日暮雅通のレビュー一覧
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ネタバレうーん、控えめに言ってめちゃくちゃ凄いのでは?
なにより見立て殺人の動機が原点にして頂点でしょこれ。容疑の押し付けの方ではなくて、無意味な童謡と殺人を結びつけることで、有意味だったはずの地上的な人間生活とやらを根本から破壊するという壮大なユーモアの方。犯人の造形からも説得力あるし、原点からこんなにぶっ飛んだの用意してるとは思ってなかったよ、すげえなヴァン・ダイン。今や忘れ去られてオタクしか読んでない作家らしいけど、またいつか長編制覇します…いつかね…
本格としては『グリーン家』には劣るけれど、童謡見立て殺人(大好き!)の元祖という偉大さから評価は甘めに。『そして誰もいなくなった』はこれがなく -
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初ヴァン・ダイン。
他の方も仰ってますが、読者にとてもフェアな本格ミステリーだと思いました。
勝手なイメージでしたが、ヴァンの作品なら叙述トリックではなかろうと思って読めたから犯人は絞りやすかったかなと。
ただ、被害者が増えていくにつれ自動的に容疑者が限られてくるので後半になればなるほど犯人は見えやすい。
ミステリーにおいて、ありとあらゆるトリックが使われてきた現代において他の手法はもうない、と言われていますが、これは今読んだとしても楽しめる作品で凄いなと思いました。
ミスリードに導く手法がさすが…。
ヴァンスの講釈だったり、注釈が入ったりと初めはとっつきにくさを感じましたが、読むに連れ慣れ -
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ネタバレクリスティの「アクロイド殺し」が1926年、本作が1927年ということで録音による偽装をネタにした作品が前後して発表されていて、タイミング的にはパクリではなく偶然らしい。現代ではテクノロジーが何かとミステリーの成立を阻んでしまいそうだが当時はその辺をどう取り入れるか考えるの楽しかったんだろうな、と微笑ましい。「アクロイド殺し」が少し先且つポレミックな超有名作のため割を食ってしまっている面があると思うが、ネタバレすると絵的に間が抜けていてしかも犯人の行動があわただしすぎ無理があるクリスティ作品(徐々に犯人が分かってくるところは相当ドキドキして傑作には違いないけど)に対し、こちらは(凡そ見当はつけ
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ネタバレ著者の作品は僧正、ベンスン、カナリア、と読んできての本作だったが、今のところ1番面白かった。
解説やレビューでも影響作品として名前があげられる「Yの悲劇・エラリー・クイーン著」だが、納得の本作真犯人。
↓↓犯人ネタバレ
ただ、撃たれて復活を果たし、再度毒を盛られて…というのは逆に怪しく感じてしまって、その通りに犯人を当ててしまえたのが残念だった。
それでも下準備をした上であれ、銃で自らを撃ったり、致死量の毒を飲んだりという身体を張った殺人なのでその執念に好感が持てた。
グリーン夫人のキャラクターや、歩けないはずなのに歩く姿を見たという証言があってまさか???と思わせてドキッ -
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ネタバレニューヨークにひっそりと佇む古式ゆかしいグリーン屋敷。その一族が次々と射殺される事件が発生する。当初は強盗による犯行と見られていたが、マーカムに連れられて捜査に乗り出したヴァンスの推理によって、どうやら内部の犯行であるということが発覚する。グリーン家は当主のミセス・グリーンをはじめとして、家族でありながら互いに反目し合い、憎しみを抱いている。
指紋については完璧に消し去られているのにこれ見よがしに残された足跡、クリスティのポアロシリーズでもお決まりの、事件の鍵を握る人物がギリギリのところで口を封じられてしまう展開など、前二作以上に見所が多い。登場人物も癖が強く、一族だけでなく執事のスプルートや -
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ネタバレ連邦政府が機能不全に陥り、巨大企業が支配する近未来。主人公であるハッカーのヒロは、仮想空間「メタバース」を舞台に、謎のドラッグ「スノウ・クラッシュ」を追う。
本作のポイントは、仮想空間と現実世界の境目が曖昧になった世界観だ。 ヒロがメタバースを駆け巡る姿は、まるで私たち自身がその世界に足を踏み入れたかのような臨場感がある。
一方で、物語は多岐にわたる要素を盛り込み過ぎており、散漫な印象を受けた。 さらに中盤以降はさまざまな事件が同時進行し、どう収束に向かうのか、読んでいて物語に始終振り回された感もあった。
また、終盤の宗教に関するテーマは、少し重苦しい感じもあった。しかし、このテーマが物 -
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「僧正」とはよくわからないけど、チェスのビショップのことらしい。
登場人物は、数理物理学者、数学の准教授、科学者など理系揃い。
学者さん達が専門的なことを語りだすと、もう何言ってんのかさっぱりわからない(^_^;)
この作品は童謡見立て殺人の原点らしい。
この作品の10年後にクリスティーの『そして誰もいなくなった』が出版されたとのこと。
マザー・グースが日本では馴染みがないので、見立て殺人はあまりピンとこない。
日本で例えると「はないちもんめ」「ずいずいずっころばし」「あんたがたどこさ」みたいなものかな?
それなら子どもの時によく遊んだから、懐かしい思い出の中に殺人が紛れ込んできた恐ろし