あらすじ
1910年、ホームズとワトスンがクトゥルーの古き神々と初めて対決してから30年後。闇の勢力に仕えるドイツ人スパイが暗躍し、ヨーロッパが戦争へ突き進む中、海辺のサセックスで隠退生活を送るホームズは、三人の女性の失踪を調査することに。事件の陰には、邪神としてよみがえった仇敵モリアーティがいた!? ホームズは多大な犠牲を払い、最後の戦いに挑むが……。驚異のホームズ×クトゥルー・パスティーシュ、第三弾!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クトゥルー・ケースブック三部作の最終作であり、ホームズが宿敵ルルロイグと決着をつける三部作全体のクライマックスでもある
探偵業を引退しイーストボーンで隠居生活をするホームズが、現役同様事件に向かっていくのが最高だった
Posted by ブクログ
ホームズ×クトゥルー神話シリーズ最終巻。
見どころは
・50歳overでも狂犬ぶり健在のワトスン(銃の腕前◎)
・気味の悪い存在を目視してしまい正気を失う人間が続出する中、最大の敵である教授と好奇心旺盛な探偵に挟まれて呆然とするワトスン君
・真実しか話せなくなる薬を容疑者に使う探偵(ずるい)
です。
前巻のあとがきで「当初は三部作の予定でしたが、実は他の作品も書いています(意訳)」とあったのを心の支えに、最後まで勢いよく読み進めました。
続編、お待ちしています。
Posted by ブクログ
ついに第三巻で完結。シャーロキアンというよりは、どちらかというとラヴクラフティアン向けのシリーズだったのかなと。両方のファンなので、二乗で楽しめました。
ルルイエでのクトゥルーとの対決や、ネクロノミコンに魔法の道具の数々、ラヴクラフトの十八番である日記形式…クトゥルー神話好きには堪らないネタを次々と投入しながらも、ホームズ小説の史実にも忠実なストーリー展開と気の利いた言い回しが職人技。
論理思考の権化的アイコンのホームズが、邪神蠢く心霊オカルト世界に参入してしまうという意外性(でも、ヤク中だから体験的には慣れてそう)が楽しいコラボですが、好奇心と先見性が旺盛すぎるが故に、一線を越えてしまった結果のラストが辛い…。
続編はなさそうなので残念ですが、短編が『ミステリマガジン2023年11月号』に掲載されているようなので、そちらも当たってみようかなと思います。
Posted by ブクログ
太古の神クトゥルーとの対決が始まってから30年。サセックスで隠遁生活を送るホームズは失踪した3人の女性の調査を行っていた。ドイツ人スパイが暗躍し、戦争に突き進むヨーロッパで、遂にホームズと、ルルロイグとなった宿敵モーリアティとクトゥルーと三つ巴の最後の対決が始まる!
3作目になると、もう世界観も把握できてるので内容はスムースに頭に入る。映画を観てるようだ。もういにしえの神との対決なのだから、これが本当の最後の事件なのだ。ライヘンバッハの滝に落ちてる場合ではないのだ。開始早々にホームズの兄マイクロフトが殺された!ディオゲネスクラブのメンバー7人が同日に死ぬのだ。邪教の影、幽霊甲虫、ヘビ人間。マイクロフトを殺した犯人と失踪した女性たちを探してニューフォードへ。クトゥルーの名作「インスマンスの影」を彷彿とさせるシーデヴィルたち。囚われたホームズとワトソンはドイツ軍のUボートへ。船は悪夢の都市ルルイエに向かう。そこにはあのクトゥルーが眠るという!もうどんどんネタを注ぎ込んでのてんこ盛り、面白い展開だ。
しかし話は少しもったいない。最終対決が主題だから結末をつけるためのストーリーは面白い。しかし、逆に言えばこれホームズでなくてもええやん、というところか。いうなれば、もっとホームズらしさにこだわるか、ホームズを無視してもっともっと話をどきどきわくわくに仕立て上げるか、だったのだが、作者のラヴグローヴはその中間に落としてしまった。
いやそれでも十分楽しめましたよ。
この話はそもそもの設定が難しいのだから。そして、あとがきにまで仕掛けがあって、そこまでがストーリーなのだ。コズミックホラーの本領は発揮される。
Posted by ブクログ
シリーズ最後が出てから、この本の存在を知り、3冊まとめて購入、まとめて読みました。1冊目は、正直かなり突拍子もない!のと、シャーロックホームズの作品を全て読んでないので、わかりにくいところもありましたが、2作め、3作目と読み進めるのが楽しかったです。
私的には、2作目が一番面白かった!3作目は、かなり期待して読んだからか、ストレートな流れで、これはこれでオッケーだけど、もう少し入れて欲しかったなーという気分でした。でも、3作飽きずに読めたのでよかったです。
Posted by ブクログ
読みました。三部作で出会いから引退までの年月が経ているのでラストのホームズ見守るワトソンが尊いの一言でございました。
三部作通してクトゥルフ物としては比較的グロ味が少ないので読みやすかった&所々でのホームズの達観した台詞が個人的にとても良くて、合理主義者のホームズが科学とはまるで正反対のところにある異形の者たちとの世界で孤独に戦い続けているその覚悟が美しい話でもありました。
ラスト、ほんと尊かった…。