山本兼一のレビュー一覧

  • 花鳥の夢

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    最初はあんまし面白くないなぁ、と思ってて。
    何故かとよく考えたら、主人公家柄にも才能にも恵まれ、最初から順風満帆。みんなに尊敬されて、目上にも可愛がられてなにかと引き立てられる。
    そんな話、誰が読みたい?

    面白くなるのは、長谷川等伯が出てきて、嫉妬で非常に狂ってくるあたりから。

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    2015年11月11日
  • 花鳥の夢

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    寺院や山門の天井とかが気になるようになった。絵師かあ・・実在した時代があったことがファンタスティック。

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    2015年11月09日
  • 花鳥の夢

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    ネタバレ

    天才絵師 狩野永徳
    天才ゆえに弟子に任せられきれない葛藤、
    狩野派頭領としての守りの立場と一絵師としての新たな境地を切り開く攻めの気持ちとの葛藤、
    長谷川等伯の技量を認めながら、それに負けまいとする矜持、
    常に葛藤を抱えながら、国宝を次々と産み出し、絵を描き続け、絵を描いている最中に過労で亡くなる。
    絵については負けることを許さず、描き続ける壮絶な人生を、絵を描くことで得る至福の中で終える事ができたのであって欲しいと思う。

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    2015年05月06日
  • 信長死すべし

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    ネタバレ

    これまでに何度となく本能寺の変に関する本は読んできたので、もういいんじゃないかと思っていましたが、作者が「利休にたずねよ」「火天の城」の山本兼一であり、しかも昨年秋か冬に亡くなったということも知っていたので、読んでみました。

    長い戦国時代を統一した信長については、その強烈な個性により、多くの人物が「信長死すべし」と願っていたでしょうが、その中でなぜ忠誠心厚く、信長に最も信頼されていた光秀が討ったのか、その動機については諸説あり、ここでは正親町帝(おうぎまちてい)の陰謀説に則った話でした。

    つまり、この日の本の国を支配しているのは帝であり、朝廷である。しかるに、信長はその帝からの官位を全く受

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    2015年04月18日
  • 信長死すべし

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    全1巻。
    本能寺の変の真相。

    いいね。
    すごくいい。
    なんで逝っちゃったの山本先生。

    朝廷黒幕説を採用した本能寺の変。
    で、
    群像劇。
    これがすごくいい。
    帝や公家、信長や光秀などそれぞれの思惑が錯綜し、
    緊張感が持続して目が離せない。
    朝廷が信長討伐を決意する経緯や
    信長の国家観にも説得力あるし、結構新鮮。

    惜しむらくは本能寺後の扱い。
    ここはもっと薄くて良かったんじゃないかと思った。
    少ない枚数で明智が討たれるまでを扱ってるので、
    駆け足の状況説明になっちゃってる。
    明智と朝廷のやり取りも前半に比べると説得力が弱い。
    物語は明智の絶望で終わって
    数行で事後を説明くらいでも良かったんで

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    2015年01月07日
  • 銀の島

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    戦国時代に、日本と外国との間でどのような交流があったのか。
    最近、この時代に対する興味が高まり、関連する本をいくつか読んでいます。
    この小説は、『火天の城』など戦国時代の”職人”を描いた作品が特徴的な、山本兼一による一冊。
    舞台は16世紀中ば。
    薩摩の国侍の次男、安次郎の話から始まります。
    ある事情により国を出ることになった、安次郎。
    彼がいきついた先は、マラッカ。
    そこで出会ったのが、ザビエル神父。
    スペインとともに、地球を二つに分けて半分を”自国領”だとしたポルトガル。
    その広大な、”アジア領”で布教活動をするザビエル。
    布教するのにふさわしい国を探すザビエルと、理性を持ち礼儀正しい”白人

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    2015年01月05日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    赤絵そうめん/しょんべん吉左衛門/からこ夢幻/笑う髑髏(しゃれこうべ)/うつろ花/虹の橋

    前作が、時代のせいもあってちょっときな臭くなってきて不安だったのですが、今回また、ええ話たくさん読めました。
    しかし、芹沢という名前が出て来ると、うわ~招かれざる客来た!という気分になります。
    あと、若宗匠…これも、坊ちゃんの赤シャツポジションというか、それ以上の味出してますね、さぶいぼたちますわ。

    若夫婦の道具屋が、父親世代の大店とは違う、自分たちの商いのやり方で、お客さんたちに認められて行くのが、読んでいて気持ちいいです。

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    2016年05月22日
  • ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

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    京都古道具屋の第二弾。
    作者がお亡くなりになっているので、あと二冊かと思うと、なかなか読む気になれず。ゆっくり楽しみます。

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    2014年10月04日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    とびきり屋見立て帖シリーズ第3弾。

    道具屋夫婦のモノに対する愛着や、無理難題を解決しようとする姿など、前作よりもほんわか感がパワーアップしている気がする。
    幕末のあわただしくなってきた京都で夫婦がどのように過ごすのか、続きが気になる。

    著者の山本兼一さんが亡くなられたことを本当に残念に思います。

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    2014年07月20日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    龍馬や新撰組など幕末を賑わせた人々の行く末と、主人公夫婦がどう関わって行くんだろう、と思って気になっても、もう続巻は出ないんですよね。残念です。若宗匠もやっといいとこ見せてくれたのになあ・・・

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    2014年06月14日
  • 銀の島

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    全1巻。
    先日、惜しくも亡くなられた
    山本兼一先生のフランシスコザビエル。

    ザビエルは聖人ではなかった?
    日本に来た本当の目的は?
    なんとなくダヴィンチコードを思わせるような
    歴史ミステリーな物語。

    島国日本で、特に日本史となると
    日本が世界の全てみたいに感じてしまうけど、
    今作は世界史の中の日本って感じで
    目が開かれた感じ。

    エンタメとしての要素もちりばめながら
    うまく歴史のifを構築する手腕は
    さすがとしか言いようがない。
    本当に、本当に、早すぎる死が惜しまれる。

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    2014年06月06日
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    ネタバレ

    剣でも銃でも武器っちゅうのは人殺しの道具であるにも関わらず、温厚な人間であっても何かしら気にかかるもんなのである。それを持ちたいか、使いたいかというのはまた別の話。

    さてこの小説、時は黒船来航の幕末当初、所は花のお江戸、訳あって武士の父親から破門され刀剣屋に婿養子に入った日本刀フェチが主人公。話は全て刀に関わるちょっぴりダークな雰囲気をもった短編集である。

    主人公含め出てくる人物それぞれにクセがあって、単純な人情市井時代小説になってないところが良い。そういうのは宇江佐真理なり、花魁を取り戻そうとする女料理人なりに任せておけばよいのだ。

    村正が妖刀と呼ばれる所以の分かる「心中むらくも村正」

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    2014年04月22日
  • 火天(かてん)の城

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    安土城建築を指図する岡部父子の仕事への没頭の様子を描いている。
    テーマは魅力的だし、建築にかける棟梁の本領が、迫力をもって伝わってくる。

    しかし、『利休に尋ねよ』でもそうだったのだが、この山本兼一という作家の文章には微かな違和感を感じる。上手く説明できないのだが、印刷されたページ面をパラパラとめくった時に各ページに個性が無いような感じ。全編が単色の細密画のような雰囲気で、作品全体の中の構造性が、ページづらからは感じられないといったらよいのか。
    シーン毎の描写は精密で美的なのだが、全体として組み合わせるときにプロットの理が勝ち過ぎているのかもしれない。

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    2018年10月14日
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    刀にも人間と同じように、
    それぞれ個性や表情を持つことを
    この小説を読んで知った。
    刃の表情を刀紋(はもん)というらしい。

    旗本の家に生まれながら、
    刀に対し並外れた鑑識眼を持つために、
    将軍家の刀剣を管理する
    御腰物奉行の父と喧嘩し、
    勘当された男が、
    武家社会に嫌気が差し、
    刀屋に婿入りしてしまう。

    喧嘩別れした父に頼まれ、
    折れてしまった正宗の
    代わりとなる刀を用立てる表題作など、
    町の刀屋になった男ちょうじ屋光三郎が
    仲間の刀鍛冶等も巻き込み、活躍する
    七つの短篇小説集。

    ほろ苦い読後感のものもあるが、
    全編読み終えた後、気分はすかっと
    秋晴れに。

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    2013年10月13日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    幕末で天才・高杉晋作と並んで好きな無私の人「山岡鉄舟」。二人とも『春風』のよう。江戸城無血開城を実質的に地ならしし、天皇の侍従として「忠臣とは山岡の真似をすればよい」と言わしめた鉄舟。
    西郷隆盛の鉄舟評「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」は有名だが、鉄舟のいう武士道は、日本の精神的原理、武士だけでなくすべての国民が踏み行うべき道。

    神渡良平「春風を斬る-山岡鉄舟伝」とは違う感覚だが、山兼ならもっと人物を物語として掘り下げて欲しかった。面白い伝記だが、有名なエピソードをちりばめすぎて物語とし

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    2013年06月18日
  • ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

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    ネタバレ

    “はんなり系”なのに、そんなに倒幕運動に巻き込まれちゃダメ~!!
    ・・・と、ハラハラしました。
    芹沢鴨にカモにされてドタバタは、まだ笑える部分もあるけれど、古高のお手伝いなんかしたら、土方さんに捕まって拷問されてしまいます・・・
    坂本龍馬、ときたらお龍さんが出てきそうですが、桂さんと幾松さんが出てくるところがちょっと好み。

    『ええもんひとつ』は、日常の買い物を含め、生き方の参考にもなりますね。心に留めておきたい。

    それと、解説にもあったのですが、(わが国における)骨董の最大のコレクターは骨董屋・・・
    雉の香炉を「こないにええもん、ひと様に譲れますかいな」と自分の持ち物にしたゆずに、なんだか

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    2016年05月20日
  • 利休の風景

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    「淡公」に連載したエッセイ、というよりは評論に、対談を加え
    て単行本化した作品。

    侘び茶を完成させた千利休については、著者には『利休に
    たずねよ』の作品があるが、執筆の動機となった著者の利休
    論が、現存する茶室や茶道具を通して展開される。

    それは、「侘び」の枯れた利休像ではなく、定型的な中世の
    「書院の茶道」を破壊し、ルネサンスに対比しうる新しい美
    を求めた、革新的なエネルギッシュな利休像である。

    そして、その極限まで美を追究する姿勢が秀吉に嫌われ、
    表現者としての自己を曲げなかった利休は切腹を命じられ
    たのだとする。

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    2013年02月23日
  • 利休の風景

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    利休のセンスを独自の視点で捉え、秀吉との関係、楽茶碗、待庵、等伯などについて論じており、新しい発見を感じました。
    小説とは違う読み応えのある一冊でした。

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    2013年01月19日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    とびきり屋見たて帖シリーズ1作目。
    駆け落ちした若夫婦をつい応援してしまいます。私はこれはコレで好きですが、「いっしん虎徹」から読み始めた人には、少しもの足らないかも…
    気軽にほっこりしたい人におすすめ。
    気にいれば、2作目「ええもんひとつ」へ。

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    2012年12月11日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    勝海舟に信頼され、西郷隆盛の親友で、清水の次郎長に先生と言われた、山岡鉄舟の一生。まさにラストサムライ。全てにおいて「本気」だから魅了される。書き手より書かれ手の凄さに惹かれた。

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    2012年05月11日