日暮雅通のレビュー一覧

  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    ゲーム「ボーダーランズ」がプレイしたくなった。ヒャッハー!な感じ。
    「権力は衰退する(国家が実権を失い、企業やマフィアが治外法権を得る)」「進化論(不完全だからこそ変化し生き延びる)」「デジタル社会の行く末」など、勉強になるものも多い。
    15歳の少女でも「自分の力で生きる」とこれくらいたくましくなるのかな。

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    2022年08月13日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    序盤、エンジンがかかるまでに時間がかかった。英語の略称が読みづらい。1992年のSF作品だが、この描かれた未来に今も向かっている感じから描写はイメージしやすい。映像化は噂はあるけどまだかな?
    レイヴンのぶっ飛び方が好き。”パワー”ですべてを凌駕する感じ。

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    2022年07月30日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    1992年に書かれたにもかかわらず、今読んでも色褪せないSF。メタバースと現実世界の行き来や、国家ではなくフランチャイズが影響を持つ世界観、コードで動く世界、ウイルスとそれらがコントロールするレイヤーの設計などが秀逸。

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    2022年07月15日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 上

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    ネタバレ

    この小説が1992年に書かれたとは思えない!
    今書かれた本と言われても全く違和感がない。。。
    言葉とか、世界観がちょっと難しく、読み進めるのが難しかったが、メタヴァースの世界と現実の世界を行ったり来たりしながら進む、ハラハラしてしまった。

    個人的には、ヒロとライブラリアンとの、シュメール人や、バビロンの話がおもしろかった。

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    2022年07月15日
  • 僧正殺人事件

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    見立て殺人。探偵役のヴァンスの深い(何をいっているのか分からないくらいに専門的といってもいいくらいには)知識。「そうくるか!?」のような感動はありませんでしたが、全体的にまとまっていて読みやすく、事件の不気味な雰囲気、探偵の魅力ともに後年のミステリーに大きな影響を与えたことが分かる作品でした。

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    2022年05月25日
  • ベンスン殺人事件

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    漫画家が初期の作品の時に絵が拙いのと同様に、『僧正殺人事件』や『グリーン家殺人事件』と比べるとやや拙くファイロ バンスも諸々しつこさや脂っこさが目に付く。
    しかし、名探偵の登場という瞬間に立ち会う事ができた事に感動しました。
    次の『カナリア殺人事件』も楽しみにして読む事にします。

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    2022年04月03日
  • 僧正殺人事件

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    最後まで引っ掻き回されたが、しっかり終わった。数学のパートは全くわからなかったが別に分からなくても読める。分かるべきところはちゃんと明言されている。だから数学パートは読み飛ばしても大丈夫だ、安心して読め。
    誰目線の物語か最初はわからなかったが、特筆して書くようなことでもない。この作品の鍵となるヴァンスのセリフが心に残る。

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    2022年03月08日
  • スノウ・クラッシュ〔新版〕 下

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    今をときめく「メタヴァース」の語源となっている概念が登場した作品。
    宗教とプログラミング、物理的なウイルスとコンピュータウイルス、自然言語とプログラミング言語の関連とサイバーパンクをかけ合わせて、単なるサイバーパンクでは終わらない作品だった。
    「俺たちだけが世界を変えられる/正しく認識できるんだ」というギークの選民思想的なところを刺激してくれる感覚はありそう。
    めっちゃつよい兵器に普通の家電っぽいドキュメントが付いてるのが好き。

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    2022年02月13日
  • 僧正殺人事件

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    マザーグースを多少知ってると、話の面白さがわかる。「おぞましく、狂気に満ちた」と書かれているけどずいぶんこじつけのようで、しかもトリックも簡単なわりに有名な本だと思ったら、どうやら初の見立て推理小説らしい。トリックや推理に主眼をおかず、読み物として殺人の方法に趣向を凝らすタイプの。

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    2021年12月30日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    シャーロックホームズシリーズを読み始めたい!とふと思い立ちどれから読んで良いか分からずに手に取ったこちらはコナンドイルが亡くなる3年前に書かれた最後も最後の小説でした…笑
    映画やドラマは観ていましたが、シリーズものっていうそれだけでなかなか手を出せずにいましたが、こんなにもさらっと読み進められると知らず、もっと早くに出会いたかった!と思いました。
    今度からは順を追って読んでいこうと思います。
    面白かった!

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    2021年12月13日
  • 都市と都市

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    東南ヨーロッパにある、架空の地域が舞台になっている。この地域二つの都市が存在し、それぞれ違う民族の居住地があるのだが、一部については重なっている。そこでは、相手側の人々や建物などを見てはいけないし、もちろん干渉してはいけないというルールがある。これを破ることは「ブリーチ」と呼ばれる。またブリーチを取り締まり、裁く人たちもブリーチと呼ばれる。事件の発端は、遺棄された女性の遺体を見つけたこと。身元がわからない結果、もう一つの都市の住人らしいということがわかり、二つの都市をまたいでの捜索が行われる。二つの都市が重なっているという設定が面白いのだけれど、もしかすると、ここまで極端ではなくても似たような

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    2021年11月22日
  • 指差す標識の事例 上

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    17世紀のイギリスを舞台にした宗教と政争と策略をめぐる物語。4人の異なる男性(異邦人であるヴェネチアの商人、汚名を着せられ命を亡くした父親の名誉挽回に猛進する弁護士志望の若者、暗号を解く技能を使い自分も重要人物であると自負してやまない数学者、華々しい政治の舞台には縁遠いながら身分としてはジェントルマンである不器用な歴史学者)の手記で構成されていて、日本語訳はそれぞれ4人の翻訳者が担当したという凝った作品。ある出来事を別々の視点から語るという群像劇が好きなのでその点では楽しめましたが、世界史にも英国の歴史にも詳しくないので、実在の人物と史実をベースに架空の人物とフィクションを織り交ぜて良質な娯楽

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    2021年11月13日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    名探偵ホームズ2冊目。ホームズ暇でコカイン(薬中か?)。そんな時に彼を訪れた若い女性・メアリー・モースタン嬢。彼の父親が失踪してから10年、ある者から真珠が届き、その送り主から面会したいと申出。ホームズ、ワトソンと一緒に会いに行く。面会依頼はショルトーからであり、彼からメアリーの父親(モースタン大佐)とショルトー少佐がインドで財宝を手に入れたことを知る。そこで起きるショルトーの兄の死、4人の署名、財宝の盗難。この財宝の意味やワトソンの結婚などイベントは多かった。中でも船での追跡劇が一番読み応えがあった。

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    2021年10月24日
  • 四つの署名

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    小学生の時にシャーロックホームズシリーズにハマって何度も読んだ。しかしそれ以来なかなか読み返すこともなく、本棚の隅にずっと並べていた。
    訳者の日暮さんはシャーロキアンと聞いていたので、期待して読んだところ当たりだった。
    読みやすい訳文、充実した注釈、多くの画家による挿絵。装丁もおしゃれでとてもいい感じ。
    久しぶりに読んだ感想としては、こんなにスピーディーな展開だったのか、と驚いた。長編と言っても短い作品の中に、ワトソンの懐中時計からの推理、ホームズのコカインや事件解決に対する考え方、ワトソンの恋と婚約、当時のイギリスとインドの関係など面白いところがたくさんある。

    そしてホームズは引用をめっち

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    2021年10月20日
  • 四つの署名

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    小学生の時以来だけど、その時はポプラ社の翻案ものだったので、原作は初めて読んだことになる。全然覚えていなかった… ホームズの長編は探偵小説というよりは冒険小説なのよね。歴史小説を書きたかった、という片鱗も見えて興味深い。
    ホームズの観察でわかるところはここまで、で、動機やここに至るいきさつは当人の述懐で、とはっきりしているのは明快で潔い。
    訳もこなれていて、注釈もちょうどいいくらいの分量で読みやすかった。

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    2021年09月27日
  • 都市と都市

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    2つの都市国家が同じ位置にありながら、互いに見えないものとして人々が暮らしている。生まれたときから見ないように訓練している。都市は完全にこちらに属する部分、重なる部分があり、重なる部分では見ないふりをしながらぶつからない様に避けねばならず、とややこしいファンタジー設定。
    しかし、冒頭は殺人事件現場で始まり主人公は警部補という大筋ではミステリ小説である。
    前半は都市の設定を飲み込みつつ読むのが難しかったが、主人公や脇キャラに馴染みだし、物語が展開するにつれ引き込まれて加速した。ハードボイルドの刑事もののような読み心地とSFらしい世界観の不思議さを感じて満足度の高い読書だった。ラストの切なさも良い

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    2021年08月02日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    読み応えがあった。
    語り手が変わるたびに意味が変わっていく出来事の連続で、主観が違うとこうも違うのかと。もちろんあえて真実を書いていない語り手も存在しているのだけど。2人目が1番手こずった。ちょっとどこまでが妄想なのか…。下巻に入ってからは割と一気に読めたかな。

    手記ごとに訳者が違うも面白い。より一層、4人それぞれの視点、それぞれの物語へと入ってしまうので事実はさらにわからなくなっていく。

    語り手が変わるたびに、ひっくり返されるミステリ。あまりこの時代の宗教戦争に詳しくないことが悔やまれたけれど…薔薇の名前を読んでみようと思う。

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    2021年07月14日
  • 僧正殺人事件

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    ネタバレ

    ヴァンダインの代表作の一つに挙げられることが多い作品なので読んでみた。文学や数学についての肉付けが多くやや疲れるが、事件の進み方、解決パートについては全く古さを感じない優れた作品だと感じた。教授が罪をなすりつけたのはなるほどそういうことか、と。

    ワインを入れ替えるくだりは『バイバイ、エンジェル』を彷彿とさせる。あの作品もかっこよかったなぁ。

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    2021年06月29日
  • ベンスン殺人事件

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     物的証拠や状況証拠・容疑者の自白・アリバイといった、犯罪捜査において重要視されがちなものはそのまま信用せずに疑い、犯行の手口や現場を心理学的に検証して犯人を突き止める。教養と才気に溢れた富豪ファイロ・ヴァンスの探偵方法は現代でのプロファイリングに似ている。
     衒学的で、相方に自分だけが知る真相を仄めかす言動は、後世の作品や探偵たちのキャラクターに大きな影響を与えていることは間違い無いだろう。とは言え、たまにぶん殴りたくなるほど鼻に付いたが。
     探偵“ファイロ・ヴァンス”が仮名で、本作は彼の友人で仕事上のパートナー“S・S・ヴァン・ダイン”による記録であるという設定がおもしろい。作者の影が巧み

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    2024年10月19日
  • 僧正殺人事件

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    学術的な話や芸術作品の話が合間にちょくちょく出てくるので難しく、最初は読み進めるのに苦労したけど後半は一気に読んでしまった。

    確かにこれはミステリを読む上で読んでおかないといけない一冊、という感じ。
    そして最後のダークな終わり方が後味良すぎなくてよい。
    なるほど乱歩が絶賛した理由も分かるかも。

    解説に後世のサイコ・サスペンスにも影響を与えていることが言及されていたけど、確かに映画のセブンとかも見立て殺人だもんね。ふむふむ。

    本作を読んでいて、読書をする上での自分の知識不足をとても感じた。
    注釈が書いてあっても全然分からない、、
    アリアドネは阿刀田さんの「ギリシア神話を知っていますか」を読

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    2021年05月24日