山本兼一のレビュー一覧

  • 白鷹伝 戦国秘録

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    鷹匠という未知の世界の物語としても、戦国期に生きた一武将、一職人の物語としても、なかなか面白かった。韃靼のからみは、やや馴染めなかったが。

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    2023年10月31日
  • 信長死すべし

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    最近読んだ同著者の『火天の城』や『花鳥の夢』に被る部分があり、とても面白く読めた。

    最終的に行き着く所は、誰もが知る”本能寺の変“なのだが、そこに行き着くまでの流れを章ごとに視点を巡らせながら進めていくスタイルで話がテンポ良く展開し、読者を飽きさせない。

    織田信長という人物の人となりやその勢い、また彼が見据えていた日本の展望や周囲の人間関係がページを捲るごとに徐々にくっきりと浮かび上がってくる。

    『利休にたずねよ』をきっかけに山本兼一氏の作品を読み始めたが、十数冊読んでハズレがない。

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    2023年10月02日
  • 火天(かてん)の城

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    「できるかできぬか」ではなくて、「自分がこの天主を建てたいかどうか」だ。
    方法、手段は置いといて。考えずに感じる。
    だからこそ、岡部又右衛門は信長に取り立てられたんだろうな。
    改めて安土に行きたい!って思う。

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    2023年05月12日
  • 火天(かてん)の城

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    『利休にたづねよ』で山本兼一氏の作品を知り、どっぷりハマってしまった。『花鳥の夢』で本編の主人公岡部又右衛門が登場したのをきっかけに、本書を手に取った。

    戦国時代の城が建つ背景がよく分かる一冊。職人気質でこれぞプロフェッショナルという魅力的な人物が多々登場し、職人の心意気のようなものが感じられ、仕事とは何かを改めて考えさせられた。

    リズムよく話が展開し、章ごとに視点が変化し読書を飽きさせず、目まぐるしく時代が変化した戦国時代の話であることも相まって躍動感に溢れおり、グイグイとストーリーに引き込まれた。さすが松本清張賞受賞作品。

    とびきり家シリーズもこれからの面白そうな展開になりそうだった

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    2023年05月11日
  • 利休にたずねよ

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    千利休は歴史で習い知っていましたが、ここまで美に追求する人だとは思いませんでした。若い時に出会った女性が利休の中で生き続けているのと言うのが印象的です。色々な人物の視点で描かれるので、利休という人物像が想像しやすく、読み応えがありました。

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    2023年04月14日
  • 利休にたずねよ

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    利休切腹の日から50年以上前まで遡っていく書き方が秀逸!周りのいろんな人の視点から利休について書かれているのも面白かった。
    ただ、高麗の女の人の話はフィクションだと思われるけど、利休が茶の湯を極めた根本に関わる部分をそこまで作り上げていいのか?!とは思ってしまった。
    茶室での利休の振る舞いや細かい心の動きなどを表現する文体が美しかった。

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    2023年03月14日
  • 火天(かてん)の城

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    安土城を建てた大工を中心に、着工から竣工、そして本能寺の変までを描く。

    壮大なスケールのお仕事小説。3年という工期の間、事件や揉め事、それぞれの葛藤がありつつも大勢の力が合わさって、とてつもないものが形になっていくのが生き生きと描かれている。
    しかし、先後は悲しい。ものすごい知恵と技が結集されて形になったものが跡形もなくなってしまう。まるで、焼かれるために建てられた城のようで、そして城と共に築城に関わった人たちの思いも煙となってしまったようで、とても切ない。

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    2022年12月25日
  • 利休にたずねよ

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    歴史的に大変有名な千利休という人物を、彼に関わった人物らの目を通して語られる。茶道の先駆者であり、日本を支配していた信長等に重用された利休とはどのような人物だったのか。
    切腹するその日から遡り、描かれる利休の過去には、ある女性がいた。利休は秘めたる想いを抱え、美学にも影響を及ぼした。利休という人間を身近に感じられるようになる一冊。
    直木賞受賞作。

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    2022年05月27日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    命もいらず、名もいらず、官位もいらず。
    まさに幕末の無血開城の立役者である。生き方に一本筋が通っている。
    明治維新、近代日本の幕開けにとり、まさに影の立役者であり、欠くことのできない人物である。

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    2022年03月16日
  • 夢をまことに(上)

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    国友一貫斎藤兵衛、江戸出張と発明の日々。
    山本兼一氏のエンジニア・職人への敬意が随所に感じられる。丁寧な口調ながら決して真人間とはいえない主人公も面白い。

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    2021年11月02日
  • 火天(かてん)の城

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    お城についての見方が変わった1冊。
    安土城を作る親子2代の番匠、城の支柱となる木曽檜に命をかけた杣、御神石と石工の戦い。。。
    また、城を作るに対抗する乱破。
    コンピュータも、重機もない時代に城を作るって、
    そりゃすごいことやな。と、しみじみ。
    その当時の安土城、是非一眼見ておきたかった。

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    2021年08月22日
  • 利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

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    明珍の自在置物や楽茶碗の存在をこの小説で知り、画像検索してみました。
    想像してた以上に精巧な品物である事にビックリし、数百年前の日本にこんな素晴らしい物があった事を知れて自分の世界が広がったように思います。
    品物やその時代のイメージを膨らませる読みやすい文章で、この続きを読めない事が残念でなりません。

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    2021年08月08日
  • 赤絵そうめん とびきり屋見立て帖

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    「道具屋」という商売を通してその時代に生きていた人の価値観が垣間見えた。
    たかが道具されど道具。
    政治的な要素も絡んでいるせいか、今以上に品物の目利きが求められていたように感じる。
    店として良いものを揃えるのはもちろん、取り扱う店主の心持ちがいかに大切かが印象深かった。

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    2021年07月30日
  • 火天(かてん)の城

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    熱田の宮大工が安土城を築くエンジニア時代小説。
    精神論だけではなく緻密な計算が大仕事を成し遂げると気付かされる。領国一帯を挙げての国家的プロジェクトであったことを深く理解できる。
    映画は適度に省略された良作だが、岡部親子の葛藤と友情を排して安っぽいラブロマンスに置換していたのは残念。

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    2021年01月30日
  • 信長死すべし

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    テンポが良くて非常に読みやすい。
    命のやりとりを日常的に行なっていた戦国時代に生きる人々尊敬の念を抱くばかり。

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    2020年12月17日
  • 火天(かてん)の城

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    御大工・岡部又右衛門一門の視点から見た安土城築城の物語。現代の我々は安土城が空前絶後の構えであったことや、焼失したことも知っている。又右衛門の息子に対する不器用な振る舞いは、人の親となってみれば合点もゆく。職人の視点であるからこそ、用材の調達や運搬、基礎・石垣を含む土木工事、天守の設計施工のたいへんさが伝わってきた。穴太衆の頭・戸波清兵衛と又右衛門の、プロとして気脈が通じる描き方も良かった。

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    2020年10月10日
  • 夢をまことに(上)

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    ネタバレ

    鉄砲鍛冶の一貫斎は、何事にも理屈、道理があると信じており、技術を学び、よい道具をつくって世の人々を幸せにすることを目標にして生きている。
    夢をまことにするのが一貫斎の仕事だ。
    失敗するから成功する。失敗には原因があり、それを見つけて改めれば成功すると確信している。そして成功とは、それを信じて努力を重ねた人だけが手に入れられる。人間は求めたものしか手に入らない。逆に求めていればすぐには無理でもいつかは必ず手に入る。大切なのはずっと求め続ける事だ。棚からぼた餅が落ちてくるように、怠け者が望むものを手に入れられるわけがない。人生は他人と同じ歩幅で歩かなくてもよい。自分で考え、自分の歩幅で歩けばよいの

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    2020年08月19日
  • 花鳥の夢

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    安土桃山時代に活躍した、狩野永徳が主人公。

    曽祖父の代に始まった狩野一門は、足利将軍家、織田信長、豊臣秀吉など、時の権力者に愛された御用絵師の家系だから、永徳は生まれながらにしての、絵師の家の棟梁。
    小説の主人公としては、少し感情移入し難い立場の人物だ。
    なぜならば、芸術家の一代記となるとどうしても、「カビの生えた伝統をぶち破る風雲児」…的なキャラクターが愛される。
    狩野派といえば、そういったニューカマーに対してはどちらかと言えば「敵」の立ちはだかる壁側だからだ。
    (実際に永徳は、長谷川等伯に発注された仕事を圧力を掛けて取り上げたりもしている)

    しかし、有名な絵師の家といっても、いいかげん

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    2020年05月20日
  • 花鳥の夢

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    ネタバレ

    狩野永徳を主人公にした小説。歴史にうといが、狩野派や永徳の活躍した時代のイメージがつかめた。もはや狩野家は大企業のような規模、永徳の悩みとかは大企業の幹部の悩みって感じかも。

    資産や歴史、格式のある家の跡取りとして生まれた永徳。エリート意識も高いなかで、絵師として新しい画風を開拓したいという葛藤もあり、恵まれている環境に苦しめられもする。永徳と対照的に描かれる、等伯の人柄ととらわれない画風がさらにその悩みを際立てる。

    男社会の描きかた、矜持との葛藤などがテーマのように思った。あまりそういうところと、絵画の技術的なところには実感を持たなかったので、少し文字が上滑りしたところがあった。

    面白

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    2020年03月28日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    時代小説とは言いながら、動物小説でもあり実に骨太の内容で読み応え十分である。お市の方とのからみなどもアクセントとして効果的である。おすすめ。

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    2020年03月04日