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スノウ・クラッシュを使用したアヴァターは制御不能となり、現実世界の実体までもが意識不明に陥る――〈特急便屋〉の少女Y・Tとともにこの怪事件の調査に乗り出すヒロ。アメリカとメタヴァースを駆けめぐり、ライブラリアンAIの導きで自意識や言語の発生源へと古代シュメール史を遡行する大活劇の果て、明らかになる人類の陥穽とは?Google、PayPal、Metaの創業者たちに霊感を与え続けるヴィジョン。
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Posted by ブクログ
上巻の最後の方から、話題が古代文明(シュメール)に及びます(ネタバレになりますので深くは書きません)。そして世界を揺るがす大きな謀略が進みつつあることを主人公が知り、他の登場人物と助け合いながらエンディングを迎える、というあらすじですが、実は本書のキートピックの一つが「ウイルス」であるということに深...続きを読むい感銘を受けました。 本書は「メタヴァース」ばかりが脚光を浴びますが、実はウイルスには生物学的なもの(新型コロナなど)、コンピュータプログラムに影響を及ぼすもの、そして言語的・思想的なものがある、ということが語られているわけです。その意味ではコロナ禍の今、カミュの「ペスト」に並ぶウイルス本という位置づけが本書に与えられてもよいのではないかと思いました。本書を読んで「ウイルスとは何か」を深く考えさせられました。
まさに今話題になっているテックが満載。 GPT3もいるじゃない!! この想像力。 それに増して、クライマックスの大活劇! そりゃみんな読むよね。
本書では言語がそのツールとして重きを置かれておりましたが、世界はいかにしてハック可能か、またいかにしてハックされていくのか、ということを四六時中考えさせられるようになる作品でした。 そして今現在覇権を握っているテック企業のリーダーたちの多くが本書や著者からの影響を公言しているのを見るに、SF小説とい...続きを読むうものも言語として世界をハックするに足る情報を内包していることの証明でもあるかと思います。 ストーリーがカタルシスに欠ける感が否めなかったため、星5ならず。
上下巻読み終えました。 メタヴァースという言葉を生み出したという、すごい 影響力のある本という認識で興味が湧いて。 まず、全体の疾走感はすごいです。 ビュンビュン走る感じ。 メタヴァースがほんとに今ほど認知されてなかったの? って思うくらい、今としてはリアリティありです 逆に、SFの世界に現実が ...続きを読む近づいていることに驚きます。 次に、言葉、ウイルス その捉え方に メタヴァースより、それのほうが衝撃というか。 そうかもな、いやきっとそうかもと思わせられる。 ただし、、、 その部分に関しては、結構理解しづらく、 正直100%わかってません。 が、だいたいの流れがわかる、 (新訳で読み、旧訳は読んでませんが、) 訳や、ところどころの注釈は まだ読みやすくしてもらいました。 そして、つまり、っとまとめてくれる 一文がところどころはいることで、 なんとか最後まで手放すことなく 乗り切れたところもあります。 疾走感は、上下巻通しても充分味わえたので とりあえず、もはやSFなら読んでおきたい みたいな本を楽しんでよめてよかったー!
古代シュメール人は、ミーと呼ばれる神経言語学的なプログラムによってパンを焼き家を建てていた。それは、脳のうち現在の言語を理解する部分のさらに深層の基盤に作用する人間の脳のためのプログラムであり、要するにそれがスノウクラッシュであった。 古代に、エンキという初めて意識を持つ人間が現れ、ミーではなく自由...続きを読む意思と理性を実装させる新たな神経言語を開発し、人間達は共通のプログラムではなく意思を持った宗教をいただくようになった。 しかし、人間の脳の構造が変わったわけではなく、古代のミーは密かに語り継がれ、そしてヒロの時代に、これを拡散させて人類を支配しようと考えた者が現れた。L•ボブ•ライフである。その一味にはアウレト人のレイヴンもいた。彼らはストリートとリアル世界の両方で、ミーを拡散しようとした。リアル世界では薬物に混ぜて、ストリートではバイナリ言語を理解するハッカー達に向けてバイナリ記号を読ませる形で、これを成し遂げようとするが、ヒロとY•Tとジャニータの連携によって、リアル世界ではミーに犯された者達にエンキの言語を聞かせることによって、ストリートではバイナリ言語の爆発寸前にバーチャル爆弾のコードを書き換えることによってこれを阻止する。 インターネットの本格普及前にここまでメタヴァースの概念とモデルをリアルに描けたことに素直に驚いた。 もっというと、メタヴァースは2023年の人間は実現イメージができているが、この物語のもう一つの(メタヴァースよりもメインの)テーマであるウイルスについて、脳の基盤に影響する神経言語学的ウイルスという発想は、まさにSFならではの発想で、これまで考えたこともなかった発想であった。エンキ以前の社会を共通言語による人格のない社会として描き、ここから多様な言語と自由意思を持つ社会へと移行した様を、バベルの物語として描くあたり、秀逸であった。
上巻冒頭の「高速ピザ配達」という心湧き踊らない設定から一転、話は”スノウ・クラッシュ”からシュメール文明の”メ”というある種のウイルス、第二次世界大戦末期の歴史的経緯、それらがリアルとメタヴァーズを相互に行き来しながら壮大に展開していく。Y.Tとレイヴンの性的かつ野性的なやり取りも艶っぽくて妙に哲学...続きを読むっぽく面白い。 Meta社の”メタヴァーズ”から再脚光を浴びた作品であるが、新型コロナを経て一気に進展したデジタル時代と新権威主義の台頭の今だからこそ興味深く読める。ネオサイバーパンクの古典的名作としてSF好きの方はぜひ一度読んでみてもらいたい。
ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。 「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。 15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれくらいたくましくなる...続きを読むのかな。
1992年に書かれたにもかかわらず、今読んでも色褪せないSF。メタバースと現実世界の行き来や、国家ではなくフランチャイズが影響を持つ世界観、コードで動く世界、ウイルスとそれらがコントロールするレイヤーの設計などが秀逸。
今をときめく「メタヴァース」の語源となっている概念が登場した作品。 宗教とプログラミング、物理的なウイルスとコンピュータウイルス、自然言語とプログラミング言語の関連とサイバーパンクをかけ合わせて、単なるサイバーパンクでは終わらない作品だった。 「俺たちだけが世界を変えられる/正しく認識できるんだ」と...続きを読むいうギークの選民思想的なところを刺激してくれる感覚はありそう。 めっちゃつよい兵器に普通の家電っぽいドキュメントが付いてるのが好き。
自然言語と人工言語、宗教に関する部分が特に好きだった。 VR空間と現実世界の描写がいったりきたりするので、集中して読まないとすぐ置いていかれそうになるのが大変だった。 物語全体の構成としてはそこまで難しくはないけども、1つ1つを構成するパーツが難解であり読み応えがある。いろんな作品に影響は与えて...続きを読むるだろうなぁとは感じた。
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