またいかにしてハックされていくのか、ということを四六時中考えさせられるようになる作品でした。
    そして今現在覇権を握っているテック企業のリーダーたちの多くが本書や著者からの影響を公言しているのを見るに、SF小説というものも言語として世界をハックするに足る情報を内包していることの証明でもあるかと思います。
    ストーリーがカタルシスに欠ける感が否めなかったため、星5ならず。

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    2025年05月04日
  • グリーン家殺人事件

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    ネタバレ

    著者の作品は僧正、ベンスン、カナリア、と読んできての本作だったが、今のところ1番面白かった。
    解説やレビューでも影響作品として名前があげられる「Yの悲劇・エラリー・クイーン著」だが、納得の本作真犯人。


    ↓↓犯人ネタバレ







    ただ、撃たれて復活を果たし、再度毒を盛られて…というのは逆に怪しく感じてしまって、その通りに犯人を当ててしまえたのが残念だった。
    それでも下準備をした上であれ、銃で自らを撃ったり、致死量の毒を飲んだりという身体を張った殺人なのでその執念に好感が持てた。

    グリーン夫人のキャラクターや、歩けないはずなのに歩く姿を見たという証言があってまさか???と思わせてドキッ

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    2025年05月01日
  • グリーン家殺人事件

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    ネタバレ

    遺産相続ものとなればどうしても得をするものが犯人という事になるので絞りやすく、ましてや「そして誰もいなくなった」ばりにどんどん人が死んで行くので、後半になればなるほど分かりやすい。
    なので、どの時点で犯人を当てられたかが謎解きに挑むものにとっては重要なのではないかと思う。
    ただし、その殺人トリックについてまで完全に推理するとなるとなかなか難しいのではないだろうか。
    あのファイロ・ヴァンスでさえなかなか真相に至るに時間を要しているのだから。
    とにかく緻密な構成が素晴らしかった。

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    2025年03月21日
  • シャーロック・ホームズのすべて(インターナショナル新書)

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    三谷幸喜さんは、シャーロックホームズの大ファンで脚本を手掛けた舞台、
    「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」を何年か前に録画で視た。

    シャーロキアン、という呼び方を初めて知った。

    かなりのマニアチックで、フィクションの世界から飛び出し、世界中に愛好家がいるなんて、すごい!!
    「名探偵コナン」好きも、含まれてる?

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    2025年02月14日