日暮雅通のレビュー一覧

  • ジェイクをさがして

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     『ペルディード・ストリート・ステーション』を読み終えて、私はミエヴィル中毒になった。これはミエヴィルの短編集。『ペルディード』ふたたび、と思っていると、やはりちょっと違う。彼はホラーとかウィアードの作家ということになっており、そういう掌編が並ぶ。マンガも。

     何だかダメになったロンドンでジェイクと別れた話。建物の基礎の声を聴く男。デパートのボールルームの怪異。魔法使いの使ったスプラッタな使い魔の行状。ある言葉を聞くと脳の一部が蠕虫状になって脳を食い荒らしてしまう病気についての医学事典の記載。クリスマスのあらゆる細部が商標登録されてしまったロンドンのお祭り騒ぎ。外界の線が相貌になって迫ってくることから逃れようとする老婆。などなど。
     いずれも奇妙な話だが、現実世界に悪魔が登場するような類のホラーではない。森永のコマーシャルに「誰もいないと思っていても、どこかで、どこかでエンゼルが」という歌があったが、これ、改めて考えてみるととても不気味な歌であって、ミエヴィルの不気味さも日常に天使が浸透してくるような不気味さである。福山庸治の『臥夢螺館』というマンガを思い出した。そういえば『ペルディード』もそんな天使(?)が解き放たれたことで話が進んでいく。
     そしてオチがないのも特徴。

     『ペルディード』の終盤にかけて、苦しい戦いを強いられる主人公たちが見守るなか、突然、敵方の中に現れて、彼らと言葉を交わすこともなく、何だか解らないが手助けしてくれる「お祈りジャック」。曲者揃いの『ペルディード』の登場人物の中でも最高にファンキーな彼を扱った「ジャック」だけが、ニュー・クロヴゾンを舞台にした作品だ。

     最後に「鏡」という中編が収められている。鏡の向こう側で長年、人間のまねを強いられてきた存在が、自由を求めてこっちに飛び出してきて崩壊したロンドン。どうやら「ジェイクをさがして」と同じ舞台らしい。
     この不気味な手応え。

     しかしやはり長編が読みたいと思ってしまったことも事実。

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    2016年02月05日
  • シャーロック・ホームズの思考術

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     心理学と脳科学をシャーロック・ホームズを題材に解説し、さらにホームズの思考術を身につけてしまおうと提案している。ワトスンのような過去の出来事やその場の印象に引きずられるような推理を何故してしまうのか、逆にホームズのような的確な推理はなぜできるのかを、記憶の仕方、記憶の引き出し方、そして注意力、観察力、分析力、想像力などの鍛えられ方の違いから明らかにしている。脳科学から見た”思考の癖”がまさにワトスンの推理そのものであるというのが面白い。そしてホームズになるためにはワトスンの思考法から脱却しなければならないのだが、一方でワトスンが欠かせないというのも興味深い。小説において、ワトスンが思いつきを話した後、ホームズがそれを訂正し、捜査の過程でワトスンに語りながら状況を整理し推理するというのがパターンとなっているが、まさにそれが理論的な結論を導くための思考の順序そのものであるという。最初の思いつきに対して、「ちょっと待て」と立ち止まる”ホームズによる訂正”が出来るか否かがホームズになるための第一歩であるが、”思考の癖”に従うとそれがなされないためワトスンになってしまう。この”ホームズによる訂正”は訓練によって身に付けることができるそうだ。ホームズの思考術を身につけようという提案は、”できる”という確信があってのものかもしれない。

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    2016年02月04日
  • マッキンゼー

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    なかなかの大作だったが完読。訳者もいっている様に、マッキンゼーを通じてアメリカの資本主義の成り立ちが透けて見える。
    最終で筆者が指摘している様に、2010年以降の先進国ビジネスの展開の速さにはコンサルティングが寧ろそぐわない気がする。中国などの新興市場で企業が成長する際の問題解決にはマッキンゼーが暗躍しそうだが。

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    2016年01月15日
  • 恐怖の谷

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    事件の推理は全編で終わり、後半は事件の背景が紹介される。しかし、この後半にも大きな推理要素があるところがさすがといったところ。

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    2016年01月02日
  • マッキンゼー

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    マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界とはどのようなものかを教えてくれる。
     極言すれば、マッキンゼーなんてロクなものではないということを著者は膨大な取材と事実に基づき伝えている。特に、繰り返し述べられ強調されている点は、事業の社会貢献性についてだ。「実行をはなれて助言はない。」というのは小林秀雄の言葉だが、コンサルティング会社は実行を意識した提案は基本的にはしないのである。つまり、提案の内容には価値が低いのだ。
     それを象徴する例として、創業者であるジェームズ・マッキンゼーがマーシャル・フィールドというクライアントから同じ立場だったら実行できるのかと尋ねられ実際に自身の提案を実行するというエピソードが紹介されている。詳細は割愛するが、彼は経営改革の実施の過程で心身ともに疲弊し後に言葉よりも行動が難しいと周囲に伝えていたという。
     内容としては違和感なく読めるのだが、文章が非常に冗長なので、コンサルティング業界に興味・関心があるという人以外は読むのがつらいだろう。
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    内容:★★★★★
    価格:★★★☆☆
    平易性:★★★★★
    簡潔性:★★☆☆☆

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    2016年07月29日
  • 四つの署名

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    時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。

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    2015年11月20日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    歌謡曲の名作「襟裳岬」の歌詞で、

    通りすぎた 夏のにおい
    想い出して なつかしいね

    という一節があります。

    若い頃から、詩がステキやなあ、と思っていたんですが。
    オジサンになるにつけ、この一節。
    特に、「通りすぎた 夏のにおい」というのは凄い日本語だなあ、と。

    北海道と沖縄の人には申し訳ないですが、春夏秋冬の四季のリズムに体が慣れている日本の風土ならではの、言葉ですね。
    「過ぎ去った」でも「終わった」でもなく、「通りすぎた」というのもステキ。橋の上から川の流れを見ているような。

    無論、何より「夏のにおい」。

    なんかこう、あの暑苦しくて無駄に強烈で、意味も無くエネルギッシュな感じが…。

    と、猛暑な2015年八月にしみじみと。
    「シャーロック・ホームズの事件簿」を読んで思いました。

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    光文社文庫さんで、ほぼ順番に読んできたシャーロック・ホームズ・シリーズ。

    第1作「緋色の研究」を読んだのが2013年3月。
    足掛け2年半で、全8冊読破、ということになりました。
    ちょっと感無量。

    シャーロック・ホームズ・シリーズの第1作、
    長編「緋色の研究」は、1887年に発表されました。
    当然イギリスで。
    日本ではまだ、夏目漱石が二十歳の学生でした。
    コナン・ドイルさんはまだ28歳くらい。
    今いち流行らない若い開業医。
    暇な時間に小説を書いては投稿していました。
    「緋色の研究」は左程、売れませんでした。
    2年後1889年の第2作の長編「四つの署名」も、そこそこ。

    コナン・ドイルさんは、実は歴史小説家志望だったようですね。というか、歴史小説はホームズ以前も以後も、ずっと書いていたそうです。
    そして、ホームズがヒットする前に、初めに職業作家として売れたのも、歴史小説だったそうです。

    歴史小説を書く一方で。
    1891年に、雑誌でホームズ・シリーズの連載を始めます。
    雑誌の都合で短編連作のカタチを取ります。
    これが、当初から大ヒットになったそうです。

    それからは、1927年の短編「ショスコム荘」まで。第1作から足掛け、なんと40年!。
    ドイルさん、28歳から67歳くらいまで!
    40年間、同じ主人公の小説を商業的に書き続けるっていうのは、ギネスブックじゃないでしょうかね…。
    日本では1899年に、もう翻訳が出ているそうです。英語圏以外では、相当に早いみたいですね。


    「シャーロック・ホームズの事件簿」。
    最後のホームズ本です。短編が12篇入っています。
    1921年~1927年に発表された短編をまとめたもの。
    つまりドイルさん60代の晩年です。

    どうやら、ホームズ好きの人たちの中では、
    「晩年の作、つまり"事件簿"は、いまいちだ」
    という評価が定番のようですね。
    それは、僕も同感です。

    ですが、もうここまで長々と読んできてしまった付き合いっていうものがあります(笑)。
    ルパン三世だって、1話1話は面白くないかもしれないけど、ついつい見ちゃうし、ルパン一味のキャラクターを見るだけで楽しめちゃう。

    それから、この短編集は、

    ●引退してロンドンを離れて養蜂家になったホームズが描かれる短編がある。

    ●ホームズが一人称で語る短編がある。

    という、ホームズファンからするとちょっと見逃せないイロモノが含まれています。
    (どれも、小説としてシリーズ屈指か、と言われるとそんなことは無いんですけど)

    なんだか悪口を言うようですが、そうでもないんです。
    やっぱり面白かったんです。

    なんていうか…老いてるんですよね。作者が。
    ホームズとワトソンを産んだのは、40年前なわけです。
    それからというもの、時代は変わりました。
    馬車が自動車になり。電話が普及して。何よりも第1次世界大戦があり。戦争は騎士道から即物的な残酷さへと変わりました。
    大英帝国は新たな勢力に押されてきています。
    そして、燃えるアマチュア青年作家だったドイルさんは、サーの称号を持つ世界の人気作家な訳です。
    なんかこう…ホームズとワトソンの物語にも、どこかしら、

    「ああ、僕たちが若かった頃は過ぎてしまったね。
    無軌道に、自由で、独身で、しがらみの無かった、あの危なっかしくて輝かしい日々は、もう戻ってこないよね」

    というような感傷が。
    つまり、「通りすぎた 夏のにおい」ってヤツが。

    それがささやかに、かすかに、見え隠れするんです。
    と、僕は思いました。

    そんな薄い苦みが入り込む、
    いつもながらのエンターテイメントな犯罪人間ドラマ、
    ヒーロー物語。
    弾むような才気やキレは薄まっていると思いますが、
    ドイルさん60代の郷愁ただようホームズも、なかなかどうして。

    そして、「ああ、読み終わっちゃったなあ」という、この感覚。この感傷(笑)。
    これがまた、やっぱり読書の愉しみですねえ。

    思わずこのまま、モーリス・ルブラン「ルパンvs.ホームズ」を再読するか…!

    そのままルパンシリーズ再読?!

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    もともと思い出したら。2年半前にたまたまテレビで、現代に置き換えた海外ドラマ「シャーロック」を観たんですね。
    それがきっかけで、ホームズを読みだしたんでした。

    「考えたらあんまり読んでないなあ。原作を読んでから見ようかな」と。

    そのきっかけを忘れてました(笑)
    ぼちぼち見てみようかな…。

    実は「事件簿」の解説で知ったのが。
    ドイルさんは「事件簿」の前の短編集、1917年出版の「最後の挨拶」で、ホームズ・シリーズは終わらしたつもりだったんですって。
    ところが、1920年に制作された、ホームズの映画を見て、その出来に感激して、「事件簿」の短編たちを書いたんだそうです。

    映画・ドラマと小説っていうのも、そう考えるとちょっと、愉快な関係な気もしますね。

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    以下、各編の備忘録

    ①マザリンの宝石
    もともとは戯曲だったそうです。
    何故か三人称。
    悪党がいて、ホームズが追い詰める。
    だが、ホームズは、マザリンの宝石を取り返したい。
    その場所が分からない。
    悪党と部下がホームズの部屋を訪問。
    ホームズは隣室でバイオリンを弾いている。その間に悪党は部下と密談。
    ところが、実は最新の「蓄音機」だった。騙したホームズは密談が聞こえていて、宝石を取り戻す。

    ②ソア橋の難問
    これは印象に残っています。
    愛情の冷めた夫婦。だが妻は嫉妬深い。
    夫は別の女に走った。(その女は、純粋な、良い人)
    嫉妬に狂った妻は、その女が、自分を殺したように見えるように、自殺する、という。
    どうみても、女が妻を殺した、と見える事件を、ホームズが見破る。

    ③這う男
    今でいうとバイアグラみたいな若返りの薬を飲んだ学者が、正気を失っていく。
    正直、「?」という一篇。この頃の感覚で、最新医学SFみたいなことだったんだろうか。

    ④サセックスの吸血鬼
    「妻が赤ん坊の次男の首から血を吸った」と訴える男。
    でも実は、嫉妬した長男が入れた毒を吸い出していた、という落ち。
    長男は養子で、まあいろいろ愛情のねじれの背景があった、という。

    ⑤三人のガリデブ
    「赤毛同盟」的なオハナシ。
    悪い男が「ガリデブさんがもう一人いたら財産が入ってくる」、という騙しで、引きこもっている男を家から出そうとする。
    その家の床下に、高価な偽札マシンがあるからだった。
    「地下に偽札マシン」っていう設定が、「ルパン三世・カリオストロの城」と同じだ!

    ⑥高名な依頼人
    悪人、殺人も辞さない高級犯罪者がいます。色男で女ったらし。
    社交界で、名誉ある女性が、この男にたらしこまれてしまって、ぞっこんに。結婚するぞ!と。
    周りはみんな、酷い目に合わされる、と反対。でも悪行過去を聴いても、恋は盲目あばたもえくぼ、その女性は動じない。
    さて、これを恐らく王室筋の依頼で、ホームズがなんとかする。
    最終的には、この男の、変態色恋の備忘メモを手に入れて、それを見せることで万事めでたし。
    途中でぼこぼこにされて動けなくなるホームズ、というのが珍しい。
    そして、ホームズに言われて中国陶器に詳しいふりをするために頑張って勉強するワトソン。
    そして、悪人と対決して、その知識をもとに芝居を打つワトソン。
    でも、すぐに見破られて、大失敗のワトソン。
    でも、その裏でワトソンを囮に目的を達するホームズ。
    でも、中国陶器の知識は要らなかったワトソン…。
    いったいワトソンの無駄な努力って…かわいそう…。

    ⑦三破風館
    破風=つまり切り妻屋根ということだと思われます。
    そういう切り妻屋根の家に住んでいる女性。息子が異国で死んでしまった。
    その遺品から何かの草稿が盗まれる。
    ホームズがその大元は、スペイン系?の社交界のプレイガールだと看過。
    自分との色んなことを小説に書かれたから。違法行為もばれてしまうから。
    見逃す代わりに切り妻屋根の女性への慰謝料を払わせる。

    ⑧白面の兵士
    珍しい「ホームズ一人称」。ワトソンが出てこない。
    異国で病気になった男性が、ハンセン病なのかな?世間体を恐れて自宅で逼塞している。
    それが誤解を生んで犯罪と思われた事件を、ホームズが看破する。
    特段な大きなトリックは無いです。

    ⑨ライオンのたてがみ
    これも、「ホームズ一人称」。そして、引退して郊外で養蜂家をしているホームズ!。
    その田舎で起こった事件。
    殺人かと思ったら、クラゲだった、というお話。

    ⑩隠居した画材屋
    妻が有価証券を持って男とかけおちした、と主張する男。
    でも実は、男が地下金庫を密室にしてガスでふたりを殺していた。
    それをホームズが暴く。
    始めに忙しいホームズに代わって、ワトソンが単独で探偵にいく。
    戻ってきて報告して、ホームズにけちょんけちょんに言われるのが可哀そうで面白い。

    ⑪ヴェールの下宿人
    巡業サーカスのボスがいる。ひどい男で、奥さんを苛めている。奥さんは団員の男と愛し合い、夫を殺す。
    その際にライオンに顔をめちゃくちゃにされる…
    という過去を、ホームズに語る。

    ⑫ショスコム荘
    あるお屋敷で、ある男が、妹を殺したのではないか?という疑惑。
    生きていると思える妹はニセモノで、実は死んでいる、というところまでホームズが暴く。
    なんだけど、その後は「実は事故死だった。財産の関係でしばらく生きていることにしたかった」という腰砕けな落ち。

    以上

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    2015年08月05日
  • 都市と都市

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    我ながら500pよく読んだ。
    この本は読む人の想像力が問われるかも知れない。同じ空間に2つの都市、がお互いに目を合わさない事で成立しているという設定は面白い。映像的でもある。自国でないものにはフォーカスが合わずに、ぼやっとブラーがかかるイメージ。
    分かりづらいていう人もいるけど、常日頃見て見ぬふりってしてるし、今の時代隣人をあまり知らなかったりするし、割とリアリティーがあると感じた。
    ストーリー自体は、もはや映画化考えてるんじゃないの?と思うほどシンプル。映画の時間にちょうど収まりそう。ラストはもっとどんでん返しがあっても良かったかも。

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    2015年07月13日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    「マザリンの宝石」
    ワトソンが久々に訪れたベイカー街。ホームズは盗まれたマザリンの宝石を取り戻す為、犯人を追い詰めていた。

    「ソア橋の難問」
    家庭教師の女性に惚れた金鉱王ニール・ギブソンの妻が死んだ。容疑者は家庭教師の女性に違いないと思われたが、ホームズは…。

    「這う男」
    高名な教授の様子がおかしくなったと、秘書がホームズの元へ相談に来た。教授が妙な行動をとるのは9日起きである。その真相をホームズは突き止めた。

    「サセックスの吸血鬼」
    南国出身妻が赤ん坊の血を吸ったという。駆けつけたホームズの前に現れたのは、手紙を出した主人、前妻の障害を持った息子、後妻の生んだ美しい赤ん坊。飼い犬も調子が悪そうだ。ホームズが暴いた答えは…。

    「三人のガリデブ」
    ガリデブという名の男が三人見つかれば莫大な遺産を送る。だから三人目のガリデブを探そうと言われたという男がホームズにガリデブを探すよう依頼する。しかし、言い出しっぺの男はホームズが関与するのを嫌がった。その突拍子もない話の裏に隠れていたものとは。

    →ワトソンが怪我をするシーンがある。ワトソンが怪我をしたり気絶したらホームズが冷静で居られなくなるのは空き家の冒険でも同じ。

    「高名な依頼人」
    ホームズの元に名を伏せた依頼人の代理人がやってきた。グルーナー男爵とヴァイオレット・ド・メルヴィルの婚約を取り止めさせて欲しいとのことだった。グルーナー男爵は大陸で数々の犯罪を犯してきたと名高い。だがヴァイオレットはそれが嘘だと信じている。説得にも耳を貸さない。その矢先、ホームズは暴漢に襲われる。グルーナー男爵の手下だ。そこでホームズが考えた方法は……。

    「三破風館」
    とある夫人から、怪しい不動産屋が来たのだが一体何を企んでるのか突き止めて欲しいとホームズに依頼があった。どうやら、家と土地、家具だけでなく、一切の物を売ってくれという契約らしい。調査に乗り出したホームズの元に、ゴロツキが手を引けと脅しにやってくる。脅しに屈さないホームズが突き止めた計画は?

    「白面の騎士」
    戦争を共にした親友の消息が不明だ。親友の実家を訪れた所、顔が真っ白になった友人がいた。だが、親友の父親はけんもほろろに私を追い出した。
    ホームズを訪れた依頼人はそういった。親友、そしてその家族は何を隠しているのか?

    「ライオンのたてがみ」
    ホームズ引退後の話。
    ホームズの暮らす片田舎で、海から上がってきた科学教師がホームズの目の前で死んだ。背中には鞭で打たれたようかミミズ腫れの痕があった。男は「ライオンのたてがみ」と言い残して死んだ。犯人として疑われたのは、激しい性格の教師マードック。マードックは疑われた事に腹を立て仕事を辞めて村を出ようとする。ホームズが突き止めた真相とは?

    「隠居した画材屋」
    画材屋がホームズの元へ妻と浮気相手の行方を調査するよう依頼に来る。妻と浮気相手は有価証券を持ち出したようだ。他の事件にかかりきりになっているホームズの代わりに、ワトソンが話を聞きに赴いた。画材屋は家の中をペンキで塗り替えていた。ホームズが突き止めた事件の真相は?

    「ヴェールの下宿人」
    下宿人の女性の素顔が見るも恐ろしい容貌だった。しかも、夜中に「人殺し!」と叫ぶ声が聞こえる。何かあるなら警察に、と言った家主に、ヴェールの女性は否という。それではホームズなら、と言ったところ、是非話を聞いて欲しいと言われた。
    訪れた家主にそう言われたホームズは、興味を持って女性を訪れる。女性は、昔とあるサーカス団で起こった事故の被害者の一人だった。女性の夫はその事故で命を落とした。二人はライオンに襲われたのだと当時の新聞では報じていた。そこでホームズが聞いた真相は?

    「ショスコム荘」
    ホームズの元に、競馬馬主の元で働く馬の世話係が訪れた。主人が奇妙な振る舞いをするようになった原因を突き止めて欲しいという。主人は妹の家で暮らしていた。妹はその家の持ち主である夫を亡くしており、体が弱く、兄の世話をしながらも兄弟仲睦まじく暮らしていた。だが、ある日を境に兄弟仲は悪くなっていた。兄には借金があった。邸を訪れたホームズが突き止めた真相はーー。

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    2015年05月17日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    本書はホームズシリーズの短編集になる。
    いずれも読み応えがあり、短編らしいスピード感を味わうことができる。

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    2014年12月12日
  • マッキンゼー

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    「世界で最高に優秀な人材は、本当に意味のある貢献をしているのか」というメッセージから始まる。世界最高と呼ばれるコンサルティングファームについてその実情と実績、社会に与えた影響を描いている。マッキンゼーや社員が出している書籍は多いが、外からマッキンゼーを描いたものとしては少なく貴重。社の歴史を読み進めるなかで、創業時の価値観、社員としての自負、同窓生ネットワーク、等、世界最高とされる要因がいくつも出てくる。社員のコメント含め良くここまで書けたなと。

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    2014年12月08日
  • マッキンゼー

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    マッキンゼーの歴史と共に、アメリカのビジネス史、経営学の扱いの変遷を学べる好書。礼賛と批判どちらにも片寄ることなく"ザファーム"が各時代でどのような活動をしてきたのかを丁寧に描いている。

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    2014年11月29日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    1917年に発行された、シャーロック・ホームズの連作短編集です。
    鉄板の面白さ。楽しめました。

    光文社の新訳シリーズを、もともとイギリスで発表された順番で並べると。

    ①緋色の研究(長編)-1887
    ②四つの署名(長編)-1890
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
    ④シャーロック・ホームズの回想(短編集)-1894
    ⑤パスカヴィル家の犬(長編)-1902
    ⑥シャーロック・ホームズの生還(短編集)-1905
    ⑦恐怖の谷(長編)-1915
    ⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)-1917
    ⑨シャーロック・ホームズの事件簿(短編集)-1927

    と、こうなります。光文社文庫シリーズで愉しみ始めて、①~⑥を読んで、今回⑦を飛ばして⑧を読みました。
    残り少ないのがちょっと残念です。

    かなり長い期間にまたがって読んだので、もう覚えていない話もあります…。
    無理せずに覚えている印象だけメモっておきます。


    ●まえがき
    いきなり、第1次世界大戦下のワトソンの回想で、引退しているホームズが報告される。
    養蜂やってるっていうのが、なんともらしくて素敵だと思います。


    ●ウィステリア荘
    思い出せない…

    ●ブルース・パーティントン型設計書
    イギリスの命運を握る設計書の話なんですが、それはヒッチコック映画で言うところの「マクガフィン」と言うやつで。
    実態は何でも良いし、良く判んないんですね(笑)
    地下鉄で発見された死体の謎を暴く。なかなか読ませます。
    ホームズの兄、マイクロフトさんが出てきます。


    ●悪魔の足
    これまた、割とおなじみの、「植民地下で起こったことの因果が、国内にやってくる恨みの犯行」。
    妻を殺された男の復讐譚。
    麻薬が出るのが新味ですね。
    舞台がコーンウォール地方という場所で、「マスター・キートン」愛読者としてはちょっと嬉しい。

    ●赤い輪団
    これまた、アメリカ大陸での因果がロンドンで。
    凶悪犯、結社。そのグループから抜けられない男。その妻。
    「全く姿を見せない下宿人の謎」が入口。謎と冒険譚ですね。面白かったです。

    ●レディ・フランシス・カーファクスの失踪
    これまた、欧州での因果がめぐります。
    女を誘拐して殺すのに、「二重底の棺桶」というのが味噌になっています。
    なぞ解きとして、かなり「へー」という感がありました。

    ●瀕死の探偵
    これは面白かった。
    ホームズが敵を陥れて証拠を握るために、仮病で死線をさまよってみせるのですが、
    当然、ワトソンの一人称で、当然、ワトソンも読者も騙される。
    ワトソンとホームズの友情ものとしても面白い。


    ●最後の挨拶
    どーんと時代が飛んで、引退後のホームズが、大戦を前にイギリスの国運のために復帰、ドイツのスパイを陥れるというもの。
    なんと、三人称で書かれています。
    そして、好ましいのは、ドイツ側を「悪」として描いては居ません。「敵」ではあるけど、「悪」ではない。
    騎士道精神が残っていた最後の時代、第一次世界大戦。
    ルノワールの映画「大いなる幻影」を連想しました。

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    2014年09月26日
  • 都市と都市

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    何だこれはSFなのか?
    物理的に重なり合った都市国家??でも異次元で重なり合うとか、パラレルワールドとかSF的な設定はありません。見えているのに見ないようにするぅ???もう想像力の限界です。

    日常的には目には写ってはいるけれど見えていないものは多いもので、意識して視ることが重要なんてことは言われますが、意識して見えていないようにするのは、かなり難しいです(歩きながらやってみた)。しかも、国という境界を識別して。隣の建物を見ないとか、倒れている人を障害物として認識するとか・・・眩暈がしてしまいます。ミエヴィル恐るべし。

    でも、何故そんな境界を引いているのか?と考えると、もちろん歴史的背景はあるのでしょうが、かえってややこしいのでは?などと、見えないことにまでしている「境界」というものを考えてしまいました。作者は寓話は嫌いだそうですが、読むほうとしてはなんか考えてしまいます。

    なんだか今回は「?」が多い感想だったな。

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    2014年08月27日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    ネタバレ

    ホームズシリーズ最後の短編集。
    とうとう読み終わってしまったと思うと達成感より寂しさが勝る。
    もっとたくさん読みたかったなぁ…。

    今回は、ホームズ視点の『白面の兵士』と『ライオンのたてがみ』があってなんだか新鮮。
    『ライオンのたてがみ』では引退してるんですが、ワトソンとはもうほとんど会わなくなってるという事実にちょっとショック。
    そうかぁ…ずっと一緒にはいられないんだね。それはそうか。

    でも、『三人のガリデブ』ではワトソンが撃たれて今まで見たことないほど取り乱して心配してるホームズや、撃たれたのにこんなホームズが見れたのなら報われたとか言っちゃうワトソンが見れて二人の仲良さというか関係性が見れて良かった。
    『高名な依頼人』ではホームズが負傷してそれを心配してたり、『三破風館』ではホームズに迫る危険に対して火かき棒をすぐ構えちゃうワトソンの狂犬ぷりが個人的に好き。

    これで終わるのはホントに寂しい…とりあえずパスティーシュものでも読もうかしら。
    あとは再読もしたいな。

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    2014年04月07日
  • 恐怖の谷

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    ネタバレ

    最後の長編。
    個人的には長編ではやはり『バスカヴィル家の犬』が一番好きでしたが、こちらもなかなか面白かったです。

    一部ではホームズが事件の謎を解き、二部では過去『恐怖の谷』で何が起きたのかが書かれている。
    二部ではホームズが全く出てこないが、ハラハラするハードボイルド的な展開とどんでん返しのミステリ要素もあってこれはこれで面白い。
    それにしても本当に恐ろしくて嫌な谷だ。

    最後は少し切ないですが、モリアーティ教授の恐ろしさがわかるようになってていいですね。
    これを読んでからまたライヘンバッハを読んでみたい。

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    2014年03月30日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    『瀕死の探偵』の弱ったホームズの様子やワトソンとのやり取りがなんだか好き。
    『最後の挨拶』では、老後のホームズたちが出てきてなんだか爽やかなような切ないような気持ちになった。
    歳とってもあの二人はいつまでも昔のようであって欲しいと思ってしまう。

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    2014年03月03日
  • マッキンゼー

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    マッキンゼーの通史としてよく出来た内容
    大前さんの話なども興味深く書いてあるが、基本はアメリカでの動きが主
    実によく下調べをして綿密に書いてあると思うが、結論というか著者の主張はやや弱いかな

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    2014年02月17日
  • 恐怖の谷

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    『ホームズシリーズ』の長編の四作目であり、最後の長編でもある。これも今までの長編と同じように二部構成になっている。
    前半はこれまでと同じように、ホームズが主役で密室殺人を扱っているのだが、後半の部では実際にあった事件をモデルにしており、ホームズとは別の探偵が活躍する。

    『回想』で突然現れた「モリアーティ教授」に対する因縁もきっちり書かれており「モリアーティ教授」の恐ろしさが伝わってくる。
    個人的には、後半の部が今までの『ホームズ物』とテイストが完全に違っていて(推理というよりハードボイルド的)、すごく熱中して読めた。

    次はいよいよ最後の短編、『事件簿』を読む。

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    2013年11月11日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    短編集四作目。この『最後の挨拶』はこれまでの一月に一作のペースではなく、丸九年かかって書かれたらしい。どうりで内容が濃い(一つの短編が長い)と思ったわけだ。

    個人的にこの短編集で一番好きな話が「瀕死の探偵」だったのでちょっとコメント。
    序盤はあのホームズが本当に死んでしまいそうでどうなるのかとハラハラしたのだが、後半になるとコントのように笑える展開になっている。
    ホームズシリーズのおもしろさがこのお話にギュッと濃縮している感じ。

    次は最後の長編『恐怖の谷』を読む。

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    2013年11月07日