山本兼一のレビュー一覧

  • 修羅走る 関ヶ原

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    映画「関ヶ原」の予習のために購入。
    これを読むと生死をかけた土壇場にこそその人の真の姿が明らかになると痛感する。

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    2017年08月30日
  • 火天(かてん)の城

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    ・あらすじ
    破竹の勢いで天下統一事業を進める織田信長に天下人に相応しい前代未聞の巨城を築くように依頼された職人親子の奮闘を描く歴史小説。
    ・感想
    現代も、戦国時代も、サラリーマンという生き物は苦労が絶えないようである。

    信長は型破りな独創家として知られる。となると注文も型破りなものになる。まだ西洋という存在を知って間もない頃に日本人に西洋風の城を建てよと未踏の地の城を要求する。普通に建てたら倒壊しかねない規格外のスケールの城を注文する。小惑星かと見紛うような巨大な岩石の見栄えが良いからあり得ない傾斜を登らせろと命令し何百人もの人足が岩の下敷きになる。次々と信長は無理難題を吹っかける。誠心誠意

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    2017年08月29日
  • 火天(かてん)の城

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    ネタバレ

    「安土山の頂きに天下にならびなき天守を建てよ」
    織田信長に安土城築城を命じられ、壮大な天下一の城を建てる!
    信長の奇想天外な要望に応えていく匠達。
    身を励んで工夫する。知恵を絞って汗をかく。迷った時は心静かに木に耳を傾ける…。
    古の匠達の職人魂には頭が下がるばかり。

    「城は腕で建てるのではない。番匠達の心を組んで建てるのだ」
    天下一の匠達の情熱の込められた安土城。
    やはり本物をこの目で見たかった!
    今回は棟梁目線で描かれた物語。
    主役ではないのに信長の圧倒的な存在感に唸るばかり。
    やっぱり信長は偉大だ!

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    2017年08月20日
  • 信長死すべし

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    本屋で「利休にたずねよ」を超えた!とPOPを見て、「利休にたずねよ」が好きな私としては、イヤイヤあれを超えるのはそう難しいだろうと訝しく思いながらも、読んでみる。
    一ページ目から面白い予感。帝、信長、その周りの人物と目線を切り替えながら、信長死すべしに向けて話は進む。

    他では明智光秀は良い扱いされていないが、なるほどなと、この流れに納得する。紀元前から続いてきた帝の流れを守ったものとしてみると、私の中でも英雄になった。

    人物が切り替わりすぎて、付いて行きずらい感はあり、「利休にたずねよ」は超えてないだろと思うが、歴史的好奇心がくすぐられ楽しい一冊。

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    2017年08月08日
  • おれは清麿

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    近藤勇の『長曽祢虎徹』は本当は『源清麿』だったという逸話がきっかけで手に取ったもの。女から見ると『ダメ男』なんだろうけど、なんだか憎めないのは自身の仕事に愚直なまでに誠実だからか。最後どうするんだろうと思っていたらこうきたか、というラストシーンで物悲しさと同時になにかさっぱりしたものも感じた。

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    2017年04月28日
  • 花鳥の夢

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    狩野永徳の絵師としての生涯。描くことへの執着と自分への過信、そして情熱。長谷川等伯との確執に至る絵画観の根本的な差違。芸術論であり人間論でもある狩野永徳の一代記。絵のなかに鑑る人の空間を作る必要があるか否か、描く姿勢が真剣過ぎて鑑る人を疲れさせないか、描くことが楽しくて仕方なくそこにしか生きている実感を感じられない等々、絵師永徳の本領を山本兼一が存分に表現している。

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    2017年03月21日
  • 花鳥の夢

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    いっしん虎徹もそうだったが、著者の主人公は思い詰めて激情に駆られる、心力が迸るような描写が引き込まれる反面、読後感にぐったりするような感覚がある。
    この後、未読の「等伯」を読んで見たくなった。

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    2017年01月08日
  • 火天(かてん)の城

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    冷眼ににて人を観、冷耳にて語を聴く
    女人は家内の日輪ゆえ、微笑む
    木を組むのが番匠の仕事で人を組むのが棟梁の仕事

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    2016年12月24日
  • 心中しぐれ吉原

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    山本兼一さんの遺作の一つ。
    最終章は未完。文章として推敲されてない下書、プロットと言うべきものが書体を変えて掲載されています。(あとがきが著者の奥さんで、その辺りの経緯が描かれています)
    タイトルを見て最初は手を出すべきか悩んだのです。元々私は恋愛ものはさほど得手では無く、さらに山本さんにしてもそうだと思うので。しかし予想は覆されました
    札差・大口屋文七の粋な生きざまと、花魁・瀬川の愛情。なかなか読み応えがありました。プロットだけの最終章も見事でした。

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    2016年07月16日
  • 火天(かてん)の城

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    安土桃山時代のプロジェクトX。いつの時代の話であっても、自分の腕に誇りを持って仕事をしている人の話はどれも好きです。
    安土城の実物を見てみたかったなあ。

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    2016年07月05日
  • 利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

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    ネタバレ

    シリーズ1作目の「千両花嫁」の後、
    第2、3と続けて読みたいと思っていたのだけど
    本屋には置いていなくて、図らずも最終巻
    安定した面白さ
    第1作目では、自信がなかった真之介が
    堂々とした旦那さんになっていて頼もしい
    相変わらず仲のいい夫婦にもほっとする
    終わってしまったのがとても残念

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    2016年06月23日
  • 利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

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    シリーズ最後になってしまいました。京都の道具屋「とびきり屋」の真之介とゆずさん。

    これからも続いて欲しい作品だったのに残念です

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    2016年05月18日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    ネタバレ

    山本兼一さんの本は『利休にたずねよ』以来です
    すごく好きで面白く、また読みたいと思っていたのに
    なんとなく後回しにしていたら、亡くなってしまった
    とびきり屋見立て帖シリーズは4作で終わってしまったらしく
    それなら1作目から読んでみようと思いました
    幕末の時代の新撰組や土佐藩士、坂本龍馬などを
    町人夫婦の目から見、また道具屋での生活や
    あの時代の京都の町の様子が生き生きと表現されています
    これは、続きも読まなくちゃ

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    2016年05月07日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    風雲急の幕末京都で、けっこう物騒な事件も起こったりしているのだが、ほっこりした京都方言のお蔭でなんとも良い具合に中和されている。

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    2016年05月06日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    シリーズの三作目
    このシリーズはもっと永く続いて欲しかったです。
    笑う髑髏には作者の気持ちを代弁しているかのような箇所があります。
    山本さんの陶器の知識の深さには驚きます

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    2016年03月13日
  • ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

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    駆け落ち同然で夫婦になったゆずさんと真之介さんが営む、京都の道具屋「とびきり屋」のお話です。二作目
    二人の優しさがとても感じが良く読みやすい作品です

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    2016年03月13日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    山岡鉄舟の小説。
    歴史ものだが難しい言葉も少なく読みやすい。
    歴史小説にありがちな退屈な幼年期もない。
    ただエピソードをつなげた感があるのでまとまりがイマイチない。
    愚直すぎる主人公。ただ貫き通す。

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    2016年02月06日
  • 花鳥の夢

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    一気読み。
    永徳が描くことを止められないように、その勢いに巻き込まれる感じで止められなくなった。
    思い描いていた永徳像を裏切らない。
    気力を尽くして描き、生きるその様が、とても苦しく悲しく、とにかく疲れた。

    才を持って生まれてしまった人の業。ただただ壮絶。

    これだけ身を削らなければならなかったのか。
    そうでなくては描けなかったのだろう圧倒的な画。
    そうまでして作り上げたものの悉くが、灰燼に帰してしまうその運命はあまりにも悲しすぎる。
    時代とは言えもっと、後世に残っても良かっただろうに。見たかった。

    等伯夫妻の登場でより深く、暗く、画業に囚われていく心理が鬼気迫る。
    何度も打ちのめされ、そ

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    2015年12月23日
  • 花鳥の夢

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    狩野永徳の一代記。書きたいものと書かなくてはならないものとの葛藤。一族を背負う重圧。長谷川等伯への嫉妬。とかく人の世は生きにくい。

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    2015年12月19日
  • 花鳥の夢

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    直木賞受賞作『等伯』の前にこちらを読む。

    どの時代にもライバルというのはつきもの。あってこそお互いに磨きがかかる。
    また逆もあったりするから面白い。

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    2015年12月12日