あらすじ
世界の大企業やパワーエリートがこぞって頼りにする最強のブレーン集団、マッキンゼー&カンパニー。なぜ、マッキンゼーは経済ビジネス分野にとどまらず、政治・軍事の分野にまで絶大な影響力を持ち続けているのか?長年にわたり業界の王者に君臨する巨大コンサルティング・ファームの実態に迫る渾身のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
マッキンゼーの社史。J.O.マッキンゼーの創業からマービンバウワー時代、そして現在までを時系列順に辿っている。
要所要所で転換点となったクライアントや案件にも触れており、非常に勉強になりました。
不正会計を起こしたエンロンとの関係性や、グプタ氏のMD時代と引退後の幹部陣のインサイダー取引などにも言及し、時代によって変容するマッキンゼーの価値観を知れました。
そして東京オフィスからは大前研一氏が何度か登場します。彼の世界でのプレゼンスの高さは本社視点でもこれ程のものだったのかと感心しました。
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世界的に有名なコンサルティングファーム、マッキンゼーの創業期から今に至るまでを、綴ったノンフィクションルポルタージュです。
経営学をかじり、また大前研一さんや南場智子さんなどの著書を読んだ身として、興味ある存在だった組織でしたので、いつにも増して集中してページをめくりました。
意外だったのは、組織力重視の保守的な面も持ち合わせていたこと。全てがMBAホルダー達自身の頭脳明晰な個人力で、課題解決をしていると思っていたので。
大前研一さんの様な方は、逆に異端児だったらしい。もちろんスーパースターという面でだが。
それなりの統一された分析フレームや、グローバルでの専門家リストがあり、誰がコンサルティングしてもある程度の水準を確保できる様なナレッジシステムがある様です。
面白いと思ったのが、一流企業、経営層をターゲットにしており、一度関与したら離さない一面があるということ。そして、優秀な新人はOJTで鍛えていく。そのコンサルティング企業の資源こそが、新人の教育・スキルアップのための費用となる。
そして、一流のブランディング構築による、かなり高額なコンサルティング費用。
さらに企業側からは、レイオフなど従業員への防波堤としての活用、マッキンゼーというブランドを利用しての企業価値向上、マッキンゼーに眠るコンペチタ企業情報の入手 など、本来の課題解決以外での契約理由もある。
まさに未来永劫の持続的繁栄のための、強固なビジネスモデルが構築されていることに感心しました。
今のトップであるドミニク・バートンは、韓国、中国などアジアでの経験が豊富。
抜け目なく合理的。
内なる敵は、グーグルなど新興のIT系企業への人材転出だが、当面はアメリカ発のコンサルティング・ファームの繁栄は持続しそうです。
恐るべし、アメリカ。
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なかなかの大作だったが完読。訳者もいっている様に、マッキンゼーを通じてアメリカの資本主義の成り立ちが透けて見える。
最終で筆者が指摘している様に、2010年以降の先進国ビジネスの展開の速さにはコンサルティングが寧ろそぐわない気がする。中国などの新興市場で企業が成長する際の問題解決にはマッキンゼーが暗躍しそうだが。
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マッキンゼーという企業の名前を聞かない日はない。書店に行けば関連の自己啓発本が山積みされているし、就職活動が始まれば嫌でも耳に入ってくるだろう。しかし、マッキンゼーを含めたコンサルティング会社について深く理解している人は少ない。その中で本著は、マッキンゼーとはどのような企業か、コンサルティング業界とはどのようなものかを教えてくれる。
極言すれば、マッキンゼーなんてロクなものではないということを著者は膨大な取材と事実に基づき伝えている。特に、繰り返し述べられ強調されている点は、事業の社会貢献性についてだ。「実行をはなれて助言はない。」というのは小林秀雄の言葉だが、コンサルティング会社は実行を意識した提案は基本的にはしないのである。つまり、提案の内容には価値が低いのだ。
それを象徴する例として、創業者であるジェームズ・マッキンゼーがマーシャル・フィールドというクライアントから同じ立場だったら実行できるのかと尋ねられ実際に自身の提案を実行するというエピソードが紹介されている。詳細は割愛するが、彼は経営改革の実施の過程で心身ともに疲弊し後に言葉よりも行動が難しいと周囲に伝えていたという。
内容としては違和感なく読めるのだが、文章が非常に冗長なので、コンサルティング業界に興味・関心があるという人以外は読むのがつらいだろう。
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内容:★★★★★
価格:★★★☆☆
平易性:★★★★★
簡潔性:★★☆☆☆
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「世界で最高に優秀な人材は、本当に意味のある貢献をしているのか」というメッセージから始まる。世界最高と呼ばれるコンサルティングファームについてその実情と実績、社会に与えた影響を描いている。マッキンゼーや社員が出している書籍は多いが、外からマッキンゼーを描いたものとしては少なく貴重。社の歴史を読み進めるなかで、創業時の価値観、社員としての自負、同窓生ネットワーク、等、世界最高とされる要因がいくつも出てくる。社員のコメント含め良くここまで書けたなと。
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マッキンゼーの歴史と共に、アメリカのビジネス史、経営学の扱いの変遷を学べる好書。礼賛と批判どちらにも片寄ることなく"ザファーム"が各時代でどのような活動をしてきたのかを丁寧に描いている。
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マッキンゼーの通史としてよく出来た内容
大前さんの話なども興味深く書いてあるが、基本はアメリカでの動きが主
実によく下調べをして綿密に書いてあると思うが、結論というか著者の主張はやや弱いかな
Posted by ブクログ
大晦日に読んだ2021年最後の本。この本を読んだ理由は、自分の周りにマッキンゼー出身の人が複数おり、彼らのいた会社はどのような所なのかと知りたいと思い手に取った。読んでみて感じた事は、経営における新たな価値観や切り口の提供と自社のブランディング戦略とその時代背景も相まって成功した結果が今に生きている。
会社の拡大により、世界規模のネットワークという武器と同時に多様性のある人材を手にいれたが、物事は二面性があり、人材の育成や質に関しては、維持が難しい事や新米MBAホルダーがあつまる事により、事業会社を経験していない人が比較的多い点には賛否がある。しかし、同社の卒業生は、世界中の事業会社でCEO等になる人も多く、その存在は間違いなく、一流のファームであり踏み台(昇格して去る)となっている側面もある。
日本のビジネス海で有名な大前研一氏についても触れられており、その存在と同社の中でも際立った存在、エンペラーであったようだ。
個人的には、会社の大小に関わらず経営の問題は似ていると思った。そして、今後自らが進むべきヒントも得られた。
※少し内容構成が分かりづらかった為、星3つにしました。
Posted by ブクログ
あの名門マッキンゼーを創業当時から振り返っている本はないらしい。コンサルティングとは実体のない仕事だからこそ、生き残る術とクライアントに納得させる必要がある。大前さんの有能さは突出してたことがよくわかる
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「マッキンゼーとは一体どんな会社なのか?」
この疑問から手にとった本です。
この本では、マッキンゼーの生い立ちから変遷、問題点と課題を書かれたノンフィクションの本です。
マッキンゼーがいかにして巨大で影響力のある組織になったのか時系列的に書かれているので、アメリカの経済史も理解できる本になっています。
マッキンゼーと言えば、「アップ オア アウト(昇給するか出ていくか)」が有名です。
ただ、会社を辞めた後も、マッキンゼー出身者は、「アラムナイ(同窓生)」という組織で繋がっており、辞めた後も「マッキンゼー」として各業界に影響を与え続けている事に「マッキンゼー」繁栄の理由を感じました。
「リーダーシップとは人々を従わせることだが、従わせる前に、進む方向を選ぶ必要がある。このようなサービスには常に需要があり、それこそがまさにマッキンゼーが提供しているものなのだ。(p.388)」
相談相手の欲しいトップのCEOにとってたとえ高額な支払いが必要でも頼りたくなるのがマッキンゼーなのでしょう。
知らない世界を垣間見れた気がして大変興味深い本でした。オススメです。
Posted by ブクログ
世界を動かす頭脳集団、マッキンゼー。名前はもちろん知っていたけど一緒に働いたことはなく、興味を持って読んでみた一冊。マッキンゼーの始まりから出版された2013年までの仕事やスタンス、世界に与えた影響なんかがトップの変遷とともにまとめられていて、コンサルティングについての理解が深まった一冊でした。ただ、自分は誰かのコンサルティングをするよりも自分の手の届く範囲のエンジニアリングの方が向いてそうかなと。提案に活かせるアイデアとかいくつかエッセンスはもらえたので活用していけるといいかなと思いまっす。
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先日、ダフ・マクドナルド 氏 による「マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密」を読み終えました。
ちょっと前に「マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書」という歯応えのない本を読みました。とはいえ、「マッキンゼー」という響きは、少なくとも私ぐらいの世代には一種独特な感覚を生起させます。近年は、以前ほどコンサルティング・ファームが脚光を浴びているとは感じられませんが、やはり、未だに気になる業界ではあります。
本書は、マッキンゼーOBやその関係者に対する膨大なインタビューを通して、コンサルティング・ファームの雄である「マッキンゼー」の成り立ちとその実態を顕かにしようと試みた紹介した著作です。
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マッキンゼーの歴史がよく分かった。知識を売り物にするという究極難解なことを生業としつつ、経営者の代理やエクスキューズとしての役割も事実多いことも分かった。訳は(というか原書?)少し読みにくい。Aということを言っている流れの中で急に反対の内容であるBが出てきて、そのトピックを入れたかったのは分かるけど流れ悪くてどっちの立場で話してたいのか分からん、て感じになってるところが結構あった。
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読者が知りたい「秘密」は「Mckはどのような提案をして『ザ・ファーム』となり得たか」。その肝心の部分にはほとんど触れられていない。かろうじて第6章と第9章に申し訳程度に公開情報を肉付けした内容が掲載されている。
McK盛衰の歴史を辿る本としては悪くない。全体的にはMcKを賞賛しているが一応の批判もある。しかし、原文のせいか翻訳のせいか文章が回りくどく分かり難い。類書の『ブラックストーン』『ゴールドマンサックス』と比べると見劣りする感は否めない。
話は逸れるが大前研一がトム・ピーターズやハーブ・ヘンツラーと並び称されている。著書「企業参謀」の迫力は凄いものがあったが、現役当時の切れ味の鋭さをうかがわせるエピソードだ。
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マッキンゼーの歴史を書いたもの。
面白いが、現在を知りたい場合には物足りないかも。
ハーバードを卒業したばかりの新人をクライアントのCEOにぶつけて、金をもらって教育する、というのは普通の会社でもやっていることで、なんとなく親近感。
というのは嘘で、むしろ企業倫理に反すると思っていただけに、マッキンゼーにたいする情緒的な評価も一気に下がった。
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科学的なアプローチを現実的に経営に取り入れ、仮説とデータ、証拠を用いる手法でビジネスの問題を解決した最初のコンサルティングファーム。
アメリカの成長、躍進の影にマッキンゼーあり。
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マッキンゼー、いやコンサルタントという職業の歴史。アメリカの経済史とともにリーマンショックまでつながる大企業化というゴールドマンと同じような歴史が興味深い
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最初のコンサルタントとしての韓非。p11
ある記者はこう呼んだ「ビジネスの哲人たちの特殊部隊(SWAT)」p12
1966年には、求人を口実に『タイム』に広告を出した。ある広告の見出しには、「マッキンゼーで成功するために必要なことは?」とある。答えは、「複雑な問題を解決する想像力をともなう、一流の教育で磨かれた知力。自信と表現する技術、可能性を引き出すことにつながるほかの人々に対する感受性。そしてもちろん、立派な人格とすぐれた基準」だった。p57
マッキンゼーは革新的なアイデアで称賛されているのではなく、複数の仮説が厳しい現実のなかで生き残るかどうかを試すという、体系的なアプローチで称賛されているのだ。p103
【エンペラー・大前】↔ドイツのハーバート・ヘンツラー p189
(三大スター)トム・ピーターズ、ハーブ・ヘンツラー、大前研一
マッキンゼーを雇ったクライアントが、彼らにはその価値がなかったと明言することは、ほぼない。ある意味でマッキンゼーは、世界中で最も人気があると言われた20世紀初頭のパリの高級娼婦、"ラ・ベル"・オテロと似たような存在だ。カロリーナ・オテロは客をひどくえり好みし、2012年時点の貨幣に換算して100万ドル以上になる途方もない料金を要求した。客にはモナコ大公アルバート一世やセルビア王などがおり、資力のある者なら誰もが一度は付き合うべきだと広く言われていた。では、一度そうしたら、客は何と言うのだろうか。セックスするために100万ドル払ったとしたら、その金の価値がなかったなどと認めるわけがない。p212
マシュー・スチュワート「戦略のアイデアはミネルヴァのフクロウのように、概して組織に黄昏が訪れたときに飛び立つ。古いことわざにあるように、戦略とは弾薬が切れかけても敵に悟られないようにすべての銃を撃ち続けることだ。一般的に、企業は別の方法でみずからの存在を正当化できないとき戦略に頼り、自分たちがどこへ向かっているかわかっていないときに計画を始める」p216
マッキンゼーは確かに、世界に類を見ない最も効率的なCEO製造会社だ。2011年には、150人以上のマッキンゼー同窓生が、年間売上高10億ドル以上の企業を運営していた。p225
ロン・ダニエルは博学な知識人だった。フレッド・グラックは力任せに進む人間だった。ラジャット・グプタは、ダニエルともグラックとも違って、洗練された反知性主義を持っていた。p263
アシュランド・オイルの社長になった同窓生のパウル・シュレグレンは、1993年の『ビジネスウィーク』で「マッキンゼーで働くことは、いいビジネス経験になる。いくつもの企業と産業、それらが抱える問題を短期間で見ることができる、凝縮されたチャンスだ。学士号を取って、MBAを取って、そしてMCK(マッキンゼー修士)が得られる」p352
元ディレクター(ラジャット・グプタについて)「彼はマーヴィンの価値観を具現化しなかった。はるかに商業的だった。そもそも、彼がゴールドマンの取締役になったとき誰も驚かなかったのは、それが理由だ。彼に対する憎悪が強いのも、そうなるのがわかっていながら、止められなかったからだ。彼がいたときに会社はぼろ儲けして、いまになって罪悪感を覚えている」p373
《終章 マッキンゼーはこれからも勝ち続けるか》p377
【もはや最高の就職先ではない】
マッキンゼーはライバルのどこよりも人に投資しているが、すぐれた人材にとっては単なる通過点になってしまうリスク、つまり若手をより刺激的なキャリアのために訓練するための場所になるおそれがある。p381
マーヴィン・バウワーは、マッキンゼーが信頼される地元銀行と同様に見られるようになることを望んでいた。しかし今日のマッキンゼーは、近所にある親しげな銀行よりも、むしろ全国規模あるいは世界規模の金融コングロマリットに似ている。いまやマッキンゼーは古めかしい大企業で、1960年代と1970年代に同社が助言していた巨大企業そっくりだ。そのクライアントが企業でも役員でも、仕事の相手は以前よりずっと大きくなった。コンサルタントが取り組むことになる問題は巨大だ。しかし同時に、いまのマッキンゼーは以前は軽蔑していた官僚機構への対応により多くの時間を費やしており、その外側ではなくより内側に入り込むようになっている。p389