日暮雅通のレビュー一覧

  • 僧正殺人事件

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    騙された。やや地理的な面やアリバイなどに関する時系列がややこしいので、解きにかかったわけではなかったが、まんまとトリックにかかった感じ。

    しかしヴァンスが探偵としてさほど有名でないのは、やはり異彩を放つ魅力のような点ではホームズやポワロたちに一歩劣るからかなと失礼ながら考えた。
    骨組みやトリックの完成度には文句のつけようもない素晴らしさがあるが、その肉付けの部分にもう少し味わいが欲しかったかも。
    しかしそれでも、本格ミステリのファンは満足できる1冊であると思う。

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    2024年06月30日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    ついに第三巻で完結。シャーロキアンというよりは、どちらかというとラヴクラフティアン向けのシリーズだったのかなと。両方のファンなので、二乗で楽しめました。
    ルルイエでのクトゥルーとの対決や、ネクロノミコンに魔法の道具の数々、ラヴクラフトの十八番である日記形式…クトゥルー神話好きには堪らないネタを次々と投入しながらも、ホームズ小説の史実にも忠実なストーリー展開と気の利いた言い回しが職人技。

    論理思考の権化的アイコンのホームズが、邪神蠢く心霊オカルト世界に参入してしまうという意外性(でも、ヤク中だから体験的には慣れてそう)が楽しいコラボですが、好奇心と先見性が旺盛すぎるが故に、一線を越えてしまった

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    2024年06月19日
  • バスカヴィル家の犬

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    ホームズシリーズの長編3作目。最も有名で人気のある作品。「バスカヴィル家に伝わる魔犬によってサー・チャールズ・バスカヴィルが殺されたという話から物語が始まる。遺産相続人のサー・ヘンリーを守るべく、孤軍奮闘するワトスンに様々な奇怪な出来事が起こっていく」。
    ダートムアの不気味さとホームズのいない不安感とでドキドキハラハラさせられ、物語の展開も面白くて、とても読み応えのある作品だった。序盤からホームズの推理が伏線として張られ、最後に一気に解決へと収束していくため、読み終えた時の快感はとても気持ちよかった。

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    2024年05月06日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    上下巻読み終えました。
    メタヴァースという言葉を生み出したという、すごい
    影響力のある本という認識で興味が湧いて。

    まず、全体の疾走感はすごいです。
    ビュンビュン走る感じ。
    メタヴァースがほんとに今ほど認知されてなかったの?
    って思うくらい、今としてはリアリティありです
    逆に、SFの世界に現実が
    近づいていることに驚きます。

    次に、言葉、ウイルス
    その捉え方に
    メタヴァースより、それのほうが衝撃というか。
    そうかもな、いやきっとそうかもと思わせられる。

    ただし、、、
    その部分に関しては、結構理解しづらく、
    正直100%わかってません。
    が、だいたいの流れがわかる、
    (新訳で読み、旧訳は読

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    2024年04月21日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    太古の神クトゥルーとの対決が始まってから30年。サセックスで隠遁生活を送るホームズは失踪した3人の女性の調査を行っていた。ドイツ人スパイが暗躍し、戦争に突き進むヨーロッパで、遂にホームズと、ルルロイグとなった宿敵モーリアティとクトゥルーと三つ巴の最後の対決が始まる!

    3作目になると、もう世界観も把握できてるので内容はスムースに頭に入る。映画を観てるようだ。もういにしえの神との対決なのだから、これが本当の最後の事件なのだ。ライヘンバッハの滝に落ちてる場合ではないのだ。開始早々にホームズの兄マイクロフトが殺された!ディオゲネスクラブのメンバー7人が同日に死ぬのだ。邪教の影、幽霊甲虫、ヘビ人間。マ

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    2024年03月15日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    シリーズ最後が出てから、この本の存在を知り、3冊まとめて購入、まとめて読みました。1冊目は、正直かなり突拍子もない!のと、シャーロックホームズの作品を全て読んでないので、わかりにくいところもありましたが、2作め、3作目と読み進めるのが楽しかったです。
    私的には、2作目が一番面白かった!3作目は、かなり期待して読んだからか、ストレートな流れで、これはこれでオッケーだけど、もう少し入れて欲しかったなーという気分でした。でも、3作飽きずに読めたのでよかったです。

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    2024年02月14日
  • グリーン家殺人事件

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    犯人は当たった!嬉しい!
    さすがのヴァン・ダイン、古典かつ本格のミステリで私好み。警察なんとかできるでしょ、はさておき、構想が素晴らしかった。訳も読みやすい。
    引き込む力、謎を際立たせる構想、読んで満足間違いない。

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    2024年01月30日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    読みました。三部作で出会いから引退までの年月が経ているのでラストのホームズ見守るワトソンが尊いの一言でございました。
    三部作通してクトゥルフ物としては比較的グロ味が少ないので読みやすかった&所々でのホームズの達観した台詞が個人的にとても良くて、合理主義者のホームズが科学とはまるで正反対のところにある異形の者たちとの世界で孤独に戦い続けているその覚悟が美しい話でもありました。
    ラスト、ほんと尊かった…。

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    2024年01月08日
  • シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

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    シャーロック・ホームズの物語とクトゥルー神話を合体させたパスティーシュ。実はホームズは『緋色の研究』と『四つの署名』しか読んでないし(内容もだいぶん忘れてしまってる)、クトゥルーに関しては全くの未読。でも、ホームズとワトスンの(ありえない?)冒険物語として読んでみて、とても面白かった。
    ワトスンの怪我はアフガニスタンでの戦争ではなく、実はトカゲ人間の負わされた傷だったとか、公式ホームズの設定をうまく利用していてにんまりしてしまいます。
    本書は「クトゥルー・ケースブック」三部作の一作目とのこと。
    続編も読み始めました。

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    2024年01月06日
  • シャーロック・ホームズとサセックスの海魔

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    面白かったー。ホームズとワトスンの関係の描き方が絶妙だし、ホームズをホームズらしくクトゥルーに溶け込ませているので、この人はこんなことはしない!みたいな気持ちにならずに読めた。他にも長編があるみたいなんだけど、未訳なのでぜひ読みたいです。最後の演習もベタなんだけど、良かった。

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    2024年01月01日
  • シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪

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    クトゥルー・ケースブック三部作の二作目。
    原作の二部構成の形式に近づけながらも、よりクトゥルー神話との結びつきが強まった巻だった。

    本編とは違いながらもその空気を感じさせるパスティーシュらしさ、予想していなかった形で登場する冒険譚、そこからラストに繋がる流れなど、引き続き面白く読めた。
    三部作の完結が楽しみ。

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    2023年11月18日
  • シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

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    シャーロック✕クトゥルフ
    パスティーシュ ホームズ
    シャーロックの宿敵との邂逅は闇の怪事件だった!
    外なる神に挑むシャーロックとワトソン
    アナザーストーリー的で面白かった
    シャーロックの切れ味は健在です!

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    2023年11月14日
  • 僧正殺人事件

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     小学生の頃から知っていたのにようやく読んだ見立て殺人の元祖。登場人物を覚えるまで読みにくかったが、事件が次々と起こるうちにのめり込んでいった。結末のヴァンスの行動は、コナン君で育った私にとって度肝を抜く展開。それアリなの?当時のアメリカ人の感覚ってこんなもの?と疑問符がいっぱい飛び交う。動機が理解できなかったり、現代の感覚ではあり得ない展開だったり色々とツッコミ所はあるものの、全体的には面白かった。古典ミステリの名作を読めた達成感が大きい。

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    2023年09月07日
  • 四つの署名

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    朗読劇を見たので原作も拝読。小学生の頃シャーロックホームズをよく読んでいたが、やはり面白かった。娯楽小説ならではのテンポの良さ、読みやすさ。スモールの話をより詳しく原作で聞けてよかった。

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    2023年09月06日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    古代シュメール人は、ミーと呼ばれる神経言語学的なプログラムによってパンを焼き家を建てていた。それは、脳のうち現在の言語を理解する部分のさらに深層の基盤に作用する人間の脳のためのプログラムであり、要するにそれがスノウクラッシュであった。
    古代に、エンキという初めて意識を持つ人間が現れ、ミーではなく自由意思と理性を実装させる新たな神経言語を開発し、人間達は共通のプログラムではなく意思を持った宗教をいただくようになった。
    しかし、人間の脳の構造が変わったわけではなく、古代のミーは密かに語り継がれ、そしてヒロの時代に、これを拡散させて人類を支配しようと考えた者が現れた。L•ボブ•ライフである。その一味

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    2023年08月30日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    本書は1992年に書かれたもので、舞台となる時代設定ははっきりわからないが、主人公の親父が第二次大戦帰りであることや、マフィアのドンがベトナム戦争経験者であることなどから、だいたい2000年代くらいのイメージか。
    アメリカは国家としての力をなくし、無数のフランチャイズと呼ばれる勢力がそれぞれ独立して地域を自治している。主人公のヒロはマフィアの経営するピザ屋の配達人で、配達が遅れれば実質的に死が待っている状況で配達していたが、ヒロインのY•Tという特急便屋にプーン(特急便屋はスケートボードに乗って移動体にワイヤーをくっつけて移動する)されてミスをし、配達人をやめる(ピザは気まぐれなY•Tが配達し

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    2023年08月30日
  • ファースト・マン 下 初めて月に降り立った男、ニール・アームストロングの人生

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    彼の言動をなるべく忠実に描こうと、まどろっこしい所があるが、彼のアポロ後の社会への戸惑い、周囲の人達との交流がかなり明け透けに書かれていて興味深く読めた。

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    2023年06月20日
  • ベンスン殺人事件

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    著者と相性が良いのか、ここまで読んだ長編3冊はいずれも意外なほど期待値を上回る読後感(そもそも期待値があまり高くないということもあるかもしれないが)。ファイロ・ヴァンスとDAマーカム、ヒース部長刑事などの丁々発止ながら品位を保とうとする掛け合いの好感度が高いのは、透明人間スマート・セット(笑)ヴァン・ダインがちょこちょこ挟む個人的感想によるところが大きい気がする。あまりに黒子すぎて不自然という感想ももっともだがが、ワトソン役が2人以上いる中でさらにもう1人となると収拾つかなさそうなのでこの異様な沈黙が都合良いのでは。後日談で、ちょい役の気の良いミセス・バニングを「私はなぜか、いつ見てもあの女性

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    2023年06月18日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    ワトソン博士の性格が大好き。這う男の「腰痛症だろう、たぶん。」には思わず声をあげて笑ってしまった。なぜかシリーズ全編で1番印象に残る発言かもしれない…あまり探偵物の体をなしていないヴェールの下宿人が、悲しい中にも温かみがあって好き。

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    2023年06月10日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    苦手そうと思いつつ手に取ってみたのがちょうど4月で、小説の舞台と一致する時期に読むのが好きなのでページをめくり始めたら意外にすらすら進めて一気に終わった。推理力がないのに、それなりに古典ミステリーを読み溜めてしまったために、第一の殺人の時点で犯人と動機が思い浮かんでしまい(一番連想したのは映画のローラ殺人事件だったが)、怪しい人物が出てくるたびにやっぱり自分間違ってたのかな、と揺さぶられつつ結果は予定調和…まっさらな気分で堪能できないのは残念だが雰囲気が好きで楽しめた。
    後輩エラリークイーンよりもっとペダンティックな探偵と言われるので腰が引けてたけれど、初期EQで免疫ができていた+蘊蓄の内容に

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    2023年04月16日