あらすじ
山本さんによって清麿の謎がひとつ解かれたと考えるべきだろう――
【巻末解説:葉室麟】
「この刀はおれです。おれのこころです。折れず、撓まず、どこまでも斬れる。そうありたいと願って鍛えたんだ」
信州小諸藩赤岩村に生まれた山浦正行、のちの源清麿は、九つ上の兄真雄の影響で作刀の道にのめりこむ。
隣村の長岡家に十八歳で婿に入るが、刀に対する熱情は妻子をおろそかにさせるほどたぎるのだった……。
幕末最後の天才刀鍛冶、その波乱の生涯を描く!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
近藤勇の『長曽祢虎徹』は本当は『源清麿』だったという逸話がきっかけで手に取ったもの。女から見ると『ダメ男』なんだろうけど、なんだか憎めないのは自身の仕事に愚直なまでに誠実だからか。最後どうするんだろうと思っていたらこうきたか、というラストシーンで物悲しさと同時になにかさっぱりしたものも感じた。
Posted by ブクログ
全1巻。
「刀剣商ちょうじ屋光三郎シリーズ」にも出てくる
刀鍛冶・源清麿の生涯。
著者の真骨頂、職人もので刀鍛冶。
面白くないはずがない。
いろいろ不明なところがあるらしい清麿を
説得力ある物語で再構築した手腕はさすが。
ただ、なんでだろ、
ちょっとあっさりした印象。
というか、
そもそも清麿が打った代表作ってどれなんだろう。
刀の素人でも名前を知ってるような
有名な刀打ってないのかな。
清麿って名前のメジャーさに比べ、
刀自体はメジャーじゃないのかな。
あっさりした印象の根は
刀自体の印象の少なさな気がしてきた。
最初に打った刀が、
清麿本人にとって重要なのはうなずけるが、
目利き達にも評価され続けるのもちょっと出来過ぎ。
その原因も、
飛び抜けた代表作の不在(物語中で)のせいかも。
著者が清麿を描いたってのは、
個人的には著者が本丸に攻め入ったってイメージだけど、
「いっしん虎徹」の方が好きだったかも。