山本兼一のレビュー一覧
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ネタバレ信長の夢は、天下一の棟梁父子に託された。
天に聳える五重の天主を建てよ!
巨大な安土城築城を命じられた岡部又右衛門と以俊は、無理難題を形にするため、
前代未聞の大プロジェクトに挑む。
信長の野望と大工の意地、情熱、創意工夫
すべてをのみこんで完成した未曾有の建造物の真相
職人魂の素晴らしさを改めて実感させられた一冊です。
木と向き合い、天主と向き合う。
石と向き合い、石と対話する。
自分の仕事に徹底したプロ魂を持った職人さんたちがいて、
それを束ねる総棟梁(岡部又右衛門)がいて、
独創的なアイディアを好む信長がいて、
それで名城が出来ない訳がありません。
岡部又右衛門父子の親子の絆もし -
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老舗の茶道具屋の娘ゆずと、彼女と駆け落ちした奉公人真之介、彼らが営む道具屋「とびきり屋」を舞台にした連作短編7編。
各編に、幕末の歴史上の人物が登場する。
表題作「千両花嫁」には、近藤勇。以下各編に、高杉晋作、坂本龍馬、勝海舟、土方歳三、武市半平太、芹沢鴨。
そして、著者は彼らの顔の特徴を、真之介の目を通して詳細に記し、人物評価としている。
例えば坂本龍馬、「額が良い。形よく広がった額は、明るく開放的で、天真爛漫な質をあらわしている。…とてつもなく大きな夢や野心を抱いている男に違いない。それを実現する行動力もあるだろう」
各人それぞれの特徴を述べ、歴史ファンには、それを読むだけでも楽しいことだ -
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面白かった!そして儚い
安土城築城における棟梁親子とプロフェッショナルたちの熱い物語!
織田信長の無理難題に挑む棟梁とその息子。
大工の意地と情熱と創意工夫でそれを解決して、城を築き上げていきます。
親子の確執あり、築城を邪魔するスパイ活動あり、さらには、巨大建造物を構築するためのさまざまな苦労、犠牲ありと、プロジェクトXさながらのストーリ展開。
とりわけ、大通柱4本の運搬の大変さや巨石の運搬に携わる過酷さなど、当時重機がない中でどのようにしてそれらを運ぼうとしていたのかが詳細に語られています。
すごい...
そうした木材のプロ、石材のプロ、大工のプロ、さまざまなプロ達の衆智を結集し、プ -
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5名の小説家による歴史座談会。山本兼一さんが亡くなられたので、途中から4名になっています。信長・秀吉・家康・幕末がテーマの4回。
やはり、同じ歴史上の出来事でも、それぞれが着目する点って違うんだな、と当たり前なんだけど新鮮に感じました。それだからこそ、数々の歴史小説を読む意味もあるというものです。まだまだ読書量も勉強も足りません。
司馬遼太郎の影響について言及されているのも興味深い。ざっくりいうと、司馬遼太郎を超えて行け、ということですな。あの竜馬を超えるのは大変でしょうねぇ。
三国志演義と三国史は別物。それに気づいたのっていつだろう?史書でなく小説・マンガから触れることが多いのが歴史だと思