日暮雅通のレビュー一覧
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読者が知りたい「秘密」は「Mckはどのような提案をして『ザ・ファーム』となり得たか」。その肝心の部分にはほとんど触れられていない。かろうじて第6章と第9章に申し訳程度に公開情報を肉付けした内容が掲載されている。
McK盛衰の歴史を辿る本としては悪くない。全体的にはMcKを賞賛しているが一応の批判もある。しかし、原文のせいか翻訳のせいか文章が回りくどく分かり難い。類書の『ブラックストーン』『ゴールドマンサックス』と比べると見劣りする感は否めない。
話は逸れるが大前研一がトム・ピーターズやハーブ・ヘンツラーと並び称されている。著書「企業参謀」の迫力は凄いものがあったが、現役当時の切れ味の鋭さをうかがわせるエピソードだ。 -
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ネタバレ最初のコンサルタントとしての韓非。p11
ある記者はこう呼んだ「ビジネスの哲人たちの特殊部隊(SWAT)」p12
1966年には、求人を口実に『タイム』に広告を出した。ある広告の見出しには、「マッキンゼーで成功するために必要なことは?」とある。答えは、「複雑な問題を解決する想像力をともなう、一流の教育で磨かれた知力。自信と表現する技術、可能性を引き出すことにつながるほかの人々に対する感受性。そしてもちろん、立派な人格とすぐれた基準」だった。p57
マッキンゼーは革新的なアイデアで称賛されているのではなく、複数の仮説が厳しい現実のなかで生き残るかどうかを試すという、体系的なアプローチで称賛されているのだ。p103
【エンペラー・大前】↔ドイツのハーバート・ヘンツラー p189
(三大スター)トム・ピーターズ、ハーブ・ヘンツラー、大前研一
マッキンゼーを雇ったクライアントが、彼らにはその価値がなかったと明言することは、ほぼない。ある意味でマッキンゼーは、世界中で最も人気があると言われた20世紀初頭のパリの高級娼婦、"ラ・ベル"・オテロと似たような存在だ。カロリーナ・オテロは客をひどくえり好みし、2012年時点の貨幣に換算して100万ドル以上になる途方もない料金を要求した。客にはモナコ大公アルバート一世やセルビア王などがおり、資力のある者なら誰もが一度は付き合うべきだと広く言われていた。では、一度そうしたら、客は何と言うのだろうか。セックスするために100万ドル払ったとしたら、その金の価値がなかったなどと認めるわけがない。p212
マシュー・スチュワート「戦略のアイデアはミネルヴァのフクロウのように、概して組織に黄昏が訪れたときに飛び立つ。古いことわざにあるように、戦略とは弾薬が切れかけても敵に悟られないようにすべての銃を撃ち続けることだ。一般的に、企業は別の方法でみずからの存在を正当化できないとき戦略に頼り、自分たちがどこへ向かっているかわかっていないときに計画を始める」p216
マッキンゼーは確かに、世界に類を見ない最も効率的なCEO製造会社だ。2011年には、150人以上のマッキンゼー同窓生が、年間売上高10億ドル以上の企業を運営していた。p225
ロン・ダニエルは博学な知識人だった。フレッド・グラックは力任せに進む人間だった。ラジャット・グプタは、ダニエルともグラックとも違って、洗練された反知性主義を持っていた。p263
アシュランド・オイルの社長になった同窓生のパウル・シュレグレンは、1993年の『ビジネスウィーク』で「マッキンゼーで働くことは、いいビジネス経験になる。いくつもの企業と産業、それらが抱える問題を短期間で見ることができる、凝縮されたチャンスだ。学士号を取って、MBAを取って、そしてMCK(マッキンゼー修士)が得られる」p352
元ディレクター(ラジャット・グプタについて)「彼はマーヴィンの価値観を具現化しなかった。はるかに商業的だった。そもそも、彼がゴールドマンの取締役になったとき誰も驚かなかったのは、それが理由だ。彼に対する憎悪が強いのも、そうなるのがわかっていながら、止められなかったからだ。彼がいたときに会社はぼろ儲けして、いまになって罪悪感を覚えている」p373
《終章 マッキンゼーはこれからも勝ち続けるか》p377
【もはや最高の就職先ではない】
マッキンゼーはライバルのどこよりも人に投資しているが、すぐれた人材にとっては単なる通過点になってしまうリスク、つまり若手をより刺激的なキャリアのために訓練するための場所になるおそれがある。p381
マーヴィン・バウワーは、マッキンゼーが信頼される地元銀行と同様に見られるようになることを望んでいた。しかし今日のマッキンゼーは、近所にある親しげな銀行よりも、むしろ全国規模あるいは世界規模の金融コングロマリットに似ている。いまやマッキンゼーは古めかしい大企業で、1960年代と1970年代に同社が助言していた巨大企業そっくりだ。そのクライアントが企業でも役員でも、仕事の相手は以前よりずっと大きくなった。コンサルタントが取り組むことになる問題は巨大だ。しかし同時に、いまのマッキンゼーは以前は軽蔑していた官僚機構への対応により多くの時間を費やしており、その外側ではなくより内側に入り込むようになっている。p389 -
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「カクテルをシェークするときは、きちんとシェークすること!演出の手腕はこれで決まりますし、氷をシェーカーの端から端まで動かさなければ、カクテルは目覚めません。これをしなかったらインチキですよ、きまりを守っていないんですから」ⅷ
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4.シェーカーは、できるだけしっかりと振ること。ただ揺さぶるだけではいけない。カクテルを眠らせるのではなく、目覚めさせるのだから!
6.かつてハリー・クラドックは、カクテルの最良の飲み方を訊かれて、こう答えた。「さっさと飲むこと。カクテルがあなたに微笑みかけているうちにね!」9
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Corpse Reviver(No.2)
このカクテルをたて続けに4杯も飲めば、生き返った死体もふたたび死ぬだろう。52
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Maiden's~
最初はうまくいかないという原則があるし、何度か泣くしかない。99
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Quelle Vie
ブランデーが勇気をもたらし、キュンメルが注意力を高めることから、勇気と注意力の完璧なバランス(勇気が支配的)を得ることができる。131
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ヴァン・ダインと言えば、四半世紀も前の高校時代に、やはり創元推理文庫の従来訳版で「グリーン家」「僧正」「カブト虫」「ケンネル」「カシノ」などを読んでいたものの、デビュー作である本書は初めてでした。
タイトルが示すとおり、証券会社の経営者であるベンスンが自宅で射殺されているとの通報からお話は幕を開けます。
そこからヴァンスが真犯人を指摘して犯人逮捕にいたるまでの、ほぼ一週間の出来事が語られます。
連続して事件が起きるわけでもなく、どちらかと言えば地味なストーリーというのが、読後の印象です。
とはいえ、決して退屈という意味ではありません。
探偵役であるファイロ・ヴァンスは、伯母の遺産を相続し悠々自適な生活を送っている、教養にあふれスポーツも得意な一見非の打ち所がない人物です。ただし、人に打ちとけようとしないという点を除けば。
そんな彼と、その友人であり遺産管理人兼代理人であり本書の語り手であるわたし(ヴァン・ダイン)、ヴァンスの友人でありニューヨーク地方検事のマーカム、市警殺人課のヒース部長刑事が、いわばチームプレーで事件に取り組みます。
そう、僕が興味深かったのは実はそのチームプレーというスタイルです。
ヴァンスという民間人が刑事事件に関われるのは、この友人マーカムがいるからこそなので、全編を通じてほとんどヴァンスとわたしとマーカムが捜査活動を共にします。
人づきあいに関しては気むずかしいはずのヴァンスが、時に辛辣でありながらも尊敬のこもった友情をもって、マーカムを助けていきます。この構図が、単なるエキセントリックな探偵の物語にとどまっていない魅力を感じさせました。
反面、ヴァンス流の推理法である「事件の心理的な要因(ファクター)を分析して人物に当てはめることで、初めて真相に到達する」という部分は、事件は解決したものの、ちょっとわかりにくかったかなという気がしないでもありません。
ともあれ、読み出したら一気に最後まで読みとおしてしまった面白さであったことは申し上げておきたいと思います。
以降の新訳も楽しみに待ちます。 -
Posted by ブクログ
本書ですが、探偵役のファイロ・ヴァンスの性格とその推理方法がとても個性的で結構楽しめました。ヴァンスは、普通なら最有力の手掛かりと考える物的証拠や状況証拠を危険なものとして退け、唯一本当の手掛かりになるのは心理的なもの、として、現在でいうところの犯罪プロファイリングに近い手法を捜査に用いています。ただ、印象としては、犯罪の心理的要因に頼ったヴァンスの推理方法……こちらも少々危なっかしい気がするのですが(^_^;)
もっとも、犯人当てのゲームとしては不十分かもしれませんが、物的証拠、状況証拠だけをもとにした推理をヴァンスがことごとく覆し、それがいかに危険な手法であるかを説明していくところなど物語としてとても面白く読みごたえがあります。特に22章の「ヴァンス、仮説を述べる」では、しばし、( ゚д゚)ポカーン でした。やられた!
この事件ではヴァンスの友人で地方検事のマーカムがヴァンスと共に捜査にあたるのですが、あくまで物証にこだわり、ヴァンスの言動に振り回されるマーカムにやけに感情移入してしまいました。ヴァンスとマーカムの間で交わされる、時に感情を交えた丁々発止のやり取りも本書の魅力の一つだと思います。