日暮雅通のレビュー一覧
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多彩な作風を示すミエヴィル、この『クラーケン』は『アンランダン』に似ている。シュールというよりアブサード。正直、あんまり好きじゃない作風。クラーケン、すなわちダイオウイカの標本が神? アホくさいことを言う。アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのが、しらけてしまうのだ。アホくさいことに気づかず、アホくさいことをアホくさく言ったり、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことを真面目くさって言うのはいいのだが、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのは、その内容のアホくささに語りのアホくささが加わって、しらけてしまうしかないではないか。
ミエヴィルはこの -
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「クラーケン」ですよ、海洋冒険SFでしょ、ふつう。オールド・ファンならジョン・ウィンダムを思い浮かべるかもしれません。
ウィンダムのを星新一は「海竜」と訳したけど、クラーケンは本書の場合、ダイオウイカです。NHKが撮影に成功する前にも、ダイオウイカは存在し、その標本はあったわけで、本書はNHKのダイオウイカ・ブームとも関係ありません。
ダイオウイカの標本はとあるロンドンの自然史博物館の呼び物です。ダイオウイカの標本作製を担当した学芸員のビリー・ハロウが主人公です。ある日、ビリーが見学者たちを案内していると、あの巨大なダイオウイカの標本が消えていた。というのが発端。
奇妙な警察官がやって -
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『ペルディード・ストリート・ステーション』を読み終えて、私はミエヴィル中毒になった。これはミエヴィルの短編集。『ペルディード』ふたたび、と思っていると、やはりちょっと違う。彼はホラーとかウィアードの作家ということになっており、そういう掌編が並ぶ。マンガも。
何だかダメになったロンドンでジェイクと別れた話。建物の基礎の声を聴く男。デパートのボールルームの怪異。魔法使いの使ったスプラッタな使い魔の行状。ある言葉を聞くと脳の一部が蠕虫状になって脳を食い荒らしてしまう病気についての医学事典の記載。クリスマスのあらゆる細部が商標登録されてしまったロンドンのお祭り騒ぎ。外界の線が相貌になって迫ってく -
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心理学と脳科学をシャーロック・ホームズを題材に解説し、さらにホームズの思考術を身につけてしまおうと提案している。ワトスンのような過去の出来事やその場の印象に引きずられるような推理を何故してしまうのか、逆にホームズのような的確な推理はなぜできるのかを、記憶の仕方、記憶の引き出し方、そして注意力、観察力、分析力、想像力などの鍛えられ方の違いから明らかにしている。脳科学から見た”思考の癖”がまさにワトスンの推理そのものであるというのが面白い。そしてホームズになるためにはワトスンの思考法から脱却しなければならないのだが、一方でワトスンが欠かせないというのも興味深い。小説において、ワトスンが思いつきを
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マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界とはどのようなものかを教えてくれる。
極言すれば、マッキンゼーなんてロクなものではないということを著者は膨大な取材と事実に基づき伝えている。特に、繰り返し述べられ強調されている点は、事業の社会貢献性についてだ。「実行をはなれて助言はない。」というのは小林秀雄の言葉だが、コンサルティング会社は実行を意 -
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歌謡曲の名作「襟裳岬」の歌詞で、
通りすぎた 夏のにおい
想い出して なつかしいね
という一節があります。
若い頃から、詩がステキやなあ、と思っていたんですが。
オジサンになるにつけ、この一節。
特に、「通りすぎた 夏のにおい」というのは凄い日本語だなあ、と。
北海道と沖縄の人には申し訳ないですが、春夏秋冬の四季のリズムに体が慣れている日本の風土ならではの、言葉ですね。
「過ぎ去った」でも「終わった」でもなく、「通りすぎた」というのもステキ。橋の上から川の流れを見ているような。
無論、何より「夏のにおい」。
なんかこう、あの暑苦しくて無駄に強烈で、意味も無くエネルギッシュな感じが… -
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我ながら500pよく読んだ。
この本は読む人の想像力が問われるかも知れない。同じ空間に2つの都市、がお互いに目を合わさない事で成立しているという設定は面白い。映像的でもある。自国でないものにはフォーカスが合わずに、ぼやっとブラーがかかるイメージ。
分かりづらいていう人もいるけど、常日頃見て見ぬふりってしてるし、今の時代隣人をあまり知らなかったりするし、割とリアリティーがあると感じた。
ストーリー自体は、もはや映画化考えてるんじゃないの?と思うほどシンプル。映画の時間にちょうど収まりそう。ラストはもっとどんでん返しがあっても良かったかも。 -
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「マザリンの宝石」
ワトソンが久々に訪れたベイカー街。ホームズは盗まれたマザリンの宝石を取り戻す為、犯人を追い詰めていた。
「ソア橋の難問」
家庭教師の女性に惚れた金鉱王ニール・ギブソンの妻が死んだ。容疑者は家庭教師の女性に違いないと思われたが、ホームズは…。
「這う男」
高名な教授の様子がおかしくなったと、秘書がホームズの元へ相談に来た。教授が妙な行動をとるのは9日起きである。その真相をホームズは突き止めた。
「サセックスの吸血鬼」
南国出身妻が赤ん坊の血を吸ったという。駆けつけたホームズの前に現れたのは、手紙を出した主人、前妻の障害を持った息子、後妻の生んだ美しい赤ん坊。飼い犬も調子 -
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1917年に発行された、シャーロック・ホームズの連作短編集です。
鉄板の面白さ。楽しめました。
光文社の新訳シリーズを、もともとイギリスで発表された順番で並べると。
①緋色の研究(長編)-1887
②四つの署名(長編)-1890
③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
④シャーロック・ホームズの回想(短編集)-1894
⑤パスカヴィル家の犬(長編)-1902
⑥シャーロック・ホームズの生還(短編集)-1905
⑦恐怖の谷(長編)-1915
⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)-1917
⑨シャーロック・ホームズの事件簿(短編集)-1927
と、こうなります。光文社文庫 -
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何だこれはSFなのか?
物理的に重なり合った都市国家??でも異次元で重なり合うとか、パラレルワールドとかSF的な設定はありません。見えているのに見ないようにするぅ???もう想像力の限界です。
日常的には目には写ってはいるけれど見えていないものは多いもので、意識して視ることが重要なんてことは言われますが、意識して見えていないようにするのは、かなり難しいです(歩きながらやってみた)。しかも、国という境界を識別して。隣の建物を見ないとか、倒れている人を障害物として認識するとか・・・眩暈がしてしまいます。ミエヴィル恐るべし。
でも、何故そんな境界を引いているのか?と考えると、もちろん歴史的背景はあ -
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ネタバレホームズシリーズ最後の短編集。
とうとう読み終わってしまったと思うと達成感より寂しさが勝る。
もっとたくさん読みたかったなぁ…。
今回は、ホームズ視点の『白面の兵士』と『ライオンのたてがみ』があってなんだか新鮮。
『ライオンのたてがみ』では引退してるんですが、ワトソンとはもうほとんど会わなくなってるという事実にちょっとショック。
そうかぁ…ずっと一緒にはいられないんだね。それはそうか。
でも、『三人のガリデブ』ではワトソンが撃たれて今まで見たことないほど取り乱して心配してるホームズや、撃たれたのにこんなホームズが見れたのなら報われたとか言っちゃうワトソンが見れて二人の仲良さというか関係性が