日暮雅通のレビュー一覧
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ネタバレ先にグリーン家を読んでいたが、話がつながっているわけではないものの、こちらを先に読んだ方がヴァンスを始めとする登場人物たちにより馴染めたのではないかという気がする。
物的証拠を信じず心理的な面から犯人を特定するという考えは独特で面白いと思った。ヴァンスには初めから犯人が分かっているが、それを逮捕につなげる(マーカムやヒースが納得できる形で説明つける)ためにどう動いていたのかが解決編で明かされる。マーカムがおちょくられすぎててかわいそうな気もするけど、読者としては親しみが持てた。
とはいえヴァンスがそうやって動いたのもマーカムのためであり、エピグラフの内容がまさにぴったりだと感じた。 -
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Posted by ブクログ
本書は2002年からニューヨークタイムズのニュース編集室の弁護士を15年に渡り務めた著者の記録である。
副題にあるようにAlternative Facts=事実と異なる権力者ないし支持者にとって耳障りのいい事実≒虚偽のはびこる時代で報道の自由のための闘いの内側から現代の真実を探求した書と言える。
その多くはニュース記者たちの取材・報道をめぐり報道された側からの名誉棄損、報道差し止めといったからの防御であったり、時に行政府に対する情報開示請求といった裁判所や役所を通じた訴訟・係争であるが、時に記者が国際的なトラブル(テロリストによる誘拐や拉致)の救済まで至る。
またSNSが発達した現代においてウ -
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魅力的なあらすじ紹介。
オーソドックスなミステリの導入。
ほどよい期待感から読み始めるやいなや次々出てくる作品独自の用語、概念。
そして作中でその説明がほぼないまま2、300ページひたすら進んでいくものだから挫折しそうになった(というか1度挫折した)。
説明されない言葉も異なる文脈で何度も何度も登場するからそのうちなんとなく意味やイメージがわかってくる。
なんだか外国語の学習みたいだなぁ、と思って楽しみ始めたあたりから怒涛のごとくストーリーが終結に向けて突き進んでいく。
最後は正直尻切れトンボで、中盤まで高まっていった期待感に対しては物足りない印象があったものの、前述のような普段あまり本を -
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ネタバレ正直舐め腐っていた。所詮1928年の作品だろうと。そんな遠隔系トリックなんてまだ考案されていない時代だろうと。だからこそ2025年に読んでも「意外な犯人」になってしまった。俺は馬鹿だった。『ビッグ・ボウの殺人(1894年)』でつい最近感銘を受けたばかり(※巻き込みネタバレではない)だし、ホームズだってもっと前からいたんだった。古典侮るなかれという教訓を得たが、侮りながら読んだ方が10倍楽しめることが判明した。
矢吹駆ってこのファイロ・ヴァンスが元ネタか?あと解決編の前に重要な手がかり100個くらい列挙するやつ、日本の本格ミステリにも継承されれば良かったのに。 -
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ネタバレうーん、控えめに言ってめちゃくちゃ凄いのでは?
なにより見立て殺人の動機が原点にして頂点でしょこれ。容疑の押し付けの方ではなくて、無意味な童謡と殺人を結びつけることで、有意味だったはずの地上的な人間生活とやらを根本から破壊するという壮大なユーモアの方。犯人の造形からも説得力あるし、原点からこんなにぶっ飛んだの用意してるとは思ってなかったよ、すげえなヴァン・ダイン。今や忘れ去られてオタクしか読んでない作家らしいけど、またいつか長編制覇します…いつかね…
本格としては『グリーン家』には劣るけれど、童謡見立て殺人(大好き!)の元祖という偉大さから評価は甘めに。『そして誰もいなくなった』はこれがなく -
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Posted by ブクログ
初ヴァン・ダイン。
他の方も仰ってますが、読者にとてもフェアな本格ミステリーだと思いました。
勝手なイメージでしたが、ヴァンの作品なら叙述トリックではなかろうと思って読めたから犯人は絞りやすかったかなと。
ただ、被害者が増えていくにつれ自動的に容疑者が限られてくるので後半になればなるほど犯人は見えやすい。
ミステリーにおいて、ありとあらゆるトリックが使われてきた現代において他の手法はもうない、と言われていますが、これは今読んだとしても楽しめる作品で凄いなと思いました。
ミスリードに導く手法がさすが…。
ヴァンスの講釈だったり、注釈が入ったりと初めはとっつきにくさを感じましたが、読むに連れ慣れ -
Posted by ブクログ
ネタバレクリスティの「アクロイド殺し」が1926年、本作が1927年ということで録音による偽装をネタにした作品が前後して発表されていて、タイミング的にはパクリではなく偶然らしい。現代ではテクノロジーが何かとミステリーの成立を阻んでしまいそうだが当時はその辺をどう取り入れるか考えるの楽しかったんだろうな、と微笑ましい。「アクロイド殺し」が少し先且つポレミックな超有名作のため割を食ってしまっている面があると思うが、ネタバレすると絵的に間が抜けていてしかも犯人の行動があわただしすぎ無理があるクリスティ作品(徐々に犯人が分かってくるところは相当ドキドキして傑作には違いないけど)に対し、こちらは(凡そ見当はつけ
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者の作品は僧正、ベンスン、カナリア、と読んできての本作だったが、今のところ1番面白かった。
解説やレビューでも影響作品として名前があげられる「Yの悲劇・エラリー・クイーン著」だが、納得の本作真犯人。
↓↓犯人ネタバレ
ただ、撃たれて復活を果たし、再度毒を盛られて…というのは逆に怪しく感じてしまって、その通りに犯人を当ててしまえたのが残念だった。
それでも下準備をした上であれ、銃で自らを撃ったり、致死量の毒を飲んだりという身体を張った殺人なのでその執念に好感が持てた。
グリーン夫人のキャラクターや、歩けないはずなのに歩く姿を見たという証言があってまさか???と思わせてドキッ