日暮雅通のレビュー一覧

  • マッキンゼー

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    マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界とはどのようなものかを教えてくれる。
     極言すれば、マッキンゼーなんてロクなものではないということを著者は膨大な取材と事実に基づき伝えている。特に、繰り返し述べられ強調されている点は、事業の社会貢献性についてだ。「実行をはなれて助言はない。」というのは小林秀雄の言葉だが、コンサルティング会社は実行を意

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    2016年07月29日
  • 四つの署名

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    時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。

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    2015年11月20日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    歌謡曲の名作「襟裳岬」の歌詞で、

    通りすぎた 夏のにおい
    想い出して なつかしいね

    という一節があります。

    若い頃から、詩がステキやなあ、と思っていたんですが。
    オジサンになるにつけ、この一節。
    特に、「通りすぎた 夏のにおい」というのは凄い日本語だなあ、と。

    北海道と沖縄の人には申し訳ないですが、春夏秋冬の四季のリズムに体が慣れている日本の風土ならではの、言葉ですね。
    「過ぎ去った」でも「終わった」でもなく、「通りすぎた」というのもステキ。橋の上から川の流れを見ているような。

    無論、何より「夏のにおい」。

    なんかこう、あの暑苦しくて無駄に強烈で、意味も無くエネルギッシュな感じが…

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    2015年08月05日
  • 都市と都市

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    我ながら500pよく読んだ。
    この本は読む人の想像力が問われるかも知れない。同じ空間に2つの都市、がお互いに目を合わさない事で成立しているという設定は面白い。映像的でもある。自国でないものにはフォーカスが合わずに、ぼやっとブラーがかかるイメージ。
    分かりづらいていう人もいるけど、常日頃見て見ぬふりってしてるし、今の時代隣人をあまり知らなかったりするし、割とリアリティーがあると感じた。
    ストーリー自体は、もはや映画化考えてるんじゃないの?と思うほどシンプル。映画の時間にちょうど収まりそう。ラストはもっとどんでん返しがあっても良かったかも。

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    2015年07月13日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    「マザリンの宝石」
    ワトソンが久々に訪れたベイカー街。ホームズは盗まれたマザリンの宝石を取り戻す為、犯人を追い詰めていた。

    「ソア橋の難問」
    家庭教師の女性に惚れた金鉱王ニール・ギブソンの妻が死んだ。容疑者は家庭教師の女性に違いないと思われたが、ホームズは…。

    「這う男」
    高名な教授の様子がおかしくなったと、秘書がホームズの元へ相談に来た。教授が妙な行動をとるのは9日起きである。その真相をホームズは突き止めた。

    「サセックスの吸血鬼」
    南国出身妻が赤ん坊の血を吸ったという。駆けつけたホームズの前に現れたのは、手紙を出した主人、前妻の障害を持った息子、後妻の生んだ美しい赤ん坊。飼い犬も調子

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    2015年05月17日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    本書はホームズシリーズの短編集になる。
    いずれも読み応えがあり、短編らしいスピード感を味わうことができる。

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    2014年12月12日
  • マッキンゼー

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    「世界で最高に優秀な人材は、本当に意味のある貢献をしているのか」というメッセージから始まる。世界最高と呼ばれるコンサルティングファームについてその実情と実績、社会に与えた影響を描いている。マッキンゼーや社員が出している書籍は多いが、外からマッキンゼーを描いたものとしては少なく貴重。社の歴史を読み進めるなかで、創業時の価値観、社員としての自負、同窓生ネットワーク、等、世界最高とされる要因がいくつも出てくる。社員のコメント含め良くここまで書けたなと。

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    2014年12月08日
  • マッキンゼー

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    マッキンゼーの歴史と共に、アメリカのビジネス史、経営学の扱いの変遷を学べる好書。礼賛と批判どちらにも片寄ることなく"ザファーム"が各時代でどのような活動をしてきたのかを丁寧に描いている。

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    2014年11月29日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    1917年に発行された、シャーロック・ホームズの連作短編集です。
    鉄板の面白さ。楽しめました。

    光文社の新訳シリーズを、もともとイギリスで発表された順番で並べると。

    ①緋色の研究(長編)-1887
    ②四つの署名(長編)-1890
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
    ④シャーロック・ホームズの回想(短編集)-1894
    ⑤パスカヴィル家の犬(長編)-1902
    ⑥シャーロック・ホームズの生還(短編集)-1905
    ⑦恐怖の谷(長編)-1915
    ⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)-1917
    ⑨シャーロック・ホームズの事件簿(短編集)-1927

    と、こうなります。光文社文庫

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    2014年09月26日
  • 都市と都市

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    何だこれはSFなのか?
    物理的に重なり合った都市国家??でも異次元で重なり合うとか、パラレルワールドとかSF的な設定はありません。見えているのに見ないようにするぅ???もう想像力の限界です。

    日常的には目には写ってはいるけれど見えていないものは多いもので、意識して視ることが重要なんてことは言われますが、意識して見えていないようにするのは、かなり難しいです(歩きながらやってみた)。しかも、国という境界を識別して。隣の建物を見ないとか、倒れている人を障害物として認識するとか・・・眩暈がしてしまいます。ミエヴィル恐るべし。

    でも、何故そんな境界を引いているのか?と考えると、もちろん歴史的背景はあ

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    2014年08月27日
  • 都市と都市

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    ネタバレ

    翻訳の文体が好み。
    街の描写が特に上手い。

    そもそも国家などの成り立ちについて触れるのかと思いきや触れなかったので「そこ詳しく」とはなるもまぁそれはそれ本題ではなかったのだな、と流せる程度。

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    2014年04月24日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    ネタバレ

    ホームズシリーズ最後の短編集。
    とうとう読み終わってしまったと思うと達成感より寂しさが勝る。
    もっとたくさん読みたかったなぁ…。

    今回は、ホームズ視点の『白面の兵士』と『ライオンのたてがみ』があってなんだか新鮮。
    『ライオンのたてがみ』では引退してるんですが、ワトソンとはもうほとんど会わなくなってるという事実にちょっとショック。
    そうかぁ…ずっと一緒にはいられないんだね。それはそうか。

    でも、『三人のガリデブ』ではワトソンが撃たれて今まで見たことないほど取り乱して心配してるホームズや、撃たれたのにこんなホームズが見れたのなら報われたとか言っちゃうワトソンが見れて二人の仲良さというか関係性が

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    2014年04月07日
  • 恐怖の谷

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    ネタバレ

    最後の長編。
    個人的には長編ではやはり『バスカヴィル家の犬』が一番好きでしたが、こちらもなかなか面白かったです。

    一部ではホームズが事件の謎を解き、二部では過去『恐怖の谷』で何が起きたのかが書かれている。
    二部ではホームズが全く出てこないが、ハラハラするハードボイルド的な展開とどんでん返しのミステリ要素もあってこれはこれで面白い。
    それにしても本当に恐ろしくて嫌な谷だ。

    最後は少し切ないですが、モリアーティ教授の恐ろしさがわかるようになってていいですね。
    これを読んでからまたライヘンバッハを読んでみたい。

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    2014年03月30日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    『瀕死の探偵』の弱ったホームズの様子やワトソンとのやり取りがなんだか好き。
    『最後の挨拶』では、老後のホームズたちが出てきてなんだか爽やかなような切ないような気持ちになった。
    歳とってもあの二人はいつまでも昔のようであって欲しいと思ってしまう。

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    2014年03月03日
  • マッキンゼー

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    マッキンゼーの通史としてよく出来た内容
    大前さんの話なども興味深く書いてあるが、基本はアメリカでの動きが主
    実によく下調べをして綿密に書いてあると思うが、結論というか著者の主張はやや弱いかな

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    2014年02月17日
  • おめざめですか、アイリーン

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    ネタバレ

    帰ってきたアイリーン・アドラー!
    やっぱりこの雰囲気好きだなぁ。
    服飾や時代背景が好みすぎて辛い。
    細かに説明してくれるのが嬉しい。
    続編が邦訳されるのが楽しみです。創元さんがんばって!

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    2014年01月17日
  • 恐怖の谷

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    『ホームズシリーズ』の長編の四作目であり、最後の長編でもある。これも今までの長編と同じように二部構成になっている。
    前半はこれまでと同じように、ホームズが主役で密室殺人を扱っているのだが、後半の部では実際にあった事件をモデルにしており、ホームズとは別の探偵が活躍する。

    『回想』で突然現れた「モリアーティ教授」に対する因縁もきっちり書かれており「モリアーティ教授」の恐ろしさが伝わってくる。
    個人的には、後半の部が今までの『ホームズ物』とテイストが完全に違っていて(推理というよりハードボイルド的)、すごく熱中して読めた。

    次はいよいよ最後の短編、『事件簿』を読む。

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    2013年11月11日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    短編集四作目。この『最後の挨拶』はこれまでの一月に一作のペースではなく、丸九年かかって書かれたらしい。どうりで内容が濃い(一つの短編が長い)と思ったわけだ。

    個人的にこの短編集で一番好きな話が「瀕死の探偵」だったのでちょっとコメント。
    序盤はあのホームズが本当に死んでしまいそうでどうなるのかとハラハラしたのだが、後半になるとコントのように笑える展開になっている。
    ホームズシリーズのおもしろさがこのお話にギュッと濃縮している感じ。

    次は最後の長編『恐怖の谷』を読む。

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    2013年11月07日
  • バスカヴィル家の犬

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    長編の三作目。
    たしか前読んだときは途中で断念した記憶がある。
    とはいえ、読みやすい新訳、ホームズシリーズを読むと決めた意志、久しぶりの長編と燃料はたくさんあった。

    今回の舞台はダートムア、そこで語られているバスカヴィル家の魔犬伝説。ホームズとワトスンはその謎に挑む!
    こういう設定が好きだからとても楽しく読むことができた。

    ワトソン君の成長が著しい!!
    伊達にホームズと長い間一緒にいるわけではないのだ。

    次は短編集だが、燃料が多すぎて燃え尽きてしまったのでほかの小説に手を出すかも。

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    2013年10月28日
  • 四つの署名

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    ホームズシリーズの長編2作目。初読と思いきや…過去に読んだことがあるのが判明。たぶん『緋色の研究』の次に読んでいたんだろう。

    今回のお話も大変おもしろかった。
    ホームズがコカインを注射している場面から始まり、ワトソン君の恋を描きつつ、最後にはカーチェイスならぬボートチェイスまでおっぱじめる始末。これにアグラの財宝まで絡むのだから面白くないわけがあろうか?

    ホームズとワトソンの捜査もさることながら、犬のトービーやベーカーストリートイレギュラーズも出てくるわで今回の犯人にはお気の毒としか思えない。

    あと長編は残り2作。楽しみ。
    とりあえず次は短編を読む。

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    2013年10月06日