日暮雅通のレビュー一覧
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綿密に計画された犯罪は個の心理から構築される唯一無二の芸術品…心理の追跡は物的証拠や状況証拠よりも尊い…
なんと心理探偵は1926年に既に誕生していたのか。ポアロが心理云々を重視するようになったのは確か中期あたりから(?)だし、ロジャー・シェリンガムとはどっちが先なのだろう。
黄金時代の幕開けと称されているが、幕開けから既にこんなに皮肉られまくってるのジャンルとして煮詰まりすぎだろう。やや弱めの多重解決要素まであるし。今や英国のバークリーと共に米国では忘れ去られた悲しき作家らしいが、いまだに本格が根強い孤高の島国ではいつまでも読まれ続けられるのではないか。 -
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ネタバレ「見立て殺人」の始祖的作品ということで読んだ。マザーグースの歌になぞらえて殺人が行われる。
登場人物がかなり死んだのもあり、最終的に容疑者が教授、その弟子筋にあたる数学者の男性、教授の姪くらいしかいなかった。この弟子の数学者男が犯人かと思わせておいて(作中でもヴァンスがその体で話を進めていて)最後の問答をしているところで教授がワインを飲み死ぬ。教授が数学者男を犯人にするために仕立て上げた犯罪だったと判明する、という流れ。
序盤から捜査に顔を挟んできた数学者男が犯人かと思ってたら教授だったので驚いた。ひとつひとつの殺人はマザーグースの見立てがあるだけで、どの殺人も容疑者達なら可能な内容だった。タ -
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ネタバレお初の方の本。ミステリ界では有名で古典と呼ばれてるらしい。探偵役は美術にちょっとうるさいタイプで、助手はほとんど…というか、まったく喋らない。ニューヨークにある古い屋敷に縛り付けられた一族の血塗られた事件。どいつもこいつも性格が悪く、家族同士でいがみあっている始末。母親なんて目も当てられない。それから捜索等が全くもって進まず、しかも探偵役が真相にたどり着いても、まだ待て、まだその時じゃないと止めてくる始末。あんまりにもゆったりしすぎてる。屋敷内は調べ上げたのに、屋敷の外や庭はまったく捜索されなかった。最後もなんだか分かりにくい。私には合わなかった、残念。
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ネタバレニューヨークのフォーリーズで活躍してカナリヤという愛称のあった美女(今で言うラウンジ嬢とかプロ彼女?)が殺された事件のお話。
犯人は妻子持ちのおじさんだった。レコードに女声で台詞を吹き込み女性が生きてるように見せかけて殺害時刻を偽装した。
殺人を実行している時にワードローブ内にカナリヤを恐喝しにきた別の男が隠れていたことが話をややこしこくさせていた。
探偵ヴァンスの「自分の生命はその当人のもので、当人が好きなようにしてよい。(中略)僕は、むしろ自殺は人間に残された唯一の権利だとまでいいたいくらいだよ」という思想のもと、犯人は拳銃で自殺して幕。 -
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ネタバレYの悲劇ほどではないが、衒学的で読みづらい。
ドイツ語やギリシャ悲劇の引用などが多数出てくる。
メトロポリタン美術館のことを「ヨーロッパが引き取りを拒否した死体の陳列室」と評したのは面白かった。
探偵は貴族のファイロ・ヴァンス。著者のヴァンダインが友人として事実を記録したかのように書いてある。
要素は、古いお屋敷、奇妙な一族、一族の連続殺人。
屋敷から人を離れさせない理由として、亡くなった当主の遺言で「屋敷から離れたら相続権なし」としていた。
犯人は養子の末っ子。実父がドイツ人の精神病にかかっている殺人鬼で、血筋が悪さをして犯行に及んだという筋書きだった。自作自演で自分を撃ったり、警察と -
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ネタバレカナリアと呼ばれたブロードウェイの女優が、自室で絞殺される。部屋は激しく荒らされ、完全な密室だった。事件の晩に男と出掛けた後自室に戻ってからは、誰も部屋には入っていないとメイドや電話交換手たちは証言する。
検事マーカムに呼び出された探偵ファイロ・ヴァンスは、こじ開けられた宝石箱やわざと倒されたランプなど、荒らされた部屋の中の様々な矛盾を指摘する一方、カナリアと関係の深かった男たちを取り調べていく。
カナリアと関係のある男たちは誰しもが何かを隠していたり、微罪を犯していたりする。事件の晩も自然とカナリアのもとに引き寄せられるなど、死に際しても男たちを翻弄するカナリア。
クローゼットに隠れ、目の前 -
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ヴァン・ダインのデビュー作。
好きな順に読んでしまうので、シリーズものなのにデビュー作が最後になってしまった(^_^;)
でも「最初はこんな感じだったんだ!」と後から知るのも結構楽しい。
〈名探偵ファイロ・ヴァンス〉が好きになったのは心理学的推理をするところ。
バークリーの〈名探偵シェリンガム〉も同じく心理学的推理。
バークリー作品の解説によると、アメリカでベストセラーになっていた同じ心理を扱うヴァン・ダインを意識していたのではと書いてあった。
次第に心理的なものを扱わなくなったヴァン・ダインに対して、バークリーはとことん心理的なものを追求していったらしい。
物的証拠にこだわる地方検事マー -